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公開番号2021046125
公報種別公開特許公報(A)
公開日20210325
出願番号2019170581
出願日20190919
発明の名称車両
出願人トヨタ自動車株式会社
代理人特許業務法人アイテック国際特許事務所
主分類B60K 17/348 20060101AFI20210226BHJP(車両一般)
要約【課題】変速機の変速段をコーストダウンシフトするときの変速ショックを抑制する。
【解決手段】駆動源と、複数の係合要素を有すると共に駆動源と駆動軸とに接続された変速機と、駆動軸から主駆動輪および副駆動輪に駆動力を伝達可能で、且つ、駆動軸から主駆動輪および副駆動輪に伝達する総駆動力に対する主駆動輪に伝達する駆動力の割合である主側配分率を調節可能な駆動力配分装置と、制御装置と、を備える車両であって、駆動力配分装置は、駆動軸および主駆動輪に接続された主回転軸と副駆動輪に接続された副回転軸との間に設けられると共に係合力が大きいほど主側配分率を小さくするクラッチを有し、制御装置は、変速機の変速段をコーストダウンシフトするときには、変速段をコーストダウンシフトする前に比して主側配分率が大きくなるようにクラッチの係合力を制御する配分率増加制御を実行する。
【選択図】図6
特許請求の範囲【請求項1】
駆動源と、
複数の係合要素を有すると共に前記駆動源と駆動軸とに接続された変速機と、
前記駆動軸から主駆動輪および副駆動輪に駆動力を伝達可能で、且つ、前記駆動軸から前記主駆動輪および前記副駆動輪に伝達する総駆動力に対する前記主駆動輪に伝達する駆動力の割合である主側配分率を調節可能な駆動力配分装置と、
制御装置と、
を備える車両であって、
前記駆動力配分装置は、前記駆動軸および前記主駆動輪に接続された主回転軸と前記副駆動輪に接続された副回転軸との間に設けられると共に係合力が大きいほど前記主側配分率を小さくするクラッチを有し、
前記制御装置は、前記変速機の変速段をコーストダウンシフトするときには、前記変速段をコーストダウンシフトする前に比して前記主側配分率が大きくなるように前記クラッチの係合力を制御する配分率増加制御を実行する、
車両。
続きを表示(約 440 文字)【請求項2】
請求項1記載の車両であって、
前記制御装置は、前記変速段をコーストダウンシフトするときには、イナーシャ相が開始する前に前記配分率増加制御を実行する、
車両。
【請求項3】
請求項1または2記載の車両であって、
前記変速機は、前記複数の係合要素として、複数の摩擦係合要素およびワンウェイクラッチを有し、
前記制御装置は、前記変速段のコーストダウンシフトとして、前記複数の摩擦係合要素のうちの少なくとも1つを係合状態から解放状態に切り替えると共に前記ワンウェイクラッチが非係合状態から係合状態に切り替わる場合に、前記配分率増加制御を実行する、
車両。
【請求項4】
請求項1ないし3のうちの何れか1つの請求項に記載の車両であって、
前記制御装置は、車両姿勢を安定させる姿勢安定制御の実行中に前記変速段をコーストダウンシフトするときには、前記配分率増加制御を実行しない、
車両。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に関する。
続きを表示(約 7,100 文字)【背景技術】
【0002】
従来、この種の車両としては、エンジンと、第1電動機と、伝達部材とエンジンと第1電動機とに接続された動力分配機構と、伝達部材に接続された第2電動機と、伝達部材と駆動軸とに接続された変速機と、変速機から入力される駆動力を前側駆動輪に連結されたフロントプロペラシャフトと後側駆動輪に連結されたリヤプロペラシャフトとに配分して伝達するトランスファと、を備えるものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
国際公開第2011/042951号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述の車両では、変速機の変速段をコーストダウンシフトするときに、そのコーストダウンシフトに起因する駆動軸のトルク脈動がトランスファを介して前側駆動輪および後側駆動輪に伝達され、変速ショックを生じる場合がある。
【0005】
本発明の車両は、変速機の変速段をコーストダウンシフトするときの変速ショックを抑制することを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の車両は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
【0007】
本発明の車両は、
駆動源と、
複数の係合要素を有すると共に前記駆動源と駆動軸とに接続された変速機と、
前記駆動軸から主駆動輪および副駆動輪に駆動力を伝達可能で、且つ、前記駆動軸から前記主駆動輪および前記副駆動輪に伝達する総駆動力に対する前記主駆動輪に伝達する駆動力の割合である主側配分率を調節可能な駆動力配分装置と、
制御装置と、
を備える車両であって、
前記駆動力配分装置は、前記駆動軸および前記主駆動輪に接続された主回転軸と前記副駆動輪に接続された副回転軸との間に設けられると共に係合力が大きいほど前記主側配分率を小さくするクラッチを有し、
前記制御装置は、前記変速機の変速段をコーストダウンシフトするときには、前記変速段をコーストダウンシフトする前に比して前記主側配分率が大きくなるように前記クラッチの係合力を制御する配分率増加制御を実行する、
ことを要旨とする。
【0008】
本発明の車両では、制御装置は、変速機の変速段をコーストダウンシフトするときには、変速段をコーストダウンシフトする前に比して主側配分率が大きくなるようにクラッチの係合力を制御する配分率増加制御を実行する。これにより、変速機の変速段をコーストダウンシフトするときに、そのコーストダウンシフトに起因する駆動軸のトルク脈動がクラッチおよび副回転軸を介して副駆動輪に与える影響が小さくなり、変速ショックを抑制することができる。
【0009】
本発明の車両において、前記制御装置は、前記変速段をコーストダウンシフトするときには、イナーシャ相が開始する前に前記配分率増加制御を実行するものとしてもよい。こうすれば、イナーシャ相が開始した後に配分率増加制御を実行するものに比して、変速ショックをより抑制することができる。
【0010】
本発明の車両において、前記変速機は、前記複数の係合要素として、複数の摩擦係合要素およびワンウェイクラッチを有し、前記制御装置は、前記変速段のコーストダウンシフトとして、前記複数の摩擦係合要素のうちの少なくとも1つを係合状態から解放状態に切り替えると共に前記ワンウェイクラッチが非係合状態から係合状態に切り替わる場合に、前記配分率増加制御を実行するものとしてもよい。変速機の変速段のコーストダウンシフトとして、ワンウェイクラッチが非差動状態から差動状態に切り替わる場合、何れかの摩擦係合要素を解放状態から係合状態に切り替える場合に比して、変速ショックが大きくなりやすい。したがって、配分率増加制御を実行することの意義がより大きい。
【0011】
本発明の車両において、前記制御装置は、車両姿勢を安定させる姿勢安定制御の実行中に前記変速機の変速段をコーストダウンシフトするときには、前記配分率増加制御を実行しないものとしてもよい。こうすれば、変速機の変速段をコーストダウンシフトするときでも、車両姿勢を安定させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
本発明の実施例としてのハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。
エンジン22やプラネタリギヤ30、モータMG1,MG2、変速機60、パーキング装置110の構成の概略を示す構成図である。
変速機60の各変速段とクラッチC1,C2やブレーキB1,B2、ワンウェイクラッチF1の作動状態との関係を示す作動表である。
プラネタリギヤ30および変速機60の各回転要素の回転数の関係を示す共線図である。
トランスファ120の構成の概略を示す構成図である。
HVECU70により実行される処理ルーチンの一例を示すフローチャートである。
変速機60の変速段Gsをコーストダウンシフトするときの様子の一例を示す説明図である。
変形例のハイブリッド自動車220の構成の概略を示す構成図である。
変形例の電気自動車320の構成の概略を示す構成図である。
変形例の自動車420の構成の概略を示す構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
次に、本発明を実施するための形態を実施例を用いて説明する。
【実施例】
【0014】
図1は、本発明の実施例としてのハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。図2は、エンジン22やプラネタリギヤ30、モータMG1,MG2、変速機60の構成の概略を示す構成図である。実施例のハイブリッド自動車20は、後輪39ra,39rbが主駆動輪で且つ前輪39fa,39fbが副駆動輪である後輪駆動ベースの4輪駆動車両として構成されている。このハイブリッド自動車20は、図1や図2に示すように、エンジン22と、プラネタリギヤ30と、モータMG1,MG2と、インバータ41,42と、バッテリ50と、変速機60と、トランスファ120と、油圧ブレーキ装置90と、ハイブリッド用電子制御ユニット(以下、「HVECU」という)70とを備える。
【0015】
エンジン22は、ガソリンや軽油などを燃料として動力を出力する内燃機関として構成されている。このエンジン22は、エンジン用電子制御ユニット(以下、「エンジンECU」という)24により運転制御されている。
【0016】
エンジンECU24は、図示しないが、CPUを中心とするマイクロプロセッサとして構成されている。このエンジンECU24は、CPUの他に、処理プログラムを記憶するROMや、データを一時的に記憶するRAM、入出力ポート、通信ポートを備える。エンジンECU24には、エンジン22を運転制御するのに必要な各種センサからの信号が入力ポートから入力されている。エンジンECU24に入力される信号としては、例えば、エンジン22のクランクシャフト26の回転位置を検出するクランクポジションセンサ23からのクランクシャフト26のクランク角θcrを挙げることができる。エンジンECU24からは、エンジン22を運転制御するための各種制御信号が出力ポートを介して出力されている。エンジンECU24は、HVECU70と通信ポートを介して接続されている。エンジンECU24は、クランクポジションセンサ23からのクランク角θcrに基づいてエンジン22の回転数Neを演算している。
【0017】
プラネタリギヤ30は、シングルピニオンタイプの遊星歯車機構として構成されている。このプラネタリギヤ30は、外歯歯車であるサンギヤ30sと、内歯歯車であるリングギヤ30rと、それぞれサンギヤ30sおよびリングギヤ30rに噛合する複数のピニオンギヤ30pと、複数のピニオンギヤ30pを自転(回転)かつ公転自在に支持するキャリヤ30cとを有する。サンギヤ30sは、モータMG1の回転子に接続されている。リングギヤ30rは、変速機60の入力軸61に接続されている。キャリヤ30cは、ダンパ28を介してエンジン22のクランクシャフト26に接続されている。
【0018】
モータMG1は、例えば同期発電電動機として構成されている。このモータMG1の回転子は、上述したように、プラネタリギヤ30のサンギヤ30sに接続されている。モータMG2は、例えば同期発電電動機として構成されている。このモータMG2の回転子は、変速機60の入力軸61に接続されている。インバータ41,42は、モータMG1,MG2の駆動に用いられると共に電力ライン54を介してバッテリ50に接続されている。モータMG1,MG2は、モータ用電子制御ユニット(以下、「モータECU」という)40によって、インバータ41,42の図示しない複数のスイッチング素子がスイッチング制御されることにより、回転駆動される。
【0019】
モータECU40は、図示しないが、CPUを中心とするマイクロプロセッサとして構成されている。このモータECU40は、CPUの他に、処理プログラムを記憶するROMや、データを一時的に記憶するRAM、入出力ポート、通信ポートを備える。モータECU40には、モータMG1,MG2を駆動制御するのに必要な各種センサからの信号が入力ポートを介して入力されている。モータECU40に入力される信号としては、例えば、モータMG1,MG2の回転子の回転位置を検出する回転位置センサ43,44からのモータMG1,MG2の回転子の回転位置θm1,θm2や、モータMG1,MG2の各相に流れる相電流を検出する電流センサからのモータMG1,MG2の各相の相電流Iu1,Iv1,Iu2,Iv2を挙げることができる。モータECU40からは、インバータ41,42の図示しない複数のスイッチング素子へのスイッチング制御信号などが出力ポートを介して出力されている。モータECU40は、HVECU70と通信ポートを介して接続されている。モータECU40は、回転位置センサ43,44からのモータMG1,MG2の回転子の回転位置θm1,θm2に基づいてモータMG1,MG2の電気角θe1,θe2や回転数Nm1,Nm2を演算している。
【0020】
バッテリ50は、例えばリチウムイオン二次電池やニッケル水素二次電池として構成されており、上述したように、電力ライン54を介してインバータ41,42と接続されている。このバッテリ50は、バッテリ用電子制御ユニット(以下、「バッテリECU」という)52により管理されている。
【0021】
バッテリECU52は、図示しないが、CPUを中心とするマイクロプロセッサとして構成されている。このバッテリECU52は、CPUの他に、処理プログラムを記憶するROMや、データを一時的に記憶するRAM、入出力ポート、通信ポートを備える。バッテリECU52には、バッテリ50を管理するのに必要な各種センサからの信号が入力ポートを介して入力されている。バッテリECU52に入力される信号としては、例えば、バッテリ50の出力端子に取り付けられた電流センサ51aからのバッテリ50の電流Ibや、バッテリ50の端子間に取り付けられた電圧センサ51bからのバッテリ50の電圧Vb、バッテリ50に取り付けられた温度センサ51cからのバッテリ50の温度Tbを挙げることができる。バッテリECU52は、HVECU70と通信ポートを介して接続されている。バッテリECU52は、電流センサ51aからのバッテリ50の電流Ibの積算値に基づいてバッテリ50の蓄電割合SOCを演算している。蓄電割合SOCは、バッテリ50の全容量に対するバッテリ50から放電可能な電力の容量の割合である。
【0022】
変速機60は、4段変速機として構成されている。この変速機60は、入力軸61と、出力軸(駆動軸)62と、プラネタリギヤ63,64と、摩擦係合要素としてのクラッチC1,C2およびブレーキB1,B2と、ワンウェイクラッチF1とを備える。入力軸61は、上述したように、プラネタリギヤ30のリングギヤ30rおよびモータMG2に接続されている。出力軸62は、トランスファ120に接続されている。
【0023】
プラネタリギヤ63は、シングルピニオンタイプの遊星歯車機構として構成されている。このプラネタリギヤ63は、外歯歯車であるサンギヤ63sと、内歯歯車であるリングギヤ63rと、それぞれサンギヤ63sおよびリングギヤ63rに噛合する複数のピニオンギヤ63pと、複数のピニオンギヤ63pを自転(回転)かつ公転自在に支持するキャリヤ63cとを有する。
【0024】
プラネタリギヤ64は、シングルピニオンタイプの遊星歯車機構として構成されている。このプラネタリギヤ64は、外歯歯車であるサンギヤ64sと、内歯歯車であるリングギヤ64rと、それぞれサンギヤ64sおよびリングギヤ64rに噛合する複数のピニオンギヤ64pと、複数のピニオンギヤ64pを自転(回転)かつ公転自在に支持するキャリヤ64cとを有する。
【0025】
プラネタリギヤ63のキャリヤ63cとプラネタリギヤ64のリングギヤ64rとが連結(固定)されている。また、プラネタリギヤ63のリングギヤ63rとプラネタリギヤ64のキャリヤ64cとが連結(固定)されている。したがって、プラネタリギヤ63およびプラネタリギヤ64は、プラネタリギヤ63のサンギヤ63s、プラネタリギヤ63のキャリヤ63cおよびプラネタリギヤ64のリングギヤ64r、プラネタリギヤ63のリングギヤ63rおよびプラネタリギヤ64のキャリヤ64c、プラネタリギヤ64のサンギヤ64sを4つの回転要素とするいわゆる4要素タイプの機構として機能する。また、プラネタリギヤ63のリングギヤ63rおよびプラネタリギヤ64のキャリヤ64cは、出力軸62に連結(固定)されている。
【0026】
クラッチC1は、入力軸61と、プラネタリギヤ64のサンギヤ64sと、を互いに接続すると共に両者の接続を解除する。クラッチC2は、入力軸61と、プラネタリギヤ63のキャリヤ63cおよびプラネタリギヤ64のリングギヤ64rと、を互いに接続すると共に両者の接続を解除する。ブレーキB1は、プラネタリギヤ63のサンギヤ63sを静止部材としてのトランスミッションケース29に対して回転不能に固定(接続)すると共にこのサンギヤ63sをトランスミッションケース29に対して回転自在に解放する。ブレーキB2は、プラネタリギヤ63のキャリヤ63cおよびプラネタリギヤ64のリングギヤ64rをトランスミッションケース29に対して回転不能に固定(接続)すると共にこのキャリヤ63cおよびリングギヤ64rをトランスミッションケース29に対して回転自在に解放する。ワンウェイクラッチF1は、プラネタリギヤ63のキャリヤ63cおよびプラネタリギヤ64のリングギヤ64rの一方向の回転を許容すると共に他方向の回転を規制する。
【0027】
クラッチC1,C2は、それぞれ、油圧駆動の多板クラッチとして構成されている。ブレーキB1,B2は、それぞれ、油圧駆動の多板ブレーキとして構成されている。クラッチC1,C2およびブレーキB1,B2は、油圧制御装置(図示省略)による作動油の給排を受けて動作する。
【0028】
図3は、変速機60の各変速段とクラッチC1,C2やブレーキB1,B2、ワンウェイクラッチF1の係合状態との関係を示す作動表である。図4は、プラネタリギヤ30および変速機60の各回転要素の回転数の関係を示す共線図である。
【0029】
図4中、左側は、プラネタリギヤ30の共線図であり、右側は、変速機60の共線図である。プラネタリギヤ30の共線図において、30s軸は、モータMG1の回転数Nm1であるサンギヤ30sの回転を示し、30c軸は、エンジン22の回転数Neであるキャリヤ30cの回転数を示し、30r軸は、モータMG2の回転数Nm2や入力軸61の回転数であるリングギヤ30rの回転数を示す。
【0030】
変速機60の共線図において、64s軸は、プラネタリギヤ64のサンギヤ64sの回転数を示し、63r,64c軸は、プラネタリギヤ63のリングギヤ63rおよびプラネタリギヤ64のキャリヤ64cの回転数を示し、63c,64r軸は、プラネタリギヤ63のキャリヤ63cおよびプラネタリギヤ64のリングギヤ64rの回転数を示し、63s軸は、プラネタリギヤ63のサンギヤ63sの回転数を示す。
(【0031】以降は省略されています)

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