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公開番号2021035225
公報種別公開特許公報(A)
公開日20210301
出願番号2019154674
出願日20190827
発明の名称制御基板
出願人アイシン・エィ・ダブリュ株式会社
代理人特許業務法人R&C
主分類H02M 7/48 20070101AFI20210201BHJP(電力の発電,変換,配電)
要約【課題】第1スイッチング素子に接続される第1接続部と第2スイッチング素子に接続される第2接続部とが規定の配列方向に沿って1つずつ交互に一列に並ぶ場合に、配列方向における制御基板の小型化を図ることが可能な技術を実現する。
【解決手段】N個の第1接続部41及びN個の第2接続部42は、規定の配列方向Dに沿って第1接続部41と第2接続部42とが1つずつ交互に一列に並ぶように配置される。第1回路領域A1のそれぞれは、対応する第1接続部41に接続されていると共に、当該第1接続部41に対して、配列方向Dに直交する直交方向Cの一方側である第1側C1に配置される。第2回路領域A2のそれぞれは、対応する第2接続部42に接続されていると共に、当該第2接続部42に対して、直交方向Cにおける第1側C1とは反対側である第2側C2に配置される。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
直流の正極側に接続される第1スイッチング素子と直流の負極側に接続される第2スイッチング素子とが直列接続されたアームをN個(Nは2以上の整数)備えたインバータを制御する制御基板であって、
前記第1スイッチング素子の第1接続端子にそれぞれ接続されるN個の第1接続部と、前記第2スイッチング素子の第2接続端子にそれぞれ接続されるN個の第2接続部と、を備えると共に、
板状の基板本体部に形成された領域であって、前記第1スイッチング素子を駆動する第1駆動回路がそれぞれ設けられたN個の第1回路領域と、前記第2スイッチング素子を駆動する第2駆動回路がそれぞれ設けられたN個の第2回路領域と、N個の前記第1回路領域及びN個の前記第2回路領域の各領域間を電気的に絶縁する絶縁領域と、を備え、
N個の前記第1接続部及びN個の前記第2接続部は、規定の配列方向に沿って前記第1接続部と前記第2接続部とが1つずつ交互に一列に並ぶように配置され、
前記第1回路領域のそれぞれは、対応する前記第1接続部に接続されていると共に、当該第1接続部に対して、前記配列方向に直交する直交方向の一方側である第1側に配置され、
前記第2回路領域のそれぞれは、対応する前記第2接続部に接続されていると共に、当該第2接続部に対して、前記直交方向における前記第1側とは反対側である第2側に配置されている、制御基板。
続きを表示(約 2,500 文字)【請求項2】
前記第1回路領域のそれぞれは、前記第1接続部との接続部分から前記第1側に延びるように形成された第1本体部と、前記第1本体部から前記配列方向に延びるように形成された第1拡張部と、を備え、
前記第2回路領域のそれぞれは、前記第2接続部との接続部分から前記第2側に延びるように形成された第2本体部と、前記第2本体部から前記配列方向に延びるように形成された第2拡張部と、を備え、
前記第1拡張部は、前記第2本体部に対して前記第1側に離間していると共に前記第2本体部と前記配列方向の配置領域が重複するように配置され、
前記第2拡張部は、前記第1本体部に対して前記第2側に離間していると共に前記第1本体部と前記配列方向の配置領域が重複するように配置され、
前記絶縁領域は、前記配列方向に隣接して配置された2つの前記第1回路領域の一方の前記第1本体部と他方の前記第1拡張部との間を電気的に絶縁する第1絶縁領域と、前記配列方向に隣接して配置された2つの前記第2回路領域の一方の前記第2本体部と他方の前記第2拡張部との間を電気的に絶縁する第2絶縁領域と、を備え、
前記第2絶縁領域の前記配列方向の幅が、前記第1絶縁領域の前記配列方向の幅より狭い、請求項1に記載の制御基板。
【請求項3】
前記基板本体部に形成された領域であって、前記第1スイッチング素子及び前記第2スイッチング素子の制御信号を生成する制御回路が設けられ、N個の前記第1回路領域及びN個の前記第2回路領域の各領域との間が前記絶縁領域によって電気的に絶縁された第3回路領域と、
前記第1回路領域と前記第3回路領域との間を電気的に絶縁しつつ前記第1回路領域と前記第3回路領域との間で信号又は電力を伝達する第1接続部材と、
前記第2回路領域と前記第3回路領域との間を電気的に絶縁しつつ前記第2回路領域と前記第3回路領域との間で信号又は電力を伝達する第2接続部材と、を更に備え、
前記第1接続部材が、前記第1接続部に対して前記第1回路領域を挟んで前記第1側に配置され、
前記第2接続部材が、前記第2接続部に対して前記第2回路領域を挟んで前記第2側に配置されている、請求項1又は2に記載の制御基板。
【請求項4】
前記第1回路領域のそれぞれは、前記第1接続部との接続部分から前記第1側に延びるように形成された第1本体部を備え、
前記第2回路領域のそれぞれは、前記第2接続部との接続部分から前記第2側に延びるように形成された第2本体部を備え、
前記配列方向の配置領域に関して、前記第1接続部材の少なくとも一部が、前記第2本体部と重複するように配置され、
前記配列方向の配置領域に関して、前記第2接続部材の少なくとも一部が、前記第1本体部と重複するように配置されている、請求項3に記載の制御基板。
【請求項5】
前記第1接続部材は、前記第1回路領域と前記第3回路領域との間で信号を伝達する第1絶縁素子と、前記第1回路領域と前記第3回路領域との間で電力を伝達する第1トランスと、を備え、
前記第2接続部材は、前記第2回路領域と前記第3回路領域との間で信号を伝達する第2絶縁素子と、前記第2回路領域と前記第3回路領域との間で電力を伝達する第2トランスと、を備え、
前記配列方向の配置領域に関して、前記第1絶縁素子が、前記第1本体部と重複するように配置されていると共に、前記第1トランスが、前記第2本体部と重複するように配置され、
前記配列方向の配置領域に関して、前記第2絶縁素子が、前記第2本体部と重複するように配置されていると共に、前記第2トランスが、前記第1本体部と重複するように配置されている、請求項4に記載の制御基板。
【請求項6】
前記第1スイッチング素子は、M個(Mは2以上の整数)の前記第1接続端子を備え、
前記第2スイッチング素子は、L個(Lは2以上の整数)の前記第2接続端子を備え、
前記第1接続部は、前記第1スイッチング素子の前記第1接続端子にそれぞれ接続されるM個の第3接続端子を備え、
前記第2接続部は、前記第2スイッチング素子の前記第2接続端子にそれぞれ接続されるL個の第4接続端子を備え、
前記第3接続端子及び前記第4接続端子は、前記配列方向に沿って一列に並ぶように配置されている、請求項1から5のいずれか一項に記載の制御基板。
【請求項7】
前記基板本体部に形成された領域であって、前記第1スイッチング素子及び前記第2スイッチング素子の制御信号を生成する制御回路が設けられ、N個の前記第1回路領域及びN個の前記第2回路領域の各領域との間が前記絶縁領域によって電気的に絶縁された第3回路領域と、前記インバータを第1インバータとして、前記第1インバータとは異なる第2インバータを駆動する駆動回路が設けられる第4回路領域と、を更に備え、
前記第3回路領域は、前記配列方向に延びるように形成されて、N個の前記第1回路領域に対して前記第1側に配置される第1側部分と、前記配列方向に延びるように形成されて、N個の前記第2回路領域に対して前記第2側に配置される第2側部分と、を備え、
前記制御回路は、前記第1側部分に設けられ、
前記第4回路領域は、前記配列方向に延びるように形成されていると共に、前記第2側部分に対して、前記絶縁領域を挟んで前記第2側に隣接して配置されている、請求項1から6のいずれか一項に記載の制御基板。
【請求項8】
前記基板本体部に形成された領域であって、前記インバータの直流側の電圧を検出する電圧検出回路が設けられる第5回路領域を更に備え、
前記第5回路領域が、N個の前記第2回路領域のいずれかに接続されている、請求項1から7のいずれか一項に記載の制御基板。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、インバータを制御する制御基板に関する。
続きを表示(約 9,700 文字)【背景技術】
【0002】
インバータを制御する制御基板の一例が、国際公開第2019/059292号(特許文献1)に開示されている。以下、背景技術の説明において括弧内に示す符号は特許文献1のものである。特許文献1の制御基板(9)は、上段側スイッチング素子(3H)と下段側スイッチング素子(3L)とが直列接続されたアームを複数備えたインバータ(10)を制御対象としている。そして、特許文献1の図9に示される態様では、制御基板(9)には、上段側スイッチング素子(3H)に接続される高圧系回路(HV)の配置領域(上段側高圧領域)と、下段側スイッチング素子(3L)に接続される高圧系回路(HV)の配置領域(下段側高圧領域)とが、規定の配列方向に沿って1つずつ交互に並ぶように形成されており、隣接する上段側高圧領域と下段側高圧領域との間に絶縁領域(IS)が形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
国際公開第2019/059292号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上段側スイッチング素子がオン状態に制御された状態では、上段側スイッチング素子に接続される高圧系回路の電位は、インバータの直流側の正極の電位と同程度まで上昇するため、上段側スイッチング素子に接続される高圧系回路と下段側スイッチング素子に接続される高圧系回路との間には比較的大きな電位差が生じる。よって、特許文献1の図9に示される態様のように、第1スイッチング素子としての上段側スイッチング素子に接続される高圧系回路の配置領域(上段側高圧領域)と、第2スイッチング素子としての下段側スイッチング素子に接続される高圧系回路の配置領域(下段側高圧領域)とが規定の配列方向に沿って1つずつ交互に並ぶように配置される場合、隣接する上段側高圧領域と下段側高圧領域との間のそれぞれに、上記の比較的大きな電位差に応じた絶縁距離を有する絶縁領域を設ける必要があり、制御基板が配列方向において大型化しやすかった。
【0005】
そこで、第1スイッチング素子に接続される第1接続部と第2スイッチング素子に接続される第2接続部とが規定の配列方向に沿って1つずつ交互に一列に並ぶ場合に、配列方向における制御基板の小型化を図ることが可能な技術の実現が望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る制御基板は、直流の正極側に接続される第1スイッチング素子と直流の負極側に接続される第2スイッチング素子とが直列接続されたアームをN個(Nは2以上の整数)備えたインバータを制御する制御基板であって、前記第1スイッチング素子の第1接続端子にそれぞれ接続されるN個の第1接続部と、前記第2スイッチング素子の第2接続端子にそれぞれ接続されるN個の第2接続部と、を備えると共に、板状の基板本体部に形成された領域であって、前記第1スイッチング素子を駆動する第1駆動回路がそれぞれ設けられたN個の第1回路領域と、前記第2スイッチング素子を駆動する第2駆動回路がそれぞれ設けられたN個の第2回路領域と、N個の前記第1回路領域及びN個の前記第2回路領域の各領域間を電気的に絶縁する絶縁領域と、を備え、N個の前記第1接続部及びN個の前記第2接続部は、規定の配列方向に沿って前記第1接続部と前記第2接続部とが1つずつ交互に一列に並ぶように配置され、前記第1回路領域のそれぞれは、対応する前記第1接続部に接続されていると共に、当該第1接続部に対して、前記配列方向に直交する直交方向の一方側である第1側に配置され、前記第2回路領域のそれぞれは、対応する前記第2接続部に接続されていると共に、当該第2接続部に対して、前記直交方向における前記第1側とは反対側である第2側に配置されている。
【0007】
この構成では、第1接続部に接続される第1回路領域と第2接続部に接続される第2回路領域とが、配列方向に並ぶ第1接続部及び第2接続部に対して、配列方向に直交する直交方向の一方側である第1側と他方側である第2側とに分かれて配置される。よって、第1接続部及び第2接続部に対して第2側においては、第2駆動回路がそれぞれ設けられたN個の第2回路領域を配列方向に並べて配置することができる。そして、N個の第2スイッチング素子は負極側の電位が共通とされるため、異なる2つの第2駆動回路の間に生じる電位差は、第1駆動回路と第2駆動回路との間に生じる電位差や異なる2つの第1駆動回路の間に生じる電位差よりも小さくなる。従って、第1接続部及び第2接続部に対して第2側において、配列方向に隣接する2つの第2回路領域の間に必要となる絶縁距離を短く抑えることができ、この結果、配列方向における制御基板の小型化を図ることが可能となっている。
【0008】
制御基板の更なる特徴と利点は、図面を参照して説明する実施形態についての以下の記載から明確となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
制御基板の制御対象となるインバータの構成例を示す図
電源回路の構成例を示す図
実施形態に係る制御基板の平面図
実施形態に係る制御基板とスイッチング素子との配置関係を示す図
【発明を実施するための形態】
【0010】
制御基板の実施形態について、図面を参照して説明する。制御基板1は、第1インバータ91を制御する基板である。図1に示すように、制御基板1による制御対象となる第1インバータ91は、直流の正極側に接続される第1スイッチング素子31と直流の負極側に接続される第2スイッチング素子32とが直列接続されたアーム33をN個(Nは2以上の整数)備える。第1インバータ91は、直流と交流との間で電力を変換して第1交流機51に交流電力を供給する。制御基板1は、第1インバータ91を介して第1交流機51を制御する。本実施形態では、第1インバータ91が「インバータ」に相当する。
【0011】
第1交流機51は、交流電力の供給を受けて動作する機器である。図1に示すように、本実施形態では、第1交流機51は回転電機である。具体的には、第1交流機51は、U相、V相、及びW相からなる3相(複数相の一例)の交流電力で駆動される回転電機であり、第1インバータ91は、3相の交流電力を第1交流機51(ここでは、ステータコイル51a)に供給する。第1交流機51は、例えば、車両の車輪を駆動するための回転電機とされる。本明細書では、「回転電機」は、モータ(電動機)、ジェネレータ(発電機)、及び必要に応じてモータ及びジェネレータの双方の機能を果たすモータ・ジェネレータのいずれをも含む概念として用いている。
【0012】
本実施形態では、制御基板1は、第1インバータ91とは異なる第2インバータ92も制御する。第2インバータ92は、直流と交流との間で電力を変換して第2交流機52に交流電力を供給する。制御基板1は、第2インバータ92を介して第2交流機52を制御する。第2交流機52は、交流電力の供給を受けて動作する機器である。第2交流機52は、例えば、車両に設けられた補機を駆動するための回転電機とされる。補機は、車両に搭載される機器(付属機器、車載機器)であり、例えば、電動オイルポンプや、エアコンディショナ用のコンプレッサ等とされる。
【0013】
図1に示すように、第1インバータ91は、第1直流電源11に接続されると共に第1交流機51に接続されている。第1直流電源11は、第1インバータ91の直流側に直流電力を供給する。第1直流電源11の電源電圧は、例えば200〜400[V]とされる。第1交流機51がモータとして機能する場合には、第1インバータ91は、第1直流電源11から供給される直流電力を交流電力に変換して第1交流機51に供給する。また、第1交流機51がジェネレータとして機能する場合には、第1インバータ91は、第1交流機51から供給される交流電力を直流電力に変換して第1直流電源11に供給する。第1直流電源11と第1インバータ91との間には、第1インバータ91の直流側の電圧(直流リンク電圧Vdc)を平滑化する平滑コンデンサ9が設けられている。第1直流電源11と第1インバータ91との間に昇圧回路が設けられ、第1直流電源11の電圧が昇圧されて第1インバータ91の直流側に供給される構成とすることもできる。
【0014】
第2インバータ92は、第1直流電源11に接続されると共に第2交流機52に接続されている。すなわち、第1インバータ91と第2インバータ92とは、共通の直流電源である第1直流電源11に並列接続されている。第1直流電源11は、第2インバータ92の直流側に直流電力を供給する。第2インバータ92は、第1直流電源11から供給される直流電力を交流電力に変換して第2交流機52に供給する。
【0015】
上述したように、第1インバータ91は、第1スイッチング素子31と第2スイッチング素子32とが直列接続されたアーム33をN個備えている。すなわち、第1インバータ91は、N個の第1スイッチング素子31とN個の第2スイッチング素子32とを備えている。本実施形態では、Nは、第1交流機51に供給する交流電力の相数と同じ値とされ、具体的には、Nは3である。第1スイッチング素子31は、直流の正極側(ここでは、第1直流電源11の正極側)に接続されるスイッチング素子3(上段側スイッチング素子)であり、第2スイッチング素子32は、直流の負極側(ここでは、第1直流電源11の負極側)に接続されるスイッチング素子3(下段側スイッチング素子)である。
【0016】
第1インバータ91が備えるスイッチング素子3は、後述するスイッチング制御信号SWにより個別にスイッチング制御される。スイッチング素子3として、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)、パワーMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)、SiC−MOSFET(Silicon Carbide - Metal Oxide Semiconductor FET)、SiC−SIT(SiC - Static Induction Transistor)、GaN−MOSFET(Gallium Nitride - MOSFET)等のパワー半導体素子を用いると好適である。図1には、スイッチング素子3としてIGBTを用いる場合を例示している。スイッチング素子3は、例えば、矩形平板状のチップ型素子とされる。図示は省略するが、スイッチング素子3のそれぞれにはフリーホイールダイオードが並列接続されている。フリーホイールダイオードは、例えば、スイッチング素子3を構成するチップ型素子に内蔵される。
【0017】
本実施形態では、第1インバータ91は、U相アーム33U、V相アーム33V、及びW相アーム33Wの、3つのアーム33を備えている。複数のアーム33は、互いに並列接続されてブリッジ回路を構成している。各アーム33の中間点(第1スイッチング素子31と第2スイッチング素子32との接続点)は、第1交流機51の交流端子(ここでは、対応する相のステータコイル51a)に接続されている。
【0018】
このように、第1インバータ91は、複数のスイッチング素子3(具体的には、複数の第1スイッチング素子31及び複数の第2スイッチング素子32)を用いて構成されている。詳細は省略するが、第2インバータ92は、複数の第3スイッチング素子93を用いて構成されている。第2インバータ92が備える第3スイッチング素子93は、例えば、第1インバータ91が備えるスイッチング素子3とは電気的特性(定格電流や耐圧等)の異なるものとされる。第2インバータ92は、例えば、第1インバータ91と同様のブリッジ回路を備える。
【0019】
第1スイッチング素子31及び第2スイッチング素子32の制御信号(スイッチング制御信号SW)は、制御回路5により生成される。制御回路5は、第1スイッチング素子31をスイッチング制御する第1スイッチング制御信号SW1、及び、第2スイッチング素子32をスイッチング制御する第2スイッチング制御信号SW2を生成する。すなわち、制御回路5は、スイッチング制御信号SWとして、第1スイッチング制御信号SW1及び第2スイッチング制御信号SW2を生成する。制御回路5は、マイクロコンピュータ等の論理回路を中核として構成される。制御回路5の各機能は、例えば、マイクロコンピュータ等のハードウェアとソフトウェア(プログラム)との協働により実現される。
【0020】
制御回路5は、スイッチング制御信号SWを生成することで、第1インバータ91を制御する。制御回路5は、例えば、他の制御装置(例えば、車両の全体を統合して制御する車両制御装置)からの指令に基づき、第1インバータ91を制御する。制御回路5は、例えばベクトル制御法を用いた電流フィードバック制御を行って、他の制御装置から指令されたトルクを第1交流機51が出力するように第1インバータ91を制御する。図1に示す例では、第1交流機51の各相のステータコイル51aを流れる電流は電流センサ14により検出され、第1交流機51のロータの磁極位置は回転センサ15により検出される。制御回路5は、これらの電流センサ14及び回転センサ15の検出結果を用いて、第1インバータ91を制御する。
【0021】
制御回路5の動作電圧(例えば、5[V],3.3[V],2.5[V]等)は、第2直流電源12から供給される直流電力に基づき生成される。第2直流電源12は、第1直流電源11よりも電源電圧の低い直流電源である。第2直流電源12の電源電圧は、例えば12〜24[V]とされる。第1直流電源11と第2直流電源12とは、互いに絶縁されており、互いにフローティングの関係にある。図示は省略するが、制御回路5に電力(動作電力)を供給する電源回路は、例えば、第2直流電源12に接続される電源入力回路と、第2直流電源12から電源入力回路に入力される電圧を調整する電圧調整回路と、を備える。電源入力回路は、例えば、ノイズフィルタ、平滑コンデンサ、及びレギュレータ回路を用いて構成され、電圧調整回路は、例えば、レギュレータ素子を用いて構成される。
【0022】
制御回路5が生成したスイッチング制御信号SWは、駆動回路2を介して、制御対象となるスイッチング素子3の制御端子(図1に示す例では、IGBTのゲート端子)に入力される。すなわち、駆動回路2は、スイッチング制御信号SWに基づきスイッチング素子3を駆動する。図1に示す例では、駆動回路2は、スイッチング素子3(IGBT)のゲート端子とエミッタ端子との2端子間の電位差を制御することで、スイッチング素子3を駆動する。図1に示すように、駆動回路2は、複数のスイッチング素子3のそれぞれに対応して設けられている。複数の駆動回路2には、第1スイッチング素子31を駆動する第1駆動回路21と、第2スイッチング素子32を駆動する第2駆動回路22とが含まれる。第1駆動回路21は、第1スイッチング制御信号SW1に基づき第1スイッチング素子31を駆動する。また、第2駆動回路22は、第2スイッチング制御信号SW2に基づき第2スイッチング素子32を駆動する。
【0023】
駆動回路2は、制御回路5が生成したスイッチング制御信号SWの駆動能力(例えば電圧振幅又は出力電流等、後段の回路を動作させる能力)を高めて、スイッチング素子3の制御端子に供給する。駆動回路2は、例えば、2つのトランジスタが直列接続されたプッシュプル回路を用いて構成される。ここで、制御基板1に形成される回路には、動作電圧が相対的に高い高圧系回路と、動作電圧が相対的に低い低圧系回路とが含まれる。高圧系回路と低圧系回路とは、互いに絶縁されている。スイッチング制御信号SWを生成する制御回路5は、低圧系回路である。一方、駆動回路2は、高圧系回路である。そのため、制御基板1は、フォトカプラ又は磁気カプラ等の絶縁素子(信号伝達用の絶縁素子)を備えており、この絶縁素子が、制御回路5が生成したスイッチング制御信号SWを、駆動回路2に絶縁状態(電気的に絶縁された状態)で伝達する。具体的には、制御基板1は、制御回路5が生成した第1スイッチング制御信号SW1を第1駆動回路21に絶縁状態で伝達するための絶縁素子である第1絶縁素子61aと、制御回路5が生成した第2スイッチング制御信号SW2を第2駆動回路22に絶縁状態で伝達するための絶縁素子である第2絶縁素子62aと、を備えている。
【0024】
駆動回路2のそれぞれには、電源回路4から電力(動作電力)が供給される。図2に電源回路4の一例を示すように、電源回路4は、トランスを用いて駆動回路2に電力を供給する。具体的には、電源回路4は、第1トランス61bを用いて第1駆動回路21に電力を供給すると共に、第2トランス62bを用いて第2駆動回路22に電力を供給する。電源回路4は、第1駆動回路21に供給する上段用駆動電圧VHと、第2駆動回路22に供給する下段用駆動電圧VLとを出力する。上段用駆動電圧VH及び下段用駆動電圧VLのそれぞれの電位差は、例えば15〜20[V]とされる。
【0025】
本実施形態では、電源回路4は、U相上段用駆動電圧VHU、V相上段用駆動電圧VHV、及びW相上段用駆動電圧VHWの3つの上段用駆動電圧VHを出力し、U相下段用駆動電圧VLU、V相下段用駆動電圧VLV、及びW相下段用駆動電圧VLWの3つの下段用駆動電圧VLを出力する。U相上段用駆動電圧VHUは、U相アーム33Uが備える第1スイッチング素子31(U相の第1スイッチング素子31)を駆動する第1駆動回路21に供給され、U相下段用駆動電圧VLUは、U相アーム33Uが備える第2スイッチング素子32(U相の第2スイッチング素子32)を駆動する第2駆動回路22に供給される。V相上段用駆動電圧VHVは、V相アーム33Vが備える第1スイッチング素子31(V相の第1スイッチング素子31)を駆動する第1駆動回路21に供給され、V相下段用駆動電圧VLVは、V相アーム33Vが備える第2スイッチング素子32(V相の第2スイッチング素子32)を駆動する第2駆動回路22に供給される。W相上段用駆動電圧VHWは、W相アーム33Wが備える第1スイッチング素子31(W相の第1スイッチング素子31)を駆動する第1駆動回路21に供給され、W相下段用駆動電圧VLWは、W相アーム33Wが備える第2スイッチング素子32(W相の第2スイッチング素子32)を駆動する第2駆動回路22に供給される。
【0026】
図2に示すように、第1トランス61bの1次巻線L1及び第2トランス62bの1次巻線L1には、1次巻線L1への電力の供給を制御する駆動用スイッチング素子7が接続されている。駆動用スイッチング素子7は、電源制御回路75によってスイッチング制御される。図2に示す例では、電源回路4は、プッシュプル方式のスイッチング電源回路であり、1次巻線L1には、第1駆動用スイッチング素子71及び第2駆動用スイッチング素子72の2つの駆動用スイッチング素子7が接続されている。第1駆動用スイッチング素子71及び第2駆動用スイッチング素子72は、電源制御回路75によって相補的にスイッチング制御される。
【0027】
図2には、6つのトランス(3つの第1トランス61b及び3つの第2トランス62b)に対して共通の駆動用スイッチング素子7(ここでは、第1駆動用スイッチング素子71及び第2駆動用スイッチング素子72の組)が設けられる構成を例示しているが、トランスが複数のグループ(例えば、2つのトランスからなるグループ)に分けられ、複数のグループに対して駆動用スイッチング素子7(例えば、第1駆動用スイッチング素子71及び第2駆動用スイッチング素子72の組)が各別に設けられる構成としてもよい。また、ここでは、一例として、電源回路4を、プッシュプル方式のスイッチング電源回路としているが、電源回路4は、ハーフブリッジ方式、フルブリッジ方式、シングルフォワード方式、フライバック方式等の、プッシュプル方式以外の方式のスイッチング電源回路であってもよい。
【0028】
第1トランス61bの1次巻線L1及び第2トランス62bの1次巻線L1に入力される入力電圧V1(1次側電圧)は、第2直流電源12の電源電圧から電源回路(電圧レギュレータ等)によって生成される。そのため、入力電圧V1は安定しており、この電源回路4では、フィードバック制御を行うことなく、第1トランス61bの変圧比によって第1トランス61bの2次巻線L2から出力される出力電圧(2次側電圧)が決定され、第2トランス62bの変圧比によって第2トランス62bの2次巻線L2から出力される出力電圧(2次側電圧)が決定される。第1トランス61bの2次側電圧(上段用駆動電圧VH)は、第1駆動回路21に供給され、第2トランス62bの2次側電圧(下段用駆動電圧VL)は、第2駆動回路22に供給される。図2に示す例では、2次巻線L2に生じる交流電圧が、整流用のダイオード74と平滑用のコンデンサ73とを備えた整流回路76によって直流電圧に変換されることで、2次側電圧が生成される。
【0029】
次に、制御基板1の構成について説明する。図3及び図4に示すように、制御基板1は、第1スイッチング素子31の第1接続端子81にそれぞれ接続されるN個の第1接続部41と、第2スイッチング素子32の第2接続端子82にそれぞれ接続されるN個の第2接続部42と、を備えている。上述したように、本実施形態では、Nは3である。第1スイッチング素子31は、当該第1スイッチング素子31の制御端子に接続される第1接続端子81を少なくとも備え、第2スイッチング素子32は、当該第2スイッチング素子32の制御端子に接続される第2接続端子82を少なくとも備える。
【0030】
N個の第1接続部41及びN個の第2接続部42は、規定の配列方向Dに沿って第1接続部41と第2接続部42とが1つずつ交互に一列に並ぶように配置されている。すなわち、この制御基板1は、図4に示すように、第1スイッチング素子31と第2スイッチング素子32とが1つずつ交互に一列に並ぶように配置される構成の第1インバータ91に接続される。そして、第1接続部41と第2接続部42との配列方向Dの配置間隔は、第1スイッチング素子31と第2スイッチング素子32との配置間隔に応じた間隔となる。図示は省略するが、第1スイッチング素子31及び第2スイッチング素子32は、制御基板1とは別の基板に配置されている。
(【0031】以降は省略されています)

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