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公開番号2021037524
公報種別公開特許公報(A)
公開日20210311
出願番号2019159691
出願日20190902
発明の名称厚鋼板冷却方法
出願人株式会社神戸製鋼所
代理人個人,個人,個人,個人
主分類B21B 45/02 20060101AFI20210212BHJP(本質的には材料の除去が行なわれない機械的金属加工;金属の打抜き)
要約【課題】本発明は、厚鋼板の搬送方向の温度偏差を抑制できる厚鋼板冷却方法の提供を目的とする。
【解決手段】本発明の厚鋼板冷却方法は、冷却装置を用い、熱間圧延後の厚鋼板を冷却する方法であって、厚鋼板の物性及び冷却ヘッダーから散水される冷却水の温度に基づき、水切りヘッダーの使用本数、水切りヘッダーの散水量及び各水切りヘッダーの搬送方向位置の違いにより規定される水切りパターンの変更並びに冷却装置に投入される厚鋼板の温度変化に対する冷却終了時の厚鋼板の温度感度を予測する工程と、冷却装置に投入される厚鋼板の冷却開始時の温度を厚鋼板の搬送方向に沿って測定する工程と、冷却開始温度測定工程で得られる冷却開始時の温度に基づいて冷却終了時の温度を予測する工程と、温度感度予測工程で得られる温度感度を用いて、冷却終了温度予測工程で得られる温度の搬送方向の偏差が小さくなるよう水切りパターンを選択する工程とを備える。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
熱間圧延後の厚鋼板の搬送方向に列設され、搬送方向と垂直な幅方向に分布を有する水量密度で散水できる複数の冷却ヘッダーと、これらの複数の冷却ヘッダー間、最初の冷却ヘッダーの上流側及び最後の冷却ヘッダーの下流側に配設され、厚鋼板の表面に幅方向に傾斜して噴水できる複数の水切りヘッダーとを備える冷却装置を用い、熱間圧延後の厚鋼板を冷却する方法であって、
上記厚鋼板の物性及び上記冷却ヘッダーから散水される冷却水の温度に基づき、上記水切りヘッダーの使用本数、上記水切りヘッダーの散水量及び各水切りヘッダーの上記搬送方向位置の違いにより規定される水切りパターンの変更並びに上記冷却装置に投入される厚鋼板の温度の変化に対する冷却終了時の厚鋼板の温度感度を予測する工程と、
上記冷却装置に投入される厚鋼板の冷却開始時の温度を厚鋼板の搬送方向に沿って測定する工程と、
上記冷却開始温度測定工程で得られる冷却開始時の温度に基づいて冷却終了時の温度を予測する工程と、
上記温度感度予測工程で得られる温度感度を用いて、上記冷却終了温度予測工程で得られる温度の搬送方向の偏差が小さくなるよう水切りパターンを選択する工程と
を備える厚鋼板冷却方法。
続きを表示(約 290 文字)【請求項2】
上記温度感度の基準となる水切りパターンにおける上記水切りヘッダーの散水量を、上記冷却ヘッダーの散水量、上記厚鋼板の搬送速度及び上記厚鋼板の幅に基づいて決定する請求項1に記載の厚鋼板冷却方法。
【請求項3】
上記温度感度が、上記厚鋼板の温度の変化及び上記水切りヘッダーの水切りパターンの変更に対するルックアップテーブル形式で格納されている請求項1又は請求項2に記載の厚鋼板冷却方法。
【請求項4】
上記温度感度の基準となる水切りパターンを、上記水切りヘッダーを全数使用した場合とする請求項1、請求項2又は請求項3に記載の厚鋼板冷却方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、厚鋼板冷却方法に関する。
続きを表示(約 5,000 文字)【背景技術】
【0002】
鋼板の製造において、焼き入れ効果等を得るために熱間圧延された厚鋼板を冷却水によって急速に冷却することがある。この際、冷却水は搬送状態の厚鋼板に1又は複数の冷却ヘッダーから散水される。
【0003】
焼き入れ等により厚鋼板に所望の物性を均質的に付与するためには、厚鋼板を所望の温度まで過不足なく均一に冷却することが望まれる。しかし、厚鋼板表面に散水した冷却水は厚鋼板中央側から外側に向かって厚鋼板の表面を流れるため、厚鋼板の中央と端部とでは冷却水の流速が異なる。そこで、厚鋼板の幅方向に沿って表面の温度分布を予測し、制御装置が、水切りヘッダーの使用の有無や、厚鋼板の搬送方向に対して複数ある水切りヘッダーの位置(以下、単に「搬送方向位置」ともいう)の違い、いわゆる水切りパターンを選択する方法が提案されている(特開2016−159353号公報参照)。
【0004】
上記従来の厚鋼板冷却方法では、冷却ヘッダーの上流側で厚鋼板の幅方向の温度分布を測定し、冷却開始から終了までの厚鋼板の幅方向表面の温度分布を予測する。この予測結果に基づき制御装置が温度偏差を小さくするよう水切りパターンを選択する。
【0005】
上記従来の厚鋼板冷却方法では、厚鋼板の幅方向の温度偏差を小さくすることができる。一方、厚鋼板は搬送方向においても冷却時に温度偏差が生じ、特に端部での冷却が早い傾向にあるが、上記従来の厚鋼板冷却方法では、搬送方向の温度偏差は考慮されない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2016−159353号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上述のような事情に基づいてなされたものであり、厚鋼板の搬送方向の温度偏差を抑制できる厚鋼板冷却方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するためになされた発明は、熱間圧延後の厚鋼板の搬送方向に列設され、搬送方向と垂直な幅方向に分布を有する水量密度で散水できる複数の冷却ヘッダーと、これらの複数の冷却ヘッダー間、最初の冷却ヘッダーの上流側及び最後の冷却ヘッダーの下流側に配設され、厚鋼板の表面に幅方向に傾斜して噴水できる複数の水切りヘッダーとを備える冷却装置を用い、熱間圧延後の厚鋼板を冷却する方法であって、上記厚鋼板の物性及び上記冷却ヘッダーから散水される冷却水の温度に基づき、上記水切りヘッダーの使用本数、上記水切りヘッダーの散水量及び各水切りヘッダーの上記搬送方向位置の違いにより規定される水切りパターンの変更並びに上記冷却装置に投入される厚鋼板の温度の変化に対する冷却終了時の厚鋼板の温度感度を予測する工程と、上記冷却装置に投入される厚鋼板の冷却開始時の温度を厚鋼板の搬送方向に沿って測定する工程と、上記冷却開始温度測定工程で得られる冷却開始時の温度に基づいて冷却終了時の温度を予測する工程と、上記温度感度予測工程で得られる温度感度を用いて、上記冷却終了温度予測工程で得られる温度の搬送方向の偏差が小さくなるよう水切りパターンを選択する工程とを備える。
【0009】
当該厚鋼板冷却方法では、水切りパターンの変更及び冷却装置に投入される厚鋼板の温度の変化に対する冷却終了時の厚鋼板の温度感度を予め予測する。当該厚鋼板冷却方法では、この温度感度を用いて、厚鋼板の冷却開始時の温度に基づいて予測された冷却終了時の温度の搬送方向の温度の偏差が小さくなるよう水切りパターンを選択するので、厚鋼板の搬送方向の温度偏差を抑制できる。
【0010】
上記温度感度の基準となる水切りパターンにおける上記水切りヘッダーの散水量を、上記冷却ヘッダーの散水量、上記厚鋼板の搬送速度及び上記厚鋼板の幅に基づいて決定することが好ましい。上記厚鋼板の表面に滞留した冷却水を除去するのに必要な水切りヘッダーの散水量は、上記冷却ヘッダーの散水量、上記厚鋼板の搬送速度及び上記厚鋼板の幅に依存する。このため、上記温度感度の基準となる水切りパターンにおける上記水切りヘッダーの散水量を、上記冷却ヘッダーの散水量、上記厚鋼板の搬送速度及び上記厚鋼板の幅に基づいて決定することで、精度の高い制御を行うことができる。なお、「温度感度の基準となる水切りパターン」とは、温度感度が0となるパターンとして予め設定した水切りパターンを意味する。
【0011】
上記温度感度が、上記厚鋼板の温度の変化及び上記水切りヘッダーの水切りパターンの変更に対するルックアップテーブル形式で格納されているとよい。例えば水切りヘッダーの使用本数は離散値であり、水切りパターンの組合せは有限である。また、制御すべき厚鋼板の温度変化の範囲も経験的に既知であることが多い。このような場合においては、水切りパターン選択工程で演算量が少なく、制御値が容易に決定できるルックアップテーブル形式を用いることで、制御効率を高めることができる。
【0012】
上記温度感度の基準となる水切りパターンを、上記水切りヘッダーを全数使用した場合とすることが好ましい。厚鋼板の冷却では、通常水切りヘッダーを全数使用し、冷却開始時の温度が低下した際に水切りヘッダーの使用本数を低減し、各水切りヘッダーの搬送方向位置を決定する制御が行われる。このため、通常状態である水切りヘッダーを全数使用した場合を基準とすることで、精度の高い制御を行うことができる。
【発明の効果】
【0013】
以上説明したように、本発明の厚鋼板冷却方法を用いることで、厚鋼板の搬送方向の温度偏差を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1は、本発明の一実施形態に係る厚鋼板冷却方法を示すフロー図である。
図2は、図1の厚鋼板冷却方法で用いる厚鋼板加工設備の構成を示す模式図である。
図3は、図2の厚鋼板冷却装置の構成を示す模式図である。
図4は、図3の厚鋼板冷却装置の冷却ヘッダーの構成を下方から見た状態を示す模式的断面図である。
図5は、図1の温度感度予測工程の詳細な手順を示すフロー図である。
図6は、図1の温度感度予測工程における冷却ヘッダーの散水量と水切りヘッダーに必要とされる散水量との関係を示すグラフである。
図7は、比較例における厚鋼板の搬送方向の温度偏差を示すグラフである。
図8は、実施例における厚鋼板の搬送方向の温度偏差を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態について適宜図面を参照しつつ詳説する。
【0016】
当該厚鋼板冷却方法は、図1に示すように温度感度予測工程S1と、冷却開始温度測定工程S2と、冷却終了温度予測工程S3と、水切りパターン選択工程S4とを備える。
【0017】
[厚鋼板冷却装置]
まず、当該厚鋼板冷却方法で用いる厚鋼板加工設備及び厚鋼板冷却装置について、適宜図面を参照しつつ説明する。
【0018】
<厚鋼板加工設備>
図2の厚鋼板加工設備は、原料厚鋼板(スラブ)Pを加熱する加熱炉1と、加熱された原料厚鋼板Pを熱間圧延する粗圧延機2と、粗圧延機2で圧延された厚鋼板Pをさらに熱間圧延する仕上圧延機3と、仕上圧延機3で熱間圧延された厚鋼板Pを冷却する厚鋼板冷却装置4と、冷却された厚鋼板Pの歪みを矯正し平坦化するレベラー5とを備える。
【0019】
加熱炉1、粗圧延機2、仕上圧延機3及びレベラー5については、それぞれ公知の構成とすることができるので、詳細な説明は省略する。
【0020】
<厚鋼板冷却装置>
厚鋼板冷却装置4は、熱間圧延後の厚鋼板Pを搬送しつつ厚鋼板Pの表面(上面)及び裏面(下面)に冷却水を散水することにより厚鋼板Pを冷却するものであって、加速冷却装置とも呼ばれる。この厚鋼板冷却装置4において、厚鋼板Pの冷却は、予め設定される冷却終了温度まで急速に冷却される。冷却終了温度としては、目的とする製品(厚鋼板Pの用途)に応じて定められるが、例えば200℃以上650℃以下とされる。
【0021】
厚鋼板冷却装置4は、図3に示すように、搬送装置10、温度測定装置20、複数の表面冷却ヘッダー30、複数の水切りヘッダー40、複数の裏面冷却ヘッダー50及び制御装置60を備える。
【0022】
(搬送装置)
搬送装置10は、厚鋼板Pを搬送する。この搬送装置10は、例えば図3に例示するように、複数のローラー11によって構成されるローラーコンベアーとすることができる。
【0023】
(温度測定装置)
温度測定装置20は、搬送装置10により搬送される厚鋼板Pの温度を測定する。この温度測定装置20は、表面冷却ヘッダー30の上流側で厚鋼板Pの温度を測定できるものであればよく、例えば放射温度計を用いることができる。
【0024】
温度測定装置20が測定する厚鋼板P表面の測定位置としては、特に限定されないが、厚鋼板Pの幅方向(搬送方向と垂直な平面方向)の中央部が好ましく、例えば厚鋼板Pの中心軸から幅方向の距離が厚鋼板Pの全幅の10%以内の位置とすることが好ましい。
【0025】
(表面冷却ヘッダー)
表面冷却ヘッダー30は、熱間圧延後の厚鋼板Pの搬送方向に列設され、それぞれ搬送方向と垂直な幅方向に分布を有する水量密度で厚鋼板Pの表面に冷却水を散水できるよう構成される。
【0026】
表面冷却ヘッダー30は、図4に示すように、厚鋼板Pの幅方向(図中左右方向)に長い直方体状であり、底面に開口する複数の吐出口31と、内部空間を幅方向に3つに区分する2枚の隔壁32とを備える。これにより、表面冷却ヘッダー30の内部空間は、2枚の隔壁32の内側の中央領域33と2枚の隔壁32の外側の2つの端部領域34とに区分される。また、2枚の隔壁32は内部空間の中心軸に対して対称、かつ幅方向に対して傾斜し、中央領域33が搬送方向上流側に向けて広がるように配設されている。この表面冷却ヘッダー30に対して、厚鋼板Pは、図中の矢印D方向に搬送される。
【0027】
また、表面冷却ヘッダー30は、中央領域33に冷却水を供給する中央給水流路35及び2つの端部領域34に冷却水をそれぞれ給水する一対の端部給水流路36を有する。中央給水流路35には、主調整弁37を介して冷却水が供給される。一方、端部給水流路36には、中央給水流路35から分岐する分岐流路38に設けた分岐調整弁39を介して、中央給水流路35から冷却水が供給されるようになっている。
【0028】
(水切りヘッダー)
水切りヘッダー40は、複数の表面冷却ヘッダー30の間、最初の表面冷却ヘッダー30の上流側及び最後の表面冷却ヘッダー30の下流側にそれぞれ配設され、厚鋼板Pの表面に幅方向に傾斜して噴水することにより、厚鋼板Pの表面に滞留する冷却水を幅方向に押し流して除去する。
【0029】
水切りヘッダー40の具体的な構成としては、厚鋼板Pの幅方向略中央の上方に配設され、幅方向一方側に傾斜して厚鋼板Pの表面に冷却水を噴射する第1のノズルと、この第1のノズルの搬送方向後方に並んで配設され、幅方向他方側に傾斜して厚鋼板Pの表面に冷却水を噴射する第2のノズルとを備える構成とすることができる。
【0030】
(裏面冷却ヘッダー)
裏面冷却ヘッダー50は、図3に示すように厚鋼板Pを挟んで表面冷却ヘッダー30に対向するよう配設され、厚鋼板Pの裏面に均等な水量密度で冷却水を散水する。
(【0031】以降は省略されています)

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