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公開番号2021037891
公報種別公開特許公報(A)
公開日20210311
出願番号2019161432
出願日20190904
発明の名称ガス発生器
出願人日本化薬株式会社
代理人
主分類B60R 21/264 20060101AFI20210212BHJP(車両一般)
要約【課題】ガスの出力特性を向上させたガス発生器を提供することを目的とする。
【解決手段】ガス噴出口が設けられた筒状の周壁部と、前記周壁部の軸方向の一端を閉塞する天板部、および前記周壁部の軸方向の他端を閉塞する底板部とによって構成されている。そして、ガス発生剤が収容された燃焼室を内部に有する短尺筒状のハウジングと、前記底板部に組付けられ、作動時において着火する点火薬が収容された点火部を含む点火器を含んでいる。また、伝火薬が収容された伝火室を内部に含み、前記内部の空間が前記点火部に面するように、前記燃焼室に向けて突出して配置された有底筒状の単一の部材からなるカップ状部材を備えた構成を採っている。さらに、前記カップ状部材は脆性材料で構成されており、前記点火器の作動に伴って前記カップ状部材は破裂、変形、又は溶融する構成である。
【選択図】図1

特許請求の範囲【請求項1】
ガス噴出口が設けられた筒状の周壁部と、前記周壁部の軸方向の一端を閉塞する天板部、および前記周壁部の軸方向の他端を閉塞する底板部とによって構成され、ガス発生剤が収容された燃焼室を内部に有する短尺筒状のハウジングと、前記底板部に組付けられ、作動時において着火する点火薬が収容された点火部を含む点火器と、
伝火薬が収容された伝火室を内部に含み、前記内部の空間が前記点火部に面するように、前記燃焼室に向けて突出して配置された有底筒状の単一の部材からなるカップ状部材とを備え、
前記カップ状部材は前記点火器の作動に伴って破裂、変形、又は溶融する部材であり、前記カップ状部材は引張試験片による圧延方向の破断伸びが10%未満である部材またはフィラーを含む樹脂で構成される、ガス発生器。
続きを表示(約 140 文字)【請求項2】
前記カップ状部材の破断強度が5〜100MPaである、請求項1に記載のガス発生器。
【請求項3】
前記カップ状部材が、セラミック、ガラス、ポリカーボネートから選択される少なくとも一種の材料を含む請求項1または請求項2に記載のガス発生器。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、車両等衝突時に乗員を保護する乗員保護装置に組み込まれるガス発生器に関し、特に、自動車等に装備されるエアバッグ装置に組み込まれるガス発生器に関する。
続きを表示(約 4,900 文字)【背景技術】
【0002】
従来、自動車等の乗員の保護の観点から、乗員保護装置であるエアバッグ装置が普及している。エアバッグ装置は、車両等衝突時に生じる衝撃から乗員を保護する目的で装備されるものであり、車両等衝突時に瞬時にエアバッグを膨張および展開させることにより、エアバッグがクッションとなって乗員の体を受け止めるものである。
【0003】
ガス発生器は、このエアバッグ装置に組み込まれ、車両等衝突時にコントロールユニットからの通電によって点火器を発火し、点火器において生じる火炎によりガス発生剤を燃焼させて多量のガスを瞬時に発生させ、これによりエアバッグを膨張および展開させる機器である。
【0004】
ガス発生器には、種々の構造のものが存在するが、運転席側エアバッグ装置や助手席側エアバッグ装置等に、特に好適に利用できるガス発生器として、外径が比較的大きい短尺略円柱状のディスク型ガス発生器がある。
【0005】
ディスク型ガス発生器は、軸方向の両端が閉塞された短尺略円筒状のハウジングを有し、ハウジングの周壁部に複数のガス噴出口が設けられるとともに、ハウジングに組付けられた点火器に面するようにハウジングの内部に伝火薬が収容され、さらに当該伝火薬を囲うようにハウジングの内部にガス発生剤が充填され、当該ガス発生剤の周囲をさらに囲うようにフィルタがハウジングの内部に収容されてなるものである。
【0006】
このディスク型ガス発生器の具体的な構成が開示された文献としては、たとえば特開2004−217059号公報(特許文献1)がある。
【0007】
特許文献1では、伝火薬が充填されたカップ状部材と、点火器本体を保持する点火器カラーをクリンプケースの下端側折曲部でかしめ固定されたガス発生器が開示されている。カップ状部材はアルミニウム等の金属で構成されており、閉塞端面及び周壁部の少なくとも一方に脆弱部を有しており、カップ体が脆弱部において破裂されやすくなるため、クリンプケースに加えられる圧力が減少する結果、クリンプケースの脱落や破損が防止される。しかしながら、カップ状部材が金属材料の薄板のアルミニウムで構成されているため、開裂時に均一にカップ状部材が破裂しない問題があり、ガス発生剤への着火にムラが生じている。
【0008】
金属材料は弾性変形から塑性変形へ至り、金属材料がこれ以上延びない時点で開裂する。通常、カップ状部材へ脆弱部を設けることで、確実に脆弱部が開裂するように開裂部位を定めている。しかし、カップ状部材へ脆弱部を設けると、先に脆弱部が開裂するため、カップ状部材全体を均一に開裂させることは困難である。したがって、脆弱部を設けたカップ状部材ではガス発生剤をムラなく着火することが課題であった。
【0009】
ガス発生剤をムラなく着火するためには、カップ状部材に内包した伝火薬を十分に燃焼させ、カップ状部材の内圧を高めて伝火薬の燃焼速度を向上させる必要がある。このことにより、短時間のうちにガス発生器内部のガス発生剤を燃焼させ、エアバッグへガスを噴出させることができる。しかし、カップ状部材の機械的強度を高めるためには、金属材料で構成し、カップ状部材の厚みを増すことや、カップ状部材内部の内圧を十分に高めるために、伝火薬の充填量を増やし、燃焼速度の向上を図る必要があった。しかし、カップ状部材の機械的強度を向上させることや伝火薬の充填量を増やしても、ガス発生剤をムラなく着火することには限界がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
特開2004−217059号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
ディスク型ガス発生器においては、点火器が作動した時点からガス噴出口を介して外部にガスが噴出され始める時点までの時間がより短いことが好ましい。これは、点火器が作動した時点からガス噴出口を介して外部にガスが噴出され始める時点までの時間が長い場合に、これがエアバッグの展開の遅れに繋がるためであり、如何に短時間のうちにガスを噴出させるかが重要な課題となっている。
【0012】
特に、作動時におけるガス発生量が比較的大きく設定されたディスク型ガス発生器においては、作動時におけるガス発生量が比較的小さく設定されたディスク型ガス発生器に比べ、ガスが噴出されるまでの時間が長くなる傾向にある。これは、偏に、作動時におけるガス発生量が比較的大きく設定されたディスク型ガス発生器において、ガス発生剤の充填量が相対的に多くなることに起因している。
【0013】
より詳細には、ガス発生剤の充填量が多くなることに伴い、必然的にハウジングが大型化し、結果として点火器からガス噴出口までの距離も長くなるため、作動開始直後に発生したガスがガス噴出口に至るまでにより長い経路を経ることが必要になり、これがガス噴出の遅れに繋がる。また、ガス発生剤の充填量が多くなることに伴い、作動開始直後における未燃焼のガス発生剤の量も必然的に多くなるため、これが作動開始直後に発生したガスに対する流動抵抗となってしまい、これもガス噴出の遅れに繋がる。
【0014】
そのため、従来のディスク型ガス発生器においては、短時間のうちにガスを噴出させる観点から、ガス発生剤がより早期にかつより多く燃焼を開始するように、伝火薬の充填量をより多くする等の対策が採られている。
【0015】
しかしながら、伝火薬の充填量を増加させた場合にも、点火器が作動した時点からガス噴出口を介して外部にガスが噴出され始める時点までの時間の短縮には限界があり、必ずしもこれを十分に早めることはできない。これは、伝火薬の充填量を単に増加させた場合には、点火器から離れた位置に配置された伝火薬に対する迅速な着火が行なえなくなり、結果として伝火薬の充填量を少なくした場合と大差がないこととなってしまうためである。
【0016】
また、伝火薬の充填量を増加させた場合には、当然にこれに伴って製造コストが増大してしまう問題も別途発生し、その改善が求められているところである。
【0017】
したがって、本発明は、上述した問題を解決すべくなされたものであり、ガスの出力特性を向上させたガス発生器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明に基づくガス発生器は、ガス噴出口が設けられた筒状の周壁部と、前記周壁部の軸方向の一端を閉塞する天板部、および前記周壁部の軸方向の他端を閉塞する底板部とによって構成されている。そして、ガス発生剤が収容された燃焼室を内部に有する短尺筒状のハウジングと、前記底板部に組付けられ、作動時において着火する点火薬が収容された点火部を含む点火器を含んでいる。また、伝火薬が収容された伝火室を内部に含み、前記内部の空間が前記点火部に面するように、前記燃焼室に向けて突出して配置された有底筒状の単一の部材からなるカップ状部材を備えた構成を採っている。カップ状部材は前記点火器の作動に伴って破裂、変形、又は溶融する部材であり、カップ状部材はJIS13B号引張試験片による圧延方向の破断伸び(JIS Z2241:2011)が10%未満である脆性材料の部材で構成する。
【0019】
このように構成することによって、カップ状部材は点火器の作動に伴って、アルミニウム等の金属材料よりも全体を均一に破裂、変形、又は溶融することができる。破断伸びが10%未満の脆性材料は1点が開裂すると、その周囲へ亀裂が進展しやすく、瞬時にカップ状部材全体へ亀裂が広がる。カップ状部材全体が瞬時に開裂されることで、伝火室周囲の燃焼室の領域に集中して熱粒子を流入させることができ、優れたガス出力特性を実現できる。
【0020】
前記カップ状部材の破断強度が5〜100MPaであるガス発生器であることが好ましい。
【0021】
このように構成することによって、カップ状部材の内圧を十分に高めてから、カップ状部材を開裂することができる。
【0022】
上記本発明に基づくガス発生器にあっては、前記カップ状部材の材質が、セラミック、ガラス、ポリカーボネートなどの脆性材料からなる構成とすることが好ましい。
【0023】
このように構成することによって、カップ状部材は伝火薬及びガス発生剤の燃焼と共に燃焼または溶融し、スラグ捕集剤として機能できる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、着火性等のガスの出力特性の優れたガス発生器とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
本発明の第1の実施形態におけるディスク型ガス発生器Aの概略図である。
図1に示すディスク型ガス発生器の動作を説明するための模式図である。
図1に示すディスク型ガス発生器のカップ状部材の拡大図である。
本発明の第2の実施形態に係るディスク型ガス発生器Bの概略図である。
本発明の第3の実施形態に係るディスク型ガス発生器Cの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の実施の形態について、図を参照して詳細に説明する。以下に示す実施の形態は、自動車のステアリングホイール等に搭載されるエアバッグ装置に好適に組み込まれるディスク型ガス発生器に本発明を適用したものである。なお、以下に示す実施の形態においては、同一のまたは共通する部分に図中同一の符号を付し、その説明は繰り返さない。
【0027】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態におけるディスク型ガス発生器Aの概略図である。まず、この図1を参照して、本実施の形態におけるディスク型ガス発生器Aの構成について説明する。
【0028】
図1に示すように、ディスク型ガス発生器Aは、軸方向の一端および他端が閉塞された短尺略円筒状のハウジングを有しており、このハウジングの内部に設けられた収容空間に、内部構成部品としての保持部30、点火器40、カップ状部材50、仕切り部材55、伝火薬59、ガス発生剤61、下側支持部材70、上側支持部材80、クッション材85およびフィルタ90等が収容されてなるものである。また、ハウジングの内部に設けられた収容空間には、上述した内部構成部品のうちのガス発生剤61が主として収容された燃焼室60が位置している。
【0029】
ハウジングは、下部側シェル10および上部側シェル20を含んでいる。下部側シェル10および上部側シェル20の各々は、たとえば圧延された金属製の板状部材をプレス加工することによって形成されたプレス成形品からなる。下部側シェル10および上部側シェル20を構成する金属製の板状部材としては、たとえばステンレス鋼や鉄鋼、アルミニウム合金、ステンレス合金等からなる金属板が利用され、好適には440[MPa]以上780[MPa]以下の引張応力が印加された場合にも破断等の破損が生じないいわゆる高張力鋼板が利用される。
【0030】
下部側シェル10および上部側シェル20は、それぞれが有底略円筒状に形成されており、これらの開口面同士が向き合うように組み合わされて接合されることによってハウジングが構成されている。下部側シェル10は、底板部11と周壁部12とを有しており、上部側シェル20は、天板部21と周壁部22とを有している。
(【0031】以降は省略されています)

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