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公開番号2021036513
公報種別公開特許公報(A)
公開日20210304
出願番号2019233954
出願日20191225
発明の名称絶縁電線
出願人日立金属株式会社
代理人
主分類H01B 7/295 20060101AFI20210205BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】単層の絶縁層を有するセパレータレスの絶縁電線において、機械特性、難燃性、絶縁性、低温特性、耐熱性および電線加工性を備えた絶縁電線を提供する。
【解決手段】絶縁電線10は、導体1と、導体1の周囲に被覆される絶縁層2とを有し、絶縁層2は、導体1上に直接被覆されている。絶縁層2を構成する樹脂組成物は、ベースポリマと、金属水酸化物と、加工助剤と、金属キレート剤とを含んでいる。前記ベースポリマは、高密度ポリエチレンと、無水マレイン酸変性高密度ポリエチレンと、エチレン-アクリル酸エステル-無水マレイン酸3元共重合体と、無水マレイン酸変性エチレン-瘁|オレフィン共重合体と、エチレン-アクリル酸エステル共重合体とを含んでいる。前記加工助剤は、金属石鹸および/またはシリコーン系加工助剤である。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
導体と、前記導体の周囲に被覆される絶縁層とを有し、
前記絶縁層は、前記導体上に直接被覆されており、
前記絶縁層を構成する樹脂組成物は、ベースポリマと、金属水酸化物と、加工助剤と、金属キレート剤とを含み、
前記ベースポリマは、高密度ポリエチレンと、無水マレイン酸変性高密度ポリエチレンと、エチレン−アクリル酸エステル−無水マレイン酸3元共重合体と、無水マレイン酸変性エチレン−α−オレフィン共重合体と、エチレン−アクリル酸エステル共重合体とを含み、
前記加工助剤は、金属石鹸および/またはシリコーン系加工助剤を含み、
前記樹脂組成物は、前記ベースポリマ100質量部中、前記無水マレイン酸変性高密度ポリエチレンを5質量部以上35質量部未満含有し、
前記樹脂組成物は、前記ベースポリマ100質量部中、前記エチレン−アクリル酸エステル−無水マレイン酸3元共重合体を30質量部以上50質量部未満含有し、
前記樹脂組成物は、前記ベースポリマ100質量部中、前記無水マレイン酸変性エチレン−α−オレフィン共重合体を5質量部以上20質量部以下含有し、
前記樹脂組成物は、前記ベースポリマ100質量部中、前記エチレン−アクリル酸エステル共重合体を10質量部以上30質量部以下含有し、
前記樹脂組成物は、前記ベースポリマ100質量部に対して前記金属水酸化物を140質量部以上200質量部以下含有し、
前記樹脂組成物は、前記ベースポリマ100質量部に対して前記加工助剤を1質量部以上10質量部以下含有し、
前記樹脂組成物は、前記ベースポリマ100質量部に対して前記金属キレート剤を1質量部以上10質量部以下含有する、絶縁電線。
続きを表示(約 590 文字)【請求項2】
請求項1記載の絶縁電線において、
前記加工助剤は、融点が120℃以上の金属石鹸を含む、絶縁電線。
【請求項3】
請求項2記載の絶縁電線において、
前記加工助剤は、融点が220℃以上の金属石鹸を含む、絶縁電線。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の絶縁電線において、
前記エチレン−アクリル酸エステル共重合体のアクリル酸エステル量は、10質量%以上25質量%以下である、絶縁電線。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の絶縁電線において、
前記無水マレイン酸変性エチレン−α−オレフィン共重合体のガラス転移点は、−55℃以下である、絶縁電線。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の絶縁電線において、
前記樹脂組成物は、前記ベースポリマ100質量部に対して前記金属水酸化物を150質量部以上180質量部以下含有する、絶縁電線。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項に記載の絶縁電線において、
前記金属水酸化物は、水酸化マグネシウムである、絶縁電線。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1項に記載の絶縁電線において、
前記樹脂組成物は、架橋されている、絶縁電線。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、絶縁電線に関するものである。
続きを表示(約 4,400 文字)【背景技術】
【0002】
絶縁電線は、導体と、前記導体の周囲に設けられる被覆層としての絶縁層とを有している。前記絶縁電線の絶縁層は、ゴムや樹脂を主原料とした材料からなる。このような絶縁電線は、用途に応じて必要な特性が異なる。例えば、鉄道車両用、自動車用または機器用の絶縁電線には、高い絶縁性や難燃性、低温特性、耐ダイナミックカットスルー性などが要求される。
【0003】
このような絶縁電線において、高い耐摩耗性および耐ダイナミックカットスルー性を得るために、導体と絶縁層との間にセパレータを設けるという方法もあるが、こうすると、製造コストが増大するだけでなく、配線作業性が低下するという問題がある。そのため、セパレータを設けることなく(セパレータレス)、絶縁層の機械特性を向上させることが望ましい。
【0004】
そのため、絶縁電線の絶縁層を構成するベースポリマとして、高い結晶性を有するポリマを用いることが考えられる。高い結晶性を有するポリマとしては、例えば、高密度ポリエチレン(High Density Polyethylene:HDPE)が挙げられる。
【0005】
絶縁性と難燃性とを両立させることを目的として、例えば、特許文献1には、高密度ポリエチレンを含むベースポリマに、難燃剤として金属水酸化物を添加した絶縁層を有する絶縁電線が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2016−17108号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、本発明者の検討によれば、例えば、セパレータレスの絶縁電線において、絶縁層を単層とした場合に、絶縁層を特許文献1に記載された組成の樹脂組成物によって構成しても、十分な機械特性、難燃性、絶縁性、低温特性、耐熱性および電線加工性が得られない場合があることを確認した。
【0008】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、単層の絶縁層を有するセパレータレスの絶縁電線において、機械特性、難燃性、絶縁性、低温特性、耐熱性および電線加工性を備えた絶縁電線を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次のとおりである。
【0010】
[1]絶縁電線は、導体と、前記導体の周囲に被覆される絶縁層とを有し、前記絶縁層は、前記導体上に直接被覆されており、前記絶縁層を構成する樹脂組成物は、ベースポリマと、金属水酸化物と、加工助剤と、金属キレート剤とを含む。前記ベースポリマは、高密度ポリエチレンと、無水マレイン酸変性高密度ポリエチレンと、エチレン−アクリル酸エステル−無水マレイン酸3元共重合体と、無水マレイン酸変性エチレン−α−オレフィン共重合体と、エチレン−アクリル酸エステル共重合体とを含む。前記加工助剤は、金属石鹸および/またはシリコーン系加工助剤を含む。前記樹脂組成物は、前記ベースポリマ100質量部中、前記無水マレイン酸変性高密度ポリエチレンを5質量部以上35質量部未満含有し、前記エチレン−アクリル酸エステル−無水マレイン酸3元共重合体を30質量部以上50質量部未満含有し、前記無水マレイン酸変性エチレン−α−オレフィン共重合体を5質量部以上20質量部以下含有し、前記エチレン−アクリル酸エステル共重合体を10質量部以上30質量部以下含有する。前記樹脂組成物は、前記ベースポリマ100質量部に対して前記金属水酸化物を140質量部以上200質量部以下含有し、前記加工助剤を1質量部以上10質量部以下含有し、前記金属キレート剤を1質量部以上10質量部以下含有する。
【0011】
[2][1]記載の絶縁電線において、前記加工助剤は、融点が120℃以上の金属石鹸を含む。
【0012】
[3][2]記載の絶縁電線において、前記加工助剤は、融点が220℃以上の金属石鹸を含む。
【0013】
[4][1]〜[3]のいずれか1つに記載の絶縁電線において、前記エチレン−アクリル酸エステル共重合体のアクリル酸エステル量は、10質量%以上25質量%以下である。
【0014】
[5][1]〜[4]のいずれか1つに記載の絶縁電線において、前記無水マレイン酸変性エチレン−α−オレフィン共重合体のガラス転移点は、−55℃以下である。
【0015】
[6][1]〜[5]のいずれか1つに記載の絶縁電線において、前記樹脂組成物は、前記ベースポリマ100質量部に対して前記金属水酸化物を150質量部以上180質量部以下含有する。
【0016】
[7][1]〜[6]のいずれか1つに記載の絶縁電線において、前記金属水酸化物は、水酸化マグネシウムである。
【0017】
[8][1]〜[7]のいずれか1つに記載の絶縁電線において、前記樹脂組成物は、架橋されている。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、単層の絶縁層を有するセパレータレスの絶縁電線において、機械特性、難燃性、絶縁性、低温特性、耐熱性および電線加工性を備えた絶縁電線を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
一実施の形態の絶縁電線の構造を示す横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
(検討事項)
実施の形態を説明する前に、本発明者らが検討した事項について説明する。
【0021】
まず、前述したように、導体と、前記導体の周囲に被覆された(単層の)絶縁層とを備える絶縁電線において、絶縁性と難燃性とを両立させることを目的として、高密度ポリエチレンを含む(A)ベースポリマに、難燃剤として(B)金属水酸化物を添加した樹脂組成物を絶縁層とすることを検討した(以下、検討例の絶縁電線と称する)。
【0022】
難燃剤として(B)金属水酸化物を用いる場合には、ハロゲン系難燃剤やリン系難燃剤と異なり、燃焼時に有毒なガスが発生しないため、環境への悪影響や二次災害などを防止できる点で優れている。一方で、難燃剤として(B)金属水酸化物を用いる場合には、十分な難燃性を確保するために、ハロゲン系難燃剤やリン系難燃剤に比べて、多くの量をベースポリマに添加する必要がある。しかし、(A1)高密度ポリエチレンは、(B)金属水酸化物との相溶性が低いため、(A1)高密度ポリエチレンに(B)金属水酸化物を多量に添加すると、樹脂組成物の機械特性が低下してしまう。
【0023】
本発明者らは、検討例において、(A)ベースポリマに、(A1)高密度ポリエチレン以外に、(A5)エチレン−アクリル酸エステル共重合体を添加し、さらに(A3)エチレン−アクリル酸エステル−無水マレイン酸3元共重合体、および、(A4)無水マレイン酸変性エチレン−α−オレフィン共重合体を添加することを検討した。
【0024】
(A5)エチレン−アクリル酸エステル共重合体は、(B)金属水酸化物との相溶性が高いポリマであるため、(A)ベースポリマに(A5)エチレン−アクリル酸エステル共重合体を添加することで、(B)金属水酸化物を多量に添加した場合であっても、樹脂組成物の機械特性の低下を抑制できる。
【0025】
ただし、(A1)高密度ポリエチレンと(A5)エチレン−アクリル酸エステル共重合体との相溶性は高くない。そのため、(A)ベースポリマに、(A1)高密度ポリエチレンと(A5)エチレン−アクリル酸エステル共重合体との間の極性を有する(A3)エチレン−アクリル酸エステル−無水マレイン酸3元共重合体、および、(A4)無水マレイン酸変性エチレン−α−オレフィン共重合体をさらに添加することによって、(A)ベースポリマと(B)金属水酸化物との密着性を高めることができる。その結果、検討例において、樹脂組成物の機械特性の確保と難燃性の確保とを両立することができる。
【0026】
ここで、本発明者らは、検討例において、以下の3つの課題を確認している。検討例における1つ目の課題は、機械特性、難燃性および絶縁性(電気特性)の両立が難しいことである。一般に、樹脂組成物の難燃性を向上させるため、(B)金属水酸化物を多量に添加すると、樹脂組成物の絶縁性が低下してしまう。この問題を解消するための方法としては、例えば、絶縁電線の絶縁層を(B)金属水酸化物の添加量の多い樹脂組成物からなる難燃層と、(B)金属水酸化物の添加量の少ない樹脂組成物からなる絶縁層との2層構造にするという方法が考えられる。ただし、このようにすると、電線を細径化することが難しく、また、製造コストも増大してしまう。従って、単層の絶縁層において、機械特性、難燃性および絶縁性を確保することが望まれる。
【0027】
検討例における2つ目の課題は、電線加工性および絶縁性の両立が難しいことであり、具体的には、ダイスカスおよびニップルカスの発生である。電線製造用の押出被覆装置を用いて、導体の周囲に樹脂組成物からなる絶縁層を形成する際に、押出被覆装置のダイスおよびニップルにカスが発生し、これが押出された絶縁層の表面に付着していく。このようなダイスカスおよびニップルカスは、電線加工性を低下させ、絶縁層の外観を悪くするのみならず、これらのカスに電界が集中し、絶縁破壊の原因になるという問題があった。
【0028】
検討例における3つ目の課題は、耐熱性の低下である。セパレータレスの絶縁電線にあっては、絶縁層が導体上に直接被覆されている。そのため、導体に含まれる銅などが絶縁層内に拡散し、これを触媒とする熱劣化(熱老化)が発生するため、耐熱性が低下するという問題があった。
【0029】
また、これらの3つの課題以外にも、検討例に係る絶縁電線において、低温環境下での柔軟性、すなわち低温特性を確保することは必要不可欠である。
【0030】
以上より、単層の絶縁層を有するセパレータレスの絶縁電線において、その構成を工夫することにより、機械特性、難燃性、絶縁性、低温特性、耐熱性および電線加工性を備えた絶縁電線が望まれる。
(【0031】以降は省略されています)

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