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公開番号2021058043
公報種別公開特許公報(A)
公開日20210408
出願番号2019181506
出願日20191001
発明の名称太陽電池パネルの検査装置、及び検査方法
出願人株式会社アイテス,東北電力株式会社
代理人個人
主分類H02S 50/15 20140101AFI20210312BHJP(電力の発電,変換,配電)
要約【課題】屋外でのEL検査において、欠陥を高精度に判定できる鮮明な画像を簡便な構成で得ることが可能な太陽電池パネルの検査装置を提供する。
【解決手段】エレクトロルミネッセンスを利用した太陽電池パネルPの検査装置1であって、太陽電池パネルPの起電力以上の電圧で直流電流を供給する直流電源10と、太陽電池パネルPと直流電源10との接続を開閉する開閉手段20と、太陽電池パネルPを撮影する撮影手段30と、開閉手段20が閉の状態で撮影手段30により撮影された画像と、開閉手段20が開の状態で撮影手段30により撮影された画像とから診断画像を生成する生成手段40とを備える。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
エレクトロルミネッセンスを利用した太陽電池パネルの検査装置であって、
前記太陽電池パネルの起電力以上の電圧で直流電流を供給する直流電源と、
前記太陽電池パネルと前記直流電源との接続を開閉する開閉手段と、
前記太陽電池パネルを撮影する撮影手段と、
前記開閉手段が閉の状態で前記撮影手段により撮影された画像と、前記開閉手段が開の状態で前記撮影手段により撮影された画像とから診断画像を生成する生成手段と
を備える太陽電池パネルの検査装置。
続きを表示(約 910 文字)【請求項2】
前記太陽電池パネルの端子間の電位差を測定する測定手段をさらに備え、
前記直流電源は、前記測定手段により測定された電位差以上の電圧で直流電力を供給する請求項1に記載の太陽電池パネルの検査装置。
【請求項3】
前記撮影手段は、波長が960nm以上の光を透過する赤外透過フィルタを有する請求項1又は2に記載の太陽電池パネルの検査装置。
【請求項4】
前記撮影手段は、ワイヤーグリッドを備えた偏光フィルタを有する請求項1〜3の何れか一項に記載の太陽電池パネルの検査装置。
【請求項5】
前記診断画像は、前記開閉手段が閉の状態で撮影された画像と前記開閉手段が開の状態で撮影された画像との差分を取った差分画像、又は前記開閉手段が閉の状態で撮影された画像を前記開閉手段が開の状態で撮影された画像で除した除算画像である請求項1〜4の何れか一項に記載の太陽電池パネルの検査装置。
【請求項6】
前記撮影手段は、前記開閉手段が閉の状態で前記太陽電池パネルを複数回撮影し、
前記生成手段は、前記開閉手段が閉の状態で撮影された画像毎に、前記差分画像又は前記除算画像を生成し、得られた複数の差分画像又は複数の除算画像の積算処理により前記診断画像を生成する請求項5に記載の太陽電池パネルの検査装置。
【請求項7】
エレクトロルミネッセンスを利用した太陽電池パネルの検査方法であって、
直流電源と接続されていない状態で、前記太陽電池パネルを撮影する第1撮影工程と、
前記直流電源の電圧を、前記太陽電池パネルの起電力以上の電圧に設定する電圧設定工程と、
前記太陽電池パネルと前記直流電源とを接続し、前記太陽電池パネルに順バイアス電流を印加する接続工程と、
前記直流電源と接続されている状態で、前記太陽電池パネルを撮影する第2撮影工程と、
前記第1撮影工程において撮影された画像と、前記第2撮影工程において撮影された画像とから診断画像を生成する生成工程と
を包含する太陽電池パネルの検査方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、エレクトロルミネッセンスを利用した太陽電池パネルの検査装置、及び検査方法に関する。
続きを表示(約 8,800 文字)【背景技術】
【0002】
太陽電池パネルは、製造時や出荷前に「クラック(マイクロクラックを含む)」や「断線」等の欠陥の有無が検査される。しかしながら、クラック等の機械的欠陥は、屋外に設置された太陽電池パネルにおいても、施工時の衝撃や風雨による損傷によっても生じることがある。そのため、太陽光発電によって長期的に安定したエネルギーを供給するためには、屋外に設置した後も、太陽電池パネルに欠陥が生じていないかを定期的に検査する必要がある。
【0003】
太陽電池パネルにおける欠陥の有無を検査する方法の一つに、エレクトロルミネッセンス(EL)を利用したEL検査法が知られている。EL検査法とは、太陽電池に電流(順バイアス電流)を印加したときに太陽電池が発光する現象(これを、エレクトロルミネッセンス現象と言う。)を利用した検査法である。太陽電池パネルに欠陥等が存在すると、欠陥箇所ではELの発光強度が低下する。そのため、EL発光によって得られた情報から太陽電池パネルの欠陥を検知することができる。通常、製造時や出荷前の検査では、暗室内でEL検査法を実施することで、欠陥を高精度に検出できる。一方、屋外に設置後の太陽電池パネルをEL検査法により検査するには、太陽電池パネルの表面における太陽光の反射光や、環境からの散乱光等のノイズを除去する必要がある。
【0004】
例えば、特許文献1では、交流電流を印加した太陽電池パネルを撮影し、得られたカメラ信号を、変調周波数を使用したロックイン法により評価することで、ノイズを除去した画像を生成している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特許第6376606号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
EL検査法において、稼動している太陽電池パネルを設置済みの状況で検査するために、簡便で経済的な検査装置が望まれる。しかしながら、特許文献1の検査方法は、太陽電池パネルに交流電流を印加するものであり、EL発光が生じる印加電流のサイクルに合わせて、精密なタイミングでカメラをロックイン制御しなければならないため、検査装置が大掛かりで高額なものとなっていた。
【0007】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、屋外でのEL検査において、欠陥を高精度に判定できる鮮明な画像を簡便な構成で得ることが可能な太陽電池パネルの検査装置、及び検査方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するための本発明に係る太陽電池パネルの検査装置の特徴構成は、
エレクトロルミネッセンスを利用した太陽電池パネルの検査装置であって、
前記太陽電池パネルの起電力以上の電圧で直流電流を供給する直流電源と、
前記太陽電池パネルと前記直流電源との接続を開閉する開閉手段と、
前記太陽電池パネルを撮影する撮影手段と、
前記開閉手段が閉の状態で前記撮影手段により撮影された画像と、前記開閉手段が開の状態で前記撮影手段により撮影された画像とから診断画像を生成する生成手段と
を備えることにある。
【0009】
本構成の太陽電池パネルの検査装置によれば、太陽電池パネルと直流電源との接続を開閉する開閉手段を備えることにより、開閉手段が閉の状態でEL発光が生じている太陽電池パネルの画像と、開閉手段が開の状態でEL発光が生じていない太陽電池パネルの画像とを簡便な構成で容易に撮影することができ、これらの画像から診断画像を生成することにより、太陽光や環境からの散乱光によるノイズを除去して、クラック等の欠陥を高精度に検出することができる。
また、屋外でのEL検査においては、太陽電池パネルが起電力を有するため、太陽光パネルと直流電源との接続時に、突入電流が逆流することで直流電源が故障したり、電力供給が停止したりする虞がある。本構成の太陽電池パネルの検査装置では、直流電源が、太陽電池パネルの起電力以上の電圧で直流電力を供給するため、開閉手段が太陽電池パネルと直流電源との接続を開閉する際に、直流電源へ突入電流が逆流することが防止される。そのため、屋外でのEL検査において、ロックイン制御等の精密なタイミング制御の必要のない直流電源を用いて、欠陥を高精度に判定できる鮮明な画像を得ることができる。
【0010】
本発明に係る太陽電池パネルの検査装置において、
前記太陽電池パネルの端子間の電位差を測定する測定手段をさらに備え、
前記直流電源は、前記測定手段により測定された電位差以上の電圧で直流電力を供給することが好ましい。
【0011】
本構成の太陽電池パネルの検査装置によれば、太陽電池パネルの端子間の電位差を測定する測定手段をさらに備え、直流電源が、測定手段により測定された電位差以上の電圧で直流電力を供給することにより、天候や日射量の変動に伴って太陽電池パネルの起電力が変動した場合にも、常に太陽電池パネルの起電力以上の電圧で直流電流を印加することができる。そのため、開閉手段が太陽電池パネルと直流電源との接続を開閉する際に、直流電源へ突入電流が逆流することを確実に防ぐことができる。
【0012】
本発明に係る太陽電池パネルの検査装置において、
前記撮影手段は、波長が960nm以上の光を透過する赤外透過フィルタを有することが好ましい。
【0013】
本構成の太陽電池パネルの検査装置によれば、撮影手段が、波長が960nm以上の光を透過する赤外透過フィルタを有することにより、太陽光の可視光成分によるノイズを低減して、太陽電池パネルがEL光として発する近赤外光を鮮明に撮影することができる。
【0014】
本発明に係る太陽電池パネルの検査装置において、
前記撮影手段は、ワイヤーグリッドを備えた偏光フィルタを有することが好ましい。
【0015】
通常、太陽電池パネルは、光を効率よく吸収する目的で、カバーガラス上に酸化チタン、窒化ケイ素等からなる反射防止層が設けられ、その表面に凹凸の加工が施されている。このため、太陽光の一部が反射防止層の表面で乱反射し、乱反射光がノイズとしてEL光に重なることにより、欠陥検査の精度が低下する虞がある。本構成の太陽電池パネルの検査装置によれば、撮影手段がワイヤーグリッドを備えた偏光フィルタを有することにより、太陽電池パネルの表面での乱反射により偏光方向に乱れが生じている乱反射光を分離して、ノイズを低減することができる。特に、ワイヤーグリッドは近赤外領域において偏光を分離することができるため、乱反射光の近赤外成分によるノイズを低減して、太陽電池パネルがEL光として発する近赤外光をより鮮明に撮影することができる。
【0016】
本発明に係る太陽電池パネルの検査装置において、
前記診断画像は、前記開閉手段が閉の状態で撮影された画像と前記開閉手段が開の状態で撮影された画像との差分を取った差分画像、又は前記開閉手段が閉の状態で撮影された画像を前記開閉手段が開の状態で撮影された画像で除した除算画像であることが好ましい。
【0017】
本構成の太陽電池パネルの検査装置によれば、診断画像が、開閉手段が閉の状態で撮影された画像と開閉手段が開の状態で撮影された画像との差分を取った差分画像、又は開閉手段が閉の状態で撮影された画像を開閉手段が開の状態で撮影された画像で除した除算画像であることにより、診断画像は、ノイズが低減され、太陽電池パネルの欠陥を高精度に判定できる鮮明な画像となる。
【0018】
本発明に係る太陽電池パネルの検査装置において、
前記撮影手段は、前記開閉手段が閉の状態で前記太陽電池パネルを複数回撮影し、
前記生成手段は、前記開閉手段が閉の状態で撮影された画像毎に、前記差分画像又は前記除算画像を生成し、得られた複数の差分画像又は複数の除算画像の積算処理により前記診断画像を生成することが好ましい。
【0019】
本構成の太陽電池パネルの検査装置によれば、撮影手段が、開閉手段が閉の状態で太陽電池パネルを複数回撮影し、生成手段が、開閉手段が閉の状態で撮影された画像毎に、差分画像又は除算画像を生成し、得られた複数の差分画像又は複数の除算画像の積算処理により診断画像を生成することにより、診断画像は、ノイズが低減され、太陽電池パネルの欠陥をより高精度に判定できる鮮明な画像となる。
【0020】
上記課題を解決するための本発明に係る太陽電池パネルの検査方法の特徴構成は、
エレクトロルミネッセンスを利用した太陽電池パネルの検査方法であって、
直流電源と接続されていない状態で、前記太陽電池パネルを撮影する第1撮影工程と、
前記直流電源の電圧を、前記太陽電池パネルの起電力以上の電圧に設定する電圧設定工程と、
前記太陽電池パネルと前記直流電源とを接続し、前記太陽電池パネルに順バイアス電流を印加する接続工程と、
前記直流電源と接続されている状態で、前記太陽電池パネルを撮影する第2撮影工程と、
前記第1撮影工程において撮影された画像と、前記第2撮影工程において撮影された画像とから診断画像を生成する生成工程と
を包含することにある。
【0021】
本構成の太陽電池パネルの検査方法によれば、第1撮影工程と、第2撮影工程とにより、EL発光が生じている太陽電池パネルの画像と、EL発光が生じていない太陽電池パネルの画像とを容易に撮影することができ、これらの画像から診断画像を生成することにより、太陽光や環境からの散乱光によるノイズを除去して、クラック等の欠陥を高精度に検出することができる。
また、屋外でのEL検査においては、太陽電池パネルが起電力を有するため、太陽光パネルと直流電源との接続時に、突入電流が逆流することで直流電源が故障したり、電力供給が停止したりする虞がある。本構成の太陽電池パネルの検査方法では、電圧設定工程において直流電源の電圧を、太陽電池パネルの起電力以上の電圧に設定するため、接続工程において太陽電池パネルと直流電源とを接続する際に、直流電源へ突入電流が逆流することが防止される。そのため、屋外でのEL検査において、直流電源を用いて、欠陥を高精度に判定できる鮮明な画像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1は、本発明の太陽電池パネルの検査装置の概略構成図である。
図2(a)は、シリコン結晶型太陽電池におけるEL光の分光特性を示す図であり、図2(b)は、太陽光の分光特性を示す図であり、図2(c)は、シリコン半導体受光素子の分光感度特性を示す図である。
図3(a)は、単独の差分画像の一例であり、図3(b)、及び図3(c)は、複数の差分画像を積算した積算画像の一例である。
図4(a)は、単独の除算画像の一例であり、図4(b)、及び図4(c)は、複数の除算画像を積算した積算画像の一例である。
図5は、暗室内で太陽電池パネルのEL発光を撮影した画像である。
図6は、本発明の太陽電池パネルの検査方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の太陽電池パネルの検査装置、及び検査方法に関する実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。ただし、本発明は、以下に説明する構成に限定されることを意図しない。
【0024】
〔太陽電池パネルの検査装置〕
図1は、本発明の太陽電池パネルの検査装置1の概略構成図である。図1に示すように、検査装置1は、屋外において太陽光Lが照射され、起電力が生じている状態の太陽電池パネルPを検査対象とし、太陽電池パネルPに電流を印加したときに生じるEL発光を利用して太陽電池パネルPを検査する装置である。太陽電池パネルPは、一般に、太陽電池セルが複数接続された太陽電池モジュールとして構成される。太陽電池セルは、負の電荷を有する電子を多く含むn型半導体と、正の電荷を有するホールを多く含むp型半導体とが接合されたものであり、接合面には電子もホールもない空乏層と呼ばれる領域が形成され、この空乏層には電界が生じる。空乏層に太陽光Lが入射すると光が半導体に吸収されて電子とホールが生じ、これらが電界で押し出されることにより、pn接合の逆バイアス方向に電流を流す起電力、即ち、太陽電池パネルPのp端子が高電位、n端子が低電位となる起電力が生じる。本発明の検査装置1は、例えば、48〜72枚の太陽電池セルが直列に接続され、36〜50Vの起電力を有する太陽電池モジュールとしての太陽電池パネルPの検査に使用可能である。太陽電池パネルPは、家屋の屋根等に設置される場合、通常、複数枚の太陽電池パネルPが直列に接続され、起電力を300V程度に高めた太陽電池ストリングを構成した状態で設置される。図1では説明の簡略化のために太陽電池パネルPを1枚のみ図示しているが、本発明の検査装置1の検査対象は、1枚の太陽電池パネルPに限らず、複数枚の太陽電池パネルPを接続した太陽電池ストリングとすることも可能である。検査対象の太陽電池パネルPとしては、例えば、単結晶シリコン型太陽電池、多結晶シリコン型太陽電池、CIGS{銅(Copper)−インジウム(Indium)−ガリウム(Gallium)−セレン(Selenium)}系化合物太陽電池等が挙げられる。
【0025】
図1に示すように、検査装置1は、太陽電池パネルPの起電力以上の電圧で直流電流を印加する直流電源10と、太陽電池パネルPと直流電源10との接続を開閉する開閉手段20と、太陽電池パネルPを撮影する撮影手段30と、撮影手段30で撮影された太陽電池パネルPの画像を処理することにより診断画像を生成する生成手段40とを備えている。また、任意の構成要素として、太陽電池パネルPの端子間の電位差を測定する測定手段50と、生成手段40によって生成された診断画像を表示する表示手段60と、各構成要素の動作を制御する制御手段70とを備えている。以下、検査装置1の各構成について詳細に説明する。
【0026】
<直流電源>
直流電源10は、太陽電池パネルPの起電力以上の電圧で直流電流を印加する電源であり、開閉手段20を介して太陽電池パネルPに接続される。直流電源10と開閉手段20との間には、ブロッキングダイオードが挿入されていることが好ましい。直流電源10と太陽電池パネルPとの接続は、直流電源10の正極が太陽電池パネルPのp端子側、直流電源10の負極が太陽電池パネルPのn端子側となっている。太陽光Lが照射されている状態では、太陽電池パネルPにはp端子が高電位、n端子が低電位となる起電力、即ち、直流電源10に電流を逆流させる向きの起電力が生じているが、直流電源10は、太陽電池パネルPの起電力以上の電圧で直流電流を印加するため、開閉手段20が太陽電池パネルPと直流電源10との接続を開閉する際に、太陽電池パネルPの起電力に起因する突入電流が直流電源10へ逆流することや、ブロッキングダイオードの故障もしくは短絡や断線を防止することができる。ここで、「太陽電池パネルPの起電力以上の電圧」とは、必ずしも、検査対象の太陽電池パネルPの最大動作電圧(例えば、36V)以上の電圧である必要はなく、検査時の日射量に応じて太陽電池パネルPに生じた起電力以上の電圧であればよい。そのため、直流電源10の印加電圧は、太陽電池パネルPの開放電圧(例えば、36V)以上の電圧や、太陽電池パネルPの設置環境や稼働実績から予測される起電力以上の電圧に予め設定(プリセット設定)してもよいし、検査時の日射量に応じて太陽電池パネルPに生じている起電力をリアルタイムで測定し、測定値以上の電圧に設定(リアルタイム設定)してもよい。図1の例では、測定手段50により太陽電池パネルPのp端子−n端子間の電位差を測定し、直流電源10は、測定値以上の電圧で直流電流を印加するように、制御手段70により制御される。直流電源10の印加電圧が、測定手段50により測定された太陽電池パネルPのp端子−n端子間の電位差以上の電圧であれば、天候や日射量の変動に伴って太陽電池パネルPの起電力が変動した場合にも、常に太陽電池パネルPの起電力以上の電圧で直流電流を印加することが可能となる。
【0027】
直流電源10には、定電圧モードと定電流モードとを切り替え可能な電源装置を用いることが好ましい。開閉手段20の開閉時には、定電圧モードにより一定の電圧を出力することで、太陽電池パネルPの起電力以上の電圧を確実に維持することができる。通常、シリコン結晶型太陽電池パネルPにおいては、8〜20Aの電流を印加することでEL発光が生じるため、開閉手段20が閉じられた状態では、定電流モードにより一定の電流を印加することで、EL発光を安定させることができる。例えば、家庭用の太陽電池発電設備において、8枚以下の太陽電池パネルが直列に接続され、太陽電池パネル1枚当たりの起電力が36Vであるものを検査対象とすることを想定すると、直流電源10には、定電圧モードにおいて、30〜300Vの範囲の電圧値が設定可能であり、定電流モードにおいて、1〜30Aの電流値が設定可能である電源装置を用いることが好ましい。また、電気事業法における低圧の太陽電池発電設備を検査対象とすることを想定すると、直流電源10には、定電圧モードにおいて、30〜750Vの範囲の電圧値が設定可能である電源装置を用いることが好ましい。定電圧モードと定電流モードとの切り替え、及び各モードでの電圧値、電流値の設定は、図1に示す例では、制御手段70により制御されるが、本発明の検査装置1は、これらの切り替え、及び設定を検査員が操作するように構成することも可能である。
【0028】
<開閉手段>
開閉手段20は、直流電源10と太陽電池パネルPとの間に挿入されたスイッチである。太陽電池パネルPの起電力に起因する突入電流から直流電源10をより確実に保護するためには、直流電源10の正極と太陽電池パネルPのp端子との間、及び直流電源10の負極と太陽電池パネルPのn端子との間を夫々開閉可能であることが好ましく、特に、双極単投スイッチであることが好ましい。開閉手段20には、半導体スイッチ、及び機械式スイッチの何れを用いることも可能である。開閉手段20の開閉は、図1に示す例では、制御手段70により制御されるが、本発明の検査装置1は、検査員の操作により開閉手段20を開閉するように構成することも可能である。
【0029】
開閉手段20を閉じた状態では、太陽電池パネルPの起電力とは逆向きの電流、即ち、順バイアス電流が流れ、太陽電池パネルPでは、EL発光が生じて、EL光L1が出射される。このとき、太陽光Lの一部は、太陽電池パネルPの表面で乱反射した乱反射光L2となる。従って、開閉手段20を閉じた状態では、太陽電池パネルPからの光は、EL光L1と乱反射光L2とが重なったものとなる。一方、開閉手段20を開いた状態では、太陽電池パネルPには順バイアス電流が流れないため、EL発光が生じない。従って、開閉手段20を開いた状態では、太陽電池パネルPからの光は、太陽電池パネルPの表面で乱反射した乱反射光L2のみとなる。このように、開閉手段20が閉じた状態、又は開いた状態にしてEL検査を行うと、夫々異なった現象が観測される。
【0030】
<撮影手段>
撮影手段30は、太陽電池パネルPを撮影するものであり、カメラ31と、カメラ31に装着された筒状のフード32と、フード32の内側に配された赤外透過フィルタ33と、偏光フィルタ34とを有する。撮影手段30は、カメラ31が太陽電池パネルPの全体を確実に撮影できるように、最適な位置にセットされる。複数の太陽電池パネルPが接続された太陽電池ストリングを検査対象とする場合には、撮影手段30は、カメラ31が太陽電池ストリングの全体を撮影できる位置にセットされることが好ましい。例えば、家屋の屋根等に設置された太陽電池パネルPを検査対象とすることを想定すると、太陽電池パネルPの全体を撮影できる位置に撮影手段30をセットするために、高所作業車のバスケット等に撮影手段30を設けることが好ましい。また、検査対象の太陽電池パネルPがより高所にあり、撮影環境が厳しい場合は、撮影手段30を小型無人航空機(ドローン等)に搭載することも可能である。
(【0031】以降は省略されています)

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