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公開番号2021053173
公報種別公開特許公報(A)
公開日20210408
出願番号2019179829
出願日20190930
発明の名称編組チューブ
出願人日立金属株式会社
代理人特許業務法人平田国際特許事務所
主分類A61M 25/10 20130101AFI20210312BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約【課題】透明度の高い編組チューブを提供する。
【解決手段】編組チューブ1は、熱可塑性ポリウレタン樹脂からなる中空筒状の内側樹脂層2と、内側樹脂層2の周囲にナイロンからなる素線3aを編組して構成された編組線3と、熱可塑性ポリウレタン樹脂からなり、内側樹脂層2及び編組線3の周囲を覆うように設けられた外側樹脂層4と、を備え、チューブ長手方向に垂直な断面において、編組線3の素線3aの周囲に形成された空隙6の幅が、30μm以下である。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
熱可塑性ポリウレタン樹脂からなる中空筒状の内側樹脂層と、
前記内側樹脂層の周囲にナイロンからなる素線を編組して構成された編組線と、
熱可塑性ポリウレタン樹脂からなり、前記内側樹脂層及び前記編組線の周囲を覆うように設けられた外側樹脂層と、を備え、
チューブ長手方向に垂直な断面において、前記編組線の前記素線の周囲に形成された空隙の幅が、30μm以下である、
編組チューブ。
続きを表示(約 490 文字)【請求項2】
チューブ長手方向に垂直な断面において、前記素線全体の外周の長さに対する、前記空隙に面した前記素線の外周の長さの割合が、60%以下である、
請求項1に記載の編組チューブ。
【請求項3】
前記編組線に用いる前記素線の素線径が、0.20mm以下である、
請求項1または2に記載の編組チューブ。
【請求項4】
前記編組線よりも径方向外方の前記外側樹脂層の厚さが、前記編組線よりも径方向内方の前記内側樹脂層の厚さ以上である、
請求項1乃至3の何れか1項に
記載の編組チューブ。
【請求項5】
前記内側樹脂層、前記編組線、及び前記外側樹脂層の全体での肉厚の最大値から最小値を減じた値が、0.16mm以下である、
請求項1乃至4の何れか1項に記載の編組チューブ。
【請求項6】
チューブ長手方向に垂直な断面において、前記内側樹脂層の内周面の中心と、前記外側樹脂層の外周面の中心との距離が、0.08mm以下である、
請求項1乃至5の何れか1項に記載の編組チューブ。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、編組チューブに関する。
続きを表示(約 5,500 文字)【背景技術】
【0002】
例えば、経皮的冠動脈形成術(PTCA)や経皮的血管形成術(PTA)において、拡張用バルーンカテーテルを拡張、収縮させるインデフレーター等に用いられる耐圧チューブとして、編組チューブが用いられている。
【0003】
編組チューブとしては、熱可塑性ポリウレタン樹脂(TPU)からなるチューブに、ナイロンからなる素線を用いた編組線が埋め込まれた構造のものが一般に知られている。
【0004】
なお、この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては、特許文献1がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2008−86340号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上述のインデフレーターでは、編組チューブ内に造影剤等の液体が流通される。この液体に気泡が含まれると所望の動作が得られないおそれがあるため、編組チューブとしては、その内部を流通している透明な液体、及び当該液体に含まれる気泡の外形が視認できる程度の高い透明度が要求される。
【0007】
そこで、本発明は、透明度の高い編組チューブを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記課題を解決することを目的として、熱可塑性ポリウレタン樹脂からなる中空筒状の内側樹脂層と、前記内側樹脂層の周囲にナイロンからなる素線を編組して構成された編組線と、熱可塑性ポリウレタン樹脂からなり、前記内側樹脂層及び前記編組線の周囲を覆うように設けられた外側樹脂層と、を備え、チューブ長手方向に垂直な断面において、前記編組線の前記素線の周囲に形成された空隙の幅が、30μm以下である、編組チューブを提供する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、透明度の高い編組チューブを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本発明の一実施の形態に係る編組チューブを用いたインデフレーターの平面図である。
本発明の一実施の形態に係る編組チューブを示す図であり、(a)はチューブ長手方向に垂直な断面を示す断面図、(b)はそのA部拡大図である。
図1の編組チューブの側面図である。
図1の編組チューブにおいて、編組線の素線が径方向に重なる位置の断面を拡大した図である。
図1の編組チューブを製造する際の手順を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[実施の形態]
以下、本発明の実施の形態を添付図面にしたがって説明する。
【0012】
(編組チューブを用いたインデフレーターの説明)
図1は、本実施の形態に係る編組チューブを用いたインデフレーターの平面図である。インデフレーター10は、経皮的冠動脈形成術(PTCA)や経皮的血管形成術(PTA)において、拡張用バルーンカテーテルを拡張、収縮させるためのものである。
【0013】
図1に示すように、インデフレーター10は、造影剤等の作動流体を送出あるいは吸引する所謂プランジャポンプ(あるいはピストンポンプ)であり、シリンダ11と、プランジャ(あるいはピストン)12と、シリンダ11内の作動流体の圧力を検出する圧力計13と、を有している。
【0014】
インデフレーター10において、作動流体の吐出、あるいは吸引を行う液出入口14には、本実施の形態に係る編組チューブ1の一端が接続される。編組チューブ1の他端には、コネクタ(ルアーコネクタ)15が設けられている。本実施の形態では、コネクタ15には、図示しない拡張用バルーンカテーテルが接続される。
【0015】
インデフレーター10では、プランジャ12を進退させることで、作動流体の加圧・減圧を行い、拡張用バルーンカテーテルを拡張、収縮させる。この際、例えば、編組チューブ1内に気泡が混入されていると、作動流体の加圧・減圧が意図通りに行われず、拡張用バルーンカテーテルが意図しない動作を行うおそれがある。また、作動流体としては、透明な液体が用いられる場合もあるため、編組チューブ1では、その内部を流通している透明な液体、及び当該液体に含まれる気泡の外形が視認できる程度の高い透明度が要求される。また、作動流体を加圧した際に編組チューブ1の一部が膨張してしまうと、作動流体の加圧が意図通りに行われず、拡張用バルーンカテーテルが意図しない動作を行うおそれがあるため、編組チューブ1には、高い耐圧性が要求される。
【0016】
(編組チューブ1の説明)
図2は、本実施の形態に係る編組チューブを示す図であり、(a)はチューブ長手方向に垂直な断面を示す断面図、(b)はそのA部拡大図である。また、図3は、編組チューブの側面図である。本実施の形態に係る編組チューブ1は、例えば上述のインデフレーターに用いられるものであり、医療用途に用いられるものである。
【0017】
図2及び図3に示すように、編組チューブ1は、中空筒状の内側樹脂層2と、内側樹脂層2の周囲に素線3aを編組して構成された編組線3と、内側樹脂層2及び編組線3の周囲を覆うように設けられた外側樹脂層4と、を備えている。
【0018】
内側樹脂層2及び外側樹脂層4は、可視光を透過する部材からなる。本実施の形態では、内側樹脂層2及び外側樹脂層4は、熱可塑性ポリウレタン樹脂(TPU)からなる。以下、内側樹脂層2と外側樹脂層4をまとめて樹脂層5と呼称する。本実施の形態では、樹脂層5の内径(内側樹脂層2の内径)を1.70mm以上1.90mm以下とし、樹脂層5の外径(外側樹脂層4の外径)を3.50mm以上3.70mm以下とした。樹脂層5全体での厚さは、0.80mm以上1.00mm以下である。
【0019】
外側樹脂層4は、編組線3の素線3a同士の隙間に入り込み、素線3aの周囲にできるだけ隙間無く密着するように形成されている(この点についての詳細は後述する)。また、外側樹脂層4と内側樹脂層2とは、外側樹脂層4を成形する際の熱により溶着し一体化されている。外側樹脂層4の成形の際に外側樹脂層4と内側樹脂層2とが溶着し一体となるように、外側樹脂層4を構成する樹脂の融点は、内側樹脂層2を構成する樹脂の融点以上であるとよい。
【0020】
編組線3の素線3aとしては、ナイロンからなるものを用いる。また、編組線3の素線3aとしては、編組チューブ1の透明度を高めるために、非着色のものを用いるとよい。非着色のナイロンは、可視光を透過する透明な部材である。なお、図2(a),(b)では、素線3aの断面形状が楕円形状となっているが、これはチューブ長手方向に対して傾斜する方向に沿って素線3aが配置されているためであり、素線3aの長手方向に垂直な断面形状は円形状である。
【0021】
また、編組線3の素線3aの外径は、0.20mm以下であるとよい。これは、編組線3の素線3aが太すぎると編組チューブ1の内部を流通する液体や当該液体に含まれる気泡を視認しにくくなる(つまり透明度が低下する)おそれがあるためである。素線3aの外径を0.20mm以下と細くすることにより、編組線3が目立ちにくくなり、編組チューブ1の内部を流通する透明な液体や当該液体に含まれる気泡を視認し易くなる。本実施の形態では、外径が0.15mmの素線3aを用いた。なお、素線3aが細すぎると耐圧性が低下してしまうおそれがあるため、素線3aの外径は、0.10mm以上であることが望ましい。
【0022】
本発明者らは、編組チューブ1の透明度を高めるべく検討を行ったところ、例えば編組チューブ1をチューブ長手方向に強く引っ張る力を加えた場合に、編組線3が白く目立つ状態となり、編組チューブ1の内部を流通する透明な液体や当該液体に含まれる気泡を視認しにくくなることを見出した。さらに検討を進めたところ、編組線3が白く目立つのは、編組線3の素線3aがその周囲の樹脂層5に対して剥離してしまい、素線3aの周囲に空隙が生じるためであることを見出した。
【0023】
そこで、本実施の形態に係る編組チューブ1では、チューブ長手方向に垂直な断面において、編組線3の素線3aの周囲に形成された空隙6の幅wを、30μm以下とした。なお、空隙6の幅wとは、チューブ長手方向に垂直な断面において、空隙6を挟んで対向する素線3aの外表面と樹脂層5(内側樹脂層2または外側樹脂層4)の最短距離をいう。空隙6の幅wを30μm以下と小さくすることにより、編組線3が目立ちにくくなり、編組チューブ1の透明度が向上する。その結果、編組チューブ1の内部を流通している透明な液体、及び当該液体に含まれる気泡の外形が容易に視認できるようになる。なお、編組チューブ1の透明度をより高めるために、空隙6の幅wを25μm以下とすることがより望ましい。
【0024】
また、編組チューブ1の透明度をより高めるためには、素線3aの外周において空隙6が存在している割合をできるだけ小さくし、素線3aと樹脂層5が密着している割合を高めることがより望ましいといえる。具体的には、チューブ長手方向に垂直な断面において、素線3a全体の外周の長さに対する、空隙6に面した素線3aの外周の長さの割合を、60%以下とすることが望ましい。換言すれば、チューブ長手方向に垂直な断面において、素線3a全体の外周の長さに対する、樹脂層5と密着している素線3aの外周の長さの割合を、40%以上とすることが望ましい。
【0025】
外側樹脂層4を薄くした場合、編組線3の素線3aの有無による凹凸が外側樹脂層4の外表面に転写されて、外側樹脂層4の外表面に凹凸が生じ、編組チューブ1の透明度が低下するおそれがある。そのため、編組線3よりも径方向外方の外側樹脂層4の厚さが、素線3aの外径の倍以上(編組線3の厚さd1以上)であるとよい。より詳細には、図4に示すように、編組線3は複数の素線3aを編み合わせて構成されるため、2本の素線3aがチューブ径方向に重なる位置が存在する。この位置において、編組線3よりも径方向外方の外側樹脂層4の厚さd2が、編組線3の厚さd1以上であるとよい。本実施の形態では、編組線3よりも径方向外方の外側樹脂層4の厚さd2を、0.3mm以上とした。
【0026】
また、編組チューブ1の耐圧性を高めるために、樹脂層5の内周面と外周面との同軸度が高いことが望まれる。これは、同軸度が低いと、樹脂層5の一部が薄くなり、当該薄い部分が作動流体に圧力がかかった際に変形する(膨張する)おそれが生じるためである。より具体的には、チューブ長手方向に垂直な断面における樹脂層5の内周面と外周面の同軸度、すなわち、内側樹脂層2の内周面の中心と、外側樹脂層4の外周面の中心との距離が、0.08mm以下であるとよい。
【0027】
さらに、編組チューブ1の耐圧性を高めるために、編組チューブ1の肉厚(内側樹脂層2、編組線3、及び外側樹脂層4の全体での肉厚)はできるだけ均一であることが望まれる。具体的には、編組チューブ1の肉厚の最大値から、編組チューブ1の肉厚の最小値を減じた値が、0.16mm以下であるとよい。
【0028】
(編組チューブ1の製造方法)
図5は、編組チューブ1を製造する際の手順を示すフロー図である。図5に示すように、編組チューブ1を製造する際には、まず、ステップS1にて、芯材の押出成形を行う。芯材は、内側樹脂層2を押出成形する際に中心に配置されるものであり、後に除去される(ステップS6)ことで、作動流体を通す中空部を形成するためのものである。芯材は、断面形状が円形状の中実の線状に形成される。本実施の形態では、ポリエチレンからなる芯材を用いた。
【0029】
その後、ステップS2にて、芯材の周囲に内側樹脂層2を押出成形する。この際、芯材の抜去を容易とするために、所謂チューブ押出により内側樹脂層2を成形するとよい。その後、ステップS3にて、内側樹脂層2の周囲に素線3aを編み合わせて編組線3を形成する。
【0030】
その後、ステップS4にて、内側樹脂層2と編組線3の周囲に、外側樹脂層4を押出成形する。外側樹脂層4を押出成形する際の圧力、温度等の条件を適切に設定することで、編組線3の素線3a間の隙間に樹脂を入り込ませて素線3aと樹脂とを密着させ、素線3aの周囲の空隙6を極めて小さくする(空隙6の幅を30μm以下にする)と共に、内側樹脂層2と外側樹脂層4とを溶け合わせて密着させ、内側樹脂層2と外側樹脂層4とを一体化することが可能になる。なお、外側樹脂層4の成形の際に編組線3の素線3aが溶融してしまうと耐圧性が低下してしまうため、素線3aが溶融しない程度の温度で外側樹脂層4を押出成形するとよい。
(【0031】以降は省略されています)

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