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公開番号2021043397
公報種別公開特許公報(A)
公開日20210318
出願番号2019166963
出願日20190913
発明の名称トナー
出願人キヤノン株式会社
代理人特許業務法人秀和特許事務所
主分類G03G 9/087 20060101AFI20210219BHJP(写真;映画;光波以外の波を使用する類似技術;電子写真;ホログラフイ)
要約【課題】ベタ画像の低温定着性に優れるとともに、トナー画像の保管性が改善でき、さらにトナーの耐久性及び保存性も満足できるトナー。
【解決手段】結着樹脂及び結晶性ポリエステル樹脂を含有するトナー粒子を有するトナーであって、該結着樹脂が、非晶性ポリエステル樹脂を含有し、該トナーの示差走査熱量測定において、25℃から120℃まで1000℃/秒の速さで昇温し、100m秒の間、120℃で温度を保持し、25℃まで1000℃/秒の速さで冷却した後に、120℃まで1000℃/秒の速さで昇温し、1度目の昇温におけるガラス転移温度をTg1(℃)とし、2度目の昇温におけるガラス転移温度をTg2(℃)としたとき、下記式(1)及び(2)を満たすことを特徴とするトナー。
(1) 65℃≦Tg1≦85℃
(2) 7℃≦Tg1-Tg2≦30℃
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
結着樹脂及び結晶性ポリエステル樹脂を含有するトナー粒子を有するトナーであって、
該結着樹脂が、非晶性ポリエステル樹脂を含有し、
該トナーの示差走査熱量測定において、
25℃から120℃まで1000℃/秒の速さで昇温し、
100m秒の間、120℃で温度を保持し、25℃まで1000℃/秒の速さで冷却した後に、
120℃まで1000℃/秒の速さで昇温し、
1度目の昇温におけるガラス転移温度をTg1(℃)とし、2度目の昇温におけるガラス転移温度をTg2(℃)としたとき、
下記式(1)及び(2)を満たすことを特徴とするトナー。
(1) 65℃≦Tg1≦85℃
(2) 7℃≦Tg1−Tg2≦30℃
続きを表示(約 1,700 文字)【請求項2】
前記結晶性ポリエステル樹脂が、脂肪族ジオールを含むアルコール成分と脂肪族ジカルボン酸を含む酸成分との縮重合物であり、
該脂肪酸ジオールの炭素数をC1とし、該脂肪族ジカルボン酸の炭素数をC2としたときに、C1及びC2の和が、8以上16以下である請求項1に記載のトナー。
【請求項3】
前記結晶性ポリエステル樹脂が、脂肪族ジオールを含むアルコール成分と脂肪族ジカルボン酸を含む酸成分との縮重合物であり、
該脂肪酸ジオールの炭素数をC1とし、該脂肪族ジカルボン酸の炭素数をC2としたときに、
下記式(A)又は(B)のいずれかを満たす請求項1又は2に記載のトナー。
(A) 2≦C1≦4
(B) 2≦C2≦4
【請求項4】
前記結晶性ポリエステル樹脂が、脂肪族ジオールを含むアルコール成分と脂肪族ジカルボン酸を含む酸成分との縮重合物であり、
前記結晶性ポリエステル樹脂は、末端に脂肪族モノカルボン酸が縮合した構造及び末端に脂肪族モノアルコールが縮合した構造の少なくともいずれかを有し、
該脂肪族モノカルボン酸が縮合した構造及び該脂肪族モノアルコールが縮合した構造の少なくともいずれかの炭素数C3が、6以上14以下である請求項1〜3のいずれか一項に記載のトナー。
【請求項5】
前記結晶性ポリエステル樹脂が、脂肪族ジオールを含むアルコール成分と脂肪族ジカルボン酸を含む酸成分との縮重合物であり、
前記結晶性ポリエステル樹脂は、末端に脂肪族モノカルボン酸が縮合した構造及び末端に脂肪族モノアルコールが縮合した構造の少なくともいずれかを有し、
該脂肪酸ジオールの炭素数をC1とし、該脂肪族ジカルボン酸の炭素数をC2としたときに、下記式(A)又は(B)のいずれかを満たし
該脂肪族モノカルボン酸が縮合した構造及び該脂肪族モノアルコールが縮合した構造の少なくともいずれかの炭素数C3が、6以上14以下である請求項1〜4のいずれか一項に記載のトナー。
(A) 2≦C1≦4
(B) 2≦C2≦4
【請求項6】
前記結晶性ポリエステル樹脂中の、前記脂肪族モノカルボン酸が縮合した構造及び前記脂肪族モノアルコールが縮合した構造の含有量の合計が、3質量%以上20質量%以下で
ある請求項4又は5に記載のトナー。
【請求項7】
前記非晶性ポリエステル樹脂が、ポリエステル樹脂組成物を含有し、
該ポリエステル樹脂組成物が、
i)炭素数の平均値27以上50以下の長鎖アルキルモノアルコールが末端に縮合した構造及び炭素数の平均値27以上50以下の長鎖アルキルモノカルボン酸が末端に縮合した構造の少なくとも一方、並びに炭素数の平均値27以上50以下の脂肪族炭化水素を含有し、
ii)該ポリエステル樹脂組成物中の、該脂肪族炭化水素、該長鎖アルキルモノアルコールが縮合した構造、及び該長鎖アルキルモノカルボン酸が縮合した構造の合計の含有割合が、2.5質量%以上10.0質量%以下である請求項1〜6のいずれか一項に記載のトナー。
【請求項8】
前記非晶性ポリエステル樹脂中の前記ポリエステル樹脂組成物の含有割合が80質量%以上である請求項7に記載のトナー。
【請求項9】
前記ポリエステル樹脂組成物は、炭素数の平均値27以上50以下の前記長鎖アルキルモノアルコールが末端に縮合した構造及び炭素数の平均値27以上50以下の前記脂肪族炭化水素を含有する請求項7又は8に記載のトナー。
【請求項10】
前記長鎖アルキルモノアルコールが、2級アルコールを含有する請求項7〜9のいずれか一項に記載のトナー。
【請求項11】
トナー粒子が、ワックスを含有し、
該ワックスの融点と前記結晶性ポリエステル樹脂の融点の差が、0℃以上25℃以下である請求項1〜10のいずれか一項に記載のトナー。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真、静電荷像を顕像化するための画像形成方法に使用されるトナーに関する。
続きを表示(約 8,500 文字)【背景技術】
【0002】
近年、複写機やプリンターなどの画像形成装置は、使用目的及び使用環境の多様化が進むと共に、更なる省エネルギー性が求められている。トナーによる省エネルギー性の改善という観点では、低温定着性の向上がまず挙げられる。
低温定着性を向上させるためには、様々な画像を出力した場合でも、トナーが紙などのメディアに定着する必要がある。ここで特に課題となるのが、メディアに多量のトナーを載せた場合の定着トナーが擦れた際の剥がれである。具体的には、メディアの全面にベタ画像を出力した際、メディアの上端側に載ったトナーの溶融により定着器の熱が奪われてしまうため、メディアの下端側に載ったトナーの溶融が十分に進まずに、トナーが剥がれやすい状態になることである。
このベタ画像の剥がれが発生すると、印刷物を保管した際に、メディアの裏面がトナーで汚れてしまうため、トナー画像の保管性が低下してしまう。特にこの課題は、メディアの凹部のトナーで顕著に起こりやすく、それは凹部のトナーは定着器からの圧力を受ける機会が少ないために、トナーが十分に溶融しないからである。この問題は定着器が温まりにくい低温環境や紙の凹凸が多い厚紙などで顕著に発生する傾向にある。
【0003】
特許文献1では、低温定着性及び保存性を向上するために、示差走査熱量計において昇温速度を100℃/分及び10℃/分で測定した際の融解熱量ΔHを制御する手法が記載されている。
特許文献2では、低温定着性、現像安定性、印字物保管性を向上するために、炭素数2以上9以下の脂肪族ジオールを用いた結晶性ポリエステル樹脂を含有するトナーが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2014−026275号公報
特開2016−090628号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記文献の手法では低温定着性評価におけるハーフトーン画像の擦り性は改善できるが、ベタ画像の擦り性の改善に関しては十分になされておらず、課題解決の余地があることがわかった。
本発明は、ベタ画像の低温定着性に優れるとともに、トナー画像の保管性が改善でき、さらにトナーの耐久性及び保存性も満足できるトナーを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
結着樹脂及び結晶性ポリエステル樹脂を含有するトナー粒子を有するトナーであって、
該結着樹脂が、非晶性ポリエステル樹脂を含有し、
該トナーの示差走査熱量測定において、
25℃から120℃まで1000℃/秒の速さで昇温し、
100m秒の間、120℃で温度を保持し、25℃まで1000℃/秒の速さで冷却した後に、
120℃まで1000℃/秒の速さで昇温し、
1度目の昇温におけるガラス転移温度をTg1(℃)とし、2度目の昇温におけるガラス転移温度をTg2(℃)としたとき、
下記式(1)及び(2)を満たすことを特徴とするトナー。
(1) 65℃≦Tg1≦85℃
(2) 7℃≦Tg1−Tg2≦30℃
【発明の効果】
【0007】
本発明は、ベタ画像の低温定着性に優れるとともに、トナー画像の保管性が改善でき、さらにトナーの耐久性及び保存性も満足できるトナーを提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
数値範囲を表す「XX以上YY以下」や「XX〜YY」の記載は、特に断りのない限り、端点である下限及び上限を含む数値範囲を意味する。
数値範囲が段階的に記載されている場合、各数値範囲の上限及び下限は任意に組み合わせることができる。
上述の課題である、全面ベタ画像におけるトナーの擦れ性は、メディアの凹部のトナーの溶融が不十分である場合に低下する。凹部のトナーは、定着器の圧力を受けることが少ないため、多くが定着器からの熱でのみ溶融する。メディアが定着器を通過して熱を受ける時間は、印字速度にもよるが50m/秒〜200m/秒であることが多い。すなわち、このような非常に短い時間で、トナーが溶融することができれば、上述の課題を解決できると本発明者は考えている。
【0009】
上述のような現象を測定するためにDSCの条件を検討した結果、下記の測定方法が最も適していることを見出した。
25℃から120℃まで1000℃/秒の速さで昇温し(第一の昇温過程)、
100m秒(0.100秒)の間、120℃で温度を保持し(高温保持過程)、
25℃まで1000℃/秒の速さで冷却した後に(冷却過程)、
120℃まで1000℃/秒の速さで昇温する(第二の昇温過程)
【0010】
このようなDSCの測定条件は、トナーが定着器から受ける熱に相当する条件である。具体的には120℃で100m秒の間、熱を受けられるように、高温保持過程の温度と時間を調整した。その熱を受けた際の結晶性ポリエステル樹脂のトナーへの可塑の程度を、第二の昇温過程の測定で得られるガラス転移温度Tg2が示している。
すなわち、Tg1−Tg2が大きくなるということは、加熱が非常に短い時間であっても、結晶性ポリエステル樹脂がトナーを十分に可塑できていることを示す。
【0011】
ここで、高温保持過程以外の熱を減らすために、高温保持過程以外でトナーが熱を受けすぎないように、昇温速度を1000℃/秒と非常に早く設定した。さらに、結晶性ポリエステル樹脂のトナーへの可塑が、定着器を通過したときに近い状態にするために、冷却速度も1000℃/秒と非常に早く設定した。
これは、120℃で100m秒保持した際に結晶性ポリエステルがトナーを可塑するが、冷却速度が遅いと、結晶性ポリエステルが冷却過程で結晶化してしまう。このため、第二の昇温過程で得られるTg2に対して、高温保持過程の可塑及び冷却過程の結晶化の2つの影響が出てしまい、本来測定したい状態を測定できなくなる可能性が高いためである。
【0012】
このようなDSCの測定条件と比較した、従来よく測定に使われる測定条件を下記に示す。
25℃から120℃まで10℃/分の速さで昇温し(第一の昇温過程)、
5分の間、120℃で温度を保持し(高温保持過程)、
25℃まで10℃/分の速さで冷却した後に(冷却過程)、
120℃まで10℃/分の速さで昇温する(第二の昇温過程)。
この測定では、高温保持過程が本発明における条件よりも長いため、トナーへの可塑する速さが十分でないトナーの構成であったとしても、結晶性ポリエステル樹脂がトナーを十分に可塑する可能性が高い。
一方、本発明においては、非常に短い高温保持過程であったとしても、結晶性ポリエステルがトナーを可塑することができることを示す。これにより、低温定着性の非常に厳しい評価である、ベタ画像後端部のトナーの擦れ性を改善することができる。
【0013】
本発明は、結着樹脂及び結晶性ポリエステル樹脂を含有するトナー粒子を有するトナーであって、
該結着樹脂が、非晶性ポリエステル樹脂を含有し、
該トナーの示差走査熱量測定において、
25℃から120℃まで1000℃/秒の速さで昇温し、
100m秒の間、120℃で温度を保持し、25℃まで1000℃/秒の速さで冷却した後に、
120℃まで1000℃/秒の速さで昇温し、
1度目の昇温におけるガラス転移温度をTg1(℃)とし、2度目の昇温におけるガラス転移温度をTg2(℃)としたとき、
下記式(1)及び(2)を満たすことを特徴とする。
(1) 65℃≦Tg1≦85℃
(2) 7℃≦Tg1−Tg2≦30℃
【0014】
式(1)は、第一の昇温過程におけるトナーのガラス転移温度Tg1(℃)が65℃以上85℃以下であることを示す。Tg1は、従来の測定条件である昇温速度10℃/分で測定したTgで得られる結果よりも高い。
Tg1が65℃未満の場合、トナーの保存性を損なう可能性がある。また、Tg1が85℃よりも高い場合、トナーの低温定着性を損なう可能性がある。Tg1は、好ましくは70℃以上80℃以下である。Tg1は、結着樹脂の種類、結晶性ポリエステル樹脂の種類及び量、並びにトナーの製造方法などにより制御できる。
【0015】
式(2)は、第二の昇温過程におけるトナーのガラス転移温度Tg2と第一の昇温過程におけるトナーのガラス転移温度Tg1の差が、7℃以上30℃以下であることを示す。式(2)を満たす場合、非常に短い高温保持時間であっても、結晶性ポリエステル樹脂がトナーを可塑できることを示す。
これにより、メディアが定着器を通過する非常に短い時間内でトナーが十分に可塑することができる。このため、メディアの凹部のトナーも十分に溶融することができるため、低温定着性の非常に厳しい評価である、ベタ画像後端部のトナーの擦れ性を改善することができる。
【0016】
Tg1−Tg2が7℃未満の場合、トナーの可塑が不十分であるために、ベタ画像後端部のトナーの擦れ性を改善できない場合がある。Tg1−Tg2が30℃より高い場合、トナーの可塑が非常に速いが、保存性及び耐久性が低下する恐れがある。。
Tg1−Tg2は好ましくは、10℃以上30℃以下である。Tg1−Tg2は、結着樹脂の種類、結晶性ポリエステル樹脂の種類及び量、並びにトナーの製造方法などにより制御できる。
Tg2は、好ましくは30℃以上80℃以下であり、より好ましくは40℃以上75℃以下である。
【0017】
トナーの好ましい構成を以下に述べる。
本発明では非常に短い高温保持時間であっても結晶性ポリエステル樹脂がトナーを可塑することができる。そのための手段として、熱を受けた際に、結晶性ポリエステル樹脂がトナーの結着樹脂に相溶しやすい構成にする方法が挙げられる。
具体的な手段としては、結晶性ポリエステル樹脂を構成する化合物の選定、結着樹脂を構成する化合物の選定、結晶性ポリエステル樹脂と結着樹脂の溶解度パラメータSP値を近づけること、トナー粒子中における結晶性ポリエステル樹脂の分散性を向上すること、及び結晶性ポリエステルの結晶化度を向上させることなどが挙げられる。これらを組み合わせることにより式(1)及び(2)を満足しうる。
【0018】
トナーは、結着樹脂及び結晶性ポリエステル樹脂を含有するトナー粒子を有する。
(着色剤)
トナーには着色剤を用いてもよい。着色剤としては、以下の有機顔料、有機染料、及び、無機顔料が挙げられる。
シアン系着色剤としては、銅フタロシアニン化合物及びその誘導体、アントラキノン化合物、及び、塩基染料レーキ化合物が挙げられる。
マゼンタ系着色剤としては、以下のものが挙げられる。縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物、アントラキノン化合物、キナクリドン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物、及び、ペリレン化合物。
イエロー系着色剤としては、縮合アゾ化合物、イソインドリノン化合物、アントラキノン化合物、アゾ金属錯体、メチン化合物、及び、アリルアミド化合物が挙げられる。
黒色着色剤としては、カーボンブラック、及び、上記イエロー系着色剤、マゼンタ系着色剤、シアン系着色剤、および磁性粉体を用いて黒色に調色されたものが挙げられる。
これらの着色剤は、単独又は混合し更には固溶体の状態で用いることができる。本発明に用いられる着色剤は、色相角、彩度、明度、耐光性、OHP透明性、及び、トナー粒子中の分散性の点から選択される。
着色剤の含有量は、結着樹脂100質量部に対して、好ましくは1質量部以上10質量部以下である。
【0019】
(磁性粒子)
黒色の着色剤として磁性粒子を用いてもよい。
磁性粒子を用いる場合は、磁性酸化鉄粒子を含むコア粒子と、コア粒子の表面に設けられた被覆層を有することが好ましい。
磁性酸化鉄粒子を含むコア粒子としては、マグネタイト、マグヘマイト、フェライトのような磁性酸化鉄、及び他の金属酸化物を含む磁性酸化鉄;Fe、Co、Niのような金属、あるいは、これらの金属とAl、Co、Cu、Pb、Mg、Ni、Sn、Zn、Sb、Be、Bi、Cd、Ca、Mn、Ti、W、Vのような金属との合金、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0020】
被覆層は、コア粒子の表面の全域を均一に被覆していてもよいし、コア粒子の表面が一部露出した状態で被覆していてもよい。いずれの被覆態様であっても、被覆層は、最外層であることが好ましく、コア粒子の表面を薄く被覆していることが好ましい。被覆層を形成する元素としては、Si及びAlを含有することが好ましい。
被覆層の形成方法は、特に限定されることなく、公知の方法を用いるとよい。例えば、マグネタイトを含むコア粒子を製造した後、硫酸第一鉄水溶液に、ケイ酸ナトリウムや硫酸アルミニウムなどの、ケイ素源やアルミニウム源を添加する。その後、混合液のpH及び温度を調整しつつ空気を吹き込むことで、コア粒子表面に特定の酸化物を含有する被覆層を形成するとよい。
また、硫酸第一鉄水溶液、ケイ酸ナトリウム及び硫酸アルミニウムなどの添加量などを
調整することで被覆層の厚みを制御することができる。
【0021】
また、上述した被覆層を形成しやすく、磁気特性や着色力がより良化するという観点から、磁性粒子は八面体形状であることが好ましい。
磁性粒子の形状を制御する方法は従来公知の方法を採用することができる。磁性粒子を八面体形状にする方法としては、例えばコア粒子の製造において湿式酸化反応時のpHを9以上にすることが挙げられる。
低温定着性の観点から、磁性粒子の含有量は、結着樹脂100質量部に対して、好ましくは25質量部以上100質量部以下であり、より好ましくは30質量部以上90質量部以下である。
【0022】
(結晶性ポリエステル樹脂)
トナー粒子は結晶性ポリエステル樹脂を有する。
ここで、結晶性ポリエステルとは、示差走査熱量計(DSC)による測定において、明確な吸熱ピークを有するポリエステル樹脂と定義する。
結晶性ポリエステル樹脂について述べる。
【0023】
結晶性ポリエステル樹脂は公知のものを使用できる。例えば、脂肪族ジカルボン酸及び脂肪族ジオールの縮重合物が挙げられる。
結晶性ポリエステル樹脂は、脂肪族ジカルボン酸及び脂肪族ジオール、並びに脂肪族モノカルボン酸及び脂肪族モノアルコールからなる群から選択される少なくとも一の縮重合物であることが好ましい。結晶性ポリエステル樹脂は、脂肪族ジカルボン酸及び脂肪族ジオール、並びに脂肪族モノカルボン酸の縮重合物であることがより好ましい。
【0024】
脂肪族ジカルボン酸としては、炭素数2〜20の脂肪族ジカルボン酸が挙げられる。例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、ヘキサデカンジカルボン酸、オクタデカンジカルボン酸等が挙げられる。
【0025】
脂肪族ジオールとしては、炭素数2〜20の脂肪族ジオールが挙げられる。例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,11−ウンデカンジオール、1,12−ドデカンジオール、1,16−ヘキサデカンジオール、1,18−オクタデカンジオール等が挙げられる。
【0026】
脂肪族モノカルボン酸としては、炭素数6〜20の脂肪族モノカルボン酸が挙げられる。例えば、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸(カプリン酸)、ドデカン酸(ラウリン酸)、テトラデカン酸(ミリスチン酸)、ヘキサデカン酸(パルミチン酸)、オクタデカン酸(ステアリン酸)、エイコサン酸(アラキジン酸)、ドコサン酸(ベヘン酸)、テトラコサン酸(リグノセリン酸)等が挙げられる。
脂肪族モノアルコールとしては、炭素数6〜20の脂肪族モノアルコールが挙げられる。例えば、カプリルアルコール、ウンデカノール、ラウリルアルコール、トリデカノール、ミリスチルアルコール、ペンタデカノール、パルミチルアルコール、マルガリルアルコール、ステアリルアルコール、ノナデカノール、アラキジルアルコール
【0027】
結晶性ポリエステル樹脂が、脂肪族ジオールを含むアルコール成分と脂肪族ジカルボン酸を含む酸成分との縮重合物であることが好ましい。そして、脂肪酸ジオールの炭素数を
C1とし、脂肪族ジカルボン酸の炭素数をC2としたときに、C1及びC2の和が、8以上16以下であることが好ましく、12以上16以下であることがより好ましい。
なお、脂肪酸ジオール及び/又は脂肪族ジカルボン酸が複数用いられている場合、それぞれの炭素数は質量分率による平均値を採用する。
C1及びC2の和が8以上16以下ということは、結晶性ポリエステル樹脂を構成する脂肪酸ジオールと脂肪族ジカルボン酸の炭素数の合計が比較的少ないことを意味する。
このようにC1及びC2の和を上述の範囲のように小さくすることにより、結晶性ポリエステル樹脂に含まれるエステル基の数が増える。エステル基が増えることにより、結晶性ポリエステル樹脂の極性が上がる。その結果、結着樹脂を可塑する速度が非常に早くなるため、本発明の効果を発現しやすくなる。
【0028】
また、結晶性ポリエステル樹脂が、脂肪族ジオールを含むアルコール成分と脂肪族ジカルボン酸を含む酸成分との縮重合物であり、脂肪酸ジオールの炭素数をC1とし、脂肪族ジカルボン酸の炭素数をC2としたときに、下記式(A)又は(B)のいずれかを満たすことが好ましい。
(A) 2≦C1≦4
(B) 2≦C2≦4
【0029】
これは、結晶性ポリエステル樹脂のエステル基とエステル基の間の炭素数が非常に少ないことを意味する。これら2つのエステル基が近くに存在することにより、結晶性ポリステル樹脂の分子中に、2つのエステル基が密接した極性が高い構造が存在する(以下、短鎖構造と呼ぶ)。
定着工程においてトナーが熱を受けた際、この極性が高い短鎖構造が結着樹脂を非常に早く可塑しやすくなるため、本発明の効果を発現しやすくなる。
【0030】
また、結晶性ポリエステル樹脂が、脂肪族ジオールを含むアルコール成分と脂肪族ジカルボン酸を含む酸成分との縮重合物であり、末端に脂肪族モノカルボン酸が縮合した構造及び末端に脂肪族モノアルコールが縮合した構造の少なくともいずれかを有することが好ましい。
そして脂肪族モノカルボン酸が縮合した構造及び脂肪族モノアルコールが縮合した構造の少なくともいずれかの炭素数C3が、6以上14以下であることが好ましく、10以上14以下であることがより好ましい。
(【0031】以降は省略されています)

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