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公開番号2021055672
公報種別公開特許公報(A)
公開日20210408
出願番号2020127678
出願日20200728
発明の名称ベーンポンプ
出願人アイシン・エィ・ダブリュ株式会社,株式会社ジェイテクト
代理人特許業務法人アイテック国際特許事務所
主分類F04C 2/344 20060101AFI20210312BHJP(液体用容積形機械;液体または圧縮性流体用ポンプ)
要約【課題】ベーンポンプにおけるキャビテーション特性をより向上させる。
【解決手段】本開示のベーンポンプは、第1および第2流入通路を含むポンプハウジングと、カムリングと、複数のスリットを含むロータと、それぞれカムリングの内周カム面に当接するようにロータのスリット内に摺動自在に配置される複数のベーンと、第1流入通路に連通する第1吸込ポートと、第2流入通路に連通する第2吸込ポートと、カムリングの外周に沿って延在し、第1流入通路から第1吸込ポートに流入しなかった流体を第2吸込ポートへと導く第1連通路と、ロータに対して第1連通路の反対側でカムリングの外周に沿って延在し、第2流入通路から第2吸込ポートに流入しなかった流体を第1吸込ポートへと導く第2連通路と、第2流入通路からの流体をカムリングの外周に沿って第2吸込ポートに流入するようにガイドする整流部とを含む。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
それぞれ流体が流入する第1流入通路および第2流入通路を含むポンプハウジングと、内周カム面を含むカムリングと、放射状に形成された複数のスリットを含むロータと、それぞれ前記カムリングの前記内周カム面に当接するように前記ロータの前記スリット内に摺動自在に配置される複数のベーンと、前記第1流入通路に連通する第1吸込ポートと、前記第2流入通路に連通する第2吸込ポートとを含むベーンポンプにおいて、
前記カムリングの外周に沿って延在しており、前記第1流入通路から前記第1吸込ポートに流入しなかった流体を前記第2吸込ポートへと導く第1連通路と、
前記ロータに対して前記第1連通路の反対側で前記カムリングの外周に沿って延在しており、前記第2流入通路から前記第2吸込ポートに流入しなかった流体を前記第1吸込ポートへと導く第2連通路と、
前記第2流入通路からの流体を前記カムリングの外周に沿って前記第2吸込ポートに流入するようにガイドする整流部と、
を備えるベーンポンプ。
続きを表示(約 720 文字)【請求項2】
請求項1に記載のベーンポンプにおいて、
前記整流部は、前記第1連通路からの流体と前記第2流入通路からの流体とを前記第2吸込ポートの上流側で鋭角に合流させるように前記ポンプハウジングに形成された突出部であるベーンポンプ。
【請求項3】
請求項1または2に記載のベーンポンプにおいて、
前記整流部は、前記第2流入通路と前記第1連通路とを両者の合流部の上流側で仕切ると共に前記第2吸込ポートに向けて先細に形成されているベーンポンプ。
【請求項4】
請求項1から3の何れか一項に記載のベーンポンプにおいて、
前記第2流入通路は、前記ロータに対して前記第1流入通路の反対側、かつ前記第2吸込ポートから前記カムリングの外周の接線方向に沿って離間した位置で前記第1連通路と合流するベーンポンプ。
【請求項5】
請求項1から4の何れか一項に記載のベーンポンプにおいて、
前記第2連通路内の流体を前記カムリングの外周に沿って前記第1吸込ポートに流入するようにガイドする第2の整流部を更に備えるベーンポンプ。
【請求項6】
請求項1から5の何れか一項に記載のベーンポンプにおいて、
前記第1吸込ポートから吸い込まれた流体を吐出させる第1吐出ポートと、
前記第2吸込ポートから吸い込まれた流体を吐出させる第2吐出ポートとを更に備え、
前記第1流入通路は、ストレーナを介して流体貯留部に連通し、前記第2流入通路には、前記第1および第2吐出ポートからの流体を調圧する油圧制御装置からドレンされる流体が流入するベーンポンプ。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、内周カム面を含むカムリングと、複数のスリットを含むロータと、それぞれカムリングの内周カム面に当接するようにロータのスリット内に摺動自在に配置される複数のベーンとを含むベーンポンプに関する。
続きを表示(約 9,100 文字)【背景技術】
【0002】
従来、この種のベーンポンプとして、メイン側吸入口と、サブ側吸入口と、メイン側吸入口の下流側に対向するメイン側吸入ポートと、サブ側吸入口の下流側に対向するサブ側吸入ポートと、メイン側吐出口と、サブ側吐出口とを含むものが知られている(例えば、特許文献1参照)。このベーンポンプのメイン側吸入口は、変速機構等に油圧を供給する油圧供給回路の余剰油が流入するサクション油路に連通し、サブ側吸入口は、ストレーナを介して、油を貯留する変速機ケースの下部に連通する。更に、ロータの軸方向からみてカムリングの内周側には、メイン側吸入ポートとサブ側吸入ポートとを連通する連通油路が配置されている。これにより、油圧供給回路からの余剰油が少ないベーンポンプ(ロータ)の低速回転時には、サブ側吸入口からの油がサブ側吸入ポートおよび連通油路を介してメイン側吸入ポートに流入する。また、油圧供給回路からの余剰油が増加するベーンポンプの高速回転時には、メイン側吸入口から吸入された油がメイン側吸入ポートおよび連通油路を介してサブ側吸入ポートに流入する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2016−133031号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来のベーンポンプでは、メイン側吸入口およびメイン側吸入ポートと、サブ側吸入口およびサブ側吸入ポートとがロータの径方向に沿って互いに対向すると共に、連通油路がカムリングの内周側に配置されている。かかる構成において、メイン側吸入口に流入する油圧供給装置からの余剰油の量が多くなると、メイン側吸入ポートからポンプ室に吸入されることなく連通油路を介してサブ側吸入ポートに流入する油の量が増加する。そして、この際、メイン側吸入ポートからサブ側吸入ポート側に向かう油の流れが、ポンプ回転と同期する方向の連通油路におけるサブ側吸入ポートからメイン側吸入ポート側への油の流れを阻害してしまう。このため、拡張するポンプ室における吸入負圧(油圧の絶対値)が増大化し、当該ポンプ室に油が流入し難くなると共に、油圧の変化に起因してキャビテーションが発生してしまうおそれがある。
【0005】
そこで、本開示は、ベーンポンプにおけるキャビテーション特性をより向上させることを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示のベーンポンプは、それぞれ流体が流入する第1流入通路および第2流入通路を含むポンプハウジングと、内周カム面を含むカムリングと、放射状に形成された複数のスリットを含むロータと、それぞれ前記カムリングの前記内周カム面に当接するように前記ロータの前記スリット内に摺動自在に配置される複数のベーンと、前記第1流入通路に連通する第1吸込ポートと、前記第2流入通路に連通する第2吸込ポートとを含むベーンポンプにおいて、前記カムリングの外周に沿って延在しており、前記第1流入通路から前記第1吸込ポートに流入しなかった流体を前記第2吸込ポートへと導く第1連通路と、前記ロータに対して前記第1連通路の反対側で前記カムリングの外周に沿って延在しており、前記第2流入通路から前記第2吸込ポートに流入しなかった流体を前記第1吸込ポートへと導く第2連通路と、前記第2流入通路からの流体を前記カムリングの外周に沿って前記第2吸込ポートに流入するようにガイドする整流部とを含むものである。
【0007】
本開示のベーンポンプでは、第1流入通路から第1吸込ポートに流入しなかった流体が、カムリングの外周に沿って延在する連通路を介して第2吸込ポートへと導かれる。これにより、第2流入通路に流入する流体の量が少ない際に、第2吸込ポートに流入する流体の量を増加させて圧力損失によるキャビテーションの発生を抑えることができる。また、第2流入通路からの流体は、整流部によりガイドされてカムリングの外周に沿って第2吸込ポートに流入する。これにより、第2流入通路に流入する流体の量が増加した際に、第2流入通路からの流体が第2吸込ポートに流入することなく連通路を介して第1吸込ポートに流入するのを抑制しつつ、第2連通路を介して第2流入通路から第2吸込ポートに流入しなかった流体を第1吸込ポートへと導くことが可能となる。従って、拡張するポンプ室における吸入負圧の増大化に起因したキャビテーションの発生を抑えることができる。この結果、本開示のベーンポンプでは、キャビテーション特性をより向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本開示のベーンポンプを示す部分断面図である。
本開示のベーンポンプの要部を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
次に、図面を参照しながら、本開示の発明を実施するための形態について説明する。
【0010】
図1は、本開示のベーンポンプ1を示す部分断面図であり、図2は、ベーンポンプ1の要部を示す平面である。なお、図1は、図2におけるA−A線に沿った断面図である。これらの図面に示すベーンポンプ1は、車両に搭載される平衡形のベーンポンプであって、当該車両の変速装置の摩擦係合要素や各種潤滑対象等に作動油(流体)を供給する油圧制御装置に接続される。ベーンポンプ1は、当該車両に搭載されたエンジンあるいは電動機により駆動され、オイルパン等の作動油貯留部から作動油(流体)を吸い込んで当該油圧制御装置へと吐出する。
【0011】
図示するように、ベーンポンプ1は、ポンプボディ2と、ポンプカバー3と、カムリング5と、ロータ6と、複数のベーン7とを含む。ポンプボディ2とポンプカバー3とは、図示しない複数のボルトを介して互いに固定され、カムリング5やロータ6等を収容するポンプハウジング4を構成する。ポンプハウジング4は、ポンプボディ2に形成された第1流入通路41と、ポンプボディ2およびポンプカバー3により画成される第2流入通路42と、何れも図示しない第1および第2流出通路とを含む。
【0012】
図1および図2に示すように、第1流入通路41は、ロータ6の径方向に延在する。第2流入通路42は、カムリング5やロータ6等の収容空間に対して第1流入通路41の反対側でロータ6の軸方向に延在すると共に第1流入通路41に概ね直交する部分を含む。本実施形態において、第1流入通路41は、図示しないストレーナの流体出口に接続され、当該ストレーナを介して作動油を貯留する作動油貯留部に連通する。また、第2流入通路42は、ベーンポンプ1からの作動油を調圧してライン圧を生成する油圧制御装置のプライマリレギュレータバルブからドレンされた作動油を調圧するセカンダリレギュレータバルブのドレン油が流通するドレン油路(サクション油路)に接続される。更に、ポンプハウジング4の第1および第2流出通路は、それぞれ油圧制御装置の対応する油路に接続される。
【0013】
カムリング5は、概ね長円形状の外周面と、当該外周面に対して傾けられた概ね長円形状の内周カム面50とを含む環状部材である。ロータ6は、カムリング5の内部に配置されると共に、軸受を介してポンプハウジング4により回転自在に支持される駆動軸DSに固定される。駆動軸DSは、車両のエンジンあるいは電動機の出力軸に連結され、エンジン等の回転に応じて駆動軸DSおよびロータ6は、予め定められた一方向(図2における矢印方向参照)に回転する。また、ロータ6には、それぞれ径方向に延在して外周面で開口するように放射状に形成された複数のスリット60が形成されている。各ベーン7は、外側の端面がカムリング5の内周カム面50に当接するようにロータ6の対応するスリット60内に摺動自在に配置される。更に、各ベーン7の内側の端面の径方向内側には、当該ベーン7とスリット60とにより背圧室61が画成される。
【0014】
また、ポンプハウジング4の内部には、それぞれ円盤状に形成された第1および第2サイドプレート8,9が配置される。第1および第2サイドプレート8,9には、ロータ6に形成される各背圧室61に作動油を導入するための背圧溝や、吐出圧の急変を抑制するためのノッチが形成されている。第1サイドプレート8は、カムリング5のポンプボディ2側の側面に当接するようにポンプハウジング4内に配置され、第2サイドプレート9は、カムリング5のポンプカバー3側の側面に当接するようにポンプハウジング4内に配置される。第1および第2サイドプレート8,9は、それぞれカムリング5に当接するようにポンプハウジング4内に配置される。
【0015】
図2に示すように、カムリング5の内部には、内周カム面50、ロータ6の外周面、隣り合うベーン7、第1および第2サイドプレート8,9によって複数のポンプ室10が画成される。また、本実施形態において、カムリング5の内周カム面50が概ね長円形状を呈することから、ロータ6が1回転する間、各ベーン7はスリット60内を2往復し、各ポンプ室10は拡張・収縮を2回繰り返す。そして、ベーンポンプ1は、それぞれ拡張するポンプ室10に連通する第1吸込ポート43および第2吸込ポート44と、それぞれ収縮するポンプ室10に連通する第1吐出ポート45および第2吐出ポート46とを含む。ただし、ベーンポンプ1は、ロータ6が1回転する間、各ベーン7はスリット60内を3回以上往復するように構成されてもよい。
【0016】
第1吸込ポート43は、カムリング5の外周面の概ね平坦に延在する部分付近で、第1流入通路41および拡張するポンプ室10に連通するように第1および第2サイドプレート8,9に形成されている。第2吸込ポート44は、ロータ6に対して第1吸込ポート43の反対側かつカムリング5の外周面の概ね平坦に延在する部分付近で第2流入通路42および拡張するポンプ室10に連通するように第1および第2サイドプレート8,9に形成されている。
【0017】
第1吐出ポート45は、ロータ6の回転方向における第1吸込ポート43の下流側かつ第2吸込ポート44の上流側で収縮するポンプ室10に連通するように第1および第2サイドプレート8,9に形成されている。第2吐出ポート46は、ロータ6の回転方向における第2吸込ポート44の下流側かつ第1吸込ポート43の上流側、すなわちロータ6に対して第1吐出ポート45の反対側で収縮するポンプ室10に連通するように第1および第2サイドプレート8,9に形成されている。すなわち、第1吸込ポート43、第2吸込ポート44、第1吐出ポート45および第2吐出ポート46は、この順番でロータ6の外周に沿って配列される。また、第1吐出ポート45は、ポンプハウジング4の図示しない第1流出通路に連通し、第2吐出ポート46は、ポンプハウジング4の図示しない第2流出通路に連通する。
【0018】
更に、ベーンポンプ1は、ポンプボディ2およびポンプカバー3の内部に形成された凹曲面と、カムリング5、第1および第2サイドプレート8,9の外周面とによりそれぞれ画成される第1連通路47および第2連通路48を含む。第1連通路47は、一端側で第1流入通路41および第1吸込ポート43に連通すると共に、カムリング5、第1および第2サイドプレート8,9の外周面に沿って円弧状に延在して他端側で第2流入通路42と合流する。すなわち、第2流入通路42と第1連通路47とは、図2に示すように、第2吸込ポート44からカムリング5の外周面の接線方向に沿って第1吐出ポート45側(図中上側)に離間した位置で合流する。更に、ポンプハウジング4(ポンプボディ2およびポンプカバー3)は、第2流入通路42と第1連通路47とを両者の合流部の上流側で仕切る突出部である第1整流部49aを含む。第1整流部49aは、図2に示すように、第2吸込ポート44に向かうにつれて先細になるように形成されている。これにより、第1連通路47からの作動油と、第2流入通路42からの作動油とは、第2吸込ポート44よりも上流側で鋭角に合流する。また、第2流入通路42を介して第1整流部49aと対向するポンプハウジング4(ポンプボディ2およびポンプカバー3)の内周面は、第2流入通路42からの作動油を第2吸込ポート44側に真っ直ぐに導くように(第1整流部49a側に突出しないように)概ね平坦に形成されている。
【0019】
第2連通路48は、一端側で第2流入通路42および第2吸込ポート44に連通すると共に、カムリング5やロータ6等の収容空間に対して第1連通路47の反対側でカムリング5、第1および第2サイドプレート8,9の外周面に沿って円弧状に延在して他端側で第1流入通路41と合流する。また、ポンプハウジング4(ポンプボディ2およびポンプカバー3)は、第2連通路48と第1流入通路41とを両者の合流部の上流側で仕切ると共に第1吸込ポート43に向けて突出する第2整流部49bを含む。
【0020】
次に、上述のベーンポンプ1の動作について説明する。
【0021】
ロータ6がエンジン等からの駆動力により図2における矢印方向に回転すると、第1吸込ポート43付近で拡張するポンプ室10内に当該第1吸込ポート43を介して第1流入通路41内の作動油が吸い込まれる。第1吸込ポート43からポンプ室10内に吸い込まれた作動油は、当該ポンプ室10の収縮により加圧されて第1吐出ポート45から吐出され、油圧制御装置に供給される。更に、ロータ6が回転すると、第2吸込ポート44付近で拡張するポンプ室10内に当該第2吸込ポート44を介して第2流入通路42内の作動油が吸い込まれる。第2吸込ポート44からポンプ室10内に吸い込まれた作動油は、当該ポンプ室10の収縮により加圧されて第2吐出ポート46から吐出され、油圧制御装置に供給される。
【0022】
また、ベーンポンプ1では、第1流入通路41内の作動油の一部、すなわち第1流入通路41から第1吸込ポート43に流入しなかった作動油が、図2において点線で示すように、カムリング5等の外周面に沿って延在する第1連通路47に流入し、当該第1連通路47によりカムリング5等の外周面に沿って第2吸込ポート44へと導かれる。更に、第1連通路47からの作動油は、ポンプハウジング4に形成された第1整流部49aの作用により、第2吸込ポート44よりも上流側で第2流入通路42からの作動油と鋭角に合流する。
【0023】
従って、ベーンポンプ1では、ロータ6が低速で回転し、油圧制御装置からドレンされて第2流入通路42に流入する作動油の量が少なくなる際に、第1連通路47からの作動油を第2流入通路42からの作動油とスムースに合流させながら、第2吸込ポート44に流入する流体の量を増加させることができる。これにより、ベーンポンプ1では、油圧制御装置から第2流入通路42に流入する作動油の量が少ない際に、第2吸込ポート44の周辺での圧力損失によるキャビテーションの発生を良好に抑えることが可能となる。
【0024】
更に、ベーンポンプ1において、第2流入通路42は、カムリング5およびロータ6に対して第1流入通路41の反対側かつ第2吸込ポート44からカムリング5の外周面の接線方向に沿って離間した位置で第1連通路47と合流する。従って、図2において点線で示すように、第2流入通路42から第2吸込ポート44に向かう流体の流れ方向を第2吸込ポート44付近におけるカムリングの外周の接線方向であって第1流入通路41(第1流入通路41からの作動油が第1吸込ポート43に流入する方向)に概ね直交する方向に近づけることができる。加えて、第2流入通路42からの作動油は、第1整流部49aの作用により、第1連通路47からの作動油と第2吸込ポート44よりも上流側で鋭角に合流する。従って、第2流入通路42からの流体は、第1整流部49aによりガイドされてカムリング5等の外周面に沿って第2吸込ポート44に流入する。
【0025】
これにより、ベーンポンプ1では、ロータ6が高速で回転し、油圧制御装置からドレンされて第2流入通路42に流入する流体の量が増加した際に、第1流入通路41における作動油よりも高圧の第2流入通路42からの作動油が、第2吸込ポート44に流入することなく第1連通路47を介して第1吸込ポート43に流入するのを良好に抑制しつつ、第2連通路48を介して、第2流入通路42から第2吸込ポート44に流入しなかった作動油を第1吸込ポート43へと導くことが可能となる。そして、第2連通路48内の作動油は、ポンプハウジング4の第2整流部49bによりガイドされてカムリング5等の外周面に沿って第1吸込ポート43に流入する。これにより、第2流入通路42から第2吸込ポート44に流入しなかった流体が第2連通路48を介して第1流入通路41に流入するのを抑制することができる。従って、第2流入通路42に流入する流体の量が増加した際に、特に第1吸込ポート43の周辺で拡張するポンプ室10における吸入負圧(油圧の絶対値)の増大化によるキャビテーションの発生を良好に抑えることが可能となる。この結果、ベーンポンプ1では、油圧制御装置からドレンされる作動油の量に拘わらず、キャビテーション特性をより向上させることができる。
【0026】
以上説明したように、本開示のベーンポンプは、それぞれ流体が流入する第1流入通路(41)および第2流入通路(42)を含むポンプハウジング(2,3,4)と、内周カム面(50)を含むカムリング(5)と、放射状に形成された複数のスリット(60)を含むロータ(6)と、それぞれ前記カムリング(5)の前記内周カム面(50)に当接するように前記ロータ(6)の前記スリット(60)内に摺動自在に配置される複数のベーン(7)と、前記第1流入通路(41)に連通する第1吸込ポート(43)と、前記第2流入通路(42)に連通する第2吸込ポート(44)とを含むベーンポンプ(1)において、前記カムリング(5)の外周に沿って延在しており、前記第1流入通路(41)から前記第1吸込ポート(43)に流入しなかった流体を前記第2吸込ポート(44)へと導く第1連通路(47)と、前記ロータ(5)に対して前記第1連通路(47)の反対側で前記カムリング(5)の外周に沿って延在しており、前記第2流入通路(42)から前記第2吸込ポート(44)に流入しなかった流体を前記第1吸込ポート(43)へと導く第2連通路(48)と、前記第2流入通路(42)からの流体を前記カムリング(5)の外周に沿って前記第2吸込ポート(44)に流入するようにガイドする整流部(49a)とを含むものである。
【0027】
本開示のベーンポンプでは、第1流入通路から第1吸込ポートに流入しなかった流体が、カムリングの外周に沿って延在する連通路を介して第2吸込ポートへと導かれる。これにより、第2流入通路に流入する流体の量が少ない際に、第2吸込ポートに流入する流体の量を増加させて圧力損失によるキャビテーションの発生を抑えることができる。また、第2流入通路からの流体は、整流部によりガイドされてカムリングの外周に沿って第2吸込ポートに流入する。これにより、第2流入通路に流入する流体の量が増加した際に、第2流入通路からの流体が第2吸込ポートに流入することなく連通路を介して第1吸込ポートに流入するのを抑制しつつ、第2連通路を介して第2流入通路から第2吸込ポートに流入しなかった流体を第1吸込ポートへと導くことが可能となる。従って、拡張するポンプ室における吸入負圧の増大化に起因したキャビテーションの発生を抑えることができる。この結果、本開示のベーンポンプでは、キャビテーション特性をより向上させることが可能となる。
【0028】
また、前記整流部(49a)は、前記第1連通路(47)からの流体と前記第2流入通路(42)からの流体とを前記第2吸込ポート(44)の上流側で鋭角に合流させるように前記ポンプハウジング(2,3,4)に形成された突出部であってもよい。これにより、第2流入通路に流入する流体の量が少ない際に第1連通路からの流体と第2流入通路からの流体とをスムースに合流させると共に、第2流入通路に流入する流体の量が増加した際に、第2流入通路からの流体が第1連通路を介して第1吸込ポートに流入するのを良好に抑制することが可能となる。
【0029】
更に、前記整流部(49a)は、前記第2流入通路(42)と前記第1連通路(47)とを両者の合流部の上流側で仕切ると共に前記第2吸込ポート(44)に向けて先細に形成されてもよい。
【0030】
また、前記第2流入通路(42)は、前記ロータ(6)に対して前記第1流入通路(41)の反対側、かつ前記第2吸込ポート(44)から前記カムリング(5)の外周の接線方向に沿って離間した位置で前記第1連通路(47)と合流するものであってもよい。これにより、第2流入通路から第2吸込ポートに向かう流体の流れ方向を第2吸込ポート付近におけるカムリングの外周の接線方向に近づけることができるので、第2流入通路からの流体が第1連通路に流入するのを良好に抑制することが可能となる。
(【0031】以降は省略されています)

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