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公開番号2021039823
公報種別公開特許公報(A)
公開日20210311
出願番号2019158353
出願日20190830
発明の名称電気機器
出願人株式会社東芝,東芝インフラシステムズ株式会社
代理人特許業務法人スズエ国際特許事務所
主分類H01H 33/662 20060101AFI20210212BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】絶縁性能が向上した電気機器を提供する。
【解決手段】実施形態によれば、電気機器(例えば固体絶縁スイッチギヤ)は、第1電極12と、第2電極13と、第1電界緩和シールド14と、第2電界緩和シールド15と、第1絶縁層16と、第2絶縁層17と、固体絶縁物(絶縁物)18と、接地層19と、を有している。第1電極12および第2電極13には高圧が印加され第2の電極と合わせて電路となる。第1絶縁層16は、第1電界緩和シールド14側に設けられ、エポキシ樹脂(絶縁性部材)とフラーレン(電子受容体)とを含有した絶縁材料で膜状に形成されている。第2絶縁層17は、第2電界緩和シールド15に設けられ、絶縁材料で膜状に形成されている。固体絶縁物18は、少なくとも第1絶縁層16および第2絶縁層17と接地層19の間に設けられている。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
電圧が印加される第1導体と、
前記第1導体と対向して設けられた第2導体と、
前記第1導体側に設けられ、絶縁性部材と電子受容体とを含有した絶縁材料で膜状に形成された第1絶縁層と、
前記第2導体側に設けられ、前記絶縁材料で膜状に形成された第2絶縁層と、
少なくとも前記第1絶縁層と前記第2絶縁層との間に設けられた絶縁物と、を有する電気機器。
続きを表示(約 1,200 文字)【請求項2】
前記第1導体は、高電圧の電力が印加される第1電極を含み、
前記第2導体は、前記第1電極に対して相対的に接近離間する第2電極を含み、
前記第1絶縁層は、前記第1電極に隣接した第1電界緩和シールドに設けられ、
前記第2絶縁層は、前記第2電極に隣接した第2電界緩和シールドに設けられている、請求項1に記載の電気機器。
【請求項3】
前記第1導体は、螺旋状に巻回された第1巻線を含み、
前記第2導体は、前記第1巻線に連続し螺旋状の前記第1巻線の外周に重ねるように螺旋状に巻回された第2巻線を含み、
前記第1絶縁層は、前記第1巻線に被覆され、
前記第2絶縁層は、前記第2巻線に被覆されている、請求項1に記載の電気機器。
【請求項4】
前記第1絶縁層は、絶縁体を介して、前記第1巻線に被覆され、
前記第2絶縁層は、前記絶縁体を介して、前記第2巻線に被覆されている、請求項3に記載の電気機器。
【請求項5】
少なくとも前記第1導体または前記第2導体のいずれか一方に前記絶縁材料で膜状に形成された第3絶縁層が直接設けられている、請求項1から4のいずれか1項に記載の電気機器。
【請求項6】
前記絶縁物は、固体、気体、又は液体の少なくとも1つを含む、請求項1から5のいずれか1項に記載の電気機器。
【請求項7】
前記絶縁物は、接地層を介して接地されている、請求項1から6のいずれか1項に記載の電気機器。
【請求項8】
前記絶縁性部材は、プライマーを含み、
前記電子受容体は、フラーレンを含み、
前記絶縁物は、固体絶縁物を含んでいる、請求項1から7のいずれか1項に記載の電気機器。
【請求項9】
前記プライマーおよび前記固体絶縁物は、それぞれエポキシ樹脂を含んでいる、請求項8に記載の電気機器。
【請求項10】
前記プライマーは、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ツノダイム、スタノクトを含んでいる、請求項8又は9に記載の電気機器。
【請求項11】
前記フラーレンは、前記プライマーに対する含有比率が、0.1phr以上1.2phr以下である、請求項8から10のいずれか1項に記載の電気機器。
【請求項12】
前記フラーレンは、少なくともC60を含んでいる、請求項8から11のいずれか1項に記載の電気機器。
【請求項13】
絶縁スイッチギヤに適用される、請求項1に記載の電気機器。
【請求項14】
変圧器に適用される、請求項1に記載の電気機器。
【請求項15】
高電圧が印加される半導体に適用される、請求項1に記載の電気機器。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
この発明の実施形態は、電気機器に関する。
続きを表示(約 8,000 文字)【背景技術】
【0002】
高電界になる部位を有する電気機器は、更なる小型化や高電圧化が要望されている。電気機器を小型化あるいは高電圧化すると、電気機器に設けられた絶縁部材にかかる電界が高くなる。そこで、絶縁部材にかかる電界を抑制するために、構造を工夫してトリプルジャンクション等の高電界の部位を無くすこと、あるいは高い耐圧性を備えた絶縁媒体を使用することが行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2006−115691号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、トリプルジャンクション等の高電界の部位を無くすことは、従来から実施されており、更なる構造の工夫には限界がある。また、高い耐圧性を備えた絶縁物を使用することは、耐圧性以外の特性が低下するなど、トレードオフの関係が有ることが多い。
この発明の実施形態の課題は、絶縁性能が向上した電気機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態によれば、電気機器は、電圧が印加される第1導体と、前記第1導体と対向して設けられた第2導体と、前記第1導体側に設けられ、絶縁性部材と電子受容体とを含有した絶縁材料で膜状に形成された第1絶縁層と、前記第2導体側に設けられ、前記絶縁材料で膜状に形成された第2絶縁層と、少なくとも前記第1絶縁層と前記第2絶縁層との間に設けられた絶縁物と、を有する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1は、第1実施形態に係る固体絶縁スイッチギヤのコンポーネントの一つであるモールドバルブを示す模式図。
図2は、プライマーに対するフラーレンの含有率と、高電圧部位の破壊電界に関する実験1の構成を断面で示す模式図。
図3は、実験1の結果を示すグラフ。
図4は、プライマーの仕様と、高電圧部位の部分放電の開始電圧に関する実験2の構成を断面で示す模式図。
図5は、実験2の結果を示すグラフ。
図6は、高電圧部位の絶縁破壊に関する実験3の構成を断面で示す模式図。
図7は、第2実施形態に係る第1例のモールド型変圧器の高電界部分を断面で示す模式図。
図8は、第3実施形態に係る第2例のモールド型変圧器の高電界部分を断面で示す模式図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下図面を参照しながら、実施形態に係る電気機器(一例として、固体絶縁スイッチギヤおよびモールド変圧器)について説明する。
なお、開示はあくまで一例にすぎず、以下の実施形態に記載した内容により発明が限定されるものではない。当業者が容易に想到し得る変形は、当然に開示の範囲に含まれる。説明をより明確にするため、図面において、各部分のサイズ、形状等を実際の実施態様に対して変更して模式的に表す場合もある。
【0008】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る固体絶縁スイッチギヤのコンポーネントの一つであるモールドバルブ10を示す模式図である。
図示のように、モールドバルブ10は、真空容器11、第1電極12、第2電極13、第1電界緩和シールド14、第2電界緩和シールド15、第1絶縁層16、第2絶縁層17、固体絶縁物(絶縁物)18および接地層19を含んでいる。
【0009】
真空容器11は、筒11A、第1封着板11B、および第2封着板11Cを含んでいる。筒11Aは、例えば、軸方向の一端11Apおよび他端11Aqが開口した円筒形状を有し、アルミナ等の絶縁性を備えたセラミックスによって形成されている。第1電極12、第2電極13等を収容している。第1封着板11Bは、例えば、開口を備えた円盤形状からなり、アルミニウムやステンレス鋼等を主成分とする金属によって形成されている。第1封着板11Bは、筒11Aの一端11Apに固定され一端11Apの開口を塞いでいる。シャフトの他端は、第1封着板11Bを気密に貫通し、筒11Aの外側で第1封着板11Bに固定されている。第2封着板11Cは、例えば、開口を備えた円盤形状からなり、アルミニウムやステンレス鋼等の金属によって形成されている。第2封着板11Cは、筒11Aの他端11Aqに固定され他端11Aqの開口を塞いでいる。
【0010】
第1電極12は、高電圧の電力の電路である。すなわち、第1電極12は、外部から固体絶縁スイッチギヤに対して電力の供給を受ける。例えば、定格の第1電極12には、外部電源から、例えば定格72kVrmsの固体絶縁スイッチギヤにおいては交流であって対地間に通常66/√3kVrmskVの電圧の電力が供給される。第1電極12は、筒11Aの一端11Ap側から筒11Aに挿入される。第1電極12は、円柱状のシャフトとシャフトの一端に形成された電極部とを有している。第1電極12は、固体電極スイッチギヤの外部から電力の供給を受ける。第1電極12は、シャフトが第1封着板11Bに固定された状態で、筒11Aの内部に収容されている。
【0011】
第2電極13は、筒11Aの他端11Aq側から筒11Aに挿入され、第1電極12に接近離間する可動側の導体である。第2電極13は、円柱状のシャフトとシャフトの一端に形成された電極部とを有している。第2電極13の電極部は第1電極12の電極部に対向して配置されている。第2電極13のシャフトは、第2封着板11Cを貫通し、筒11Aの外側に延出している。第2電極13はシャフトの軸方向に沿って移動可能に支持されている。図示しない操作機構により第2電極13を軸方向に移動させることにより、第2電極13が第1電極12に当接あるいは離間される。
【0012】
第1電界緩和シールド14は、第1電極12の基端部を挿通しつつ第1封着板11Bに重ねて設けられ、筒11Aの一端11Apを覆っている。第1電界緩和シールド14は、導電性を有する金属板で形成され、本体部14a、挿通部14bおよび本体部14aの外周縁に立設された環状の側壁部14cを一体に有している。本体部14aは、第1封着板11Bよりも大きい円盤形状からなり、第1封着板11Bに重ねて配置され第1封着板11Bに固定されている。挿通部14bは、本体部14aの中央に開口した貫通孔であって、第1電極12の基端部が挿入されて取り付けられている。側壁部14cは、本体部14aの外周縁から筒11Aの一端11Apを覆うように突出した円筒形状に形成されている。側壁部14cは、筒11Aの外周面に隙間を置いて対向している。第1電界緩和シールド14は、外部と第1電極12との間の電界を電気的に遮蔽して電界を緩和する。
【0013】
第2電界緩和シールド15は、第2電極13のシャフトを移動可能に挿通しつつ第2封着板11Cに重ねて設けられ、筒11Aの他端11Aqを覆っている。第2電界緩和シールド15は、導電性を有する金属板で形成され、本体部15a、挿通部15bおよび本体部15aの外周縁に立設された環状の側壁部15c、挿通部15bから側壁部15cと反対方向に立設された環状のボス部15dを一体に有している。本体部15aは、第2封着板11Cよりも大きい円盤形状からなり、第2封着板11Cに重ねて配置され第2封着板11Cに固定されている。挿通部15bは、本体部15aの中央に開口した貫通孔であって、第2電極13のシャフトが移動可能に挿入されている。側壁部15cは、本体部15aの外周縁から筒11Aの他端11Aqを覆うように突出した円筒形状に形成されている。側壁部15cは、筒11Aの外周面に隙間を置いて対向している。ボス部15dは、図示せぬリング状の密封パッキンを介して、第2電極13のシャフトを移動可能に支持している。第2電界緩和シールド15は、外部と第2電極13との間の電界を電気的に遮蔽して電界を緩和する。
【0014】
接地層19は、固体絶縁物18の外周面に設けられ、導電性塗料を塗布し固着して形成されている。接地層19は、固体絶縁物18と比較して十分に薄い。接地層19は、モールドバルブ10を電気的に接地(アース)するものである。
【0015】
第1絶縁層16は、第1電極12側の例えば第1電界緩和シールド14の表面に設けられ、接地層19との間を絶縁する部材である。第1絶縁層16は、絶縁性部材と電子受容体とを含有した絶縁材料で形成されている。第1絶縁層16は、少なくとも、第1電界緩和シールド14において相対的に高電界になる部分、すなわち接地層19と対向する部分に設けられている。絶縁性部材は、例えばプライマーを含んでいる。プライマーには、例えばエポキシ樹脂を主成分とするプライマーを用いる。エポキシ樹脂は、末端に反応性を備えたエポキシ基を有し、熱硬化型の合成樹脂である。電子受容体は、例えばフラーレンを含んでいる。フラーレンは、炭素が多面体形状に配置された分子である。フラーレンには、例えば60、70または77個の炭素原子によって分子が構成されたC60、C70またはC77を用いる。第1絶縁層16は、第1電界緩和シールド14の表面にフラーレンを偏って存在(局在)させるため、および第1電界緩和シールド14からの剥離を防ぐため、薄膜状に形成されている。
【0016】
第2絶縁層17は、第2電極13側の例えば第2電界緩和シールド15の表面に設けられ、接地層19との間を絶縁する部材である。第2絶縁層17は、少なくとも、第2電界緩和シールド15において相対的に高電界になる部分、すなわち接地層19と対向する部分に設けられている。第2絶縁層17の仕様は、第1絶縁層16の仕様と同一である。
【0017】
固体絶縁物18は、第1電界緩和シールド14と接地層19との間、および第2電界緩和シールド15と接地層19との間を、絶縁する固体の絶縁物である。固体絶縁物18は、筒11Aの外周に設けられ、絶縁性樹脂をモールドして形成されている。固体絶縁物18は、筒11Aの径方向に十分な厚みを備えた円筒形状に形成されている。固体絶縁物18は、例えば、エポキシ樹脂を含んでいる。固体絶縁物18は、筒11A、第1封着板11Bの側端部、第2封着板11Cの側端部、第1電極12のシャフトの基端部、第1電界緩和シールド14、第2電界緩和シールド15を覆っている。固体絶縁物18は、筒11Aの絶縁性能を高める。
【0018】
(実験1)
図2、図3および表1を参照して、プライマーに対するフラーレンの含有率と、高電圧部位の破壊電界に関する実験1について説明する。
図2は、プライマーに対するフラーレンの含有率と、高電圧部位の破壊電界に関する実験1の構成を断面で示す模式図、図3は、実験1の結果を示すグラフである。表1は、実験1において第1実施形態のサンプルと比較例のサンプルの作製に用いたプライマーの仕様である。
【0019】
【0020】
図2に示すように、それぞれ直径D=40mmの円柱形状の第1電極(第1導体)101と第2電極(第2導体)102は、互いの端面が対向するように隙間G=3mmを置いて設けられている。第1電極101の端面には、第1絶縁層103が設けられている。第2電極102の端面には、第2絶縁層104が設けられている。第1絶縁層103が設けられた第1電極101と、第2絶縁層104が設けられた第2電極102は、固体絶縁物(絶縁物)105によってモールドされている。固体絶縁物105には、シリカが充填されたビスフェノールA型エポキシ樹脂を用いた。ビスフェノールA型エポキシ樹脂は、ビスフェノールAとエピクロルヒドリンとの縮合反応によって構成されている。第1電極101は、電源1に接続されている。第2電極102は、アース2に接続されている。
【0021】
第1実施形態に係る実験用のサンプルにおいて、第1絶縁層103と第2絶縁層104は、次のように構成したプライマーを第1電極101と第2電極102に塗布して硬化させて作製した。プライマーは、フロンティアカーボン(株)のフラーレン(電子受容体)をエポキシ樹脂が100に対する重量比[phr]0.6、0.8、1.2の3種類に対して、三菱ケミカル(株)のエポキシ樹脂であるjER828(登録商標)を重量比60、築野食品工業(株)のダイマー酸であるツノダイム(登録商標)を重量比40、(株)エーピーアイコーポレーションの硬化剤であるスタノクトを重量比3、富士フイルム和光純薬(株)の有機溶媒であるアセトンを重量比30で含有させて構成した。
比較例に係る実験用のサンプルは、プライマーを塗布していない、第1実施形態に係る実験用のサンプルと同一の方法で作成した。
【0022】
第1実施形態に係るフラーレンの含有量を異ならせた3種類のサンプルをそれぞれ4つ(それぞれN数が4)、および比較例に係るサンプルを4つ(N数が4)準備して、第1電極101に50Hzの正弦波交流電圧100kVrmsを1分印加した後、10kVずつ昇圧して1分ずつ印加した。
図3に示すように、第1実施形態の3種類のそれぞれ4つのサンプルは、比較例の4つのサンプルと比較して、交流破壊電界が向上する(高くなる)ことが分かった。特に、第1実施形態のサンプルにおいて、プライマーに含有するフラーレンの重量比を0.8phrとしたものは、交流破壊電界の値が平均値で40%向上した。
【0023】
(実験2)
図4および図5を参照して、プライマーの仕様と、高電圧部位の気中の部分放電の開始電圧に関する実験2について説明する。
図4は、プライマーの仕様と、高電圧部位の部分放電の開始電圧に関する実験2の構成を断面で示す模式図、図5は、実験2の結果を示すグラフである。
【0024】
図4に示すように、それぞれ正方形状に形成され銅板からなる第1電極(第1導体)201と第2電極(第2導体)202は、それらよりも大きい正方形状に形成され窒化アルミニウム板からなる基盤(絶縁物)205を介して、互いに対向するように設けられている。第1電極201の上面201aの4辺の縁と、その4辺の縁と隣接する側面201b(厚み部分)と、その側面201bに隣接する基盤205の第1沿面205cには、第1絶縁層203が連続して設けられている。第1電極201は、電源1に接続されている。第2電極202の下面202aの4辺の縁と、その4辺の縁と隣接する側面202b(厚み部分)と、その側面202bに隣接する基盤205の第2沿面205dには、第2絶縁層204が連続して設けられている。第2電極202は、アース2に接続されている。
【0025】
第1実施形態に係る実験用のサンプルには、プライマーにフラーレンが0.8phr含有された第1絶縁層203および第2絶縁層204を使用した。フラーレンが含有されたプライマーは、電極に塗布した状態で、120℃に加熱して2時間硬化させた。
比較例1に係る実験用のサンプルには、第1絶縁層203および第2絶縁層204を使用しなかった。すなわち、比較例1では、プライマーおよびフラーレンをそれぞれ使用しなかった。
比較例2に係る実験用のサンプルには、プライマーにフラーレンが含有されていない第1絶縁層および第2絶縁層を使用した。すなわち、比較例2では、プライマーのみ使用して、フラーレンを使用しなかった。プライマーは、電極に塗布した状態で、120℃に加熱して2時間硬化させた。
【0026】
第1実施形態に係るサンプルを2つ(N数が2)、比較例1に係るサンプルを1つ(N数が1)、および比較例2に係るサンプルを1つ(N数が1)準備して、第1電極201に50Hzの正弦波交流電圧1.0kVを1分印加した後、所定電圧ずつ昇圧2.5kVまで昇圧して、それぞれ1分ずつ印加した。電荷量が10pCとなった時に、サンプルが部分放電に至ったと判断した。
図5に示すように、第1実施形態の2つのサンプルは、比較例1および比較例2のそれぞれ1つのサンプルと比較して、部分放電の開始電圧が大幅に向上する(高くなる)ことが分かった。特に、第1実施形態の2つのサンプルのうちの1つのサンプルは、最大の印加電圧値である2.5kVまで昇圧させても、部分放電が発生しなかった。
【0027】
(実験3)
図6を参照して、高電圧部位の絶縁破壊に関する実験3について説明する。
図6は、高電圧部位の絶縁破壊に関する実験3の構成を断面で示す模式図である。
【0028】
図6に示すように、それぞれ銅板からなる第1電極(第1導体)301と第2電極(第2導体)302は、それらよりも大きい窒化アルミニウム板からなる基盤(絶縁物)305を介して、互いに対向するように設けられている。第2電極302には、第2電極302よりも大きく、第2電極302と同じ材質からなるベース金属板302Bが接合されている。第1電極301の上面301aの4辺の縁と、その4辺の縁と隣接する側面301b(厚み部分)と、その側面301bに隣接する基盤305の沿面305cには、第1絶縁層303が連続して設けられている。一体に構成された第1電極301、基盤305、第2電極302、ベース金属板302Bおよび第1絶縁層303は、図示せぬ容器に収容された状態で、封止材306に封止されている。封止材306には、信越化学工業(株)の型式KE−1061の封止材料を用いた。封止材306は、ゲル状のシリコーンからなり、絶縁性を備えている。第1電極301は、電源1に接続されている。第2電極302は、ベース金属板302Bを介して、アース2に接続されている。
【0029】
第1実施形態に係る実験用のサンプルには、プライマーにフラーレンが0.36wt%含有された第1絶縁層303を使用した。
比較例1に係る実験用のサンプルには、プライマーにフラーレンが含有されていない第1絶縁層を使用した。すなわち、比較例1では、プライマーのみ使用して、フラーレンを使用しなかった。
比較例2に係る実験用のサンプルでは、第1絶縁層を使用しなかった。すなわち、比較例2では、プライマーおよびフラーレンそのものを使用しなかった。
【0030】
第1実施形態に係るサンプル、比較例1に係るサンプルおよび比較例2に係るサンプルを準備して、電極間が絶縁破壊(沿面破壊)するまで、第1電極301に毎分1kVずつ昇圧しながら電圧を印加した。第1実施形態に係るサンプルは、比較例1に係るサンプルおよび比較例2に係るサンプルと比較して、沿面耐圧が1.5倍に向上した。
(【0031】以降は省略されています)

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