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公開番号2021052149
公報種別公開特許公報(A)
公開日20210401
出願番号2019175774
出願日20190926
発明の名称コンデンサ
出願人京セラ株式会社
代理人
主分類H01G 4/30 20060101AFI20210305BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】DCバイアス特性を改良した積層コンデンサを提供する。
【解決手段】誘電体層5と内部電極層7とが交互に複数層積層されたコンデンサ本体を備える積層セラミックコンデンサであって、誘電体層は、母相5Aを成し、チタン酸バリウムを主成分とする複数の第1結晶粒子と、母相中に存在している集塊部5Bを成し、チタン酸カルシウムまたはチタン酸ストロンチウムを主成分とする複数の第2結晶粒子とを有している。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
誘電体層と内部電極層とが交互に複数層積層されたコンデンサ本体を備えており、
前記誘電体層は、チタン酸バリウムを主成分とする複数の第1結晶粒子と、チタン酸カルシウムおよびチタン酸ストロンチウムのうちの少なくとも一種を主成分とする複数の第2結晶粒子とを有しており、
複数の前記第1結晶粒子は前記誘電体層の母相を成しており、
複数の前記第2結晶粒子は前記母相中に集塊部を成して存在している、
コンデンサ。
続きを表示(約 470 文字)【請求項2】
前記集塊部は、中央領域に位置する本体部と、該本体部の周縁に位置する副粒子とを有しており、前記本体部は少なくとも3個の前記第2結晶粒子が互いに2面間粒界を介して配置された構造を有しており、前記副粒子は前記本体部との間でネック部を介して結合したこぶ状粒子を含んでいる、請求項1に記載のコンデンサ。
【請求項3】
前記副粒子は、さらに、前記本体部から離れた位置に存在する孤立粒子を含んでおり、該孤立粒子は、近接する前記こぶ状粒子の最大径以下の範囲に存在している、請求項2に記載のコンデンサ。
【請求項4】
前記コンデンサ本体は、前記誘電体層を断面視したときに求められる前記集塊部の面積割合が3%以上10%以下である前記誘電体層を少なくとも2層有する、請求項1乃至3のうちいずれかに記載のコンデンサ。
【請求項5】
前記集塊部の平均径をD0、前記副粒子の平均粒径をD1としたときに、比D1/D0が0.019以上0.093以下である、請求項1乃至4のうちいずれかに記載のコンデンサ。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、積層型のコンデンサに関する。
続きを表示(約 9,700 文字)【背景技術】
【0002】
近年、積層型のコンデンサ(以下、コンデンサと表記する。)は、小型化および高容量化が進展している。一方で、コンデンサには、直流電圧を印加したときに、静電容量の低下が小さい特性(以下、DCバイアス特性という場合がある。)が求められている(例えば、特許文献1、2を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2011−132056号公報
特開2019−021927号公報
【発明の概要】
【0004】
本開示のコンデンサは、誘電体層と内部電極層とが交互に複数層積層されたコンデンサ本体を備えており、前記誘電体層は、チタン酸バリウムを主成分とする複数の第1結晶粒子と、チタン酸カルシウムおよびチタン酸ストロンチウムのうちの少なくとも一種を主成分とする複数の第2結晶粒子とを有しており、複数の前記第1結晶粒子は前記誘電体層の母相を成しており、複数の前記第2結晶粒子は前記母相中に集塊部を成して存在している。
【図面の簡単な説明】
【0005】
実施形態の一例として示すコンデンサの外観斜視図である。
図1のii−ii線断面図である。
図2におけるP1部の拡大図である。
図3におけるP2部の拡大図である。
図4におけるP3部の拡大図である。
図4におけるP4部の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
従来より、コンデンサを構成する誘電体層には、チタン酸バリウムを主成分とする誘電体材料が用いられている。チタン酸バリウムを主成分とする誘電体材料は強誘電性を示す材料であることから高い比誘電率を得ることができる。近年、コンデンサは、直流電圧を印加した状態において、より高い静電容量を発現することが求められている。
【0007】
以下、実施形態のコンデンサについて、図1〜図6を基に説明する。なお、本発明は、以下に記述する特定の実施形態に限定されるものではない。本発明は、添付の特許請求の範囲によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲に沿ったものであれば、様々な態様を含むものとなる。
【0008】
実施形態の一例として示すコンデンサは、図1に示すように、コンデンサ本体1と、その端面に設けられた外部電極3とを有する。コンデンサ本体1は、図2に示すように、誘電体層5と内部電極層7とを有する。誘電体層5と内部電極層7とは交互に複数層積層されている。図2では、誘電体層5と内部電極層7との積層数を数層に簡略したかたちで描いているが、誘電体層5および内部電極層7の積層数は、実際には数百層にも及ぶものとなっている。外部電極3は内部電極層7と電気的に接続されている。
【0009】
誘電体層5は、図3に示すように、複数の第1結晶粒子5aおよび複数の第2結晶粒子5bを有している。第1結晶粒子5aは、チタン酸バリウムを主成分とする結晶粒子である。第1結晶粒子5aは、誘電体層5の母相5Aを形成している。第2結晶粒子5bは、チタン酸カルシウムおよびチタン酸ストロンチウムのうちの少なくとも一種を主成分とする結晶粒子5bである。複数の第2結晶粒子5bは、母相5A中において集塊部5Bを形成している。
【0010】
実施形態のコンデンサでは、誘電体層5中にチタン酸カルシウムおよびチタン酸ストロンチウムのうちの少なくとも一種を主成分とする第2結晶粒子5bが複数個集まり形成された集塊部5Bに電界が集中しやすくなる。図3に示すような構成において、誘電体層5を挟んでいる2つの内部電極層7に直流電圧が印加された場合、誘電体層5においては、母相5Aに比べて集塊部5Bでの電界強度が高くなる。つまり、誘電体層5中において、集塊部5B側で電界強度が高くなった分だけ母相5A側の電界強度は低くなる。これによりコンデンサのDCバイアス特性を高めることができる。
【0011】
また、誘電体材料の面からも誘電体層5が集塊部5Bを有する場合に、コンデンサのDCバイアス特性が高くなることについて説明することができる。一般に、誘電体材料のCR積は一定である。ここで、Cは誘電体材料の静電容量である。Rは誘電体材料の抵抗である。チタン酸カルシウムはチタン酸バリウムよりも比誘電率が低い。また、チタン酸ストロンチウムもチタン酸バリウムよりも比誘電率が低い。このためチタン酸カルシウムを主成分とする結晶粒子(第2結晶粒子5b)はチタン酸バリウムを主成分とする結晶粒子(第1結晶粒子5a)に比べて比抵抗が高くなる。チタン酸ストロンチウムを主成分とする結晶粒子(第2結晶粒子5b)もチタン酸バリウムを主成分とする結晶粒子(第1結晶粒子5a)に比べて比抵抗が高くなる。このため、チタン酸カルシウムおよびチタン酸ストロンチウムのうちの少なくとも一種を主成分とする第2結晶粒子5bが凝集した集塊部5Bには、母相5A中に第2結晶粒子5bが第1結晶粒子5aの間に個々に存在している場合に比べて電界が集中しやすくなる。つまり、誘電体層5中において、母相5Aに比べて集塊部5Bにおける電界強度が高くなる分だけ、母相5Aにおける電界強度が低くなる。その結果、集塊部5Bを有する誘電体層5を備えたコンデンサはDCバイアス特性が高まることになる。
【0012】
ここで、主成分とは、結晶粒子中に最も多く含まれている成分のことである。チタン酸バリウムを主成分とするとは、結晶粒子中にチタンおよびバリウムの含有量が他の成分よりも多く含まれている状態のことである。チタン酸カルシウムを主成分とするとは、結晶粒子中にチタンおよびカルシウムの含有量が他の成分よりも多く含まれている状態のことである。チタン酸ストロンチウムを主成分とするとは、結晶粒子中にチタンおよびストロンチウムの含有量が他の成分よりも多く含まれている状態のことである。母相5Aとは、誘電体層5中において体積割合の最も多い結晶粒子によって形成されている相のことである。割合とは、体積割合または誘電体層5の断面における面積割合のことである。
【0013】
実施形態のコンデンサによれば、たわみ試験に対してもクラックの発生が少なく、また、電気特性の低下の少ないコンデンサを得ることができる。これは、チタン酸バリウムを主成分とする第1結晶粒子5aを母相5Aとする誘電体層5中に、チタン酸カルシウムおよびチタン酸ストロンチウムのうちの少なくとも一種を主成分とする第2結晶粒子5bを主体とする集塊部5Bが含まれるようになることで、誘電体層5の機械的強度が高まることに起因する。
【0014】
なお、誘電体層5中に含まれる第2結晶粒子5bの割合については、便宜的に、誘電体層5もしくはコンデンサ本体1を粉砕して得られた粉末のX線回折の結果を用いる。具体
的には、母相5Aを構成するチタン酸バリウムの回折強度I
BT
に対する集塊部5Bを構成するチタン酸カルシウムの回折強度I
CT
またはチタン酸ストロンチウムの回折強度I
ST
との比を求める。この場合、比I
CT
/I
BT
は、0.01以上0.12以下であるのがよい。
【0015】
実施形態のコンデンサでは、図4に示すように、集塊部5Bが、本体部5Baと副粒子5Bbとを有する構成であってもよい。この場合、本体部5Baは、集塊部5Bの中央領域を占める部分に相当する。本体部5Bbは、少なくとも3個の第2結晶粒子5bが互いに2面間粒界boで結合した部分である。少なくとも3個の第2結晶粒子5bが互いに2面間粒界boで結合した部分を粒子群5bmとする。この場合、本体部5Bbは、粒子群5bmを複数個有する構造であるのがよい。また、粒子群5bm同士は、2面間粒界boを介して結合(焼結)した状態となっているのがよい。粒子群5bm同士が2面間粒界boを介して結合した状態になると、複数の粒子群5bmが空隙poや2面間粒界boを介して結合した構造となるため、集塊部5Bの領域がさらに大きくなる。一方、副粒子5Bbは、本体部5Baの周縁に位置している部分に相当する。
【0016】
ここで、集塊部5Bについて、図4を用いて詳細に説明する。この場合、集塊部5Bは、枠線F(実線)で囲った領域である。つまり、集塊部5Bは、本体部5Baの周囲に配置している複数の副粒子5Bb同士を枠線Fで結んだ領域である。枠線Fは、本体部5Baの中心の位置から見て、副粒子5Bbの外側の表面を接点として配置される。この場合、枠線Fは副粒子5Bb間を結ぶ範囲では直線状であってもよい。
【0017】
以下に示すように、副粒子5Bbはこぶ状粒子5Bbtを有する。誘電体層5中に含まれる集塊部5Bがその周縁にさらにこぶ状粒子5Bbtを有するようになると、図4に示すように、枠線F(実線)で囲った範囲がさらに大きくなる。集塊部5Bがこぶ状粒子5Bbtを有する範囲にまで広がると、こぶ状粒子5Bbtに隣接する空隙poとともに第1結晶粒子5aまで含むようになる。集塊部5Bは、その領域がさらに大きくなる。こうして、誘電体層5中において、電界強度の高い領域がさらに広がり、コンデンサのDCバイアス特性をさらに高めることができる。
【0018】
図4および図6に示すように、副粒子5Bbは、さらに、本体部5Baから離れた位置に存在する孤立粒子5Bbsを含んでいてもよい。孤立粒子5Bbsは、本体部5Baとの間において、空隙poおよび第1結晶粒子5aのうちの少なくとも一方が存在するような間隔を隔てて配置されているのがよい。ここで、孤立粒子5Bbsと本体部5Baとの間に第1結晶粒子5aが存在するとは、図6に示すように、符号wで示した孤立粒子5Bbsの粒子径の範囲に第1結晶粒子5aの一部がかかっている状態でもよいという意味である。言い換えると、孤立粒子5Bbsと本体部5Bbとが対面しているときに、本体部5Bbの表面にほぼ平行な方向の孤立粒子5Bbの幅wの範囲内に第1結晶粒子5aの一部が存在しているという意味である。集塊部5Bが、こぶ状粒子5Bbtに加えて孤立粒子5Bbsまで含む構造になると、集塊部5Bの見かけ上の領域がさらに大きくなる。その結果、母相5Aを主体とする誘電体層5を有するコンデンサのDCバイアス特性をさらに高めることが可能になる。
【0019】
実施形態のコンデンサでは、上記した集塊部5を有する誘電体層5がコンデンサ本体1中に2層以上含まれているのがよい。この場合、集塊部5を有する誘電体層5は、コンデンサのDCバイアス特性を高められるという点で全層に配置されているのが良い。一方、コンデンサの静電容量を高く維持するという理由からは、集塊部5を有する誘電体層5は局所的に配置してもよい。この場合、集塊部5を有する誘電体層5を配置する場所としては、コンデンサ本体1における積層方向の端の方がよい。コンデンサ本体1の積層方向の端というのは、図2に示しているように、静電容量に寄与する誘電体層5が積層されてい
る領域の中で積層方向の上端部1upおよび下端部1udのことである。コンデンサ本体1における積層方向の上端部1upおよび下端部1udは、コンデンサに直流電圧を印加したときに、積層方向の中段部よりも電界強度が高くなる傾向にあるからである。集塊部5を有する誘電体層5は、コンデンサ本体1における積層方向の上端部1upおよび下端部1udに同数もしくは同程度の層数で配置されているのがよい。
【0020】
実施形態のコンデンサでは、1層の誘電体層5における集塊部5Bの面積割合は3%以上10%以下であるのがよい。この場合、コンデンサ本体1は、特に、集塊部5Bの面積割合が3%以上10%以下である誘電体層5を2層以上有しているのがよい。コンデンサ本体1が、集塊部5Bの面積割合が3%以上10%以下である誘電体層5を2層以上有している場合には、集塊部5Bを有する誘電体層5が増えても1層あたりの静電容量を高い状態に維持することができる。また、コンデンサに印加する直流電圧を高くしても静電容量の低下を小さくすることができる。
【0021】
ここで、集塊部5Bの面積割合は、以下のように説明できる。まず、図2に符号Acsとして示したように、コンデンサ本体1の断面から1層の誘電体層5を選択する。次に、選択した誘電体層5の断面の全面積A0を1とする。次に、選択した誘電体層5の断面内に見られる集塊部5Bの面積を合わせた合計の面積A1を求める。集塊部5Bの面積割合は、特定の誘電体層5の断面内に見られる集塊部5Bの合計の面積A1を誘電体層5の断面の全面積A0で除して求められる比率(A1/A0)である。なお、集塊部5Bの面積割合を求めるコンデンサ本体1の断面として、図2には、コンデンサ本体1を2つの外部電極3が対向する方向に対して垂直な断面(L断面)を示しているが、集塊部5Bの面積割合を求めるコンデンサ本体1の断面としては、L断面に限らず、コンデンサの2つの外部電極3が対向する方向の断面(W断面)でもよい。
【0022】
実施形態のコンデンサでは、副粒子5Bbの平均粒径をD1、集塊部5Bの平均径をD0としたときに、比D1/D0が0.019以上0.093以下であるのがよい。比D1/D0が0.019以上0.093以下であると、DCバイアス特性を−23.9%よりも小さくすることができる。この場合、DCバイアス特性が−23.9%というのは、ゼロバイアス(直流電圧を印加しない状態)での静電容量をC0、特定の直流電圧を印加したときに得られる静電容量をC1としたときに、(C1−C0)/C0の比を%表示した値のことである。このように、実施形態のコンデンサによれば、コンデンサに直流電圧が印加された際にも、静電容量の減衰量を小さくすることができる。この場合、副粒子5Bbの平均粒径D1は、0.13μm以上0.68μm以下であるのがよい。また、集塊部5Bの平均径D0は、5μm以上10μm以下、特には、7μm以上7.8μm以下であるのがよい。さらには、第1結晶粒子5aの平均粒径D2は、0.047μm以上0.22μm以下であるのがよい。
【0023】
ここで、副粒子5Bbの平均粒径D1は、こぶ状粒子5Bbtの最大径および孤立粒子5Bbsの最大径を合わせた平均値である。こぶ状粒子5Bbtの最大径は、図5に示したD3の範囲である。孤立粒子5Bbsの最大径は、図6に示したD4の範囲である。集塊部の平均径D0は、図4に示した枠線Fの範囲である。枠線Fの範囲から、以下のようにして、集塊部5Bの面積および直径を求める。この場合、最初に、画像解析により枠線Fの領域の面積を求める。次に、枠線Fの領域の面積を、一旦、円としての面積を求める。必要に応じて、その円の面積から直径を求める。1層の誘電体層5内に複数の集塊部5Bが存在する場合には、個々に求めて集塊部5Bの直径を合わせた平均値を求める。この平均値を集塊部5Bの平均径D0とする。
【0024】
また、第1結晶粒子5aの平均粒径D2は、以下のようにして求める。第1結晶粒子5aの平均粒径D2を求めるための試料としては、例えば、集塊部5Bの平均径D0を求め
るために用意した試料と同じものを用いてもよい。集塊部5Bの平均径D0を求めるために用意した試料の断面において、まず、集塊部5Bを除く領域を選択する。選択する領域は、第1結晶粒子5aが20〜30個入る領域である。第1結晶粒子5aが20〜30個入る領域内に見られる第1結晶粒子5aの全てについてその輪郭を取る。次に、第1結晶粒子5aの輪郭から個々に円としての面積を求める。次に、それぞれの円の面積から直径を求める。最後に、第1結晶粒子5aのそれぞれに対応する直径の平均値を求める。この平均値を第1結晶粒子5aの平均粒径D2とする。
【0025】
実施形態のコンデンサでは、図3に示すように、誘電体層5の1層の厚みをtとし、誘電体層5の厚みの方向と同じ方向における集塊部5Bの平均径をD0としたときに、比D0/tは0.47以上0.52以下であるのがよい。ここで、誘電体層5の厚みtというのは、誘電体層5の平均の厚みのことである。誘電体層5の平均の厚みtは、以下の手順で求める。まず、厚みの測定に用いる誘電体層5を選択する。選択する誘電体層5として、例えば、集塊部5Bについて解析するために選択した誘電体層5を選定してもよい。選定した誘電体層5において、幅方向に均等に複数の箇所を指定する。厚みを測定する箇所の数は3〜10ヵ所がよい。次に、指定したそれぞれの箇所の厚みを求める。次に、それぞれ求めた厚みの平均値を求める。こうして求めた誘電体層5の厚みの平均値を誘電体層5の厚みtとする。集塊部5Bの面積割合、集塊部5Bの平均径D0、副粒子5Bbの平均粒径d1、副粒子5Bbを構成するこぶ状粒子5Bbtの最大径D3、孤立粒子5Bbsの最大径D4、誘電体層5の厚みtは、いずれもコンデンサ本体1の断面を撮影した写真から求める。コンデンサ本体1の断面を撮影には、走査型電子顕微鏡を用いるのがよい。この場合も走査型電子顕微鏡としては分析器を備えているものがよい。走査型電子顕微鏡に分析器が備えられていると、撮影する結晶粒子を組成によって特定することができる。なお、誘電体層5に含まれる場合であっても、その結晶粒子の最大径が0.03μmよりも小さい結晶粒子については対象外としてもよい。
【0026】
次に、実施形態のコンデンサの製造方法について説明する。実施形態のコンデンサは、誘電体層5を形成するためのセラミックグリーンシートに、チタン酸バリウムを主成分とする原料粉末に対して、予め、アミン系の分散剤を用いてスラリー化した炭酸カルシウム粉末およびアミン系の分散剤を用いてスラリー化した炭酸ストロンチウム粉末のうちの少なくとも一方を所定の割合で添加すること以外は、コンデンサの慣用的な製造方法によって作製できる。チタン酸バリウムを主成分とする原料粉末を主体として含むセラミックグリーンシートに、予めアミン系の分散剤を用いてスラリー化した炭酸カルシウム粉末を添加すると、チタン酸バリウムを主成分とする結晶粒子を母相5Aとする誘電体層5中に、チタン酸カルシウムを主成分とする結晶粒子が凝集した集塊部5Bが形成されやすくなる。予め、アミン系の分散剤を用いてスラリー化したチタン酸ストロンチウム粉末を添加した場合も同様に、誘電体層5中に、チタン酸ストロンチウムを主成分とする結晶粒子が凝集した集塊部5Bが形成されやすくなる。誘電体層5中に存在する集塊部5Bの割合は、炭酸カルシウム粉末、炭酸ストロンチウム粉末、アミン系分散剤の添加量および焼成温度によって調整する。
【実施例】
【0027】
以下、コンデンサを具体的に作製して特性評価を行った。ここでは、まず、誘電体粉末に炭酸カルシウム粉末を添加してコンデンサを作製した例について説明する。まず、誘電体粉末を調製するための原料粉末として、チタン酸バリウム粉末(BaTiO

)、炭酸カルシウム粉末(CaCO

)炭酸マグネシウム粉末(Mg

CO

)、酸化ディスプロシウム粉末(Dy



)、炭酸マンガン粉末(MnCO

)およびガラス粉末(SiO

=55、BaO=20、CaO=15、Li



=10(モル%))およびを準備した。この場合、チタン酸バリウム粉末には、平均粒径が0.05μmのチタン酸バリウム粉末を用いた。誘電体粉末は、チタン酸バリウム粉末100モルに対して、酸化マグネシ
ウム粉末(MgO)をMgO換算で0.8モル、酸化ディスプロシウム粉末(Dy



)を0.8モル、MnCO

粉末をMnO換算で0.3モル添加し、さらにガラス成分(SiO

−BaO−CaO系のガラス粉末)をチタン酸バリウム粉末100質量部に対して1質量部添加した組成とした。炭酸カルシウムの添加量は表1に示した。表1に示した炭酸カルシウム粉末の添加量は、チタン酸バリウム粉末100質量部に対する割合である。なお、炭酸カルシウム粉末は、予め、アミン系の分散剤またはカルボン酸系の分散剤に分散させてスラリー化したものを用いた。表1に示したアミン系の分散剤およびカルボン酸系の分散剤の添加量は、炭酸カルシウム粉末の添加量に対する割合である。
【0028】
次に、調製した誘電体粉末に有機ビヒクルを混合し調製したスラリーを用いてドクターブレード法によって、平均厚みが20μmのセラミックグリーンシートを作製した。セラミックグリーンシートを調製する際の有機ビヒクルに含ませる樹脂としてはブチラール系樹脂を用いた。ブチラール系樹脂の添加量は誘電体粉末100質量部に対して10質量部とした。溶媒にはエチルアルコールとトルエンとを1:1で混合した溶媒を用いた。内部電極パターンを形成するための導体ペースト用の金属としてニッケル粉末を用いた。導体ペーストを調製するための樹脂としてはエチルセルロースを用いた。エチルセルロースの添加量はニッケル粉末100質量部に対して5質量部とした。溶媒としてはジヒドロターピネオール系溶媒とブチルセロソルブとを混合して用いた。
【0029】
次に、作製したセラミックグリーンシートに導体ペーストを印刷してパターンシートを作製した。次に、作製したパターンシートを100層積層してコア積層体を作製した。次に、コア積層体の上面側および下面側にカバー層としてセラミックグリーンシートをそれぞれ重ねて母体積層体を作製した。この後、母体積層体を切断してコンデンサ本体の成形体を作製した。コンデンサ本体の成形体は、その全層が誘電体粉末中に炭酸カルシウム粉末または炭酸ストロンチウム粉末を含むセラミックグリーンシートにより形成されたものである。
【0030】
次に、コンデンサ本体の成形体を焼成してコンデンサ本体を作製した。本焼成は、水素−窒素中、昇温速度を900℃/hとし、最高温度を1190℃に設定した条件で焼成した。この焼成には抵抗加熱方式の焼成炉を用いた。続いて、コンデンサ本体に対して再酸化処理を行った。再酸化処理の条件は、窒素雰囲気中、最高温度を1000℃に設定し、保持時間を5時間とした。コンデンサ本体のサイズは、3.2mm×1.6mm×1.6mmであった。誘電体層の平均厚みは15μmであった。内部電極層の平均厚みは0.8μmであった。作製したコンデンサの静電容量の設計値は1μFに設定した。
(【0031】以降は省略されています)

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