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公開番号2021055646
公報種別公開特許公報(A)
公開日20210408
出願番号2019181197
出願日20191001
発明の名称圧縮機
出願人株式会社日立産機システム
代理人青稜特許業務法人
主分類F04B 39/00 20060101AFI20210312BHJP(液体用容積形機械;液体または圧縮性流体用ポンプ)
要約【課題】
ピストンとバルブプレートの干渉を防ぎ、隙間容積の増大を抑制することにある。
【解決手段】
圧縮機は、シリンダ内を往復動するピストンと、シリンダの端部を閉鎖するバルブプレートと、ピストンを支持するコンロッドと、コンロッドの端部に回転力を与えるクランクシャフトと、クランクシャフトを回転可能に支持するクランクケースを有し、ピストンは、クランクシャフトの回転に応じてシリンダ内を揺動しながら往復動する揺動ピストンであって、シリンダの内径の中心軸は、クランクシャフトの回転中心軸に対し、オフセット量eだけずらした位置に配置されており、ピストンの上面は、ピストンが上死点にある状態において、バルブプレートのクランクケース側の面と略平行になる。
【選択図】 図5A
特許請求の範囲【請求項1】
シリンダ内を往復動するピストンと、
前記シリンダの端部を閉鎖するバルブプレートと、
前記ピストンを支持するコンロッドと、
前記コンロッドの端部に回転力を与えるクランクシャフトと、
前記クランクシャフトを回転可能に支持するクランクケースを有し、
前記ピストンは、
前記クランクシャフトの回転に応じて前記シリンダ内を揺動しながら往復動する揺動ピストンであって、
前記シリンダの内径の中心軸は、
前記クランクシャフトの回転中心軸に対し、オフセット量eだけずらした位置に配置されており、
前記ピストンの上面は、前記ピストンが上死点にある状態において、前記バルブプレートの前記クランクケース側の面と略平行になることを特徴とする圧縮機。
続きを表示(約 2,000 文字)【請求項2】
請求項1に記載の圧縮機において、
前記クランクシャフトの回転中心とコンロッド大端部の中心を結ぶ線分が前記シリンダの内径の中心軸と平行になるクランク角度において、
前記ピストンの上面、あるいは前記バルブプレートの前記クランクケース側の面は、前記シリンダの内径の中心軸に直交していないことを特徴とする圧縮機。
【請求項3】
請求項1に記載の圧縮機において、
前記クランクシャフトの回転軸が前記シリンダの内径中心軸とは交差しないことを特徴とする圧縮機。
【請求項4】
請求項1に記載の圧縮機において、
前記ピストンは、前記コンロッドに対して固定あるいは一体化されることを特徴とする圧縮機。
【請求項5】
請求項1に記載の圧縮機において、
前記シリンダの内径の中心軸は鉛直方向を向いた配置であることを特徴とする圧縮機。
【請求項6】
請求項1に記載の圧縮機において、
前記バルブプレートの前記クランクケース側の面を傾斜させることを特徴とする圧縮機。
【請求項7】
請求項1に記載の圧縮機において、
前記シリンダの内径の中心軸を傾斜させて配置したことを特徴とする圧縮機。
【請求項8】
請求項1に記載の圧縮機において、
前記オフセット量eは、
前記ピストンが上死点にある状態における前記コンロッドの揺動角が、圧縮工程における前記コンロッドの揺動角の極値と絶対値が略一致するオフセット量e1に設定されていることを特徴とする圧縮機。
【請求項9】
請求項1に記載の圧縮機において、
前記オフセット量eは、
前記ピストンが下死点にある状態における前記コンロッドの揺動角が、圧縮工程における前記コンロッドの揺動角の極値と絶対値が略一致するオフセット量e2以上であり、前記クランクシャフトの偏心量以下であることを特徴とする圧縮機。
【請求項10】
請求項1に記載の圧縮機において、
前記ピストンは、前記シリンダの内周面に接するリップリングを備えることを特徴とする圧縮機。
【請求項11】
請求項1に記載の圧縮機において、
前記ピストンは、前記シリンダの内周面に接するピストンリングを備えることを特徴とする圧縮機。
【請求項12】
請求項11に記載の圧縮機において、
前記ピストンと前記コンロッドはネジで締結されることを特徴とする圧縮機。
【請求項13】
請求項1に記載の圧縮機において、
前記クランクシャフトに固定した圧縮機プーリと、
電動機に固定した電動機プーリと、
前記圧縮機プーリと前記電動機プーリとの間で動力を伝達する伝動ベルトとを有することを特徴とする圧縮機。
【請求項14】
シリンダ内を往復動するピストンと、
前記シリンダの端部を閉鎖するバルブプレートと、
前記ピストンを支持するコンロッドと、
前記コンロッドの端部に回転力を与えるクランクシャフトと、
前記クランクシャフトを回転可能に支持するクランクケースを有し、
前記ピストンは、
前記クランクシャフトの回転に応じて前記シリンダ内を揺動しながら往復動する揺動ピストンであって、
前記ピストンは、前記シリンダの内周面に接するピストンリングを備えており、
前記ピストンリングは、前記ピストンの揺動運動の中心点と、前記コンロッドの大端部中心を結ぶ直線と直交する平面に対し、傾斜していることを特徴とする圧縮機。
【請求項15】
請求項14に記載の圧縮機において、
前記ピストンリングは、前記コンロッドの大端部中心を結ぶ直線と直交する平面に対し、前記クランクシャフトの回転方向とは逆方向に傾斜していることを特徴とする圧縮機。
【請求項16】
シリンダ内を往復動するピストンと、
前記シリンダの端部を閉鎖するバルブプレートと、
前記ピストンを支持するコンロッドと、
前記コンロッドの端部に回転力を与えるクランクシャフトと、
前記クランクシャフトを回転可能に支持するクランクケースを有し、
前記ピストンは、
前記クランクシャフトの回転に応じて前記シリンダ内を揺動しながら往復動する揺動ピストンであって、
前記ピストンの上面は、前記ピストンが上死点にある状態において、前記バルブプレートの前記クランクケース側の面に向けた凸形状となっていることを特徴とする圧縮機。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、圧縮機に関する。
続きを表示(約 4,900 文字)【背景技術】
【0002】
従来、流体を圧縮する往復動圧縮機においては、たとえば特許文献1および特許文献2に示されるように、シリンダの中心軸をクランクシャフトの回転中心に対してあるオフセット量だけずらして配置する技術が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
実用新案登録第3174674号
特開2004−92638
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1および特許文献2の技術を適用し、シリンダのオフセット配置を行うと、上死点における揺動角がゼロではなくなるため隙間容積が増大し、圧縮機の体積効率が悪化するという致命的な問題がある。
【0005】
特許文献1は、その図13に示されるように、ガス圧縮作用面の平面中心(特許文献1の図6におけるF

)とコンロッド大端部軸受の中心を結ぶ線分、すなわちコンロッドの長手方向軸が、シリンダの内径中心軸と平行になるクランク角度において、ピストン上面とバルブプレートのクランクケース側の面が平行になるように構成することで隙間容積低減を行っている。
【0006】
しかし、図13は上死点ではない。そのため図13においてピストン上面とバルブプレートのクランクケース側の面が平行になっても、図13の状態から、上死点の状態に移行すると、ピストン上面とバルブプレートのクランクケース側の面は干渉する可能性があり、また隙間容積低減の効果も十分ではない。
【0007】
また、特許文献2の図6は、後述するクランク角度が0度の場合を示しており、その場合に、ピストン上面とバルブプレートのクランクケース側の面が平行になるようにしている。このような構成では、特許文献2は、特許文献1と同様に、上死点の状態に移行すると、ピストン上面とバルブプレートのクランクケース側の面は干渉する可能性があり、また隙間容積低減の効果も十分ではない。
【0008】
本発明の目的は、ピストンとバルブプレートとの干渉を防ぎ、隙間容積の増大を抑制することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の好ましい一例は、シリンダ内を往復動するピストンと、前記シリンダの端部を閉鎖するバルブプレートと、前記ピストンを支持するコンロッドと、前記コンロッドの端部に回転力を与えるクランクシャフトと、前記クランクシャフトを回転可能に支持するクランクケースを有し、
前記ピストンは、前記クランクシャフトの回転に応じて前記シリンダ内を揺動しながら往復動する揺動ピストンであって、
前記シリンダの内径の中心軸は、前記クランクシャフトの回転中心軸に対し、オフセット量eだけずらした位置に配置されており、
前記ピストンの上面は、前記ピストンが上死点にある状態において、前記バルブプレートの前記クランクケース側の面と略平行になる圧縮機である。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、ピストンとバルブプレートの干渉を防ぎ、隙間容積の増大を抑制することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
実施例1における圧縮機全体の構成例を示す図である。
実施例1における圧縮機本体の内部構成を示す図である。
リップリングを用いた揺動ピストン構造を示す図である。
ピストンリングを用いた揺動ピストン構造を示す図である。
実施例1におけるピストンリングを用いた揺動ピストン構造を示す図である。
実施例1における揺動ピストン構造を示す図である。
実施例1における揺動ピストンの動作を示す図である。
上死点におけるピストン33の状態を示す圧縮機本体の内部構成図である。
バルブプレートの下面を傾斜させる変形例を示す図である。
シリンダ内周面の中心軸を傾斜させた状態で配置した圧縮機本体の内部構成を示す図である。
一般的な往復動圧縮機における揺動角・シリンダ内圧とクランク角度の関係を示す図である。
実施例1における圧縮機のシリンダオフセット量とブローバイ量の関係を示す図である。
実施例2におけるピストン・コンロッドの構成を示す図である。
比較のための実施例1におけるピストン・コンロッドの構成を示す図である。
実施例3におけるピストンの構成を示す図である。
実施例3におけるピストンの上面右端が最高点にある場合を示す図である。
実施例3におけるピストンが上死点にある場合を示す図である。
実施例3におけるピストンの上面左端が最高点にある場合を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施例を、図面を用いて詳細に説明する。
【実施例】
【0013】
図1は、実施例1における圧縮機の概略図を示す。また、図2は図1における圧縮機本体1の内部構造を示す。
【0014】
図1に示す圧縮機は、圧縮機本体1と、それを駆動する電動機2と、圧縮機本体1が吐出す流体を貯留するためのタンク3からなっている。圧縮機本体1は流体を圧縮するものであり、その内部構造は図2に示すように、クランクシャフトを回転可能に支持するクランクケース21と、クランクケース21から鉛直方向に突出するひとつのシリンダ22と、このシリンダ22の上部を閉鎖するバルブプレート26と、シリンダヘッド23と、クランクケース21の中央に回転可能に支持されたクランクシャフト24とを有している。
【0015】
圧縮機本体1は、クランクケース21内のクランクシャフト24が回転することで、コンロッド32の端部に回転力を与え、シリンダ22内に設置されたピストン33が鉛直方向に往復動し、その結果としてシリンダ外部から流体を吸引し圧縮して吐出する。
【0016】
なお、図1および図2では説明簡略化のため、圧縮機形状はピストン・シリンダを1対しか持たない1気筒1段圧縮機としているが、クランクシャフトに対して直列あるいは放射状に複数のピストン・シリンダを有する圧縮機もある。
【0017】
圧縮機本体1は、クランクシャフト24を電動機2の回転軸と平行に配置した状態でタンク3上に配置して固定されており、クランクシャフト24には圧縮機プーリ4が、電動機軸には電動機プーリ5が固定されている。圧縮機本体1に付設された圧縮機プーリ4は羽根を有しており、その回転にともない冷却風を圧縮機本体1に向けて発生させることで、圧縮機本体1の放熱を促す。
【0018】
圧縮機プーリ4および電動機プーリ5には、圧縮機プーリ4および電動機プーリ5の間で動力を伝達するための伝動ベルト6が巻回されている。これにより、電動機2の回転にしたがって、電動機プーリ5、伝動ベルト6および圧縮機プーリ4を介して圧縮機本体1のクランクシャフト24が回転駆動されて、圧縮機本体1が流体を圧縮する。
【0019】
このとき、クランクシャフト24の回転方向は反時計周りであり、またクランクシャフト24の回転中心とコンロッド32の大端部軸受31の中心を結ぶ線分、すなわちクランクアームが図の真上を向いた状態を0度と定義する。このクランク角度は、クランクアームとシリンダ内径22aの中心軸が平行になる状態でもある。
【0020】
なお、図1では説明簡略化のため、圧縮機本体1は電動機2と伝動ベルト6を介して接続された構成としているが、圧縮機本体1のクランクシャフト24と電動機2の回転軸をカップリングなどの結合手段を用いて直接接合することで、両者を一体化した圧縮機もある。
【0021】
図2におけるピストン周辺構造について説明する。本図のピストン33は、ピストンがコンロッド32と一体で構成された揺動ピストン方式である。この方式では、クランクシャフト24の回転にともない、ピストン33がシリンダ22内を揺動しながら往復動する。
【0022】
この揺動ピストン方式には、主なシールリング構造として図3Aに示すようにシリンダの内周面(シリンダ内径)22aに接するリップリング36をピストン33が備えている場合と、図3Bに示すようにシリンダの内周面(シリンダ内径)22aに接するピストンリング37をピストン33が備える場合がある。ここで、図3Bの下の図のA−A断面を、図3Bの上の図に示している。揺動方向シリンダギャップ38と主軸方向のシリンダギャッップ39a、39bがピストン33とシリンダ内径22aとの間に生じる。
【0023】
各々のシールリング方式において、揺動角が大きくなるにともない以下のような問題が生じる。
【0024】
<リップリング>
リップ部分36aがシリンダ内径22aに接する際の繰り返しの折り曲げ応力が増加し、R部根元近辺に疲労破損を生じる。
【0025】
<ピストンリング>
A.リップリング36のようにピストン33のガイドをする部品がないため、ピストン33の上下端角部がシリンダ内径(シリンダ内周面)22aに干渉する危険性が生じる。干渉を回避するために下端角部に逃げを設けると、ガス荷重を受けたピストンリング37を支えるリング溝下面の面積が減少するため、揺動方向シリンダギャップ38が拡大しピストンリングがその隙間に落ち込む変形を生じる。
B.揺動方向シリンダギャップ38に対し、ピストンリングが落ち込む変形を生じる。
C.リップリングと比べ肉厚で剛性が高いため、揺動時のシリンダ内径22aに対する追従性が悪く、シール性能が低下しブローバイ損失が増加する。
【0026】
前記したようなリップリングの問題点や、ピストンリングのAからCの問題点を解決するため、本実施例では、図3Cに示すような揺動ピストンを用いる。図3Cにおいて、ピストン33はコンロッド32とは別部品で構成され、ピストン33はコンロッド32と往復動方向にネジ35で締結(固定)されている。またピストン33の外周面33aは球面になっている。ピストン33はコンロッド32と一体化されていてもよい。
【0027】
シールリングとしてはピストンリング34を用いており、ピストンリング34はピストン33に設けられたリング溝33bに対してある隙間をもって嵌合している。なお、ピストンリングおよびリング溝を用いずに図3Dのように構成してもよい。
【0028】
圧縮機本体1が摺動部の潤滑に油を使用しないオイルフリー式であるとすると、ピストン33の材質は、耐摩耗性に優れる樹脂によって構成する。これによって、ピストン外周面33aがシリンダ内周面22aと直接に摺動することが可能になる。
【0029】
また、図2におけるシリンダ内周面22aの中心軸22bの延長線は、クランクシャフト24の回転中心24aに対して反負荷側(図の右方向)へ距離e

だけオフセットされている。クランクシャフト24の回転軸がシリンダ内径の中心軸とは交差しないような構成とすることで、このオフセットが生じる圧縮機本体の構成となっている。
このときのオフセット量e

において以下の関係式が成立している。
【0030】
(【0031】以降は省略されています)

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