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公開番号2021051903
公報種別公開特許公報(A)
公開日20210401
出願番号2019173847
出願日20190925
発明の名称ガス遮断器
出願人株式会社日立製作所
代理人ポレール特許業務法人
主分類H01H 33/915 20060101AFI20210305BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】新たな動作部品を備えずに遮断性能を向上させることができるガス遮断器を提供する。
【解決手段】本発明によるガス遮断器は、一端部に電流を遮断する可動主接触子4を備えるパッファシリンダ8と、パッファシリンダ8の内部に配置され、一端部にアークを発生させる可動アーク接触子2を備える中空ロッド6と、パッファシリンダ8と中空ロッド6の間の空間に位置するパッファピストン7と、パッファシリンダ8と中空ロッド6とパッファピストン7に囲まれて構成されている機械パッファ室9と、パッファシリンダ8と中空ロッド6に囲まれて構成されており、機械パッファ室9と軸方向に隣接する熱パッファ室10と、熱パッファ室10と機械パッファ室9とを連通する連通穴12を備える。連通穴12は、熱パッファ室10に開口する部分の絶縁ガスの流路面積S2が、機械パッファ室9に開口する部分の絶縁ガスの流路面積S1よりも大きい。
【選択図】図2A
特許請求の範囲【請求項1】
絶縁ガスが充填された円筒形のガスタンクと、
軸方向に移動して固定主接触子から離れて電流を遮断する可動主接触子と、
電流の遮断時に固定アーク接触子との間にアークを発生させる可動アーク接触子と、
一端部に前記可動主接触子を備えるパッファシリンダと、
前記パッファシリンダの内部に配置され、一端部に前記可動アーク接触子を備える中空ロッドと、
前記パッファシリンダと前記中空ロッドの間の空間に位置するパッファピストンと、
前記パッファシリンダと前記中空ロッドと前記パッファピストンに囲まれて構成されている機械パッファ室と、
前記パッファシリンダと前記中空ロッドに囲まれて構成されており、前記機械パッファ室と軸方向に隣接する熱パッファ室と、
前記熱パッファ室と前記機械パッファ室とを連通する連通穴と、
を備え、
前記連通穴は、前記熱パッファ室に開口する部分の前記絶縁ガスの流路面積S2が、前記機械パッファ室に開口する部分の前記絶縁ガスの流路面積S1よりも大きい、
ことを特徴とするガス遮断器。
続きを表示(約 570 文字)【請求項2】
前記熱パッファ室の内部で前記中空ロッドの外周面に設けられ、軸方向に動いて前記連通穴を開閉する逆止弁を備え、
前記連通穴が開いた状態において、前記逆止弁と前記パッファシリンダの軸方向の間における前記絶縁ガスの流路面積S3は、前記逆止弁と前記パッファシリンダの径方向の間における前記絶縁ガスの流路面積S4よりも小さい、
請求項1に記載のガス遮断器。
【請求項3】
前記流路面積S3は、前記流路面積S2よりも小さい、
請求項2に記載のガス遮断器。
【請求項4】
前記連通穴は、前記絶縁ガスの流路面積が、前記機械パッファ室から前記熱パッファ室に向かって不連続的に大きくなる形状を備える、
請求項1に記載のガス遮断器。
【請求項5】
前記連通穴は、前記熱パッファ室への開口部において、前記絶縁ガスの流路面積が、前記機械パッファ室から前記熱パッファ室に向かって連続的に大きくなる形状を備える、
請求項1に記載のガス遮断器。
【請求項6】
前記連通穴は、前記絶縁ガスの流路面積が、前記機械パッファ室への開口部から前記熱パッファ室への開口部に向かって連続的に大きくなる形状を備える、
請求項1に記載のガス遮断器。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ガス遮断器に関し、特に、電流遮断時に接触子間に発生するアークに絶縁ガスを吹き付けて消弧するガス遮断器に関する。
続きを表示(約 5,300 文字)【背景技術】
【0002】
近年、電力系統の高電圧化と大電流化が進んでおり、必要な遮断性能を得るためにガス遮断器の大容量化が進んでいる。また、コスト低減のため、遮断部、排気部、及びシールドなどの構造の最適化による、ガス遮断器の小型化も進められている。しかし、消弧するときに吹き付けるガスの圧力を機械圧縮だけで得るパッファ形のガス遮断器では、装置の小型化には限界がある。操作器の操作エネルギーの増加に伴い、電流遮断時に発生するアーク熱を利用してガスを膨張させ、その圧力でガスを吹き付けて消弧させる熱パッファ形のガス遮断器の開発が進められている。
【0003】
従来の熱パッファ形のガス遮断器の例は、特許文献1に記載されている。特許文献1に記載されたガス遮断器は、自在に移動可能な浮遊板と浮遊板の移動範囲を規定するストッパーが熱パッファ室内に設けられており、熱パッファ室と機械パッファ室の圧力損失を低減し、熱パッファ室の圧力を高め、中小電流遮断性能を向上させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2018−181501号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載されたガス遮断器では、浮遊板がストッパーまで移動して熱パッファ室内を圧縮することで、中小電流の遮断時でも熱パッファ室内の圧力を高めることができる。しかし、特許文献1のガス遮断器は、浮遊板という動作部品が必要であり、コストの増加や動作部品の動作不良などの好ましくない事象が起きる恐れがある。
【0006】
本発明は、新たな動作部品を備えずに遮断性能を向上させることができるガス遮断器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によるガス遮断器は、絶縁ガスが充填された円筒形のガスタンクと、軸方向に移動して固定主接触子から離れて電流を遮断する可動主接触子と、電流の遮断時に固定アーク接触子との間にアークを発生させる可動アーク接触子と、一端部に前記可動主接触子を備えるパッファシリンダと、前記パッファシリンダの内部に配置され、一端部に前記可動アーク接触子を備える中空ロッドと、前記パッファシリンダと前記中空ロッドの間の空間に位置するパッファピストンと、前記パッファシリンダと前記中空ロッドと前記パッファピストンに囲まれて構成されている機械パッファ室と、前記パッファシリンダと前記中空ロッドに囲まれて構成されており、前記機械パッファ室と軸方向に隣接する熱パッファ室と、前記熱パッファ室と前記機械パッファ室とを連通する連通穴を備える。前記連通穴は、前記熱パッファ室に開口する部分の前記絶縁ガスの流路面積S2が、前記機械パッファ室に開口する部分の前記絶縁ガスの流路面積S1よりも大きい。
【発明の効果】
【0008】
本発明によると、新たな動作部品を備えずに遮断性能を向上させることができるガス遮断器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
投入状態における、本発明の実施例1によるガス遮断器の概略構成を示す断面図。
熱パッファ室と機械パッファ室との接続部の断面を示す拡大図であり、中小電流の遮断時で逆止弁が投入方向に動いて連通穴が開く前の状態を示す図。
熱パッファ室と機械パッファ室との接続部の断面を示す拡大図であり、大電流の遮断時で逆止弁が遮断方向に動いて連通穴を閉じる前の状態を示す図。
連通穴の、熱パッファ室に開口する部分の拡大図であり、熱パッファ室と連通穴と逆止弁を示す図。
本発明の実施例2によるガス遮断器の概略構成を示す断面図であり、熱パッファ室と機械パッファ室との接続部の断面を示す拡大図。
本発明の実施例3によるガス遮断器の概略構成を示す断面図であり、熱パッファ室と機械パッファ室との接続部の断面を示す拡大図で、外周部のみがテーパー形状である連通穴を示す図。
本発明の実施例3によるガス遮断器の概略構成を示す断面図であり、熱パッファ室と機械パッファ室との接続部の断面を示す拡大図で、外周部と内周部の両方がテーパー形状である連通穴を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明によるガス遮断器では、熱パッファ室と機械パッファ室とを連通する連通穴は、熱パッファ室への開口部の面積(絶縁ガスの流路面積)が、機械パッファ室への開口部の面積よりも大きい。本発明によるガス遮断器は、この構成を備えることにより、連通穴を開閉する逆止弁の動く動作を速くすることができ、熱パッファ室と機械パッファ室の内部の圧力を迅速に操作できて、絶縁ガスの圧力損失を低減することができる。例えば、中小電流の遮断時では、逆止弁が迅速に動くことにより、機械パッファ室の内部の高圧の絶縁ガスを効率よくアークに吹付けることができる。本発明によるガス遮断器は、新たな動作部品を設置することなく遮断性能(消弧性能)を向上させることができ、コストの増加や動作部品の動作不良などを防止できる。
【0011】
以下、図面を用いて、本発明の実施例によるガス遮断器を説明する。本明細書で用いる図面において、同一のまたは対応する構成要素には同一の符号を付け、これらの構成要素については繰り返しの説明を省略する場合がある。なお、以下に示す実施例は、あくまでも本発明の実施形態の例であり、本発明の内容は、以下の態様に限定されるものではない。
【実施例】
【0012】
図1は、投入状態(通電状態)における、本発明の実施例1によるガス遮断器の概略構成を示す断面図である。
【0013】
ガス遮断器は、絶縁ガスが充填された円筒形のガスタンク1と、可動アーク接触子2と、固定アーク接触子3と、可動主接触子4と、固定主接触子5を備える。可動アーク接触子2と固定アーク接触子3と可動主接触子4と固定主接触子5は、ガスタンク1の内部に収納されている。絶縁ガスには、例えば、SF

ガスを使用することができる。なお、絶縁ガスは、SF

ガスに限られず、乾燥空気や窒素ガス等の他の絶縁ガスを使用してもよい。
【0014】
以下では、ガスタンク1の中心軸に平行な方向(図1の左右方向)を「軸方向」と呼び、軸方向に垂直な方向を「径方向」と呼ぶ。軸方向の周りの方向は、「周方向」である。ガス遮断器が開極動作を行って投入状態から遮断状態になるときに、可動アーク接触子2と可動主接触子4が動く方向(図1の右方向)を「遮断方向」と呼ぶ。ガス遮断器が閉極動作を行って遮断状態から投入状態になるときに、可動アーク接触子2と可動主接触子4が動く方向(図1の左方向)を「投入方向」と呼ぶ。また、絶縁ガスのことを、単に「ガス」とも称する。
【0015】
可動アーク接触子2は、固定アーク接触子3と軸方向に対向し、軸方向に移動可能であり、電流の遮断時に固定アーク接触子3との間にアークを発生させる。可動アーク接触子2は、投入状態では固定アーク接触子3と電気的に接続し、遮断状態では固定アーク接触子3から物理的に離れる。
【0016】
可動主接触子4は、固定主接触子5と軸方向に対向し、軸方向に移動可能であり、電流を遮断する開極動作と投入する閉極動作を行う。可動主接触子4は、軸方向に移動することで、投入状態では固定主接触子5と電気的に接続し、遮断状態では固定主接触子5から物理的に離れる。
【0017】
ガス遮断器は、さらに、パッファシリンダ8と、中空ロッド6と、パッファピストン7と、機械パッファ室9と、熱パッファ室10と、逆止弁11と、操作器14を備える。
【0018】
パッファシリンダ8は、可動アーク接触子2の外周側(径方向外側)に位置し、可動アーク接触子2と共通の中心軸を持つように配置されている。パッファシリンダ8は、投入方向の一端部に可動主接触子4を備え、中空ロッド6を収容する。
【0019】
中空ロッド6は、パッファシリンダ8の内部に、パッファシリンダ8と共通の中心軸を持つように配置されており、パッファシリンダ8と接続している。中空ロッド6は、投入方向の一端部に可動アーク接触子2を備える。中空ロッド6は、内部が中空となっており、内部を絶縁ガスが流れる。
【0020】
パッファピストン7は、ガスタンク1の内周面に設けられた取り付け座に支持されており、パッファシリンダ8の内部で、パッファシリンダ8と中空ロッド6の間の空間に位置する。パッファピストン7は、パッファシリンダ8と中空ロッド6の間の空間を移動する。
【0021】
機械パッファ室9は、パッファシリンダ8と中空ロッド6とパッファピストン7に囲まれて構成されている。
【0022】
熱パッファ室10は、パッファシリンダ8と中空ロッド6に囲まれて構成されており、機械パッファ室9と軸方向に隣接する。熱パッファ室10と機械パッファ室9の間には連通穴12が設けられており、熱パッファ室10は、機械パッファ室9と連通穴12で接続されている。連通穴12は、熱パッファ室10と機械パッファ室9を仕切る壁に設けられており、熱パッファ室10と機械パッファ室9とを連通する。熱パッファ室10と機械パッファ室9を仕切る壁は、パッファシリンダ8と中空ロッド6により形成される。
【0023】
機械パッファ室9と熱パッファ室10には、絶縁ガスが流れる。絶縁ガスは、連通穴12を通って、熱パッファ室10から機械パッファ室9へ流れたり、機械パッファ室9から熱パッファ室10へ流れたりする。
【0024】
逆止弁11は、熱パッファ室10の内部で中空ロッド6の外周面に設けられ、固定されておらず、軸方向に平行な方向に移動可能である。逆止弁11は、熱パッファ室10と機械パッファ室9との圧力差によって軸方向に動き、連通穴12を開閉する。すなわち、熱パッファ室10と機械パッファ室9との間の連通は、逆止弁11により制御される。
【0025】
逆止弁11は、熱パッファ室10の内部の圧力が機械パッファ室9の内部の圧力よりも小さいと、投入方向に動いて連通穴12を開き、熱パッファ室10と機械パッファ室9との間を連通させる。逆止弁11は、熱パッファ室10の内部の圧力が機械パッファ室9の内部の圧力よりも大きいと、遮断方向に動いて連通穴12を閉じ、熱パッファ室10と機械パッファ室9との間を連通させない。
【0026】
中空ロッド6の外周面には、逆止弁11が投入方向に動いて連通穴12を開くときに逆止弁11の動きを止める部材であるストッパー13が設置されている。
【0027】
逆止弁11は、投入方向に動いて連通穴12を開くときには、ストッパー13によって動きが止められ、遮断方向に動いて連通穴12を閉じるときには、熱パッファ室10と機械パッファ室9を仕切る壁によって動きが止められる。すなわち、ストッパー13の移動領域は、ストッパー13と、熱パッファ室10と機械パッファ室9を仕切る壁によって制限されている。逆止弁11は、連通穴12を閉じているときには、パッファシリンダ8と中空ロッド6で形成された、熱パッファ室10と機械パッファ室9を仕切る壁に接触している。
【0028】
操作器14は、パッファシリンダ8、中空ロッド6、可動アーク接触子2、及び可動主接触子4などを遮断方向に移動させることができる。操作器14には、中空ロッド6に固定された絶縁ロッド(図示せず)が接続されている。操作器14は、絶縁ロッドを介して中空ロッド6を移動させることで、パッファシリンダ8を移動させることができる。
【0029】
ガス遮断器は、投入状態では、可動アーク接触子2が固定アーク接触子3に接触し、可動主接触子4が固定主接触子5に接触している。
【0030】
電力系統の短絡故障時などでは、ガス遮断器は、開極指令が伝えられて、遮断動作を行う。操作器14は、中空ロッド6とパッファシリンダ8を遮断方向に移動させて、可動アーク接触子2と可動主接触子4を遮断方向に移動させることで、遮断動作を行う。遮断動作により、可動アーク接触子2は、固定アーク接触子3から物理的に開離し、可動主接触子4は、固定主接触子5から物理的に開離する。
(【0031】以降は省略されています)

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