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公開番号2021036154
公報種別公開特許公報(A)
公開日20210304
出願番号2020188399
出願日20201112
発明の名称スクロール式流体機械
出願人株式会社日立産機システム
代理人青稜特許業務法人
主分類F04C 18/02 20060101AFI20210205BHJP(液体用容積形機械;液体または圧縮性流体用ポンプ)
要約【課題】
流体機械の本体ユニット及びモータユニットの放熱を不均衡とせずに小型化を図る。
【解決手段】
スクロール式流体機械であって、固定スクロール、旋回スクロール及びこれらを収容する本体ケーシングを有する本体ユニットと、モータケーシングを有して前記本体ユニットに駆動力を与えるモータユニットとを備え、前記ロータと前記ステータとが軸方向に対向し、前記モータケーシングが、径方向外側に冷却フィンを有し、前記固定・旋回スクロールのそれぞれが、鏡板の前記ラップが形成された面と反対側の面に冷却フィンを有し、前記固定スクロール及び前記旋回スクロールの発熱量をQc、前記ステータの発熱量をQsとしたとき、Qc/4≦Qs≦Qcを満たし、前記鏡板の径方向寸法をα、前記冷却フィンを含む前記モータケーシングの径方向寸法をDmとしたとき、α=Dmとなるものである。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
鏡板にラップが形成された固定スクロールと、
前記固定スクロールの前記ラップに対向してラップが鏡板に形成された旋回スクロールと、
前記固定スクロールと前記旋回スクロールを収容する本体ケーシングとを有する本体ユニットと、
前記本体ユニットに接続され、前記本体ユニットを駆動する駆動軸と、前記駆動軸と一体に回転するロータと、前記ロータに回転力を付与するステータと、前記駆動軸と前記ロータと前記ステータとを収容するモータケーシングを有するモータユニットとを備え、
前記ロータと前記ステータとが軸方向に対向するものであり、
前記モータケーシングが、径方向外側に冷却フィンを有するものであり、
前記固定スクロールと前記旋回スクロールのそれぞれが、前記鏡板の前記ラップが形成された面と反対側の面に冷却フィンを有するものであり、
前記固定スクロール及び前記旋回スクロールの発熱量をQc、前記ステータの発熱量を
Qsとしたとき、Qc/4≦Qs≦Qcを満たし、
前記固定スクロールの前記鏡板の径方向寸法をα、前記冷却フィンを含む前記モータケーシングの径方向寸法をDmとしたとき、α=Dm且つ該冷却フィンの先端が、前記固定スクロールに形成された前記ラップの最外周面よりも径方向外側に位置することを特徴とするスクロール式流体機械。
続きを表示(約 540 文字)【請求項2】
前記旋回スクロールに対して前記駆動軸を支持する旋回軸受が、前記旋回スクロールの鏡板よりも前記モータユニット側に位置することを特徴とする請求項1に記載のスクロール式流体機械。
【請求項3】
前記駆動軸の前記本体ユニットと反対側の端部に冷却ファンが位置することを特徴とする請求項1に記載のスクロール式流体機械。
【請求項4】
前記本体ユニット側から前記冷却ファンに向けて流れる冷却風で前記モータユニットの
外周面を冷却することを特徴とする請求項3に記載のスクロール式流体機械。
【請求項5】
前記冷却ファンから前記本体ユニット側に向けて流れる冷却風で前記モータユニットの
外周面を冷却することを特徴とする請求項3に記載のスクロール式流体機械。
【請求項6】
前記本体ユニットと前記モータユニットが、前記本体ケーシングと前記モータケーシングとの間で締結部材で着脱可能に締結されていることを特徴とする請求項1に記載のスクロール式流体機械。
【請求項7】
前記モータケーシングの径方向寸法が、軸方向寸法よりも長いことを特徴とする請求項1に記載のスクロール式流体機械。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明はスクロール式流体機械に関する。
続きを表示(約 5,900 文字)【背景技術】
【0002】
スクロール式流体機械の一つである例えばスクロール圧縮機等の圧縮機においては、省スペース性の顧客要求が高い。
【0003】
本技術分野の背景技術として、特開2002−371977号公報(特許文献1)がある。特許文献1には、固定スクロールと旋回スクロールとの間に、該旋回スクロールの自転を阻止した公転運動に伴って外周側から内周側に向けて容積が順次縮小する渦巻き状の圧縮動作室を区画形成し、この圧縮動作室の容積の縮小に伴って流入気体を圧縮しつつ移送するようにしたスクロール型流体機械において、主軸の一端に設けられる旋回軸受と、前記主軸の他端に設けられるモータ側軸受と、前記旋回軸受と前記モータ側軸受との間に設けられる主軸受とを備え、前記旋回軸受を、その少なくとも一部が前記旋回スクロールの鏡板よりも固定スクロール側に位置するように配置したスクロール型流体機械が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2002−371977号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1は、モータとスクロール圧縮機本体を直動式にし、スクロール圧縮機本体の軸受位置を圧縮室側に配置することで軸方向の小型化を行っているが、このような構造のモータ直動式スクロール圧縮機では、モータの径方向寸法が本体の径方向寸法の半分程度しかないのでモータ部の冷却面積が少なく、また冷却フィンも形成されていないので、放熱について一切考慮されておらず、モータが発熱するような高負荷での使用が不可能となる場合がある。このように小型化を図るため圧縮機本体ユニット及びモータユニットの各部の冷却面積が減少すると温度が上昇してしまい製品として成立しないので、それぞれの放熱を考慮する必要がある。
【0006】
そこで本発明は、圧縮機本体ユニット及びモータユニットの放熱が不均衡になることなく、軸長を短縮し、小型化をはかることが可能なスクロール式流体機械を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明は、その一例を挙げるならば、スクロール式流体機械であって、鏡板にラップが形成された固定スクロールと、前記固定スクロールの前記ラップに対向してラップが鏡板に形成された旋回スクロールと、前記固定スクロールと前記旋回スクロールを収容する本体ケーシングとを有する本体ユニットと、前記本体ユニットに接続され、前記本体ユニットを駆動する駆動軸と、前記駆動軸と一体に回転するロータと、前記ロータに回転力を付与するステータと、前記駆動軸と前記ロータと前記ステータとを収容するモータケーシングを有するモータユニットとを備え、前記ロータと前記ステータとが軸方向に対向するものであり、前記モータケーシングが、径方向外側に冷却フィンを有するものであり、前記固定スクロールと前記旋回スクロールのそれぞれにが、前記鏡板の前記ラップが形成された面と反対側の面に冷却フィンを有するものであり、前記固定スクロール及び前記旋回スクロールの発熱量をQc、前記ステータの発熱量をQsとしたとき、Qc/4≦Qs≦Qcを満たし、前記固定スクロールの前記鏡板の径方向寸法をα、前記冷却フィンを含む前記モータケーシングの径方向寸法をDmとしたとき、α=Dm且つ該冷却フィンの先端が、前記固定スクロールに形成された前記ラップの最外周面よりも径方向外側に位置するものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、本体ユニットとモータユニットの放熱を不均衡にすることなく、軸長を短縮することが可能なスクロール式流体機械を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
実施例におけるモータ直動式スクロール圧縮機の外観斜視図である。
実施例におけるモータ直動式スクロール圧縮機の正面図である。
実施例におけるモータ直動式スクロール圧縮機の断面図である。
実施例におけるモータ直動式スクロール圧縮機の冷却風導風部材を取り外した状態の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施例について図面を用いて説明する。なお、実施例を説明するための各図において、同一の機能を有する要素には同一の名称、符号を付して、その繰り返しの説明を省略する。
【実施例】
【0011】
本実施例について、図1、図2、図3、図4を用いて説明する。なお、本実施例は、スクロール式流体機械の一つであるモータ直動式スクロール圧縮機を例に説明する。
【0012】
図1は、本実施例におけるモータ直動式スクロール圧縮機1の外観斜視図である。図1において、モータ直動式スクロール圧縮機1は、主に、本体ユニットとそれを駆動するモータユニットで構成されている。本体ユニットは、本体ケーシング15と、後述する固定スクロール7と、固定スクロール7と対向して設けられ旋回運動する旋回スクロール6とを有し、流体を膨張または圧縮する。モータユニットは、本体ユニットに接続され、本体ユニットを駆動する駆動軸である後述するシャフト3とモータケーシング11と、モータケーシング11の外周部にモータケーシング冷却フィン12を有している。また、後述する冷却ファン8による冷却風をガイドし、後述する旋回スクロール6及び固定スクロール7を冷却するための冷却風導風部材10a、10b、10c、及び10dを設けている。
【0013】
図2はモータ直動式スクロール圧縮機1の正面図を示し、図3は図2のF−F位置から見た断面図である。また、図4は冷却風導風部材を取り外した状態の正面図であり、固定スクロール冷却フィン13の構造図を示している。
【0014】
図3において、モータ直動式スクロール圧縮機1は、シャフト3とロータ4とステータ5がモータの役割を担っており、ステータ5に電流を流すことでロータ4と、ロータ4と一体となったシャフト3が回転をする。シャフト3の一端は旋回スクロール6を駆動する駆動軸である偏芯部を有しており、この偏芯部に旋回スクロール6を組付けている。また、旋回スクロール6に対向し、固定スクロール7を組付けており、シャフト3の回転により、固定スクロール7に対し、旋回スクロール6が旋回運動を行う。旋回スクロール6と固定スクロール7の鏡板には渦巻き状のラップが設けられており上述の旋回運動を行うことで流体を圧縮する。電流が流れるため発熱するステータ5や、流体を圧縮するため発熱する旋回スクロール6及び固定スクロール7を冷却するために、シャフトの偏芯部の他端に冷却ファン8を設けている。冷却風を矢印9のように流し旋回スクロール6及び固定スクロール7を冷却するための冷却風導風部材10a、10b、10c、及び10dを設けている。すなわち、本体ユニット側から冷却ファン8に向けて流れる冷却風でモータユニットの外周面を冷却し、また、冷却ファン8から本体ユニット側に向けて流れる冷却風でモータユニットの外周面を冷却する。
【0015】
冷却効率向上のため、ステータ5を保持するモータケーシング11の外周部、及び、固定スクロール7及び旋回スクロール6に、図1に示すモータケーシング冷却フィン12、図3に示す、固定スクロール冷却フィン13、旋回スクロール冷却フィン14を設けている。
【0016】
なお、旋回スクロール6に対して駆動軸を支持する旋回軸受は、旋回スクロール6の鏡板よりもモータユニット側に配置されている。これにより、軸方向寸法を低減するために鏡板内に旋回軸受が入り込んだ形状に比べて、同じ径の旋回スクロール6及び固定スクロール7であっても、圧縮室を削減することなく圧縮量を確保できる。
【0017】
また、ロータ4とステータ5とは軸方向に対向するように構成されている。これにより軸方向寸法を低減することができる。
【0018】
また、本体ユニットとモータユニットは、本体ケーシング15とモータケーシング11との間で締結部材により着脱可能に締結されている。
【0019】
また、モータケーシング11の径方向寸法を軸方向寸法よりも長くすることで、軸方向寸法を低減すると同時に冷却面積を確保できる。
【0020】
ここで、発熱体である旋回スクロール6、固定スクロール7、ステータ5の冷却部を円筒に近似した場合、固定スクロール7と旋回スクロール6のラップと冷却フィン13、14で構成している点線で示す領域Aの有効冷却面積をS

とし、ステータ5とモータケーシング11のステータ5との嵌合部のみで構成している点線で示す領域Bの有効冷却面積をS

とすると、S

、S

は、式(1)、(2)で近似できる。
【0021】


=固定、旋回スクロール鏡板面積+固定、旋回スクロール円筒側面積
=2π×(α/2)

+2π(α/2)×lc
=πα

/2+παlc ・・・(1)


=モータケーシングステータ部円筒側面積
=πDmls ・・・(2)
ここで、α:固定スクロール冷却フィン13の冷却風に対する水平方向寸法(固定スク
ロールの鏡板の径方向寸法)、
lc:旋回スクロール冷却フィン14端面から固定スクロール冷却フィン13端面まで
の距離、
Dm:モータケーシング径方向寸法(冷却フィン含む)、
ls:ステータ軸方向寸法、である。
【0022】
また、モータ直動式スクロール圧縮機は、一般的に、圧縮機本体の効率よりもモータの効率が高い。投入電力から効率分を差し引いた分が損失分となり、それぞれの損失分がそれぞれの発熱量に比例するので、圧縮機本体の発熱量はモータの発熱量よりも大きくなる。ここで本実施例のモータ直動式スクロール圧縮機においては、固定スクロール及び旋回スクロールの発熱量Qcはモータの入力に対して10〜40%、ステータの発熱量Qsはモータの入力に対して約10%のため、QsとQcの関係は式(3)の関係となる。
Qc/4≦Qs≦Qc ・・・(3)
【0023】
本体ユニットとモータユニットとの放熱が不均衡にならないように、S

とS

の関係は、式(3)に対応した面積を設ける必要があるため、式(4)の関係となる。
SA/4≦SB≦SA ・・・(4)
【0024】
よって、式(1)、(2)、(4)より下記、式(5)が導かれる。
α

/8+αlc/4≦Dmls≦α

/2+αlc ・・・(5)
【0025】
ここで、αとDmの関係について説明する。α>Dmの場合、冷却風経路が複雑もしくは経路長さを長くしなければならなくなるため、冷却風の圧力損失が増大し風量が低下し旋回スクロール、固定スクロールの冷却が悪化してしまう。また、Dmを小さくするため、lsが大きくなり全体の軸方向寸法Lが大きくなってしまう。一方で、α<Dmの場合、モータケーシング11に冷却風が流れづらくなるため、モータ冷却が悪化する。また、モータケーシングが大きくなるため、これを避けるような冷却風導風部材の構造にしなければならず、結果として冷却風導風部材が複雑形状となり、圧力損失が増大し冷却風量が減少してしまう。以上の理由からαとDmの関係は、式(6)の関係とした。
α=Dm ・・・(6)
【0026】
式(6)の近似が成立するため、モータケーシングの冷却フィンの先端は少なくとも固定スクロールに形成されたラップの最外周面よりも外側にある。
【0027】
式(6)を用いると、式(5)は式(7)となる。
α/8+lc/4≦ls≦α/2+lc …(7)
【0028】
よって、本実施例では式(7)を満たすように、α、lc、lsを設定することで、本体ユニットとモータユニットの放熱を均等にでき、軸長を短縮することが可能なモータ直動式スクロール圧縮機を提供できる。よって、モータ直動式スクロール圧縮機の小型化と温度低減が同時に図れ、顧客メリットが生じる。
【0029】
本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例はスクロール圧縮機について説明したが、圧縮機以外の例えばブロアやポンプ等でもよく、いわゆるスクロール式流体機械でよい。また、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。
【符号の説明】
【0030】
1:モータ直動式スクロール圧縮機、3:シャフト、4:ロータ、5:ステータ、6:旋回スクロール、7:固定スクロール、8:冷却ファン、9:冷却風流れ方向、10a、10b、10c、10d:冷却風導風部材、11:モータケーシング、12:モータケーシング冷却フィン、13:固定スクロール冷却フィン、14:旋回スクロール冷却フィン、15:本体ケーシング、α:冷却フィンを含む冷却風流れと水平方向の寸法、lc:固定スクロール冷却フィン端面から旋回スクロール冷却フィン端面までの距離、Dm:モータケーシング径方向寸法(冷却フィン含む)、ls:ステータ軸方向寸法、L:モータ直動式スクロール圧縮機軸方向寸法

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