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公開番号2021053673
公報種別公開特許公報(A)
公開日20210408
出願番号2019179534
出願日20190930
発明の名称圧延方法
出願人株式会社神戸製鋼所
代理人個人,個人,個人
主分類B21B 28/04 20060101AFI20210312BHJP(本質的には材料の除去が行なわれない機械的金属加工;金属の打抜き)
要約【課題】圧延ラインを止めることなく、圧延本数の増加に伴い減少する圧延可能幅を拡幅する圧延方法を提供する。
【解決手段】互いに異なる幅寸法を有する複数本の圧延材7を順次圧延する圧延機4により行われる圧延方法において、圧延方法は、圧延機4に圧延材7を送り込む圧延材送込工程と、送り込まれた圧延材7をワークロールRで圧延する圧延工程と、ワークロールRの表面をインラインロール研削装置Gで研削する研削工程と、を含む。研削工程は、圧延機4の稼働状態を止めることなく、圧延工程時にワークロールRの表面を1本の圧延材7が通過する時にワークロールRが摩耗されることにより形成される溝dのワークロール軸方向の少なくとも一方の幅端から、インラインロール研削装置GがワークロールRの表面においてワークロール軸方向の外側に向かって当該圧延材7による摩耗深さと同じ深さで研削可能な限られた範囲(δ)を研削する工程を含む。
【選択図】図7
特許請求の範囲【請求項1】
ワークロールとインラインロール研削装置とを備え、互いに異なる幅寸法を有する複数本の圧延材を順次圧延する圧延機により行われる圧延方法において、
前記圧延方法は、
前記圧延機に前記圧延材を送り込む圧延材送込工程と、
送り込まれた前記圧延材を前記ワークロールで圧延する圧延工程と、
前記ワークロールの表面を前記インラインロール研削装置で研削する研削工程と、
を含み、
前記研削工程は、前記圧延機の稼働状態を止めることなく、前記圧延工程時に前記ワークロールの表面を1本の前記圧延材が通過する時に前記ワークロールが摩耗されることにより形成される溝のワークロール軸方向の少なくとも一方の幅端から、前記インラインロール研削装置が前記ワークロールの表面においてワークロール軸方向の外側に向かって当該圧延材による摩耗深さと同じ深さで研削可能な限られた範囲を研削する工程を含む、
圧延方法。
続きを表示(約 270 文字)【請求項2】
前記限られた範囲は、ワークロール軸方向において、最少の幅を有する前記圧延材と最大の幅を有する前記圧延材との幅の差よりも小さな長さを有する、
請求項1に記載の圧延方法。
【請求項3】
前記限られた範囲は、ワークロール軸方向において、前記圧延材による摩耗深さと同じ深さを、前記ワークロールの表面を当該圧延材が通過した後次の圧延材が通過する前までの時間で、前記インラインロール研削装置が前記ワークロールの表面において研削することが可能な長さを有する、
請求項1又は請求項2に記載の圧延方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、圧延方法に関する。
続きを表示(約 6,100 文字)【背景技術】
【0002】
圧延においては、圧延機が有する2本のワークロール(以下、「ロール」という。)が上下から挟み込むように荷重をかけながら、金属を主成分とする圧延材を何本も断続的に圧延するので、ロールは、圧延材の通過に伴い少しずつ摩耗する。
【0003】
そして、摩耗に伴い、ロールの表面には通過した圧延材の幅に対応する幅を有する溝が形成されていく。
【0004】
ロールの溝が狭い幅で深くなればなるほど、ロールは、圧延に適さないようになる。例えば、深い溝が形成されたロールの溝を跨ぐ程の幅を有する圧延材を当該ロールで圧延すると、圧延後の圧延材がいわゆる耳延びという状態になったり、圧延後の圧延材が蛇行したりするなどして、圧延材の品質不良につながり、圧延材がコイラーに巻きつかず圧延ラインが操業不能に陥るなどの問題があった。
【0005】
そこで、そのような問題を解決するため、適当な本数の圧延材を圧延後にロールが交換される。また、摩耗による溝がロール表面の同じ位置に集中しないよう、ロールを周期的にシフトする方法も採用されている。さらに、ロールの交換頻度を減らすため、インラインロール研削装置によるロール表面の研削が行われている。
【0006】
特許文献1では、圧延機が1本の圧延材を圧延している最中に、インラインロール研削装置で、当該圧延材の後に圧延されるべき最大幅の圧延材の通板部に相当するロール表面であって最大幅の内側に発生する摩耗段差を研削し、その外側の段差部分を研削しないようにする研削方法であるインラインロール研削方法が提案されている。すなわち、特許文献1で示されるインラインロール研削方法では、圧延機が1本ないし複数本の圧延材を圧延し終わった後、あるいは圧延機が1本の圧延材を圧延している最中に、インラインロール研削装置で、ロールの表面を、溝の幅端から最大幅の圧延材に相当する幅まで研削する。
【0007】
圧延機が1本の圧延材を圧延するのに要する時間は、通常、30秒から2分間程度である。また、1本の圧延材を圧延した後、次の圧延材の圧延を開始するまでの時間(パス間時間)は、通常、数秒から数分程度である。
【0008】
ここで、ロールの溝dの溝底からのロールの径方向距離が100μmとなる摩耗段差を圧延品質上許容される摩耗段差と想定し、ロールの溝dの溝底からのロールの径方向距離が100μmとなる摩耗段差間の軸方向距離を、「圧延可能幅」と定義する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
特開2002−102909号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
特許文献1で示されるインラインロール研削方法は、実際の溝の幅に関わらず常にその溝の幅端から最大幅の圧延材に相当する幅までインラインロール研削装置でロールの表面を研削するものであるので、上記のように限られた短い時間で研削できる深さには著しい限界があり、多くの場合は溝の深さにまで到達する研削深さを実現できない。
【0011】
したがって、特許文献1で示されるインラインロール研削方法では、摩耗段差を十分に研削することができず、圧延可能幅は、直前に圧延した圧延材により形成された溝の幅に制限されている。
【0012】
すなわち、特許文献1に示されているインラインロール研削方法を確実に実施する場合、パス間時間を極端に長くとらざるを得ず、生産性を著しく阻害して現実的ではない。また、通常のパス間時間の範囲内で操業する場合には、依然として、ロール表面を通過した圧延材によって形成された溝の幅に、次の圧延可能幅が制限されるという問題を解決できていない。
【0013】
そこで、本発明は、圧延ラインを止めることなく、圧延本数の増加に伴い減少する圧延可能幅を拡幅する圧延方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明に係る圧延方法は、ワークロールとインラインロール研削装置とを備え、互いに異なる幅寸法を有する複数本の圧延材を順次圧延する圧延機により行われる圧延方法である。そして、前記圧延方法は、前記圧延機に前記圧延材を送り込む圧延材送込工程と、送り込まれた前記圧延材を前記ワークロールで圧延する圧延工程と、前記ワークロールの表面を前記インラインロール研削装置で研削する研削工程と、を含む。
【0015】
そして、前記研削工程は、前記圧延機の稼働状態を止めることなく、前記圧延工程時に前記ワークロールの表面を1本の前記圧延材が通過する時に前記ワークロールが摩耗されることにより形成される溝のワークロール軸方向の少なくとも一方の幅端から、前記インラインロール研削装置が前記ワークロールの表面においてワークロール軸方向の外側に向かって当該圧延材による摩耗深さと同じ深さで研削可能な限られた範囲を研削する工程を含む。
【0016】
本発明に係る圧延方法によれば、前記圧延工程時に前記ワークロールの表面を1本の前記圧延材が通過する時に前記ワークロールが摩耗されることにより形成される溝のワークロール軸方向の少なくとも一方の幅端から、前記インラインロール研削装置が前記ワークロールの表面においてワークロール軸方向の外側に向かって当該圧延材による摩耗深さと同じ深さで研削可能な限られた範囲を研削する工程を含むので、当該溝は、確実に当該圧延材による摩耗深さと同じ深さでワークロール軸方向において当該限られた範囲を拡幅される。したがって、次の圧延において許容される圧延可能幅が拡幅されるので、先の圧延材の幅よりも幅が広い次の圧延材であっても、圧延が可能となる。そして、この工程は、圧延機の稼働状態を止めることなく、圧延材が圧延される毎に行われるので、圧延本数の増加に伴い減少していた圧延可能幅を各圧延材の圧延毎に拡幅することができる。
【0017】
前記限られた範囲は、ワークロール軸方向において、最少の幅を有する前記圧延材と最大の幅を有する前記圧延材との幅の差よりも小さな長さを有することが好ましい。
【0018】
最少の幅を有する圧延材と最大の幅を有する圧延材との幅の差よりも小さな長さをインラインロール研削装置で研削することにより、圧延材による摩耗深さと同じ深さでワークロールの表面を研削することが、より確実となる。すなわち、より確実に、圧延可能幅を拡幅することができる。
【0019】
さらに、前記限られた範囲は、ワークロール軸方向において、前記圧延材による摩耗深さと同じ深さを、前記ワークロールの表面を当該圧延材が通過した後次の圧延材が通過する前までの時間で、前記インラインロール研削装置が前記ワークロールの表面において研削することが可能な長さを有することが好ましい。
【0020】
ワークロール軸方向において、前記圧延材による摩耗深さと同じ深さを、前記ワークロールの表面を当該圧延材が通過した後次の圧延材が通過する前までの時間で、前記インラインロール研削装置が前記ワークロールの表面において研削することが可能な長さを、インラインロール研削装置で研削することにより、圧延材による摩耗深さと同じ深さでワークロールの表面を研削することが、より確実となる。すなわち、より確実に、圧延可能幅を拡幅することができる。
【発明の効果】
【0021】
したがって、本発明に係る圧延方法によれば、圧延ラインを止めることなく、圧延本数の増加に伴い減少する圧延可能幅を拡幅することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
熱間圧延ラインの全体の概要を示す模式的な図である。
(a)は、圧延時にロールの表面を1本の圧延材が通過する時にロールが摩耗されることにより形成される溝の形状を示す図である。横軸がロール軸方向であり、縦軸がロール径方向である。この図でyは摩耗量を負の値で表現している。例えば、摩耗量が100μmの場合、y=−100μmとしてグラフをプロットした。(b)は、深い溝が形成されたロールの溝を示す図であるとともに、当該溝を跨ぐ程の幅を有する圧延材をロールで圧延することにより、圧延材に生じる形状不良の様子を示す図である。
ロールの溝の溝底からのロールの径方向距離が100μmとなる摩耗段差間のロール軸方向距離を「圧延可能幅」と定義することを示す図である。
(a)は、1本の圧延材を圧延したときにロールの表面に形成される溝の幅端及び摩耗深さを模式的に示す図である。(b)は、特許文献1で示す従来技術により溝の幅端から圧延材最大幅までインラインロール研削装置で研削したときの研削深さを模式的に示す図である。
インラインロール研削装置がロールの表面を研削する様子を示す模式的な斜視図である。
1本の圧延材を圧延したときにロールの表面に形成される溝の幅端から、本発明によって限られた範囲が研削される様子を模式的に示す図である。
1本毎に圧延材の板幅が狭くなるような順番に複数本の圧延材を圧延した後に、ロール表面に形成される複数の溝形状と、それぞれの溝の幅端から本発明によって限られた範囲が研削される様子を模式的に示す図である。
いわゆるサイクリックシフトを示す図であり、2本のロールが互いに軸方向の逆向きに周期的にシフトする様子を模式的に示す図である。
比較例1で圧延本数の増加に伴い変化する溝の形状を計算によりシミュレーションした結果を示すグラフである。
比較例2で圧延本数の増加に伴い変化する溝の形状を計算によりシミュレーションした結果を示すグラフである。
比較例3で圧延本数の増加に伴い変化する溝の形状を計算によりシミュレーションした結果を示すグラフである。
本発明に係る実施例で圧延本数の増加に伴い変化する溝の形状を計算によりシミュレーションした結果を示すグラフである。
本発明に係る実施例と比較例1、2及び3とにおける圧延本数ごとの圧延可能幅を計算したものを示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明の好ましい実施の形態を、図面を参照しながら説明する。本実施の形態では、熱間圧延を前提に説明を行うものとする。ただし、本発明は、熱間圧延に限定される圧延方法ではなく、冷間圧延における圧延方法も含むものである。
【0024】
熱間圧延ラインは、図1に示すようなものが代表的である。熱間圧延ライン100は、複数の加熱炉1、複数の粗圧延機2、クロップシャー3、複数の仕上圧延機4、冷却ゾーン5、コイラー6を備え、圧延材7を複数本例えば100本断続的に圧延する。複数の加熱炉1は、図1の場合3基であり、No.1、No.2、No.3とそれぞれ符号を付されている。複数の粗圧延機2は、図1の場合3基であり、R1、R2、R3とそれぞれ符号を付されている。複数の仕上圧延機4は、図1の場合7基であり、F1、F2、F3、F4、F5、F6、F7とそれぞれ符号を付されている。コイラー6は、図1の場合2基であり、DC1、DC2とそれぞれ符号を付されている。
【0025】
1台の仕上圧延機4(以下、「圧延機4」という。)は、ロールRとインラインロール研削装置Gとを備える。圧延機4は、互いに異なる幅寸法を有する複数本の圧延材7を順次圧延する圧延機である。
【0026】
ロールRは、概形として1本の筒状金属部材である。ロールRは、圧延材7と接触するための円筒状のバレル面を有している。ロールRは、圧延機4に上下に並列するように2本備えられている。そして、2本のロールRは、圧延機4に送り込まれてきた圧延材7をバレル面に接触させながら、圧延材7に荷重をかけて、圧延材7を圧延する。
【0027】
ロールRの表面を圧延材7が通過することにより、ロールRの表面には、通過した圧延材7の幅に対応する幅を有する溝dが形成されていく。ロールRの表面には、例えば、図2(a)に示すような溝dが形成されていく。溝dの形状は、通常、ロールの径方向に凹状であり、すり鉢状の形状である。溝dは、その幅方向すなわちロールの軸方向に幅端を有する。溝dの幅端は、圧延材7の通過によりロールRの表面に形成された摩耗段差である。溝dの幅端は、圧延方法によって、急峻な段差である場合もあり、緩やかな段差である場合もある。
【0028】
図2(b)に示すように、深い溝dが形成されたロールRの溝dを跨ぐ程の幅を有する圧延材7を当該ロールRで圧延すると、圧延後の圧延材7がいわゆる耳延びという状態になる。耳延びとは、圧延材の幅方向の端縁が、圧延材の幅方向の中央部に比べて、強い荷重で圧延されたことにより、延び長さが長くなり、圧延材の幅方向の中央部よりも高さ方向に浮き上がったりうねりを生じたりする状態である。
【0029】
ここで、ロール表面の形状(いわゆるロール・プロファイル)から、そのロールが品質不良を起こさずに圧延可能である圧延材の幅(以下、「圧延可能幅」という。)を定義することができることを改めて説明する。本明細書では、図3に示すように、ロールRの溝dの溝底からのロールの径方向距離が100μmとなる摩耗段差を圧延品質上許容される摩耗段差と想定し、ロールRの溝dの溝底からのロールの径方向距離が100μmとなる摩耗段差間の軸方向距離を、「圧延可能幅」Wと定義している。すなわち、圧延可能幅Wとは、ロールRの表面を1本の圧延材7が通過した後次の圧延材7において許容される幅の最大値である。
【0030】
圧延可能幅Wは、通常、一定の圧延本数までは、ロールRのバレル面の幅であり一定の幅を保ち、圧延本数が一定本数よりも増加するに伴い、減少する。これは、圧延材7による摩耗に伴い溝dの深さが100μmを超えるまではバレル面全面に渡って圧延が可能であるものの、溝dの深さが100μmを超えると、溝dのすり鉢状形状から、圧延本数の増加に伴い溝底の近傍の幅が狭くなるからである。したがって、圧延可能幅Wを拡幅するためには、溝dの幅端をロールの軸方向の外側に向かって研削する必要がある。
(【0031】以降は省略されています)

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