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公開番号2021058035
公報種別公開特許公報(A)
公開日20210408
出願番号2019181112
出願日20191001
発明の名称固定子及び回転電機
出願人株式会社日立産機システム
代理人特許業務法人開知国際特許事務所
主分類H02K 3/493 20060101AFI20210312BHJP(電力の発電,変換,配電)
要約【課題】磁性楔の比透磁率を所望の値に到達させることが容易な固定子を提供する。
【解決手段】複数のスロット132の開口部135に磁性楔17を備える固定子13であって、磁性楔17は、平均粒径が60μm以下の軟磁性材料粉末と、合成樹脂との混合体である。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
複数のスロットの開口部に磁性楔を備える固定子であって、
前記磁性楔は、平均粒径が60μm以下の軟磁性材料粉末と、合成樹脂との混合体であることを特徴とする固定子。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
請求項1記載の固定子であって、
前記磁性楔は、前記混合体における前記軟磁性材料粉末の割合が60%以下であることを特徴とする固定子。
【請求項3】
請求項1記載の固定子であって、
前記磁性楔は、前記混合体における前記軟磁性材料粉末の割合が58%以上であることを特徴とする固定子。
【請求項4】
請求項1記載の固定子であって、
前記磁性楔には、少なくとも1つの第1部分と複数の第2部分が前記固定子の中心軸に対して周方向に配列され、
前記少なくとも1つの第1部分は、前記複数の第2部分より前記軟磁性材料粉末の含有量が少なく、前記複数の第2部分の2つにより挟まれていることを特徴とする固定子。
【請求項5】
請求項4記載の固定子であって、
前記磁性楔が1つの前記第1部分と2つの前記第2部分を備えることを特徴とする固定子。
【請求項6】
請求項4記載の固定子であって、
前記磁性楔が2つの前記第1部分と3つの前記第2部分を備えることを特徴とする固定子。
【請求項7】
複数のスロットの開口部に磁性楔を備える回転電機であって、
前記磁性楔は、平均粒径が60μm以下の軟磁性材料粉末と、合成樹脂との混合体であることを特徴とする回転電機。
【請求項8】
請求項7記載の回転電機であって、
前記磁性楔は、前記軟磁性材料粉末の前記合成樹脂に対する割合が60%以下の混合体であることを特徴とする回転電機。
【請求項9】
請求項7記載の回転電機であって、
前記磁性楔は、前記軟磁性材料粉末の前記合成樹脂に対する割合が58%以上の混合体であることを特徴とする回転電機。
【請求項10】
請求項7記載の回転電機であって、
前記磁性楔には、少なくとも1つの第1部分と複数の第2部分が前記回転電機の回転軸に対して周方向に配列され、
前記少なくとも1つの第1部分は、前記複数の第2部分より前記軟磁性材料粉末の含有量が少なく、前記複数の第2部分の2つにより挟まれていることを特徴とする回転電機。
【請求項11】
請求項10記載の回転電機であって、
前記磁性楔が1つの前記第1部分と2つの前記第2部分を備えることを特徴とする回転電機。
【請求項12】
請求項10記載の回転電機であって、
前記磁性楔が2つの前記第1部分と3つの前記第2部分を備えることを特徴とする回転電機。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、固定子及び回転電機に関する。
続きを表示(約 4,800 文字)【背景技術】
【0002】
ステータコアに備わるスロットがロータコアに対して開口する回転電機は、開口する部分(スロット開口部)でステータコアとロータコアの間隔が広がる。そのため、回転電機の起動時に、ステータコアとロータコアの間隔が変動することによる高調波磁束が発生し、回転電機に損失(高調波損失)を発生させている。この高調波損失を低減する目的で、ステータコアのスロット開口部に、軟磁性材料粉末と合成樹脂の混合体である磁性楔を設けた回転電機が特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
国際公開第2018/8738号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1は、磁性楔の密度と比透磁率の関係について、密度が増加するにつれて比透磁率も増加する単調増加の関係があることを開示している。
【0005】
そこで、発明者は、比透磁率が所望の値となる磁性楔を作製するために当該所望の値から磁性楔の密度の目標値(計算密度)を演算し、磁性楔の密度を当該目標値とするために必要な鉄粉(軟磁性材料粉末)と合成樹脂の分量(体積)を両者の比重からそれぞれ演算し、演算した分量の鉄粉と合成樹脂を混合して磁性楔を作製した。ところが、作製された磁性楔の実際の密度は計算密度に比べて低く、比透磁率を所望の値に到達させることができなかった。
【0006】
また、磁性楔の作製に際しては、磁性楔の密度を増加する目的で混合体に含まれる軟磁性材料粉末の割合を過剰に大きくすると、軟磁性材料粉末の増加に応じて混合体の流動性が低下する点に留意しなければならない。混合体の流動性が低下すると、スロット開口部に均一に充填することが困難となり、磁性楔の製作作業性が悪化するだけでなく、場合によっては磁性楔の製作が不可能となるおそれもあるからである。
【0007】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、磁性楔の比透磁率を所望の値に到達させることが容易な固定子を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明は、複数のスロットの開口部に磁性楔を備える固定子であって、前記磁性楔は、平均粒径が60μm以下の軟磁性材料粉末と、合成樹脂との混合体であることとする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、磁性楔における軟磁性材料粉末の割合を過剰に大きくすることなく磁性楔の密度を容易に向上できるため、磁性楔の比透磁率を所望の値に到達させることが容易である。上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本発明の第1実施形態に係る回転電機の断面図である。
本発明の第1実施形態に係る磁性楔を備える前の固定子の部分断面図である。
本発明の第1実施形態に係る磁性楔を備えた固定子の部分断面図である。
本発明の第1実施形態の実施例に係る磁性楔の鉄粉割合と密度の関係を鉄粉の平均粒径ごとに示し、計算密度と比較したグラフである。
本発明の第2実施形態に係る磁性楔の断面図である。
本発明の第2実施形態に係る磁性楔の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を用いて、本発明の第1及び第2の実施形態による回転電機の構成及び動作について説明する。なお、各図において、同一符号は同一部分を示す。
【0012】
(第1実施形態)
図1は、本実施形態に係る回転電機の断面図である。回転電機100は、回転軸(シャフト)11に固定された回転子(ロータ)12と、ロータ12の外側に設置された固定子(ステータ)13とを有する。
【0013】
ロータ12は、所定の形状に打ち抜いた複数の電磁鋼板を積層した積層コアであるロータコア121と、ロータコア121のスロット内に挿入された二次導体122と、を有している。
【0014】
ステータ13は、所定の形状に打抜いた複数の電磁鋼板等の軟磁性薄板を積層した積層コアであるステータコア131と、ステータコア131のスロット132内に挿入されたコイル133とを有している。ステータコア131の内周は、エアギャップを介してロータ12の外周と対向している。
【0015】
スロット132は、ステータコア131に備わる円環状のバックコア136からロータ12に向かって径方向に延びる複数のティース(歯)134のうち隣合う2つのティース134の間に形成された溝である。スロット132のロータ12側の端部は開口し、スロット開口部135が形成されている。
【0016】
図2は、本実施形態に係る磁性楔17を備える前のステータ13の部分断面図である。ステータ13に形成されたスロット開口部135は、ティース134の端部から周方向に突出する突起部137により開口幅が狭められ、半閉型に形成されている(セミオープン・スロット型)。
【0017】
スロット132内には、絶縁シート例えばPET(ポリエチレンテレフタレート)シートにより形成されたスロットライナー14、15と、コイル133とが配置されている。スロットライナー14はスロット132の内壁に貼り付けられたシートで、コイル133がスロット132の内壁に接触することを防ぎ、コイル133とステータコア131とを絶縁している。スロットライナー15は磁性楔17とコイル133を隔てるシートで、コイル133を覆うようにスロット132内に配置され、スロットライナー15のロータ12方向の外側にはスロット開口部135と空隙部137が形成されている。
【0018】
コイル133は、導線例えば銅やアルミ等にエナメル等の絶縁材が被覆された金属線で、スロットライナー14、15により囲まれ、ステータコア131と磁性楔17に接触しないように配置されている。スロット132内に配置されたコイル133は結線されコイルエンド加工をされた後に、不飽和ポリエステル系ワニス等の固着ワニスにより、スロットライナー14、15とともにステータコア131に対して固着される。
【0019】
図3は、本実施形態に係る磁性楔17を備えた固定子13の部分断面図である。磁性楔17は、軟磁性材料粉末と合成樹脂を混錬した混合体を、スロット開口部135と空隙部137(図2参照)に充填して硬化させたものである。本実施形態では軟磁性材料粉末として鉄粉を利用している。
【0020】
軟磁性材料粉末の平均粒径は60μm以下とする。これは、軟磁性材料粉末の平均粒径が大きいほど、磁性楔(混合体)における軟磁性材料粉末の割合が増加するにつれて磁性楔の密度が計算密度から乖離する度合いが大きくなる傾向があり、特に平均粒径が60μmを超える場合には、磁性楔の密度を増加する目的で混合体における軟磁性材料粉末の割合を増加すると、混合体の流動性が著しく低下してスロット開口部135と空隙部137に均一に充填することが困難となり、実用に耐え得る磁性楔(固定子)の作製が困難になるからである。
【0021】
なお、磁性楔17の作製に際し、スロット開口部135と空隙部137に混合体を均一に充填可能な流動性を確保するためには、軟磁性材料粉末と合成樹脂から成る混合体における軟磁性材料粉末の割合(鉄粉割合)を60%以下とすることが好ましい。
【0022】
(実施例)
IEC(国際電気標準会議:International Electrotechnical Commission)の国際高効率規格に規定されるIE4に適合した回転電機100を、磁性楔17の比透磁率を高めることにより作製すべく試作を行った。
【0023】
具体的には、国際高効率規格に規定されるIE3に適合した回転電機100の固定子13に、軟磁性材料粉末の粒径と鉄粉割合を変えた磁性楔17を装着し、効率を測定した。また、軟磁性材料粉末には、水アトマイズ法により作製された平均粒径が75μmと60μmの鉄粉を用い、合成樹脂はエポキシ樹脂を用いた。
【0024】
図4は、本実施例に係る磁性楔17の鉄粉割合と密度の関係を鉄粉の平均粒径ごとに示し、エポキシ樹脂と鉄粉の混合比率から計算した密度(計算密度)と比較したグラフである。
【0025】
最初に、平均粒径が75μmの鉄粉により形成された磁性楔17を備える回転電機100について、IE4に適合させるべく磁性楔17の鉄粉割合を増加させた。そうしたところ、回転電機100がIE4に適合する効率になる前に混合体は流動性が低下し、スロット開口部135と空隙部137に混合体を均一に充填することが困難となった。そのため、平均粒径が75μmの鉄粉により形成された磁性楔17を備える回転電機100はIE4に適合できなかった。
【0026】
一方、平均粒径が60μmの鉄粉により形成された磁性楔17を備える回転電機100について、IE4に適合させるべく磁性楔17における鉄粉割合を増加させた。混合体の鉄粉割合を58%としたところ、従前の固定子ではIE3だった回転電機100の効率をIE4に適合させることができた。そのときの磁性楔17の密度は4.9×10
−6
kg/mm

であった(図4参照)。このことから、少なくとも本実施例で使用した回転電気100の仕様では、軟磁性材料粉末の平均粒径を60μm以下とし、混合体における軟磁性材料粉末の割合を58%以上とした磁性楔17を作製すれば、回転電気の効率をIE4に適合できることが判った。
【0027】
また、図4に示すように、磁性楔17の密度は、鉄粉の平均粒径によらず、鉄粉割合が大きくなると計算密度から乖離する傾向があり、鉄粉割合の増加に対する密度の上昇が計算密度より低い。一方、鉄粉割合が同じ場合の磁性楔17の密度は、平均粒径が75μmの場合より60μmの場合の方が大きく、磁性楔17を形成する軟磁性材料粉末の平均粒径を小さくすることにより、磁性楔17の密度を大きくすることができる。
【0028】
したがって、本実施形態に係る固定子13は、磁性楔17を備え、磁性楔17は、平均粒径が60μm以下の軟磁性材料粉末と、合成樹脂との混合体である。このことにより、固定子13に密度の大きい磁性楔を容易に形成することができ、磁性楔の比透磁率を所望の値に到達させることが容易である。
【0029】
また、本実施形態に係る回転電機100は、磁性楔17を備え、磁性楔17は、混合体における軟磁性材料粉末の割合が60%以下である。このことにより、磁性楔17の作製に際し、スロット開口部135と空隙部137に混合体を均一に充填可能な流動性を確保することができる。
【0030】
また、本実施形態に係る回転電機100は、磁性楔17を備え、磁性楔17は、混合体における軟磁性材料粉末の割合が58%以上である。このことにより、IE4に適合する回転電機100を作製することができる。
(【0031】以降は省略されています)

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