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公開番号2021055781
公報種別公開特許公報(A)
公開日20210408
出願番号2019180633
出願日20190930
発明の名称車両用駆動装置
出願人アイシン・エィ・ダブリュ株式会社
代理人特許業務法人R&C
主分類F16H 57/021 20120101AFI20210312BHJP(機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段)
要約【課題】ロータ軸と同軸に配置される第1ギヤが、ロータ軸とは別の伝動軸に設けられる場合において、ロータ軸及び伝動軸の支持精度を適切に確保しつつ軸受の数を減らすことが可能な技術を実現する。
【解決手段】ロータ軸13Aの内周面に、ロータ軸13Aを伝動軸14Aに連結するための第1連結部20Aが形成され、伝動軸14Aにおける第1ギヤ4Aに対して軸方向第2側L2の部分の外周面に、伝動軸14Aをロータ軸13Aに連結するための第2連結部20Bが形成される。第2連結部20Bは、第1連結部20Aに対して周方向Cに係合していると共に、第1連結部20Aに対して軸方向第1側L1及び径方向Rの内側から当接する。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
ロータを備えた回転電機と、
前記ロータと一体的に回転するロータ軸と、
前記ロータ軸と同軸に配置される軸であって、前記ロータ軸に対して軸方向の一方側である軸方向第1側に第1ギヤを備えた伝動軸と、
前記ロータ軸と別軸に配置されて車輪に駆動連結されるギヤであって、前記第1ギヤに噛み合う第2ギヤと、
前記ロータに対して前記軸方向第1側に配置され、前記ロータ軸をケースに対して回転可能に支持する第1軸受と、
前記ロータに対して前記軸方向における前記軸方向第1側とは反対側である軸方向第2側に配置され、前記ロータ軸を前記ケースに対して回転可能に支持する第2軸受と、
前記第1軸受に対して前記軸方向第1側に配置され、前記伝動軸を前記ケースに対して回転可能に支持する第3軸受と、を備え、
前記第1軸受は、前記ロータ軸に対して前記軸方向第1側及び径方向の外側から当接するように配置され、
前記第2軸受は、前記ロータ軸に対して前記軸方向第2側及び前記径方向の一方側から当接するように配置され、
前記第3軸受は、前記伝動軸に対して前記軸方向第1側及び前記径方向の一方側から当接するように配置され、
前記ロータ軸の内周面に、前記ロータ軸を前記伝動軸に連結するための第1連結部が形成され、
前記伝動軸における前記第1ギヤに対して前記軸方向第2側の部分の外周面に、前記伝動軸を前記ロータ軸に連結するための第2連結部が形成され、
前記第2連結部は、前記第1連結部に対して周方向に係合していると共に、前記第1連結部に対して前記軸方向第1側及び前記径方向の内側から当接している、車両用駆動装置。
続きを表示(約 2,000 文字)【請求項2】
前記第1連結部と前記第2連結部とが前記径方向に当接する径方向当接部が、前記第1軸受と前記第2軸受との前記軸方向の間に配置されている、請求項1に記載の車両用駆動装置。
【請求項3】
前記第1連結部と前記第2連結部とが前記周方向に係合する係合部が、前記第1連結部と前記第2連結部とが前記径方向に当接する径方向当接部に対して前記軸方向第1側又は前記軸方向第2側に配置されている、請求項1又は2に記載の車両用駆動装置。
【請求項4】
前記係合部が、前記径方向当接部に対して前記軸方向第1側に配置されている、請求項3に記載の車両用駆動装置。
【請求項5】
前記第1ギヤ及び前記第2ギヤは、はすば歯車であり、
前記回転電機が前記車輪を前進方向に駆動するトルクを出力している状態で前記第1ギヤが前記第2ギヤから受けるスラスト荷重が、前記軸方向第2側を向く荷重となるように、前記第1ギヤ及び前記第2ギヤのそれぞれの歯のねじれ方向が設定されている、請求項1から4のいずれか一項に記載の車両用駆動装置。
【請求項6】
前記第1ギヤは、前記第1軸受と前記第3軸受との間の前記軸方向の中央位置よりも、前記軸方向第1側に配置されている、請求項1から5のいずれか一項に記載の車両用駆動装置。
【請求項7】
前記ロータの回転を検出する回転センサが、前記ロータと前記第1軸受との前記軸方向の間に配置されている、請求項1から6のいずれか一項に記載の車両用駆動装置。
【請求項8】
前記ロータを第1ロータとし、前記回転電機を第1回転電機とし、前記ロータ軸を第1ロータ軸とし、前記伝動軸を第1伝動軸とし、前記車輪を第1車輪として、
前記第1ロータに対して前記軸方向第1側において前記第1ロータと同軸に配置された第2ロータを備えた第2回転電機と、
前記第2ロータと一体的に回転する第2ロータ軸と、
前記第2ロータ軸と同軸に配置される軸であって、前記第2ロータ軸に対して前記軸方向第2側であって前記第1ギヤに対して前記軸方向第1側に第3ギヤを備えた第2伝動軸と、
前記第2ギヤと同軸に配置されて第2車輪に駆動連結されるギヤであって、前記第3ギヤに噛み合う第4ギヤと、
前記第2ロータに対して前記軸方向第2側であって前記第3軸受に対して前記軸方向第1側に配置され、前記第2ロータ軸を前記ケースに対して回転可能に支持する第4軸受と、
前記第2ロータに対して前記軸方向第1側に配置され、前記第2ロータ軸を前記ケースに対して回転可能に支持する第5軸受と、
前記第4軸受に対して前記軸方向第2側であって前記第3軸受に対して前記軸方向第1側に配置され、前記第2伝動軸を前記ケースに対して回転可能に支持する第6軸受と、
前記第1車輪に駆動連結される第1出力部材と、
前記第1出力部材と同軸に配置されて前記第2車輪に駆動連結される第2出力部材と、
前記第2ギヤのトルクを前記第1出力部材及び前記第2出力部材のうちの少なくとも前記第1出力部材に伝達すると共に、前記第4ギヤのトルクを前記第1出力部材及び前記第2出力部材のうちの少なくとも前記第2出力部材に伝達する動力伝達装置と、を更に備え、
前記第4軸受は、前記第2ロータ軸に対して前記軸方向第2側及び前記径方向の外側から当接するように配置され、
前記第5軸受は、前記第2ロータ軸に対して前記軸方向第1側及び前記径方向の一方側から当接するように配置され、
前記第6軸受は、前記第2伝動軸に対して前記軸方向第2側及び前記径方向の一方側から当接するように配置され、
前記第2ロータ軸の内周面に、前記第2ロータ軸を前記第2伝動軸に連結するための第3連結部が形成され、
前記第2伝動軸における前記第3ギヤに対して前記軸方向第1側の部分の外周面に、前記第2伝動軸を前記第2ロータ軸に連結するための第4連結部が形成され、
前記第4連結部は、前記第3連結部に対して前記周方向に係合していると共に、前記第3連結部に対して前記軸方向第2側及び前記径方向の内側から当接している、請求項1から7のいずれか一項に記載の車両用駆動装置。
【請求項9】
前記動力伝達装置は、差動歯車装置を備え、
前記差動歯車装置は、回転速度の順に、第1回転要素、第2回転要素、第3回転要素、及び第4回転要素を備え、
前記第1回転要素に前記第2ギヤが駆動連結され、
前記第2回転要素に前記第1出力部材が駆動連結され、
前記第3回転要素に前記第2出力部材が駆動連結され、
前記第4回転要素に前記第4ギヤが駆動連結されている、請求項8に記載の車両用駆動装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ロータを備えた回転電機と、ロータと一体的に回転するロータ軸と、ロータ軸と同軸に配置される軸であって第1ギヤを備えた伝動軸と、ロータ軸と別軸に配置されて車輪に駆動連結されるギヤであって、第1ギヤに噛み合う第2ギヤと、を備えた車両用駆動装置に関する。
続きを表示(約 10,000 文字)【背景技術】
【0002】
上記のような車両用駆動装置の一例が、特開2019−94932号公報(特許文献1)に開示されている。以下、背景技術の説明において括弧内に示す符号は特許文献1のものである。特許文献1の車両用駆動装置(100)は、ロータ(12)を備えた回転電機(1)と、ロータ(12)と一体的に回転するロータ軸(13)と、ロータ軸(13)と同軸に配置される軸であって駆動ギヤ(22)を備えた入力部材(2)と、ロータ軸(13)と別軸に配置されて駆動ギヤ(22)に噛み合う第1ギヤ(32)と、を備えている。そして、第1ギヤ(32)は、カウンタギヤ機構(3)及び差動歯車装置(4)を介して車輪に駆動連結されている。
【0003】
このように、特許文献1の車両用駆動装置(100)では、ロータ軸(13)と別軸に配置された第1ギヤ(32)に噛み合うように、ロータ軸(13)と同軸に配置される駆動ギヤ(22)が、ロータ軸(13)とは別部材である入力部材(2)に設けられる。そのため、ロータ軸(13)の支持精度に加えて入力部材(2)の支持精度も適切に確保する必要があり、この車両用駆動装置(100)では、ロータ軸(13)を、第1ロータ軸受(91)と第2ロータ軸受(92)とにより軸方向(L)の2ヶ所で回転可能に支持し、入力部材(2)を、第1入力軸受(93)と第2入力軸受(94)とにより軸方向(L)の2ヶ所で回転可能に支持している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2019−94932号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のように、特許文献1の車両用駆動装置では、ロータ軸と別軸に配置された第2ギヤ(特許文献1での第1ギヤ)に噛み合うように、ロータ軸と同軸に配置される第1ギヤ(特許文献1での駆動ギヤ)が、ロータ軸とは別の伝動軸(特許文献1での入力部材)に設けられ、4つの軸受を用いてロータ軸及び伝動軸を支持している。仮に軸受の数を減らすことができれば、コストの低減等が可能となるが、特許文献1にはこの点についての記載はない。また、例えば、第1ギヤをロータ軸に設けてロータ軸を2つの軸受により支持すること(すなわち、伝動軸を廃止すること)が考えられるが、この場合、軸受の数を減らすことはできても、ロータ軸が長くなることで支持スパン(ロータ軸を支持する2つの軸受間の距離)が長くなり、ロータ軸の支持精度が低下しやすい。
【0006】
そこで、ロータ軸と同軸に配置される第1ギヤが、ロータ軸とは別の伝動軸に設けられる場合において、ロータ軸及び伝動軸の支持精度を適切に確保しつつ軸受の数を減らすことが可能な技術の実現が望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
車両用駆動装置は、ロータを備えた回転電機と、前記ロータと一体的に回転するロータ軸と、前記ロータ軸と同軸に配置される軸であって、前記ロータ軸に対して軸方向の一方側である軸方向第1側に第1ギヤを備えた伝動軸と、前記ロータ軸と別軸に配置されて車輪に駆動連結されるギヤであって、前記第1ギヤに噛み合う第2ギヤと、前記ロータに対して前記軸方向第1側に配置され、前記ロータ軸をケースに対して回転可能に支持する第1軸受と、前記ロータに対して前記軸方向における前記軸方向第1側とは反対側である軸方向第2側に配置され、前記ロータ軸を前記ケースに対して回転可能に支持する第2軸受と、前記第1軸受に対して前記軸方向第1側に配置され、前記伝動軸を前記ケースに対して回転可能に支持する第3軸受と、を備え、前記第1軸受は、前記ロータ軸に対して前記軸方向第1側及び径方向の外側から当接するように配置され、前記第2軸受は、前記ロータ軸に対して前記軸方向第2側及び前記径方向の一方側から当接するように配置され、前記第3軸受は、前記伝動軸に対して前記軸方向第1側及び前記径方向の一方側から当接するように配置され、前記ロータ軸の内周面に、前記ロータ軸を前記伝動軸に連結するための第1連結部が形成され、前記伝動軸における前記第1ギヤに対して前記軸方向第2側の部分の外周面に、前記伝動軸を前記ロータ軸に連結するための第2連結部が形成され、前記第2連結部は、前記第1連結部に対して周方向に係合していると共に、前記第1連結部に対して前記軸方向第1側及び前記径方向の内側から当接している。
【0008】
この構成では、ロータに対して軸方向第1側に配置されてロータ軸を支持する第1軸受が、ロータ軸に対して軸方向第1側及び径方向の外側から当接するように配置され、ロータに対して軸方向第2側に配置されてロータ軸を支持する第2軸受が、ロータ軸に対して軸方向第2側及び径方向の一方側から当接するように配置されている。よって、ロータ軸を、第1軸受と第2軸受とによりロータに対して軸方向の両側で径方向に支持しつつ、ロータ軸の軸方向第1側への移動を、第1軸受によって規制し、ロータ軸の軸方向第2側への移動を、第2軸受によって規制することができる。従って、ロータ軸の軸方向及び径方向の支持精度を適切に確保することができる。
【0009】
また、本構成では、伝動軸に形成された第2連結部が、ロータ軸に形成された第1連結部に対して周方向に係合しているため、第1ギヤを備える伝動軸を、ロータ軸と一体的に回転するようにロータ軸に連結することができる。そして、本構成では、第2連結部が、第1連結部に対して軸方向第1側及び径方向の内側から当接している。よって、伝動軸に作用する径方向の荷重を、第1連結部と第2連結部とが径方向に当接する径方向当接部を介してロータ軸に伝達させて、第1軸受及び第2軸受で支持することができる。また、伝動軸に作用する軸方向第2側を向く荷重を、第1連結部と第2連結部とが軸方向に当接する軸方向当接部を介してロータ軸に伝達させて、第2軸受で支持することができる。そして、本構成では、伝動軸を支持する第3軸受が、伝動軸に対して軸方向第1側及び径方向の一方側から当接するように配置されている。よって、伝動軸を、第3軸受と径方向当接部とにより軸方向の2ヶ所で径方向に支持しつつ、伝動軸の軸方向第1側への移動を、第3軸受によって規制し、伝動軸の軸方向第2側への移動を、軸方向当接部によって規制することができる。従って、伝動軸の軸方向及び径方向の支持精度を適切に確保することができる。
【0010】
以上のように、本構成によれば、ロータ軸を支持する軸受を利用して伝動軸を支持することで、伝動軸に対して軸方向第2側及び径方向の一方側から当接する軸受を設けることなく、伝動軸の軸方向及び径方向の支持精度を適切に確保することができる。これにより、ロータ軸と同軸に配置される第1ギヤが、ロータ軸とは別の伝動軸に設けられる場合において、ロータ軸及び伝動軸の支持精度を適切に確保しつつ軸受の数を減らすことが可能となっている。軸受の数を減らすことで、例えば、コストの低減や車両用駆動装置の軸方向寸法の短縮等が可能となる。
【0011】
車両用駆動装置の更なる特徴と利点は、図面を参照して説明する実施形態についての以下の記載から明確となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
実施形態に係る車両用駆動装置のスケルトン図
実施形態に係る車両用駆動装置の断面図
図2の一部拡大図
図2の別の一部拡大図
実施形態に係る車両用駆動装置の各部品の軸方向視での配置関係を示す図
実施形態に係る差動歯車装置の速度線図
その他の実施形態に係る車両用駆動装置のスケルトン図
その他の実施形態に係る車両用駆動装置のスケルトン図
その他の実施形態に係る車両用駆動装置のスケルトン図
【発明を実施するための形態】
【0013】
車両用駆動装置の実施形態について、図面を参照して説明する。なお、以下の説明における各部材についての方向は、それらが車両用駆動装置に組み付けられた状態での方向を表す。また、各部材についての寸法、配置方向、配置位置等に関する用語は、誤差(製造上許容され得る程度の誤差)による差異を有する状態を含む概念である。
【0014】
本明細書では、「駆動連結」とは、2つの回転要素が駆動力(トルクと同義)を伝達可能に連結された状態を指し、当該2つの回転要素が一体的に回転するように連結された状態、或いは当該2つの回転要素が1つ又は2つ以上の伝動部材を介して駆動力を伝達可能に連結された状態を含む。このような伝動部材としては、回転を同速で又は変速して伝達する各種の部材(例えば、軸、歯車機構、ベルト、チェーン等)が含まれ、回転及び駆動力を選択的に伝達する係合装置(例えば、摩擦係合装置、噛み合い式係合装置等)が含まれていてもよい。但し、差動歯車装置の各回転要素について「駆動連結」という場合には、当該差動歯車装置が備える3つ以上の回転要素に関して互いに他の回転要素を介することなく駆動連結されている状態を指すものとする。
【0015】
本明細書では、「回転電機」は、モータ(電動機)、ジェネレータ(発電機)、及び必要に応じてモータ及びジェネレータの双方の機能を果たすモータ・ジェネレータのいずれをも含む概念として用いている。また、本明細書では、2つの部材の配置に関して、「特定方向視で重複する」とは、その視線方向に平行な仮想直線を当該仮想直線に直交する各方向に移動させた場合に、当該仮想直線が2つの部材の双方に交わる領域が少なくとも一部に存在することを意味する。また、本明細書では、2つの部材の配置に関して、「軸方向の配置領域が重複する」とは、一方の部材の軸方向の配置領域内に、他方の部材の軸方向の配置領域の少なくとも一部が含まれることを意味する。
【0016】
図1及び図2に示すように、車両用駆動装置100は、第1ロータ12Aを備えた第1回転電機1Aと、第1ロータ12Aと一体的に回転する第1ロータ軸13Aと、第1ロータ軸13Aと同軸に配置される第1伝動軸14Aと、第1ロータ軸13Aと別軸に配置される第1カウンタ入力ギヤ51Aと、を備えている。車両用駆動装置100は、更に、ケースCSを備えている。第1回転電機1A、第1ロータ軸13A、第1伝動軸14A、及び第1カウンタ入力ギヤ51Aは、ケースCSに収容されている。ここで、「収容する」とは、収容対象物の少なくとも一部を収容することを意味する。本実施形態では、第1回転電機1Aが「回転電機」に相当し、第1ロータ12Aが「ロータ」に相当し、第1ロータ軸13Aが「ロータ軸」に相当し、第1伝動軸14Aが「伝動軸」に相当し、第1カウンタ入力ギヤ51Aが「第2ギヤ」に相当する。
【0017】
第1伝動軸14Aは、第1ロータ軸13Aと一体的に回転するように第1ロータ軸13Aに連結されている。そして、第1伝動軸14Aは、第1ロータ軸13Aに対して軸方向Lの一方側である軸方向第1側L1に、第1伝動ギヤ4Aを備えている。具体的には、第1伝動軸14Aの軸方向第1側L1の部分は、第1ロータ軸13Aに対して軸方向第1側L1に配置されており、第1伝動軸14Aにおける第1ロータ軸13Aに対して軸方向第1側L1に配置される部分に、第1伝動ギヤ4Aが形成されている。ここでは、第1伝動ギヤ4Aは、第1伝動軸14Aの軸部(軸方向Lに延びる円筒状又は円柱状に形成される部分)の外周面に一体的に形成されている。第1カウンタ入力ギヤ51Aは、第1車輪W1に駆動連結されるギヤであり、第1伝動ギヤ4Aに噛み合っている。なお、軸方向Lは、第1ロータ軸13Aを基準とする軸方向(言い換えれば、第1ロータ軸13Aが延びる方向、第1ロータ軸13Aの回転軸心が延びる方向)である。本実施形態では、第1伝動ギヤ4Aが「第1ギヤ」に相当し、第1車輪W1が「車輪」に相当する。
【0018】
本実施形態では、車両用駆動装置100は、更に、第2ロータ12Bを備えた第2回転電機1Bと、第2ロータ12Bと一体的に回転する第2ロータ軸13Bと、第2ロータ軸13Bと同軸に配置される第2伝動軸14Bと、第2ロータ軸13Bと別軸に配置される第2カウンタ入力ギヤ51Bと、を備えている。第2回転電機1B、第2ロータ軸13B、第2伝動軸14B、及び第2カウンタ入力ギヤ51Bは、ケースCSに収容されている。第2回転電機1Bは、第1回転電機1Aに対して軸方向第1側L1において第1回転電機1Aと同軸に配置されている。第2ロータ12Bは、第1ロータ12Aに対して軸方向第1側L1において第1ロータ12Aと同軸に配置されている。第2ロータ軸13Bは、第1ロータ軸13Aに対して軸方向第1側L1において第1ロータ軸13Aと同軸に配置されている。第2伝動軸14Bは、第1伝動軸14Aに対して軸方向第1側L1において第1伝動軸14Aと同軸に配置されている。第2カウンタ入力ギヤ51Bは、第1カウンタ入力ギヤ51Aに対して軸方向第1側L1において、第1カウンタ入力ギヤ51Aと同軸に配置されている。本実施形態では、第2伝動ギヤ4Bが「第3ギヤ」に相当し、第2カウンタ入力ギヤ51Bが「第4ギヤ」に相当する。
【0019】
第2伝動軸14Bは、第2ロータ軸13Bと一体的に回転するように第2ロータ軸13Bに連結されている。そして、第2伝動軸14Bは、第2ロータ軸13Bに対して軸方向第2側L2であって第1伝動ギヤ4Aに対して軸方向第1側L1に、第2伝動ギヤ4Bを備えている。具体的には、第2伝動軸14Bの軸方向第2側L2の部分は、第2ロータ軸13Bに対して軸方向第2側L2に配置されており、第2伝動軸14Bにおける第2ロータ軸13Bに対して軸方向第2側L2に配置される部分に、第2伝動ギヤ4Bが形成されている。ここでは、第2伝動ギヤ4Bは、第2伝動軸14Bの軸部の外周面に一体的に形成されている。なお、軸方向第2側L2は、軸方向Lにおける軸方向第1側L1とは反対側である。第2カウンタ入力ギヤ51Bは、第2車輪W2に駆動連結されるギヤであり、第2伝動ギヤ4Bに噛み合っている。第1車輪W1及び第2車輪W2は、左右一対の車輪(例えば、左右一対の前輪、又は左右一対の後輪)である。
【0020】
第1回転電機1Aは、ケースCSに固定された第1ステータ11Aと、第1ステータ11Aに対して回転可能にケースCSに支持された第1ロータ12Aと、を備えている。第1ロータ軸13Aは、第1ロータ12Aと一体的に回転するように第1ロータ12Aに連結されている。第1ロータ軸13Aは、第1ロータ12Aに対して軸方向Lの両側に突出するように配置されている。本実施形態では、第1回転電機1Aは、インナロータ型の回転電機であり、第1ロータ12Aは、第1ステータ11Aに対して径方向Rの内側に、径方向Rに沿う径方向視で第1ステータ11Aと重複するように配置されている。なお、径方向Rは、第1ロータ軸13Aを基準とする径方向(言い換えれば、後述する第1軸X1を基準とする径方向、図3参照)である。
【0021】
第2回転電機1Bは、ケースCSに固定された第2ステータ11Bと、第2ステータ11Bに対して回転可能にケースCSに支持された第2ロータ12Bと、を備えている。第2ロータ軸13Bは、第2ロータ12Bと一体的に回転するように第2ロータ12Bに連結されている。第2ロータ軸13Bは、第2ロータ12Bに対して軸方向Lの両側に突出するように配置されている。本実施形態では、第2回転電機1Bは、インナロータ型の回転電機であり、第2ロータ12Bは、第2ステータ11Bに対して径方向Rの内側に、径方向Rに沿う径方向視で第2ステータ11Bと重複するように配置されている。
【0022】
第1回転電機1A及び第2回転電機1Bは、バッテリやキャパシタ等の蓄電装置(図示せず)と電気的に接続されており、蓄電装置から電力の供給を受けて力行し、或いは、車両の慣性力により発電した電力を蓄電装置に供給して蓄電させる。第2回転電機1Bは、第1回転電機1Aとは独立に回転可能に設けられている。すなわち、第2ロータ12Bは、第1ロータ12Aとは独立に回転可能に設けられている。第1ロータ12Aの回転速度と第2ロータ12Bの回転速度との比は、車両用駆動装置100の状態に応じて変化する。本実施形態では、第1回転電機1A及び第2回転電機1Bとして、互いに同じ出力特性を備える2つの回転電機が用いられている。なお、第1回転電機1Aと第2回転電機1Bとして、互いに異なる出力特性を備える2つの回転電機を用いてもよい。
【0023】
車両用駆動装置100は、第1車輪W1に駆動連結される第1出力部材2Aと、第2車輪W2に駆動連結される第2出力部材2Bと、を備えている。第2出力部材2Bは、第1出力部材2Aに対して軸方向第1側L1において第1出力部材2Aと同軸に配置されている。第1出力部材2A及び第2出力部材2Bは、ケースCSに収容されている。本実施形態では、第1出力部材2Aは、第1車輪W1と同速で回転するように第1車輪W1に連結され、第2出力部材2Bは、第2車輪W2と同速で回転するように第2車輪W2に連結される。具体的には、車両(車両用駆動装置100が搭載される車両、以下同様)には、等速ジョイントを介して第1車輪W1に連結されるドライブシャフトが設けられ、第1出力部材2Aは、当該ドライブシャフトと一体的に回転するように当該ドライブシャフトに連結される。すなわち、第1出力部材2Aは、第1車輪W1と一体的に回転するように第1車輪W1に連結される。また、車両には、等速ジョイントを介して第2車輪W2に連結されるドライブシャフトが設けられ、第2出力部材2Bは、当該ドライブシャフトと一体的に回転するように当該ドライブシャフトに連結される。すなわち、第2出力部材2Bは、第2車輪W2と一体的に回転するように第2車輪W2に連結される。
【0024】
本実施形態では、車両用駆動装置100は、第1カウンタ入力ギヤ51Aのトルクを第1出力部材2A及び第2出力部材2Bのうちの少なくとも第1出力部材2Aに伝達すると共に、第2カウンタ入力ギヤ51Bのトルクを第1出力部材2A及び第2出力部材2Bのうちの少なくとも第2出力部材2Bに伝達する動力伝達装置3を備えている。動力伝達装置3は、ケースCSに収容されている。第1カウンタ入力ギヤ51Aには、第1回転電機1Aのトルクが、第1ロータ軸13A、第1伝動軸14A、及び第1伝動ギヤ4Aを介して伝達され、第2カウンタ入力ギヤ51Bには、第2回転電機1Bのトルクが、第2ロータ軸13B、第2伝動軸14B、及び第2伝動ギヤ4Bを介して伝達される。そして、第1カウンタ入力ギヤ51Aに伝達される第1回転電機1Aのトルクが、動力伝達装置3を介して少なくとも第1出力部材2Aに伝達され、第2カウンタ入力ギヤ51Bに伝達される第2回転電機1Bのトルクが、動力伝達装置3を介して少なくとも第2出力部材2Bに伝達されることで、第1車輪W1及び第2車輪W2が駆動されて車両が走行する。
【0025】
本実施形態では、車両用駆動装置100は、第1カウンタギヤ機構5A及び第2カウンタギヤ機構5Bを備えている。第2カウンタギヤ機構5Bは、第1カウンタギヤ機構5Aに対して軸方向第1側L1において第1カウンタギヤ機構5Aと同軸に配置されている。第1カウンタギヤ機構5A及び第2カウンタギヤ機構5Bは、ケースCSに収容されている。第1カウンタギヤ機構5Aは、第1カウンタ入力ギヤ51A、第1カウンタ出力ギヤ52A、及び、第1カウンタ入力ギヤ51Aと第1カウンタ出力ギヤ52Aとを連結する第1カウンタ軸53Aを備えている。また、第2カウンタギヤ機構5Bは、第2カウンタ入力ギヤ51B、第2カウンタ出力ギヤ52B、及び、第2カウンタ入力ギヤ51Bと第2カウンタ出力ギヤ52Bとを連結する第2カウンタ軸53Bを備えている。そして、動力伝達装置3は、第1カウンタ出力ギヤ52Aに噛み合う第1差動入力ギヤ7Aと、第2カウンタ出力ギヤ52Bに噛み合う第2差動入力ギヤ7Bと、を備えている。よって、第1回転電機1Aのトルクは、第1カウンタギヤ機構5Aを介して動力伝達装置3に入力され、第2回転電機1Bのトルクは、第2カウンタギヤ機構5Bを介して動力伝達装置3に入力される。
【0026】
本実施形態では、第1カウンタ入力ギヤ51Aは、第1伝動ギヤ4Aよりも大径に形成され、第1差動入力ギヤ7Aは、第1カウンタ出力ギヤ52Aよりも大径に形成されている。よって、第1伝動軸14Aの回転は、第1伝動ギヤ4Aと第1カウンタ入力ギヤ51Aとの歯数比に応じて減速されると共に、第1カウンタ出力ギヤ52Aと第1差動入力ギヤ7Aとの歯数比に応じて更に減速されて(すなわち、二段減速されて)、動力伝達装置3に入力される。また、本実施形態では、第2カウンタ入力ギヤ51Bは、第2伝動ギヤ4Bよりも大径に形成され、第2差動入力ギヤ7Bは、第2カウンタ出力ギヤ52Bよりも大径に形成されている。よって、第2伝動軸14Bの回転は、第2伝動ギヤ4Bと第2カウンタ入力ギヤ51Bとの歯数比に応じて減速されると共に、第2カウンタ出力ギヤ52Bと第2差動入力ギヤ7Bとの歯数比に応じて更に減速されて(すなわち、二段減速されて)、動力伝達装置3に入力される。
【0027】
第1回転電機1A及び第2回転電機1Bは、第1軸X1上に配置されている。具体的には、第1ロータ12A及び第2ロータ12Bが、第1軸X1上に配置されており、第1ロータ軸13A、第2ロータ軸13B、第1伝動軸14A、及び第2伝動軸14Bも、第1軸X1上に配置されている。第1出力部材2A及び第2出力部材2Bは、第1軸X1とは異なる第2軸X2上に配置されている。本実施形態では、動力伝達装置3も、第2軸X2上に配置されている。第1カウンタ入力ギヤ51A及び第2カウンタ入力ギヤ51Bは、第1軸X1及び第2軸X2とは異なる第3軸X3上に配置されている。すなわち、第1カウンタギヤ機構5A及び第2カウンタギヤ機構5Bは、第3軸X3上に配置されている。このように、本実施形態では、第1カウンタ入力ギヤ51A及び第2カウンタ入力ギヤ51Bは、第1出力部材2A及び第2出力部材2Bとは別軸に配置されている。第1軸X1、第2軸X2、及び第3軸X3は、互いに平行に配置される軸(仮想軸)である。軸方向Lは、第1軸X1、第2軸X2、及び第3軸X3に平行な方向(すなわち、これらの各軸の間で共通する軸方向)である。
【0028】
本実施形態では、動力伝達装置3は、第1カウンタ入力ギヤ51Aのトルクを第1出力部材2A及び第2出力部材2Bの双方に伝達すると共に、第2カウンタ入力ギヤ51Bのトルクを第1出力部材2A及び第2出力部材2Bの双方に伝達するように構成されている。すなわち、本実施形態では、第1カウンタ入力ギヤ51Aは、第1車輪W1及び第2車輪W2に駆動連結され、第2カウンタ入力ギヤ51Bは、第1車輪W1及び第2車輪W2に駆動連結される。具体的には、動力伝達装置3は、差動歯車装置6を備えている。そして、図1及び図6に示すように、差動歯車装置6は、回転速度の順に、第1回転要素E1、第2回転要素E2、第3回転要素E3、及び第4回転要素E4を備えている。
【0029】
ここで、「回転速度の順」とは、各回転要素の回転状態における回転速度の順番のことである。各回転要素の回転速度は、差動歯車装置6の回転状態によって変化するが、各回転要素の回転速度の高低の並び順は、差動歯車装置6の構造によって定まるものであるため一定となる。なお、各回転要素の回転速度の順は、各回転要素の速度線図(共線図、図6参照)における配置順に等しい。ここで、各回転要素の速度線図における配置順とは、速度線図(共線図)における各回転要素に対応する軸が、当該軸に直交する方向に沿って配置される順番のことである。速度線図(共線図)における各回転要素に対応する軸の配置方向は、速度線図の描き方によって異なるが、その配置順は差動歯車装置6の構造によって定まるものであるため一定となる。
【0030】
図1に示すように、第1回転要素E1に第1カウンタ入力ギヤ51Aが駆動連結され、第2回転要素E2に第1出力部材2Aが駆動連結され、第3回転要素E3に第2出力部材2Bが駆動連結され、第4回転要素E4に第2カウンタ入力ギヤ51Bが駆動連結されている。これにより、第1カウンタ入力ギヤ51A及び第2カウンタ入力ギヤ51Bのトルクは、動力伝達装置3(具体的には、差動歯車装置6)により、第1出力部材2A及び第2出力部材2Bに分配して伝達される。本実施形態では、第1回転要素E1は、第1カウンタ出力ギヤ52Aに噛み合う第1差動入力ギヤ7Aと一体的に回転するように、第1差動入力ギヤ7Aに連結されている。第2回転要素E2は、第1出力部材2Aと一体的に回転するように第1出力部材2Aに連結されている。第3回転要素E3は、第2出力部材2Bと一体的に回転するように第2出力部材2Bに連結されている。第4回転要素E4は、第2カウンタ出力ギヤ52Bに噛み合う第2差動入力ギヤ7Bと一体的に回転するように、第2差動入力ギヤ7Bに連結されている。
(【0031】以降は省略されています)

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