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公開番号2021034964
公報種別公開特許公報(A)
公開日20210301
出願番号2019155817
出願日20190828
発明の名称2逓倍器
出願人株式会社東芝,東芝インフラシステムズ株式会社
代理人個人,個人,個人,個人,個人
主分類H03B 19/05 20060101AFI20210201BHJP(基本電子回路)
要約【課題】 構成簡易にして動作周波数を可変可能な2逓倍器を提供すること。
【解決手段】 実施形態によれば、2逓倍器は、逓倍器と、バンドパスフィルタと、周波数依存型フィルタとを具備する。逓倍器は、入力信号を逓倍する。バンドパスフィルタは、逓倍器の出力に含まれる少なくとも基本波および3逓倍波を抑圧する。周波数依存型フィルタは、バンドパスフィルタの出力から入力信号の2逓倍波を取り出す。
【選択図】 図1
特許請求の範囲【請求項1】
入力信号を逓倍する逓倍器と、
前記逓倍器の出力に含まれる少なくとも基本波および3逓倍波を抑圧するバンドパスフィルタと、
前記バンドパスフィルタの出力から前記入力信号の2逓倍波を取り出す周波数依存型フィルタとを具備する、2逓倍器。
続きを表示(約 250 文字)【請求項2】
前記周波数依存型フィルタは、
前記バンドパスフィルタの出力に接続されるアノードと、スルーホールを介して接地されるカソードとを有するバラクタダイオードとを備える、請求項1に記載の2逓倍器。
【請求項3】
前記バラクタダイオードおよび前記スルーホールの等価インダクタンスを含む合計インダクタンスに基づく前記3逓倍波でのインピーダンスと、前記バラクタダイオードの接合キャパシタンスに基づく前記3逓倍波でのインピーダンスとがほぼ等しい、請求項2に記載の2逓倍器。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、2逓倍器に関する。
続きを表示(約 4,400 文字)【背景技術】
【0002】
例えば、高周波の周波数変換器に使用される2逓倍器は、FETまたはダイオードを使用した逓倍器を備え、この逓倍器に所望の信号が入力される。逓倍器の出力には基本波および高調波が含まれるので、このうち2逓倍波を通過させる帯域通過フィルタを逓倍器の後段に接続して、2逓倍された出力を得るようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
実開昭61−143320号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
動作周波数が固定的、あるいは狭帯域であれば既存の方式が有効である。しかしながら近年の高周波アプリケーションでは、動作周波数を可変したいというニーズがある。周波数の変化量が過度に大きいと不要波成分(3逓倍波、4逓倍波、…、あるいは基本波)が帯域通過フィルタのレンジ(通過帯域)に侵入してきてしまい、抑圧できなくなる。帯域通過フィルタのレンジを狭くすると2逓倍波までも抑圧されてしまい、所望の信号を取り出せなくなる。複数のフィルタを用いてレンジを切り替える手法もあり得るが、コストがかかる。
【0005】
そこで、目的は、構成簡易にして動作周波数を可変可能な2逓倍器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態によれば、2逓倍器は、逓倍器と、バンドパスフィルタと、周波数依存型フィルタとを具備する。逓倍器は、入力信号を逓倍する。バンドパスフィルタは、逓倍器の出力に含まれる少なくとも基本波および3逓倍波を抑圧する。周波数依存型フィルタは、バンドパスフィルタの出力から入力信号の2逓倍波を取り出す。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1は、実施形態に係わる2逓倍器の一例を示す回路図である。
図2は、図1に示される2逓倍器の基板実装例を示す上面図である。
図3は、バラクタダイオード3の高周波での等価回路を示す図である。
図4は、比較のため従来の2逓倍器の一例を示すブロック図である。
図5は、図4に示される2逓倍器の周波数特性の一例を示す図である。
図6は、動作周波数を可変した場合の高調波の周波数偏移量について説明するための図である。
図7は、実施形態に係わる2逓倍器の周波数特性の一例を示す図である。
図8は、図1に示される点(A)から見たバラクタダイオード短絡時のインピーダンスチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に、図面を参照して実施形態について説明する。実施形態に係わる2逓倍器は、おおむねGHz帯域の高周波信号を取り扱う。例えば、近接検知のための車載レーダとしての用途が考えられる。
【0009】
図1は、実施形態に係わる2逓倍器の一例を示す回路図である。図2は、図1に示される2逓倍器の基板実装例を示す上面図である。
実施形態の2逓倍器は、所望の入力信号を入力される逓倍器1と、逓倍器1に接続されるバンドパスフィルタ2とを備える。そして、バンドパスフィルタ2の出力に、バラクタダイオード3の一端(アノード)が接続される。バラクタダイオード3の他端(カソード)は、スルーホール8を介して接地される。
【0010】
逓倍器1は、入力信号(基本波)を逓倍するもので、例えばFET(Field Effect Transistor)、あるいはダイオードを用いて形成される。バンドパスフィルタ2は、逓倍器1の出力から入力信号と同じ周波数の基本波、および3逓倍波を抑圧する。さらに、4逓倍波以上を抑圧する減衰率を設定可能であるが、そもそも4逓倍波以上の成分は急速に減少するので、実施形態では上記のフィルタ特性を想定する。
【0011】
図2に示されるように、バンドパスフィルタ2は、例えばカップルドライン型バンドパスフィルタとして、誘電体基板7に実装可能である。バンドパスフィルタ2は、マイクロストリップライン10を介してバラクタダイオード3のアノードに接続される。バラクタダイオード3のカソードは、導体パターン9を介してスルーホール8に接続される。スルーホール8は、誘電体基板7の実装面と逆側の面(裏面)のアースパターンに、電気的に結合される。これによりバラクタダイオード3のカソードは、スルーホール8を介して接地される。スルーホール8を介して接地されたバラクタダイオード3は、バンドパスフィルタ2の出力から入力信号の2逓倍波を取り出す、周波数依存型フィルタとして作用する。
【0012】
図3は、バラクタダイオード3の高周波での等価回路を示す図である。バラクタダイオード3の接合部から各端子までを等価伝送線路4で示し、対接地間とのスルーホール8を等価インダクタンス5で示す。また、バラクタダイオード3の接合部を等価キャパシタンス6で示す。
【0013】
ここで、実施形態では、バラクタダイオード3の等価伝送線路4とスルーホールの等価インダクタンス5とを加算した合計インダクタンスに基づく3逓倍波でのインピーダンス(第1インピーダンス)と、キャパシタンス6の値に基づく3逓倍波でのインピーダンスの絶対値(第2インピーダンス)とが等しくなるように、キャパシタンス6の値を設定する。なお第1インピーダンスと第2インピーダンスとが厳密に同じ値である必要はなく、技術的要求の満たされる範囲でほぼ等しい値であればよい。次に、既存の逓倍器におけるフィルタ特性と比較して実施形態に係わる作用を説明する。
【0014】
図4は、比較のため従来の2逓倍器の一例を示すブロック図である。既存の2逓倍器は、実施形態に係わる周波数依存型フィルタを備えていない。バンドパスフィルタ2の出力に含まれる高調波(逓倍波)は、次数が高くなるに従い、一般にレベルが低下する。通常、取り出したい次数(実施形態では2)の高調波だけを通過させる特性を、バンドパスフィルタ2に持たせる。
【0015】
図5に示すように、既存の2逓倍器で、基本波と3逓倍波を抑圧するバンドパスフィルタ2を逓倍器1の出力に接続して、2逓倍波だけを取り出すようにしていた。動作周波数(入力信号の周波数)が固定的、あるいは狭帯域の信号であれば上記構成で特に不具合は無かった。しかし動作周波数を可変した場合には次のような問題がある。
【0016】
例えば基本周波数を20%下げた場合について説明する。基本波の周波数が20%下がると2逓倍波、3逓倍波の周波数も20%下がる。しかし、図6に示されるように、周波数の偏移量は2逓倍波で2倍、3逓倍波で3倍となる。このため、2逓倍波については辛うじてバンドパスフィルタ2の下限通過帯域内にあるため、レベルを確保することができるが、同時に、3逓倍波がバンドパスフィルタ2の通過帯域内に侵入してきてしまい、3逓倍波を抑圧できないことになる。3逓倍波を抑圧するためにバンドパスフィルタ2の通過帯域幅を狭くすると、取り出したい2逓倍波もバンドパスフィルタ2の通過帯域外に出てしまい、抑圧されてしまう。さらに、バンドパスフィルタ2の通過帯域幅を狭くして切り換える方法もあるが、切換用RFスイッチや余分なバンドパスフィルタを追加する必要があり、機器の大型化や高コスト化を招いていた。
【0017】
図7は、実施形態に係わる2逓倍器の特性の一例を示す図である。図7は、逓倍器1の出力に対する、バンドパスフィルタ2および周波数依存型フィルタの通過帯域特性を示す。先に述べたように、基本波の周波数が20%下がると2逓倍波、3逓倍波の周波数も20%下がり、図7に示すように、周波数の偏移量は、2逓倍波で2倍、3逓倍波で3倍となる。
【0018】
図7において、2逓倍波はバンドパスフィルタ2の下限通過帯域内のため、必要なレベルを確保できる。しかも、3逓倍波は、バラクタダイオード3の直列共振により対接地間インピーダンスが短絡するため、十分に抑圧可能となる。このように実施形態によれば、3逓倍波を十分に抑圧することができ、基本波が十分に抑圧されていることと相まって、2逓倍波だけを効果的に取り出すことが可能になる。
【0019】
図8は、図1に示される点(A)から見たバラクタダイオード短絡時のインピーダンスチャート図(スミスチャート)である。一例として、基本波の周波数を11GHz〜14GHzの範囲で可変するとする。この場合、2逓倍波は22GHz〜28GHz、3逓倍波は33GHz〜42GHzとなる。ここで、誘電体基板7の厚みを0.15mm、比誘電率を9.8とする。
【0020】
3逓倍波での33GHz〜42GHzにおける、図1の(A)点から見たバラクタダイオード3短絡時のインピーダンスは、図8に示されるようにj60Ω〜j110Ωとなる。現在、入手可能なミリ波用バラクタダイオード3の接合部の等価キャパシタンス6の可変範囲は0.025pF〜0.13pFあり、33GHz〜42GHzにおいて、十分に直列共振を実現することができる。なお、直列共振に必要な等価キャパシタンスの範囲は0.035pF〜0.08pFとなり、これも十分実現可能な範囲内にある。
【0021】
以上述べたように、実施形態によれば、バンドパスフィルタ2の通過帯域幅を保ったまま、3逓倍波を抑圧することができる。従って実施形態によれば、構成簡易にして動作周波数を可変可能な2逓倍器を提供することが可能となる。
【0022】
実施形態を説明したが、この実施形態は例として提示するものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。この実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0023】
1…逓倍器、2…バンドパスフィルタ、3…バラクタダイオード、4…等価伝送線路、5…等価インダクタンス、6…等価キャパシタンス、7…誘電体基板、8…スルーホール、9…導体パターン、10…マイクロストリップライン。

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