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公開番号2021040453
公報種別公開特許公報(A)
公開日20210311
出願番号2019161532
出願日20190904
発明の名称制御基板
出願人アイシン・エィ・ダブリュ株式会社
代理人特許業務法人R&C
主分類H02M 7/48 20070101AFI20210212BHJP(電力の発電,変換,配電)
要約【課題】基板本体部の大型化やコストの増加を抑制しつつ、制御基板の耐振動性の向上を図ることが可能な技術を実現する。
【解決手段】絶縁領域Bを跨ぐように配置されて第1回路領域A1と第2回路領域A2とを接続する接続部材6が、複数の第1回路領域A1のそれぞれに対して設けられる。接続部材6は、第1回路領域A1と第2回路領域A2との間を電気的に絶縁しつつ第1回路領域A1と第2回路領域A2との間で信号を伝達する絶縁素子71,72と、第1回路領域A1と第2回路領域A2との間を電気的に絶縁しつつ第1回路領域A1と第2回路領域A2との間で電力を伝達するトランス81,82と、を備える。複数の接続部材6の全てにおいて、トランス81,82が、絶縁素子71,72よりも基板本体部40の外縁40a側に配置されている。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
複数のスイッチング素子を備えたインバータを制御する制御基板であって、
複数の前記スイッチング素子のうちの対応する前記スイッチング素子をそれぞれ駆動する複数の駆動回路と、
複数の前記駆動回路のそれぞれに供給される信号及び電力を伝達する伝達回路と、
板状の基板本体部に形成された領域であって、前記駆動回路がそれぞれ設けられた複数の第1回路領域と、前記伝達回路が設けられた第2回路領域と、複数の前記第1回路領域のそれぞれと前記第2回路領域との間を電気的に絶縁する絶縁領域と、を備え、
前記絶縁領域を跨ぐように配置されて前記第1回路領域と前記第2回路領域とを接続する接続部材が、複数の前記第1回路領域のそれぞれに対して設けられ、
前記接続部材は、前記第1回路領域と前記第2回路領域との間を電気的に絶縁しつつ前記第1回路領域と前記第2回路領域との間で前記信号を伝達する絶縁素子と、前記第1回路領域と前記第2回路領域との間を電気的に絶縁しつつ前記第1回路領域と前記第2回路領域との間で前記電力を伝達するトランスと、を備え、
複数の前記接続部材の全てにおいて、前記トランスが、前記絶縁素子よりも前記基板本体部の外縁側に配置されている、制御基板。
続きを表示(約 1,600 文字)【請求項2】
前記基板本体部の外縁部に、支持部材に支持される被支持部が設けられている、請求項1に記載の制御基板。
【請求項3】
前記基板本体部は、平面視で4つの辺部を備える矩形状に形成され、
複数の前記接続部材の全てにおいて、前記トランスと前記絶縁素子とが、いずれかの前記辺部に沿う方向に並んで配置されている、請求項1又は2に記載の制御基板。
【請求項4】
4つの前記辺部には、互いに平行な2つの長辺部と、互いに平行な2つの短辺部とが含まれ、
2つの前記長辺部に沿う方向を長辺方向とし、2つの前記短辺部に沿う方向を短辺方向として、
前記基板本体部には6つの前記第1回路領域が配置され、
6つの前記第1回路領域のうちの3つを第1対象領域とし、残りの3つを第2対象領域として、
3つの前記第1対象領域が、前記長辺方向に並んで配置されていると共に、3つの前記第2対象領域に対して前記短辺方向の一方側である第1側に配置され、
3つの前記第2対象領域が、前記長辺方向に並んで配置されていると共に、3つの前記第1対象領域に対して前記短辺方向の他方側である第2側に配置され、
3つの前記第1対象領域のそれぞれに対して設けられた前記接続部材においては、前記トランスが前記絶縁素子よりも前記第1側に位置するように、前記トランスと前記絶縁素子とが前記短辺方向に並んで配置され、
3つの前記第2対象領域のそれぞれに対して設けられた前記接続部材においては、前記トランスが前記絶縁素子よりも前記第2側に位置するように、前記トランスと前記絶縁素子とが前記短辺方向に並んで配置されている、請求項3に記載の制御基板。
【請求項5】
前記基板本体部の外縁部に、支持部材に支持される被支持部が設けられ、
前記被支持部は、前記基板本体部の前記第1側の外縁部において前記長辺方向に並んで配置された4つの第1被支持部と、前記基板本体部の前記第2側の外縁部において前記長辺方向に並んで配置された4つの第2被支持部と、を備え、
前記第1対象領域に対して設けられた前記接続部材が備える前記トランスを第1トランスとし、前記第2対象領域に対して設けられた前記接続部材が備える前記トランスを第2トランスとして、
3つの前記第1トランスが、前記長辺方向において、4つの前記第1被支持部によって区画された3つの領域に分かれて配置され、
3つの前記第2トランスが、前記長辺方向において、4つの前記第2被支持部によって区画された3つの領域に分かれて配置されている、請求項4に記載の制御基板。
【請求項6】
1つの前記第1対象領域に対して設けられた前記接続部材と、1つの前記第2対象領域に対して設けられた前記接続部材とが、前記長辺方向の同じ位置に配置されている、請求項4又は5に記載の制御基板。
【請求項7】
前記第1回路領域のそれぞれに、前記スイッチング素子の接続端子にそれぞれ接続される複数の接続部が、規定の配列方向に沿って一列に並ぶように設けられ、
複数の前記接続部材の全てにおいて、前記トランスと前記絶縁素子とが前記配列方向に並んで配置されている、請求項1から6のいずれか一項に記載の制御基板。
【請求項8】
前記第2回路領域は、複数の前記第1回路領域の全てに対して前記絶縁領域を挟んで隣接するように、前記基板本体部の中央部を含む領域に形成されている、請求項1から7のいずれか一項に記載の制御基板。
【請求項9】
前記基板本体部における前記中央部を避けた位置に、支持部材に支持される被支持部が設けられている、請求項8に記載の制御基板。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、インバータを制御する制御基板に関する。
続きを表示(約 10,000 文字)【背景技術】
【0002】
インバータを制御する制御基板の一例が、特開2009−130967号公報(特許文献1)に開示されている。以下、背景技術の説明において括弧内に示す符号は特許文献1のものである。特許文献1の制御基板(2)には、スイッチング素子(10)を駆動する駆動回路(20)がそれぞれ設けられた複数の第1回路領域(5)と、第2回路領域(7)とが形成されている。第2回路領域(7)は、複数の第1回路領域(5)の全てに対して絶縁領域(6)を挟んで隣接するように設けられている。そして、絶縁領域(6)を跨ぐように配置されて第1回路領域(5)と第2回路領域(7)との間で信号を伝達する絶縁素子(P)と、絶縁領域(6)を跨ぐように配置されて第1回路領域(5)と第2回路領域(7)との間で電力を伝達するトランス(L)とが、複数の第1回路領域(5)のそれぞれに対して設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2009−130967号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1の段落0021,0067に記載されているように、特許文献1の制御基板では、制御基板を固定するための固定部材(ボルト等)が貫通する貫通孔を、基板本体部の四隅に加えて中央部にも設けることで、車載用途に要求される高い耐振動性を確保している。そして、特許文献1の段落0021,0068に記載されているように、特許文献1の制御基板では、基板本体部の中央部に配置される貫通孔を、第2回路領域内に設けることで、基板本体部の面積の増大を抑制している。しかしながら、このように基板本体部の中央部に貫通孔を設けた場合、基板本体部の中央部の貫通孔を避けて回路(素子や配線等)を配置する必要があり、基板本体部の中央部に貫通孔が設けられない場合に比べて基板本体部が大型化する場合があり得る。また、基板本体部の中央部に貫通孔が設けられない場合に比べて、コストが増加しやすい。
【0005】
そこで、基板本体部の大型化やコストの増加を抑制しつつ、制御基板の耐振動性の向上を図ることが可能な技術の実現が望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る制御基板は、複数のスイッチング素子を備えたインバータを制御する制御基板であって、複数の前記スイッチング素子のうちの対応する前記スイッチング素子をそれぞれ駆動する複数の駆動回路と、複数の前記駆動回路のそれぞれに供給される信号及び電力を伝達する伝達回路と、板状の基板本体部に形成された領域であって、前記駆動回路がそれぞれ設けられた複数の第1回路領域と、前記伝達回路が設けられた第2回路領域と、複数の前記第1回路領域のそれぞれと前記第2回路領域との間を電気的に絶縁する絶縁領域と、を備え、前記絶縁領域を跨ぐように配置されて前記第1回路領域と前記第2回路領域とを接続する接続部材が、複数の前記第1回路領域のそれぞれに対して設けられ、前記接続部材は、前記第1回路領域と前記第2回路領域との間を電気的に絶縁しつつ前記第1回路領域と前記第2回路領域との間で前記信号を伝達する絶縁素子と、前記第1回路領域と前記第2回路領域との間を電気的に絶縁しつつ前記第1回路領域と前記第2回路領域との間で前記電力を伝達するトランスと、を備え、複数の前記接続部材の全てにおいて、前記トランスが、前記絶縁素子よりも前記基板本体部の外縁側に配置されている。
【0007】
基板本体部の中央部に、支持部材に支持される被支持部が設けられない場合、基板本体部の撓みによる変位は中央部において大きくなりやすい。本構成では、複数の接続部材の全てにおいて、トランスが絶縁素子よりも基板本体部の外縁側に配置されるため、絶縁素子に比べて一般に重い部品とされるトランスの全てを、基板本体部における撓みによる変位が大きくなりやすい中央部から離して配置することが可能となっている。この結果、振動が生じる環境下で制御基板が用いられる場合であっても、変位の大きな撓みを伴う振動(例えば、共振)が基板本体部に発生し難いようにして、制御基板の耐振動性の向上を図ることができる。なお、本構成では、支持部材に支持される被支持部を基板本体部の中央部に設ける必要はないため、基板本体部の大型化やコストの増加を抑制しつつ、制御基板の耐振動性の向上を図ることが可能となっている。
【0008】
制御基板の更なる特徴と利点は、図面を参照して説明する実施形態についての以下の記載から明確となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
制御基板の制御対象となるインバータの構成例を示す図
電源回路の構成例を示す図
実施形態に係る制御基板の平面図
実施形態に係る制御基板とインバータと支持部材とを分解して示す斜視図
【発明を実施するための形態】
【0010】
制御基板の実施形態について、図面を参照して説明する。制御基板1は、複数のスイッチング素子3を備えたインバータ100を制御する基板である。インバータ100は、直流と交流との間で電力を変換して交流機16に交流電力を供給する。制御基板1は、インバータ100を介して交流機16を制御する。交流機16は、交流電力の供給を受けて動作する機器である。図1に示すように、本実施形態では、交流機16は回転電機である。具体的には、交流機16は、U相、V相、及びW相からなる3相(複数相の一例)の交流電力で駆動される回転電機であり、インバータ100は、3相の交流電力を交流機16(ここでは、ステータコイル16a)に供給する。交流機16は、例えば、車両の車輪を駆動するための回転電機とされ、或いは、車両に設けられた補機を駆動するための回転電機とされる。補機は、車両に搭載される機器(付属機器、車載機器)であり、例えば、電動オイルポンプや、エアコンディショナ用のコンプレッサ等とされる。本明細書では、「回転電機」は、モータ(電動機)、ジェネレータ(発電機)、及び必要に応じてモータ及びジェネレータの双方の機能を果たすモータ・ジェネレータのいずれをも含む概念として用いている。
【0011】
図1に示すように、インバータ100は、第1直流電源11に接続されると共に交流機16に接続されている。第1直流電源11は、インバータ100の直流側に直流電力を供給する。第1直流電源11の電源電圧は、例えば200〜400[V]とされる。交流機16がモータとして機能する場合には、インバータ100は、第1直流電源11から供給される直流電力を交流電力に変換して交流機16に供給する。また、交流機16がジェネレータとして機能する場合には、インバータ100は、交流機16から供給される交流電力を直流電力に変換して第1直流電源11に供給する。第1直流電源11とインバータ100との間には、インバータ100の直流側の電圧(直流リンク電圧Vdc)を平滑化する平滑コンデンサCが設けられている。第1直流電源11とインバータ100との間に昇圧回路が設けられ、第1直流電源11の電圧が昇圧されてインバータ100の直流側に供給される構成とすることもできる。
【0012】
インバータ100は、第1スイッチング素子31と第2スイッチング素子32とが直列接続されたアーム33を複数備えている。すなわち、インバータ100は、複数の第1スイッチング素子31と複数の第2スイッチング素子32とを備えている。第1スイッチング素子31は、直流の正極側(ここでは、第1直流電源11の正極側)に接続されるスイッチング素子3(上段側スイッチング素子)であり、第2スイッチング素子32は、直流の負極側(ここでは、第1直流電源11の負極側)に接続されるスイッチング素子3(下段側スイッチング素子)である。
【0013】
インバータ100が備えるスイッチング素子3は、後述するスイッチング制御信号SWにより個別にスイッチング制御される。スイッチング素子3として、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)、パワーMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)、SiC−MOSFET(Silicon Carbide - Metal Oxide Semiconductor FET)、SiC−SIT(SiC - Static Induction Transistor)、GaN−MOSFET(Gallium Nitride - MOSFET)等のパワー半導体素子を用いると好適である。図1には、スイッチング素子3としてIGBTを用いる場合を例示している。スイッチング素子3は、例えば、矩形平板状のチップ型素子とされる。図示は省略するが、スイッチング素子3のそれぞれにはフリーホイールダイオードが並列接続されている。フリーホイールダイオードは、例えば、スイッチング素子3を構成するチップ型素子に内蔵される。
【0014】
インバータ100は、交流機16に供給する交流電力の相数に対応する数のアーム33を備えている。本実施形態では、インバータ100は、交流機16に供給する交流電力の相数に等しい数のアーム33を備えており、具体的には、U相アーム33U、V相アーム33V、及びW相アーム33Wの、3つのアーム33を備えている。複数のアーム33は、互いに並列接続されてブリッジ回路を構成している。各アーム33の中間点(第1スイッチング素子31と第2スイッチング素子32との接続点)は、交流機16の交流端子(ここでは、対応する相のステータコイル16a)に接続されている。
【0015】
第1スイッチング素子31及び第2スイッチング素子32の制御信号(スイッチング制御信号SW)は、制御回路5により生成される。制御回路5は、第1スイッチング素子31をスイッチング制御する第1スイッチング制御信号SW1、及び、第2スイッチング素子32をスイッチング制御する第2スイッチング制御信号SW2を生成する。すなわち、制御回路5は、スイッチング制御信号SWとして、第1スイッチング制御信号SW1及び第2スイッチング制御信号SW2を生成する。制御回路5は、マイクロコンピュータ等の論理回路を中核として構成される。制御回路5の各機能は、例えば、マイクロコンピュータ等のハードウェアとソフトウェア(プログラム)との協働により実現される。
【0016】
制御回路5は、スイッチング制御信号SWを生成することで、インバータ100を制御する。制御回路5は、例えば、他の制御装置(例えば、車両の全体を統合して制御する車両制御装置)からの指令に基づき、インバータ100を制御する。制御回路5は、例えばベクトル制御法を用いた電流フィードバック制御を行って、他の制御装置から指令されたトルクを交流機16が出力するようにインバータ100を制御する。図1に示す例では、交流機16の各相のステータコイル16aを流れる電流は電流センサ14により検出され、交流機16のロータの磁極位置は回転センサ15により検出される。制御回路5は、これらの電流センサ14及び回転センサ15の検出結果を用いて、インバータ100を制御する。
【0017】
制御回路5の動作電圧(例えば、5[V],3.3[V],2.5[V]等)は、第2直流電源12から供給される直流電力に基づき生成される。第2直流電源12は、第1直流電源11よりも電源電圧の低い直流電源である。第2直流電源12の電源電圧は、例えば12〜24[V]とされる。第1直流電源11と第2直流電源12とは、互いに絶縁されており、互いにフローティングの関係にある。図示は省略するが、制御回路5に電力(動作電力)を供給する電源回路は、例えば、第2直流電源12に接続される電源入力回路と、第2直流電源12から電源入力回路に入力される電圧を調整する電圧調整回路と、を備える。電源入力回路は、例えば、ノイズフィルタ、平滑コンデンサ、及びレギュレータ回路を用いて構成され、電圧調整回路は、例えば、レギュレータ素子を用いて構成される。
【0018】
制御回路5が生成したスイッチング制御信号SWは、駆動回路2を介して、制御対象となるスイッチング素子3の制御端子(図1に示す例では、IGBTのゲート端子)に入力される。すなわち、駆動回路2は、スイッチング制御信号SWに基づきスイッチング素子3を駆動する。図1に示す例では、駆動回路2は、スイッチング素子3(IGBT)のゲート端子とエミッタ端子との2端子間の電位差を制御することで、スイッチング素子3を駆動する。図1に示すように、駆動回路2は、複数のスイッチング素子3のそれぞれに対応して設けられている。すなわち、複数の駆動回路2は、複数のスイッチング素子3のうちの対応するスイッチング素子3をそれぞれ駆動する。複数の駆動回路2には、第1スイッチング素子31を駆動する第1駆動回路21と、第2スイッチング素子32を駆動する第2駆動回路22とが含まれる。第1駆動回路21は、第1スイッチング制御信号SW1に基づき第1スイッチング素子31を駆動する。また、第2駆動回路22は、第2スイッチング制御信号SW2に基づき第2スイッチング素子32を駆動する。
【0019】
駆動回路2は、制御回路5が生成したスイッチング制御信号SWの駆動能力(例えば電圧振幅又は出力電流等、後段の回路を動作させる能力)を高めて、スイッチング素子3の制御端子に供給する。駆動回路2は、例えば、2つのトランジスタが直列接続されたプッシュプル回路を用いて構成される。ここで、制御基板1に形成される回路には、動作電圧が相対的に高い高圧系回路と、動作電圧が相対的に低い低圧系回路とが含まれる。高圧系回路と低圧系回路とは、互いに絶縁されている。スイッチング制御信号SWを生成する制御回路5に接続される回路(後述する伝達回路20等)は、低圧系回路である。一方、駆動回路2は、高圧系回路である。そのため、制御基板1は、フォトカプラ又は磁気カプラ等の絶縁素子7(信号伝達用の絶縁素子)を備えており、この絶縁素子7が、制御回路5が生成したスイッチング制御信号SWを、駆動回路2に絶縁状態(電気的に絶縁された状態)で伝達する。具体的には、制御基板1は、制御回路5が生成した第1スイッチング制御信号SW1を第1駆動回路21に絶縁状態で伝達するための絶縁素子7である第1絶縁素子71と、制御回路5が生成した第2スイッチング制御信号SW2を第2駆動回路22に絶縁状態で伝達するための絶縁素子7である第2絶縁素子72と、を備えている。
【0020】
駆動回路2のそれぞれには、電源回路4から電力(動作電力)が供給される。図2に電源回路4の一例を示すように、電源回路4は、トランス8を用いて駆動回路2に電力を供給する。具体的には、電源回路4は、第1トランス81を用いて第1駆動回路21に電力を供給すると共に、第2トランス82を用いて第2駆動回路22に電力を供給する。電源回路4は、第1駆動回路21に供給する上段用駆動電圧VHと、第2駆動回路22に供給する下段用駆動電圧VLとを出力する。上段用駆動電圧VH及び下段用駆動電圧VLのそれぞれの電位差は、例えば15〜20[V]とされる。
【0021】
本実施形態では、電源回路4は、U相上段用駆動電圧VHU、V相上段用駆動電圧VHV、及びW相上段用駆動電圧VHWの3つの上段用駆動電圧VHを出力し、U相下段用駆動電圧VLU、V相下段用駆動電圧VLV、及びW相下段用駆動電圧VLWの3つの下段用駆動電圧VLを出力する。U相上段用駆動電圧VHUは、U相アーム33Uが備える第1スイッチング素子31(U相の第1スイッチング素子31)を駆動する第1駆動回路21に供給され、U相下段用駆動電圧VLUは、U相アーム33Uが備える第2スイッチング素子32(U相の第2スイッチング素子32)を駆動する第2駆動回路22に供給される。V相上段用駆動電圧VHVは、V相アーム33Vが備える第1スイッチング素子31(V相の第1スイッチング素子31)を駆動する第1駆動回路21に供給され、V相下段用駆動電圧VLVは、V相アーム33Vが備える第2スイッチング素子32(V相の第2スイッチング素子32)を駆動する第2駆動回路22に供給される。W相上段用駆動電圧VHWは、W相アーム33Wが備える第1スイッチング素子31(W相の第1スイッチング素子31)を駆動する第1駆動回路21に供給され、W相下段用駆動電圧VLWは、W相アーム33Wが備える第2スイッチング素子32(W相の第2スイッチング素子32)を駆動する第2駆動回路22に供給される。
【0022】
図2に示すように、トランス8の1次巻線L1(具体的には、第1トランス81の1次巻線L1及び第2トランス82の1次巻線L1)には、1次巻線L1への電力の供給を制御する駆動用スイッチング素子9が接続されている。駆動用スイッチング素子9は、電源制御回路95によってスイッチング制御される。図2に示す例では、電源回路4は、プッシュプル方式のスイッチング電源回路であり、1次巻線L1には、第1駆動用スイッチング素子91及び第2駆動用スイッチング素子92の2つの駆動用スイッチング素子9が接続されている。第1駆動用スイッチング素子91及び第2駆動用スイッチング素子92は、電源制御回路95によって相補的にスイッチング制御される。
【0023】
図2には、6つのトランス8(3つの第1トランス81及び3つの第2トランス82)に対して共通の駆動用スイッチング素子9(ここでは、第1駆動用スイッチング素子91及び第2駆動用スイッチング素子92の組)が設けられる構成を例示しているが、トランス8が複数のグループ(例えば、2つのトランスからなるグループ)に分けられ、複数のグループに対して駆動用スイッチング素子9(例えば、第1駆動用スイッチング素子91及び第2駆動用スイッチング素子92の組)が各別に設けられる構成としてもよい。また、ここでは、一例として、電源回路4を、プッシュプル方式のスイッチング電源回路としているが、電源回路4は、ハーフブリッジ方式、フルブリッジ方式、シングルフォワード方式、フライバック方式等の、プッシュプル方式以外の方式のスイッチング電源回路であってもよい。
【0024】
第1トランス81の1次巻線L1及び第2トランス82の1次巻線L1に入力される入力電圧V1(1次側電圧)は、第2直流電源12の電源電圧から電源回路(電圧レギュレータ等)によって生成される。そのため、入力電圧V1は安定しており、この電源回路4では、フィードバック制御を行うことなく、第1トランス81の変圧比によって第1トランス81の2次巻線L2から出力される出力電圧(2次側電圧)が決定され、第2トランス82の変圧比によって第2トランス82の2次巻線L2から出力される出力電圧(2次側電圧)が決定される。第1トランス81の2次側電圧(上段用駆動電圧VH)は、第1駆動回路21に供給され、第2トランス82の2次側電圧(下段用駆動電圧VL)は、第2駆動回路22に供給される。図2に示す例では、2次巻線L2に生じる交流電圧が、整流用のダイオード94と平滑用のコンデンサ93とを備えた整流回路96によって直流電圧に変換されることで、2次側電圧が生成される。
【0025】
次に、制御基板1の構成について説明する。制御基板1は、複数の駆動回路2と、複数の駆動回路2のそれぞれに供給される信号及び電力を伝達する伝達回路20と、を備えている。上述したように、複数の駆動回路2には、第1駆動回路21及び第2駆動回路22が含まれ、本実施形態では、複数の第1駆動回路21及び複数の第2駆動回路22(具体的には、3つの第1駆動回路21及び3つの第2駆動回路22)が含まれる。
【0026】
図3に示すように、制御基板1は、板状の基板本体部40を備えている。本実施形態では、基板本体部40は、平面視(基板本体部40の厚さ方向Zに沿う方向視)で4つの辺部41を備える矩形状(正方形状や、角部が面取りされた矩形状を含む)に形成されている。具体的には、本実施形態では、基板本体部40は、平面視で長方形状に形成されており、4つの辺部41には、互いに平行な2つの長辺部42と、互いに平行な2つの短辺部43(長辺部42よりも短い辺部41)とが含まれる。ここで、2つの長辺部42に沿う方向を長辺方向Xとし、2つの短辺部43に沿う方向を短辺方向Yとする。長辺方向X及び短辺方向Yは、いずれも基板本体部40の板面に沿う方向(すなわち、厚さ方向Zに直交する方向)である。また、長辺方向X及び短辺方向Yは、互いに直交する方向である。そして、短辺方向Yの一方側を第1側Y1とし、短辺方向Yの他方側(すなわち、短辺方向Yにおける第1側Y1とは反対側)を第2側Y2とする。また、長辺方向Xの一方側を第3側X1とし、長辺方向Xの他方側(すなわち、長辺方向Xにおける第3側X1とは反対側)を第4側X2とする。
【0027】
制御基板1は、基板本体部40に形成された領域であって、複数の第1回路領域A1と、第2回路領域A2と、絶縁領域Bと、を備えている。すなわち、基板本体部40に形成される領域には、複数の第1回路領域A1と、第2回路領域A2と、絶縁領域Bとが含まれる。図3に簡略化して示すように、複数の第1回路領域A1には駆動回路2(第1駆動回路21又は第2駆動回路22)がそれぞれ設けられている。すなわち、第1回路領域A1は、高圧系回路(具体的には、駆動回路2)が配置される高圧領域である。なお、駆動回路2は、2つのトランジスタが直列接続されたプッシュプル回路等の主回路と、主回路と後述する接続部24との間で信号を伝達する信号伝達回路とを備える。例えば、絶縁素子7として、駆動回路2の主回路と絶縁素子7とが1つのパッケージに内蔵された素子を用いる場合には、駆動回路2の信号伝達回路が第1回路領域A1に設けられる。図示は省略するが、第1回路領域A1には、更に、トランス8の2次巻線L2から出力される2次側電圧を駆動回路2に供給するための回路が設けられている。また、図3に簡略化して示すように、第2回路領域A2には伝達回路20が設けられている。すなわち、第2回路領域A2は、低圧系回路(具体的には、伝達回路20)が配置される低圧領域である。また、絶縁領域Bは、複数の第1回路領域A1のそれぞれと第2回路領域A2との間を電気的に絶縁するように設けられている。
【0028】
本実施形態では、制御回路5は、制御基板1とは異なる基板(図示せず)に設けられており、制御基板1と、制御回路5が設けられた基板とは、信号線(ハーネス)を介して接続される。図3に示すように、制御基板1には、当該信号線が接続されるコネクタ23が設けられている。制御回路5が生成したスイッチング制御信号SWは、コネクタ23を介して制御基板1(具体的には、第2回路領域A2)に入力され、伝達回路20は、制御基板1に入力されたスイッチング制御信号SWを絶縁素子7に伝達する。すなわち、伝達回路20は、複数の駆動回路2のそれぞれに供給される信号(具体的には、スイッチング制御信号SW)を、コネクタ23から絶縁素子7に伝達する。本実施形態では、伝達回路20は、更に、スイッチング素子3に設けられた検出回路(電流検出回路や温度検出回路等)の検出結果を表す信号を、絶縁素子7からコネクタ23に伝達する。なお、制御回路5が第2回路領域A2に設けられ、伝達回路20が、制御回路5と絶縁素子7との間で信号を伝達する構成とすることもできる。
【0029】
また、本実施形態では、駆動用スイッチング素子9、電源制御回路95、及び、トランス8の1次側電圧を生成する上述した電源回路は、制御基板1とは異なる基板(例えば、制御回路5が設けられた基板)に設けられている。トランス8の1次側電圧は、コネクタ23を介して制御基板1(具体的には、第2回路領域A2)に入力され、伝達回路20は、制御基板1に入力された当該1次側電圧をトランス8に伝達する(図2参照)。すなわち、伝達回路20は、複数の駆動回路2のそれぞれに供給される電力を、コネクタ23からトランス8に伝達する。なお、駆動用スイッチング素子9、電源制御回路95、及び、トランス8の1次側電圧を生成する電源回路の少なくともいずれかが、第2回路領域A2に設けられる構成とすることもできる。
【0030】
第1回路領域A1のそれぞれには、スイッチング素子3の接続端子10にそれぞれ接続される複数の接続部24が設けられている。図3及び図4に示すように、本実施形態では、接続部24は、基板本体部40を貫通する孔部とされ、接続端子10が当該孔部を貫通するように配置された状態で、接続部24と接続端子10とが電気的に接続される。スイッチング素子3のそれぞれは、複数の接続端子10を備えている。1つのスイッチング素子3が備える複数の接続端子10には、当該スイッチング素子3の制御端子に接続される接続端子10に加えて、例えば、当該スイッチング素子3の他の端子(制御端子以外の端子)に接続される接続端子10や、当該スイッチング素子に設けられた検出回路の検出結果を取り出すための接続端子10が含まれる。
(【0031】以降は省略されています)

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