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公開番号2021052523
公報種別公開特許公報(A)
公開日20210401
出願番号2019174585
出願日20190925
発明の名称駆動装置
出願人日本電産株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類H02K 9/19 20060101AFI20210305BHJP(電力の発電,変換,配電)
要約【課題】ステータを周方向において広範囲に冷却できる駆動装置を提供する。
【解決手段】駆動装置は、ロータ、およびロータの径方向外側に位置するステータを有するモータと、モータを収容するハウジング6と、ハウジング内を通り、冷媒が流れる冷媒流路と、を備える。ハウジングの内周面とステータの外周面とは、径方向に互いに対向する。冷媒流路は、ハウジングの内周面とステータの外周面との間に冷媒を噴射する噴射孔11dと、ハウジングの内周面とステータの外周面との間に位置する案内流路99と、を有する。案内流路は、ハウジングの内周面またはステータの外周面の少なくとも一方の面に位置し、周方向に沿って延びる溝である。
【選択図】図6
特許請求の範囲【請求項1】
モータ軸を中心として回転可能なロータ、および前記ロータの径方向外側に位置するステータを有するモータと、
前記モータを収容するハウジングと、
前記ハウジング内を通り、冷媒が流れる冷媒流路と、を備え、
前記ハウジングの内周面と前記ステータの外周面とは、径方向に互いに対向し、
前記冷媒流路は、
前記ハウジングの内周面と前記ステータの外周面との間に冷媒を噴射する噴射孔と、
前記ハウジングの内周面と前記ステータの外周面との間に位置する案内流路と、を有し、
前記案内流路は、前記ハウジングの内周面または前記ステータの外周面の少なくとも一方の面に位置し、周方向に沿って延びる溝である、
駆動装置。
続きを表示(約 2,000 文字)【請求項2】
前記噴射孔は、周方向に向けて開口する、
請求項1に記載の駆動装置。
【請求項3】
前記案内流路は、軸方向に互いに間隔をあけて複数設けられる、
請求項1または2に記載の駆動装置。
【請求項4】
前記案内流路の軸方向の幅は、前記噴射孔の軸方向の幅よりも大きい、
請求項1から3のいずれか1項に記載の駆動装置。
【請求項5】
前記案内流路の軸方向の幅は、前記噴射孔の軸方向の幅よりも小さい、
請求項1から3のいずれか1項に記載の駆動装置。
【請求項6】
前記案内流路の軸方向位置と、前記噴射孔の軸方向位置とが、互いに同じである、
請求項1から5のいずれか1項に記載の駆動装置。
【請求項7】
前記案内流路の軸方向位置と、前記噴射孔の軸方向位置とが、互いに異なる、
請求項1から5のいずれか1項に記載の駆動装置。
【請求項8】
前記ハウジングは、前記ハウジングの内周面から径方向内側へ突出するステータ対向壁部を有し、
前記ステータ対向壁部の径方向内側面は、前記ステータの外周面と接触し、または隙間をあけて対向し、
前記案内流路は、前記ステータ対向壁部の径方向内側面に設けられる、
請求項1から7のいずれか1項に記載の駆動装置。
【請求項9】
前記ハウジングは、前記ハウジングの内周面から径方向内側へ突出するステータ対向壁部を有し、
前記ステータ対向壁部の径方向内側面は、前記ステータの外周面と接触し、または隙間をあけて対向し、
前記ステータ対向壁部は、周方向に互いに間隔をあけて複数設けられ、
複数の前記ステータ対向壁部は、鉛直方向において互いに異なる位置に配置される上側の前記ステータ対向壁部および下側の前記ステータ対向壁部を含み、
前記案内流路は、上側の前記ステータ対向壁部の径方向内側面に設けられる、
請求項1から8のいずれか1項に記載の駆動装置。
【請求項10】
前記ハウジングの内周面と前記ステータの外周面との間に配置され、軸方向に延びるパイプを備え、
前記パイプは、前記パイプの周壁を貫通する前記噴射孔を有し、
前記冷媒流路は、前記噴射孔と繋がり前記パイプ内に位置するパイプ内流路を有する、
請求項1から9のいずれか1項に記載の駆動装置。
【請求項11】
前記ハウジングは、前記ハウジングの内周面に配置されて径方向外側に窪み、周方向に延びるハウジング溝部を有し、
前記案内流路は、前記ハウジング溝部に位置する、
請求項1から10のいずれか1項に記載の駆動装置。
【請求項12】
前記ステータは、前記ステータの外周面に配置されて径方向内側に窪み、周方向に延びるステータ溝部を有し、
前記案内流路は、前記ステータ溝部に位置する、
請求項1から11のいずれか1項に記載の駆動装置。
【請求項13】
前記噴射孔は、軸方向に互いに間隔をあけて複数設けられる、
請求項1から12のいずれか1項に記載の駆動装置。
【請求項14】
前記案内流路は、前記噴射孔の周方向一方側に位置する第1案内流路を有する、
請求項1から13のいずれか1項に記載の駆動装置。
【請求項15】
前記案内流路は、前記噴射孔の周方向他方側に位置する第2案内流路を有する、
請求項14に記載の駆動装置。
【請求項16】
前記案内流路の少なくとも一部は、前記モータ軸よりも鉛直方向の上側に配置される、
請求項1から15のいずれか1項に記載の駆動装置。
【請求項17】
前記ハウジングの内部と外部とを連通可能なブリーザを備え、
前記ハウジングは、前記噴射孔と前記ブリーザとの間を仕切る仕切り壁部を有し、
前記ブリーザは、前記噴射孔よりも鉛直方向の上側に配置される、
請求項1から16のいずれか1項に記載の駆動装置。
【請求項18】
前記仕切り壁部は、径方向において、前記ステータの外周面と前記ブリーザとの間に位置する部分を有する、
請求項17に記載の駆動装置。
【請求項19】
前記噴射孔は、前記仕切り壁部とは反対方向に向けて開口する、
請求項17または18に記載の駆動装置。
【請求項20】
前記仕切り壁部は、前記仕切り壁部の径方向内側面が前記ハウジングの内周面の一部を構成し、
前記案内流路は、前記仕切り壁部の径方向内側面または前記ステータの外周面の少なくとも一方に位置する、
請求項17から19のいずれか1項に記載の駆動装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、駆動装置に関する。
続きを表示(約 8,000 文字)【背景技術】
【0002】
従来、モータと、ハウジングと、冷媒流路と、を備える駆動装置が知られる。特許文献1に記載の回転電機の冷却構造体は、冷媒が、パイプの孔を介して噴射されモータステータ又はジェネレータステータを通過する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特許第5865215号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば、ハウジングの内周面とステータの外周面とが周方向の一部以上で嵌合していたり、僅かな隙間をあけて対向するような構成の場合には、噴射された冷媒が、ハウジングとステータとの接触部分等で堰き止められる。このため、ステータを周方向において広範囲に冷却することが難しい。
【0005】
上記事情に鑑み、本発明は、ステータを周方向において広範囲に冷却できる駆動装置を提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の駆動装置の一つの態様は、モータ軸を中心として回転可能なロータ、および前記ロータの径方向外側に位置するステータを有するモータと、前記モータを収容するハウジングと、前記ハウジング内を通り、冷媒が流れる冷媒流路と、を備える。前記ハウジングの内周面と前記ステータの外周面とは、径方向に互いに対向する。前記冷媒流路は、前記ハウジングの内周面と前記ステータの外周面との間に冷媒を噴射する噴射孔と、前記ハウジングの内周面と前記ステータの外周面との間に位置する案内流路と、を有する。前記案内流路は、前記ハウジングの内周面または前記ステータの外周面の少なくとも一方の面に位置し、周方向に沿って延びる溝である。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一つの態様の駆動装置によれば、ステータを周方向において広範囲に冷却できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1は、本実施形態の駆動装置を模式的に示す概略構成図である。
図2は、本実施形態のステータ、第1パイプおよび第2パイプを示す斜視図である。
図3は、本実施形態の駆動装置の一部を示す断面図であって、図1におけるIII−III断面図である。
図4は、本実施形態の駆動装置の一部を示す断面図であって、図1におけるIV−IV断面図である。
図5は、本実施形態の第1パイプを示す斜視図である。
図6は、本実施形態のハウジング、第1パイプおよび第2パイプを軸方向から見た図である。
図7は、本実施形態の駆動装置の一部を示す断面図であり、モータ軸に垂直な断面を表す。
図8は、本実施形態の第1変形例の駆動装置および案内流路を模式的に示す断面図である。
図9は、本実施形態の第2変形例の駆動装置および案内流路を模式的に示す断面図である。
図10は、本実施形態の第3変形例の駆動装置および案内流路を模式的に示す断面図である。
図11は、本実施形態の第4変形例の駆動装置および案内流路を模式的に示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下の説明では、各図に示す本実施形態の駆動装置1が水平な路面上に位置する図示しない車両に搭載された場合の位置関係を基に、鉛直方向を規定して説明する。また、図面においては、適宜3次元直交座標系としてXYZ座標系を示す。XYZ座標系において、Z軸方向は、鉛直方向である。+Z側は、鉛直方向上側であり、−Z側は、鉛直方向下側である。本実施形態では、鉛直方向上側を単に「上側」と呼び、鉛直方向下側を単に「下側」と呼ぶ。X軸方向は、Z軸方向と直交する方向であって駆動装置1が搭載される車両の前後方向である。本実施形態において、+X側は、車両の前側であり、−X側は、車両の後側である。Y軸方向は、X軸方向とZ軸方向との両方と直交する方向であって、車両の左右方向、すなわち車幅方向である。本実施形態において、+Y側は、車両の左側であり、−Y側は、車両の右側である。前後方向および左右方向は、鉛直方向と直交する水平方向である。本実施形態において、左側は、軸方向一方側に相当し、右側は、軸方向他方側に相当する。また前側は、水平方向一方側に相当し、後側は、水平方向他方側に相当する。
【0010】
なお、前後方向の位置関係は、本実施形態の位置関係に限られず、+X側が車両の後側であり、−X側が車両の前側であってもよい。この場合には、+Y側は、車両の右側であり、−Y側は、車両の左側である。
【0011】
各図に適宜示すモータ軸J1は、Y軸方向、すなわち車両の左右方向に延びる。本実施形態では、特に断りのない限り、モータ軸J1に平行な方向を単に「軸方向」と呼び、モータ軸J1を中心とする径方向を単に「径方向」と呼び、モータ軸J1を中心とする周方向、すなわち、モータ軸J1の軸回りを単に「周方向」と呼ぶ。本実施形態において、軸方向一方側(+Y側)は、軸方向のうち、後述するハウジング6のモータ収容部61からギヤ収容部62へ向かう方向である。軸方向他方側(−Y側)は、軸方向のうち、ギヤ収容部62からモータ収容部61へ向かう方向である。また周方向のうち、所定方向を周方向一方側θ1と呼び、所定方向とは反対の方向を周方向他方側θ2と呼ぶ。本実施形態では、周方向のうち、周方向一方側θ1は、モータ軸J1よりも上側において後側(−X側)へ向かう方向であり、周方向他方側θ2は、モータ軸J1よりも上側において前側(+X側)へ向かう方向である。なお、本実施形態において、「平行な方向」は略平行な方向を含み、「直交する方向」は略直交する方向を含む。
【0012】
図1に示す本実施形態の駆動装置1は、ハイブリッド自動車(HEV)、プラグインハイブリッド自動車(PHV)、電気自動車(EV)等、モータを動力源とする車両に搭載され、その動力源として使用される。図1に示すように、駆動装置1は、モータ2と、減速装置4および差動装置5を含む伝達装置3と、ハウジング6と、ブリーザ70と、冷媒流路90と、パイプ10と、ポンプ96と、クーラー97と、を備える。なお、本実施形態において、駆動装置1はインバータユニットを含まない。言い換えると、駆動装置1はインバータユニットと別体構造となっている。
【0013】
ハウジング6は、内部にモータ2および伝達装置3を収容する。つまりハウジング6は、モータ2を収容する。ハウジング6は、モータ収容部61と、ギヤ収容部62と、隔壁61cと、ステータ対向壁部61fと、ハウジング溝部61gと、仕切り壁部61hと、を有する。モータ収容部61は、ハウジング6のうち、内部に後述するロータ20およびステータ30を収容する部分である。ギヤ収容部62は、ハウジング6のうち、内部に伝達装置3を収容する部分である。ギヤ収容部62は、モータ収容部61の左側に位置する。モータ収容部61の底部61aは、ギヤ収容部62の底部62aより上側に位置する。隔壁61cは、モータ収容部61の内部とギヤ収容部62の内部とを軸方向に区画し、仕切る。隔壁61cには、隔壁開口68が設けられる。隔壁開口68は、モータ収容部61の内部とギヤ収容部62の内部とを繋ぐ。隔壁61cは、ステータ30の左側に位置する。
【0014】
図3、図6および図7に示すように、ステータ対向壁部61fの径方向内側面は、ハウジング6の内周面の少なくとも一部を構成する。ステータ対向壁部61fは、ハウジング6の内周面のうちステータ対向壁部61f以外の部分よりも、径方向内側に突出する。つまりステータ対向壁部61fは、ハウジング6の内周面から径方向内側へ突出する。具体的に、ステータ対向壁部61fの径方向内側面は、モータ収容部61の内周面の部分を構成する。図6に示すように、ステータ対向壁部61fは、軸方向に沿って延びる。図7に示すように、ステータ対向壁部61fの径方向内側面は、モータ軸J1に垂直な断面の形状が、径方向外側に向けて窪む凹曲線状である。ステータ対向壁部61fの径方向内側面は、後述するステータ30の外周面と径方向に対向する。つまり、ハウジング6の内周面とステータ30の外周面とは、径方向に互いに対向する。ステータ対向壁部61fは、周方向に互いに間隔をあけて複数設けられる。ステータ対向壁部61fの径方向内側面は、ステータ30の外周面と接触し、または隙間をあけて対向する。本実施形態では、ステータ対向壁部61fの径方向内側面が、ステータ30の外周面と接触する。本実施形態によれば、複数のステータ対向壁部61fによりステータ30を安定して支持できる。
【0015】
複数のステータ対向壁部61fは、鉛直方向において互いに異なる位置に配置される上側のステータ対向壁部61fおよび下側のステータ対向壁部61fを含む。上側のステータ対向壁部61fは、例えば、モータ軸J1よりも上側に位置する。上側のステータ対向壁部61fは、周方向に互いに間隔をあけて複数設けられる。下側のステータ対向壁部61fは、例えば、モータ軸J1よりも下側に位置する。下側のステータ対向壁部61fは、周方向に互いに間隔をあけて複数設けられる。
【0016】
図6および図7に示すように、ハウジング溝部61gは、ステータ対向壁部61fの径方向内側面に配置される。ハウジング溝部61gは、溝状であり、ステータ対向壁部61fの径方向内側面から径方向外側に窪み、周方向に沿って延びる。つまりハウジング溝部61gは、ハウジング6の内周面に配置されて径方向外側に窪み、周方向に延びる。ハウジング溝部61gは、ステータ対向壁部61fの周方向一方側θ1を向く側面および周方向他方側θ2を向く側面にも開口する。すなわち、ハウジング溝部61gは、径方向内側、周方向一方側θ1および周方向他方側θ2に開口する。本実施形態では、ハウジング溝部61gが角溝状である。ハウジング溝部61gは、角溝状以外の丸溝状等であってもよい。ハウジング溝部61gは、軸方向に互いに間隔をあけて複数設けられる。
【0017】
図6に示すように、ハウジング溝部61gは、複数のステータ対向壁部61fのうち、モータ軸J1よりも上側に配置されるステータ対向壁部61fに設けられる。ハウジング溝部61gは、複数のステータ対向壁部61fのうち、モータ軸J1よりも下側に配置されるステータ対向壁部61fには設けられていない。つまりハウジング溝部61gは、モータ軸J1よりも上側に位置する。
【0018】
複数のステータ対向壁部61fのうち、第1のステータ対向壁部61fに設けられるハウジング溝部61gと、第1のステータ対向壁部61fとは周方向の位置が異なる第2のステータ対向壁部61fに設けられるハウジング溝部61gとは、周方向に互いに間隔をあけて配置される。第1のステータ対向壁部61fのハウジング溝部61gの軸方向位置と、第2のステータ対向壁部61fのハウジング溝部61gの軸方向位置とは、互いに同じである。
【0019】
仕切り壁部61hは、複数のステータ対向壁部61fのうち、少なくとも1つを構成する。つまり複数のステータ対向壁部61fには、1つ以上の仕切り壁部61hが含まれる。本実施形態では、仕切り壁部61hが1つ設けられる。仕切り壁部61hは、仕切り壁部61hの径方向内側面がハウジング6の内周面の一部を構成する。本実施形態では仕切り壁部61hの径方向内側面が、ハウジング6の内周面のうち、モータ軸J1よりも上側に位置する部分を構成する。つまり仕切り壁部61hは、モータ軸J1よりも上側に位置する。
【0020】
図6に示すように、仕切り壁部61hは、軸方向に沿って延びる。図7に示すように、仕切り壁部61hの径方向内側面は、モータ軸J1に垂直な断面の形状が、径方向外側に向けて窪む凹曲線状である。仕切り壁部61hの径方向内側面は、後述するステータ30の外周面と径方向に対向する。仕切り壁部61hの径方向内側面は、ステータ30の外周面と接触し、または隙間をあけて対向する。
【0021】
仕切り壁部61hは、ハウジング6の頂壁部から下側に突出する突出部61iと、突出部61iの下端部に繋がり周方向に延びる張出し部61jと、を有する。突出部61iは、パイプ10の後述する噴射孔11dと、ブリーザ70との間を仕切る。つまり仕切り壁部61hは、噴射孔11dとブリーザ70との間を仕切る。本実施形態では突出部61iが、噴射孔11dの周方向一方側θ1に配置され、かつブリーザ70の周方向他方側θ2に配置される。すなわち、仕切り壁部61hは、周方向において、噴射孔11dとブリーザ70との間を仕切る。
【0022】
張出し部61jは、突出部61iの下端部から周方向一方側θ1へ向けて張り出す。すなわち張出し部61jは、突出部61iの下端部から、周方向において噴射孔11dとは反対方向へ向けて延びる。張出し部61jは、径方向において、ステータ30の外周面とブリーザ70との間に位置する。つまり仕切り壁部61hは、径方向において、ステータ30の外周面とブリーザ70との間に位置する部分を有する。仕切り壁部61hは、径方向において、ステータ30の外周面とブリーザ70との間を仕切る。本実施形態によれば、噴射孔11dから噴射される冷媒およびステータ30の外周面上を流れる冷媒が、ブリーザ70に浸入することを抑制できる。ブリーザ70の機能が良好に維持され、駆動装置1の性能が安定する。さらには、ブリーザ70を介して冷媒であるオイルOがハウジング6の外部へ流出するのを抑制できる。
【0023】
ブリーザ70は、ハウジング6の内部と外部とを連通可能である。本実施形態ではブリーザ70が、ハウジング6の頂壁部つまり上側の壁部に設けられる。具体的に、ブリーザ70は、モータ収容部61の頂壁部に設けられる。ブリーザ70は、後述する噴射孔11dよりも上側に配置される。本実施形態によれば、噴射孔11dとブリーザ70との間が仕切り壁部61hにより仕切られ、かつ、ブリーザ70が噴射孔11dよりも上側に位置する。このためブリーザ70が、噴射孔11dから噴射された冷媒に浸されることが抑制される。ブリーザ70の機能が良好に維持され、駆動装置の性能が安定する。さらには、ブリーザ70を介してオイルOがハウジング6の外部へ流出するのを抑制できる。
【0024】
ブリーザ70は、ブリーザ本体70aと、弁体70bと、を有する。ブリーザ本体70aは、筒状であり、本実施形態では上下方向に延びる。ブリーザ本体70aは、ブリーザ本体70aの外周面に雄ネジ部を有する。ブリーザ本体70aの雄ネジ部は、モータ収容部61の頂壁部を上下方向に貫通するブリーザ取付孔61kの雌ネジ部にねじ込まれる。ブリーザ本体70aは、ブリーザ本体70aの内周面に弁座70cを有する。弁座70cは、上側を向く環状のテーパ面であり、上側へ向かうに従い内径が大きくなる。弁体70bは、球状であり、弁座70cに上側から接触する。弁体70bは、弁座70cに、上側に移動可能に載せられる。ハウジング6の内圧が外圧よりも高まり、内圧と外圧との圧力差が所定値以上になった場合や、駆動装置1が振動した場合などに、弁体70bは、弁座70cに対して上側へ移動する。これにより、ブリーザ70を通して、ハウジング6の内部と外部とが連通する。
【0025】
図1に示すように、ハウジング6は、内部に冷媒としてのオイルOを収容する。つまり本実施形態において、冷媒はオイルOである。本実施形態では、モータ収容部61の内部およびギヤ収容部62の内部に、オイルOが収容される。ギヤ収容部62の内部における下部領域には、オイルOが溜るオイル溜りPが設けられる。オイル溜りPのオイルOは、冷媒流路90によってモータ収容部61の内部に送られる。モータ収容部61の内部に送られたオイルOは、モータ収容部61の内部における下部領域に溜まる。モータ収容部61の内部に溜まったオイルOの少なくとも一部は、隔壁開口68を介してギヤ収容部62に移動し、オイル溜りPに戻る。
【0026】
なお、本明細書において「ある部分の内部にオイルが収容される」とは、モータが駆動している最中の少なくとも一部において、ある部分の内部にオイルが位置していればよく、モータが停止している際には、ある部分の内部にオイルが位置していなくてもよい。例えば、本実施形態においてモータ収容部61の内部にオイルOが収容されるとは、モータ2が駆動している最中の少なくとも一部において、モータ収容部61の内部にオイルOが位置していればよく、モータ2が停止している際においては、モータ収容部61の内部のオイルOがすべて隔壁開口68を通ってギヤ収容部62に移動してしまっていてもよい。なお、冷媒流路90によってモータ収容部61の内部へと送られたオイルOの一部は、モータ2が停止した状態において、モータ収容部61の内部に残っていてもよい。
【0027】
オイルOは、後述する冷媒流路90内を循環する。オイルOは、減速装置4および差動装置5の潤滑用として使用される。また、オイルOは、モータ2の冷却用として使用される。オイルOとしては、潤滑油および冷却油の機能を奏するために、比較的粘度の低いオートマチックトランスミッション用潤滑油(ATF:Automatic Transmission Fluid)と同等のオイルを用いることが好ましい。
【0028】
本実施形態においてモータ2は、インナーロータ型のモータである。モータ2は、ロータ20と、ステータ30と、複数のベアリング26,27と、を備える。ロータ20は、水平方向に延びるモータ軸J1を中心として回転可能である。ロータ20は、シャフト21と、ロータ本体24と、を有する。図示は省略するが、ロータ本体24は、ロータコアと、ロータコアに固定されるロータマグネットと、を有する。ロータ20のトルクは、伝達装置3に伝達される。
【0029】
シャフト21は、モータ軸J1を中心として軸方向に沿って延びる。シャフト21は、モータ軸J1を中心として回転する。シャフト21は、内部に中空部22が設けられた中空シャフトである。シャフト21には、連通孔23が設けられる。連通孔23は、径方向に延びて中空部22とシャフト21の外部とを繋ぐ。
【0030】
シャフト21は、ハウジング6のモータ収容部61とギヤ収容部62とに跨って延びる。シャフト21の左側の端部は、ギヤ収容部62の内部に突出する。シャフト21の左側の端部には、伝達装置3の後述する第1のギヤ41が固定される。シャフト21は、ベアリング26,27により回転可能に支持される。
(【0031】以降は省略されています)

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