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公開番号2021047991
公報種別公開特許公報(A)
公開日20210325
出願番号2019167996
出願日20190917
発明の名称多心ケーブル
出願人日立金属株式会社
代理人特許業務法人平田国際特許事務所
主分類H01B 7/32 20060101AFI20210226BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】筐体内への布設作業が容易であり、且つケーブル内の温度上昇も検知することが可能な多心ケーブルを提供する。
【解決手段】多心ケーブル1は、第1導体211及び第1導体211の周囲を覆う第1絶縁体212を有する一対の熱検知用電線21を撚り合わせた対撚線22を含む熱検知線2と、第2導体31及び第2導体31の周囲を覆う第2絶縁体32を有する複数本の電線3と、熱検知線2及び複数本の電線3を一括して覆うシース4と、を備え、第1絶縁体212の融点が、第2絶縁体32の融点より低い。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
第1導体及び前記第1導体の周囲を覆う第1絶縁体を有する一対の熱検知用電線を撚り合わせた対撚線を含む熱検知線と、
第2導体及び前記第2導体の周囲を覆う第2絶縁体を有する複数本の電線と、
前記熱検知線及び前記複数本の電線を一括して覆うシースと、を備え、
前記第1絶縁体の融点が、前記第2絶縁体の融点より低い、
多心ケーブル。
続きを表示(約 410 文字)【請求項2】
前記熱検知線は、前記対撚線の周囲を覆うジャケットを有し、
前記ジャケットの融点が、前記第1絶縁体の融点よりも高い、
請求項1に記載の多心ケーブル。
【請求項3】
前記第1絶縁体は、多層構造で構成され、前記第1導体に最も近い層以外の少なくとも1つの層が、絶縁性樹脂と、前記絶縁性樹脂よりも融点が高い粒子状物質と、を含む樹脂組成物からなる、
請求項1または2に記載の多心ケーブル。
【請求項4】
前記粒子状物質が、導電性である、
請求項3に記載の多心ケーブル。
【請求項5】
前記熱検知線の周囲に前記複数本の電線が螺旋状に撚り合わされている、
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の多心ケーブル。
【請求項6】
前記第1導体は、鋼線からなる、
請求項1乃至5のいずれか1項に記載の多心ケーブル。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、多心ケーブルに関する。
続きを表示(約 6,100 文字)【背景技術】
【0002】
従来、火災の検知のために、火災検知線が用いられている(例えば、特許文献1参照)。火災検知線は、鋼線からなる導体と、導体の周囲を覆う低融点の絶縁体と、を有する一対の火災検知用電線を撚り合わせた対撚線を有し、対撚線をジャケットで覆うように構成されている。
【0003】
従来、火災検知線は、温度上昇の検知対象となるケーブルに沿うように配置される。例えば、非接触給電に用いられる多心ケーブルでは、多心ケーブルと多心ケーブルを収容する筐体との間に、火災検知線が設けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開昭58−86695号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述の配置構造では、ケーブルと火災検知線の両方をそれぞれ布設する必要があるため、布設作業に手間がかかるという課題がある。例えば、非接触給電に用いられる多心ケーブルでは、筐体内に多心ケーブルを収容した後に、当該多心ケーブルに沿うように、筐体内に火災検知線を配置する必要があり、筐体内への布設作業に非常に手間がかかる。
【0006】
また、筐体内に敷設される多心ケーブルでは、例えば、非接触で給電することに使用される場合、多心ケーブル内に配置される電線には、大電流が流される。この多心ケーブルでは、大電流が流されているときに過電流等が発生することにより、ケーブル内の温度が上昇して火災に至ることを防止したい。
【0007】
そこで、本発明は、筐体内への布設作業が容易であり、且つケーブル内の温度上昇も検知することが可能な多心ケーブルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記課題を解決することを目的として、第1導体及び前記第1導体の周囲を覆う第1絶縁体を有する一対の熱検知用電線を撚り合わせた対撚線を含む熱検知線と、第2導体及び前記第2導体の周囲を覆う第2絶縁体を有する複数本の電線と、前記熱検知線及び前記複数本の電線を一括して覆うシースと、を備え、前記第1絶縁体の融点が、前記第2絶縁体の融点より低い、多心ケーブルを提供する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、筐体内への布設作業が容易であり、且つケーブル内の温度上昇も検知することが可能な多心ケーブルを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
(a)は本発明の一実施の形態に係る多心ケーブルのケーブル長手方向に垂直な断面を示す断面図であり、(b)は熱検知線のケーブル長手方向に垂直な断面を示す断面図である。
多心ケーブルの外観を示す斜視図である。
多心ケーブルを筐体の溝に収容した際の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[実施の形態]
以下、本発明の実施の形態を添付図面にしたがって説明する。
【0012】
図1(a)は、本実施の形態に係る多心ケーブルのケーブル長手方向に垂直な断面を示す断面図であり、図1(b)は熱検知線のケーブル長手方向に垂直な断面を示す断面図である。図2は、多心ケーブルの外観を示す斜視図である。図3は、多心ケーブルを筐体の溝に収容した際の断面図である。
【0013】
図1乃至3に示すように、多心ケーブル1は、熱検知線2と、複数本の電線3と、熱検知線2及び複数本の電線3を一括して覆うシース4と、を備えている。
【0014】
この多心ケーブル1は、非接触によって電力を供給するために用いられるものであり、筐体10の溝11に収容され使用される。この例では、筐体10は、平行に配置された一対の側壁12と、側壁12の端部同士を連結する側壁12と垂直な底壁13とを有しており、全体として断面視で時計回り方向に90度回転させたコの字状に形成されている。一対の側壁12と底壁13とに囲まれ、底壁13と反対側に開口する断面視で矩形状の空間が、溝11である。
【0015】
(熱検知線2)
熱検知線2は、一対の熱検知用電線21を撚り合わせた対撚線22と、対撚線22の周囲に螺旋状に巻き付けられた押さえ巻きテープ23と、押さえ巻きテープ23の周囲を覆うジャケット24と、を有している。
【0016】
対撚線22を構成する熱検知用電線21は、鋼線や銅線等からなる第1導体211と、第1導体211の周囲を覆う第1絶縁体212と、を有している。第1導体211としては、剛性が後述する第2導体31よりも高く、曲げたときに直線状に戻ろうとする力が第2導体31よりも大きい鋼線からなるものを用いるとよい。第1導体211として用いる鋼線としては、ステンレス鋼(SUS)からなる鋼線や、炭素鋼からなるピアノ線、あるいは、その他合金からなる鋼線を用いることができる。本実施の形態では、直径0.9mmのステンレス鋼からなる単線の鋼線を第1導体211として用いた。
【0017】
第1絶縁体212としては、ケーブル内の温度上昇時に溶融させるため、比較的低融点の絶縁性樹脂が用いられる。より具体的には、ケーブル内の温度が過電流等によって上昇したときの熱により電線3の第2絶縁体32(後述する)が溶融するよりも前に、第1絶縁体212が溶融するように(換言すれば、上述した温度上昇時の熱により電線3の機能が失われるよりも前に、第1導体211が短絡することによって過電流等の発生によるケーブル内の温度上昇が検知されるように)、第1絶縁体212の融点は、電線3の第2絶縁体32の融点(例えば105℃以上)よりも低くされる。本実施の形態では、第1絶縁体212の融点を90℃程度に設定した。
【0018】
熱検知線2では、ケーブル内の温度(電線3の周囲の温度)が第1絶縁体212の融点(本実施の形態では90℃程度)以上で第2絶縁体32の融点より低い温度に上昇し、このときの熱により第1絶縁体212が溶融すると、対撚線22を構成する2本の第1導体211が接触し、電気的に短絡する。この2本の第1導体211の短絡を検知することで、過電流等による多心ケーブル1内の温度上昇を検知することができる。特に、鋼線からなる第1導体211である場合は、剛性が高く、曲げたときに直線状に戻ろうとする力が大きい(例えば、第2導体31よりも大きい)ため、鋼線以外からなる第1導体211と比較して、対撚線22を構成する2本の第1導体211は、常に互いに近づこうとする力をかけやすくすることができる。そのため、第1絶縁体212が溶融したときに、対撚線22を構成する2本の第1導体211が接触しやすくなり、電気的に短絡しやすくなる。
【0019】
なお、熱検知線2の周囲の温度が上昇することで、2本の第1導体211が短絡する前に、第1絶縁体212が軟化して2本の第1導体211同士の距離が近づき、2本の第1導体211間の抵抗値や静電容量が変化する。よって、2本の第1導体211間の抵抗値や、静電容量を測定することで、2本の第1導体211が短絡するよりも前に、熱検知線2の周囲の温度が上昇していることを検知してもよい。
【0020】
第1絶縁体212は、絶縁性樹脂組成物からなる層を複数積層した多層構造とされてもよい。本実施の形態では、第1絶縁体212は、第1導体211の周囲を覆う内層絶縁体212aと、内層絶縁体212aの周囲を覆う外層絶縁体212bと、からなる2層構造とされている。ただし、これに限らず、第1絶縁体212は、1層構造であってもよいし、3層以上の多層構造であってもよい。絶縁樹脂組成物は、後述する樹脂を含むものからなる。また、各層を構成する樹脂組成物は、その各々が異なることでもよい。
【0021】
内層絶縁体212a(第1導体211に最も近い層)及び外層絶縁体212bの融点は、上述のように、電線3の第2絶縁体32の融点よりも低い。本実施の形態では、内層絶縁体212aの融点と、外層絶縁体212bの融点を同程度とし、約90℃に設定した。本実施の形態では、内層絶縁体212aは、ポリエチレン系の樹脂、あるいはEVA(エチレン・酢酸ビニル共重合体)からなる樹脂を主成分(ベース樹脂)とする樹脂組成物で構成されるとよい。また、本実施の形態では、外層絶縁体212bは、PVC(ポリ塩化ビニル)からなる樹脂を主成分とする樹脂組成物で構成されているとよい。上述した樹脂組成物で内層絶縁体212a及び外層絶縁体212bが構成されていることにより、上述した多心ケーブル1内の温度上昇を検知する作用が発現しやすくなる。また、内層絶縁体212aの融点は、外層絶縁体212bの融点よりも高くしてもよい。この場合、多心ケーブル1内の温度上昇を段階的に検知することもできる。
【0022】
また、外層絶縁体212bは、第1絶縁体212を構成する各絶縁性樹脂よりも融点が高い粒子状物質を含んだ樹脂組成物で構成されていてもよい。第1絶縁体212を3層以上の多層構造とする場合、粒子状物質は、最も第1導体211に近い層(ここでは内層絶縁体212a)以外の少なくとも1つの層に含まれているとよい。
【0023】
本発明者らは、熱検知線2の周囲の温度が上昇した際に、溶融した第1絶縁体212が薄く残ってしまい、2本の導体2の短絡が生じにくくなる場合があることを見出した。第1絶縁体212の外層絶縁体212bに融点の高い粒子状物質を含むことで、熱検知線2の周囲の温度が上昇した際に、第1導体211が互いに近づこうとする力によりに粒子状物質が押し込まれて薄く残った第1絶縁体212を損傷させ、第1導体211同士の短絡を発生させやすくすることが可能になる。粒子状物質が絶縁性であると、第1導体211間に粒子状物質が噛み込まれて短絡が発生しないおそれがあるため、粒子状物質としては、導電性のものを用いることが望ましい。粒子状物質としては、例えばカーボン粒子を用いることができる。
【0024】
対撚線22の周囲に巻き付けられる押さえ巻きテープ23としては、例えば、ポリエステルテープ等の樹脂テープを用いることができる。押さえ巻きテープ23は、その幅方向の一部が重なり合うように、対撚線22の周囲に螺旋状に巻き付けられる。
【0025】
ジャケット24は、対撚線22を保護する保護層としての役割を果たすものである。第1絶縁体212が溶融する前にジャケット24が溶融してしまわないように、ジャケット24の融点は、第1絶縁体212の融点よりも高いことが望ましい。ジャケット24は、絶縁性樹脂からなり、非充実押出成型(所謂チューブ押出成型)により形成されている。
【0026】
また、本実施の形態では、ジャケット24は、弾性体からなる。本実施の形態では、熱検知線2は、多心ケーブル1のケーブル中心に配置されている。多心ケーブル1を溝11に収容する際には、多心ケーブル1を筐体10の溝11内に押圧することによって多心ケーブル1を溝11に収容する。そして、多心ケーブル1を押圧する際に、多心ケーブル1内の電線3は、ケーブル中心に配置された熱検知線2に押し付けられる。このとき、熱検知線2のジャケット24は、電線3が押し付けられるときの力によって弾性変形し、シース4内の電線3は、熱検知線2の周方向や径方向(多心ケーブル1のケーブル長手方向に垂直な断面において、熱検知線2の周囲に沿った方向や熱検知線2の外径に沿った方向)に互いに動くことができるようになる。そのため、多心ケーブル1の外形が溝11の形状や寸法に応じて変形することができる。これにより、多心ケーブル1は、その外径が太くなったとしても筐体10の溝11に入れやすくすることができる。
【0027】
このように、熱検知線2のジャケット24は、弾性変形をして、多心ケーブル1を溝11に収容する際の作業性を向上させる役割を果たす。また、ジャケット24は、多心ケーブル1を溝11に収容した後に、電線3からの押し付ける力が緩和されることによって形状が復元する。このときのジャケット24の復元力により、シース4内の電線3が元の位置(溝11に収容する前の位置)に動くように作用する。これにより、溝11に収容された多心ケーブル1は、変形する前の外形に復元されて溝11内に保持たされることになる。このように、熱検知線2のジャケット24は、電線3を介してシース4を筐体10(溝11の内壁)へと押し付け、多心ケーブル1を溝11内に保持する役割も果たす。
【0028】
ジャケット24の外周面には、全ての電線3が直接接触している。ジャケット24としては、外力により形状が変化する弾力性のある材質からなるものを用いるとよく、例えば、PVC(ポリ塩化ビニル)樹脂やウレタン樹脂からなる樹脂組成物を用いることができる。
【0029】
(電線3)
電線3は、複数の素線を集合撚りした撚線導体からなる第2導体31と、第2導体31を覆う第2絶縁体32と、をそれぞれ有している。6本の電線3としては、同じ構造のものが用いられる。本実施の形態では、第2導体31に用いる素線として、すずめっき軟銅線を用いた。第2導体31に用いる素線の外径は、0.15mm以上0.32mm以下とするとよい。これは、素線の外径が0.15mm未満であると断線が発生しやすく、0.32mmを超えると第2絶縁体32を薄くした際に第2絶縁体32を突き抜けて飛び出してしまうおそれがあるためである。
【0030】
素線の撚り合わせ方法として、同心撚りと呼ばれる方法が知られているが、この方法で第2導体31を形成した場合、素線が安定した状態で撚り合されてしまい、多心ケーブル1を溝11内に収容する際の外力により第2導体31の形状が変化しにくくなってしまう。そのため、多心ケーブル1を溝11内に収容する際の外力により第2導体31の形状が変化しやすくなるように、第2導体31としては、集合撚りにより形成されたものを用いる。本実施の形態では、0.26mmの素線を134本集合撚りすることで、外径が約3.5mm(3.0mm以上4.0mm以下)であり、導体断面積が7mm

以上8mm

以下の第2導体31を形成した。
(【0031】以降は省略されています)

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