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公開番号2021033915
公報種別公開特許公報(A)
公開日20210301
出願番号2019156573
出願日20190829
発明の名称コンピュータプログラムおよびダム流入量予測プログラム並びにダム流入量予測システム
出願人株式会社日立パワーソリューションズ
代理人特許業務法人第一国際特許事務所
主分類G06Q 10/04 20120101AFI20210201BHJP(計算;計数)
要約【課題】例えばダム流入量のような予測対象とする現象を予測するに際し、帰納モデルでは洪水時の予測に困難があり、演繹モデルでは平水時の予測に困難があった。
【解決手段】予測対象とする現象を予測するコンピュータプログラムとして、現象に関連する入力データを取得する第1のステップと、入力データと所定の閾値とを比較して、演繹モデルを使用するか否かおよび帰納モデルを使用するか否かを判定する第2のステップと、演繹モデルを使用すると判定した場合に、演繹モデルを使って現象に関連する第1の予測データを出力する第3のステップと、帰納モデルを使用すると判定した場合に、帰納モデルを使って現象に関連する第2の予測データを出力する第4のステップと、第1の予測データおよび第2の予測データの少なくともどちらかを表示出力する第5のステップとを有する。
【選択図】 図5
特許請求の範囲【請求項1】
現象を予測するコンピュータプログラムであって、
前記現象に関連する入力データを取得する第1のステップと、
前記入力データと所定の閾値とを比較して、演繹モデルを使用するか否かおよび帰納モデルを使用するか否かを判定する第2のステップと、
前記演繹モデルを使用すると判定した場合に、前記演繹モデルを使って前記現象に関連する第1の予測データを出力する第3のステップと、
前記帰納モデルを使用すると判定した場合に、前記帰納モデルを使って前記現象に関連する第2の予測データを出力する第4のステップと、
前記第1の予測データおよび前記第2の予測データの少なくともどちらかを表示出力する第5のステップと
を有するコンピュータプログラム。
続きを表示(約 1,300 文字)【請求項2】
河川および気象に関する観測データを入力値とする入力部と、
前記入力値に対してダム流入量を予測して第1の予測結果を出力する演繹モデル部と、
前記入力値に対してダム流入量を予測して第2の予測結果を出力する帰納モデル部と、
前記第1の予測結果および前記第2の予測結果の少なくともいずれかを表示する表示部と
を備えるダム流入量予測システム。
【請求項3】
請求項2に記載のダム流入量予測システムであって、
前記入力値と所定の閾値との比較判定をする第1の判定部を備え、
前記第1の判定部は、前記比較判定の結果に応じて前記演繹モデル部および前記帰納モデル部それぞれを使用するか否かを決定する
ことを特徴とするダム流入量予測システム。
【請求項4】
請求項3に記載のダム流入量予測システムであって、
前記第1の予測結果と前記観測データとの偏差および前記第2の予測結果と前記観測データとの偏差を比較判定する第2の判定部を備え、
前記第2の判定部は、前記偏差が小さい方の前記予測結果を採用する
ことを特徴とするダム流入量予測システム。
【請求項5】
請求項2〜4のいずれか1項に記載のダム流入量予測システムであって、
前記演繹モデル部は、貯留関数といった集中型流出モデル、あるいは分布型流出モデルおよび1次元河道モデルの結合モデルを用い、
前記帰納モデル部は、ニューラルネットワーク、ランダムフォレスト、または重回帰モデルといった機械学習モデル、あるいは当該機械学習モデルそれぞれを組み合わせたアンサンブルモデルを用いる
ことを特徴とするダム流入量予測システム。
【請求項6】
コンピュータが実行するダム流入量予測プログラムであって、
河川および気象に関する観測データを取得する入力ステップと、
前記観測データと所定の閾値とを比較して、演繹モデルを使用するか否かおよび帰納モデルを使用するか否かを判定する判定ステップと、
前記演繹モデルを使用すると判定した場合に、前記演繹モデルを使ってダム流入量の第1の予測データを出力する第1の予測ステップと、
前記帰納モデルを使用すると判定した場合に、前記帰納モデルを使ってダム流入量の第2の予測データを出力する第2の予測ステップと、
前記第1の予測データおよび前記第2の予測データの少なくともどちらかを表示する表示ステップと
を有するダム流入量予測プログラム。
【請求項7】
請求項6に記載のダム流入量予測プログラムであって、
前記第1および前記第2の予測ステップと前記表示ステップとの間に、
前記第1の予測データと前記観測データとの偏差および前記第2の予測データと前記観測データとの偏差を比較判定し、前記偏差の小さい方の前記予測データを採用する第2の判定ステップ
を有するダム流入量予測プログラム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、コンピュータプログラムに関し、特に、ダム流入量を予測するプログラムおよびダム流入量予測システムに関する。
続きを表示(約 4,800 文字)【背景技術】
【0002】
ダム管理において、ダムからの放流量を決定することは重要な業務である。
例えば、洪水時には、下流河川に急激な水位上昇を起こさせないよう、かつ、下流河川の計画洪水流量を超えないよう、さらには、ダム貯水池の洪水時最高水位を超えないよう、ダムからの放流時系列を決定する。
【0003】
一方、平水時(洪水でない時)には、洪水時とは違った目的の操作が必要である。例えば、発電用ダムであれば、ダム貯水池水位をできるだけ高く保ち発電効率を高めつつ、電力需要が多くなる時間帯に指定された量の電力を生産することが必要である。
これら洪水時および平水時の操作には、数時間先までのダム流入量を予測することが重要である。
【0004】
このような用途のために、ダム流入量予測を実現する技術が開発されてきた。
先ず、特許文献1に開示された「水力発電所の水位管理システム」は、非定常時に必要な天気情報と河川の上流情報をデータ採取手段で入手してシミュレーションを行い、結果を運転員に分かり易くガイダンスして、運転員の負担の軽減を図り、非定常時に熟練運転員に頼らなくても運用することを可能にするシステムである。このシステムでは、河川の上流水位データに所定の着水遅れの時間処理をすることで、ダム流入量を算出する。
【0005】
また、特許文献2に開示された「水位予測方法、水位予測プログラムおよび水位予測装置」は、河川、ダムまたは下水等の水位を予測するために、ニューラルネットワークを利用する方法で、入力データを適切に抽出することにより、水位を十分に精度高く予測し、計算量を低減することを目的とした方法である。
【0006】
この方法は、水位予測地点およびある時刻の水位の学習に必要な、水位予測地点および当該時刻の水位との相関が高い雨量並びに水位の訓練データを抽出する訓練データ抽出ステップと、ニューラルネットワークを用いて、水位予測地点および当該時刻の水位との相関が高い抽出された雨量並びに水位の訓練データを学習する訓練データ学習ステップとを順に備えることを特徴とする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開2012−244884号公報
特開2019−095240号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1に開示された発明では、洪水時にダム上流の河川で観測した流量時系列を基に、あらかじめ定めた遅れ時間だけずらした時系列を作成し、それをダム流入量とするモデルを用いる。このモデルは、物理法則に基づく数理モデルのひとつであるともいえる。以後、物理法則に基づく数理モデルを「演繹モデル」と呼ぶ。
【0009】
一般的に、この演繹モデルは、物理法則を微分方程式で表現し、さらにそれをコンピュータプログラムで記述することにより時間発展するモデルを構築する。予測する場合、構築した演繹モデルに、予測対象の現象の原因となる現象のデータを入力し、予測対象の現象の予測データを出力する。
【0010】
一方、特許文献2に開示された発明では、ニューラルネットワークモデルを用いる。このモデルは、過去の事例データや統計に基づく数理モデルの一つであるともいえる。教師あり学習の人工知能(AI)もこの数理モデルの一つである。以後、これらの数理モデルを「帰納モデル」と呼ぶ。
【0011】
この帰納モデルは、予測対象の現象のデータ、およびその現象と相関があるデータを機械学習させ、モデルを構築する。予測する場合、構築した帰納モデルに、予測対象の現象と相関がある現象のデータを入力し、予測対象の現象の予測データを出力する。
【0012】
以上のように、ダム流入量の予測手法には、演繹モデルと帰納モデルの2つがある。
ここにおいて、帰納モデルの長所は、予測対象の現象の原因が分からない場合であっても、予測対象の現象と相関の高いデータがあれば、このモデルを適用できることである。ただし、相関を知るためには、十分な量の過去のデータが必要である。また、短所は、予測対象の現象が、ごく稀に発生する状態、あるいは過去に観測されたことのない状態となった場合、予測が困難となることである。例えば、既往最大を超える洪水に対して、信頼できる予測を出すことが難しい。
【0013】
一方で、演繹モデルの長所および短所は、先の帰納モデルの長所および短所と逆である。例えば、洪水でない状態(平水の状態)では、非人為的な要因(融雪、湧水など)、および人為的な要因(発電用水、農業用水など)の影響で流量が変動する。これらの影響は、流量が大きい洪水時には無視できる程度の影響であるが、流量の少ない平水時には無視できない影響を与える。したがって、演繹モデルでは、特定できない原因に起因する現象に対し、平水時に誤差の小さい予測を出すことが難しい。
【0014】
以上のように、帰納モデルでは、洪水時の予測に困難があり、演繹モデルでは、平水時の予測に困難があった。
本発明は、上述した課題に鑑みてなされたものであり、上述した課題を解決するために、平水時であっても洪水時であっても、誤差の小さい予測を出力することを可能にするダム流入量予測プログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明に係る、例えばダム流入量のような予測対象とする現象を予測するコンピュータプログラムとして、現象に関連する入力データを取得する第1のステップと、入力データと所定の閾値とを比較して、演繹モデルを使用するか否かおよび帰納モデルを使用するか否かを判定する第2のステップと、演繹モデルを使用すると判定した場合に、演繹モデルを使って現象に関連する第1の予測データを出力する第3のステップと、帰納モデルを使用すると判定した場合に、帰納モデルを使って現象に関連する第2の予測データを出力する第4のステップと、第1の予測データおよび第2の予測データの少なくともどちらかを表示出力する第5のステップとを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、平水と洪水との別を自動的に判定し、平水の場合は帰納モデルを使い、洪水の場合は演繹モデルを使うことで、平水時であっても洪水時であっても、誤差の小さい予測を出力することを可能にするダム流入量予測プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
本発明に係る実施例を実現するためのコンピュータシステムの構成を示す概略ブロック図である。
本発明に係る実施例を実現するためのコンピュータシステムによって実行される処理を示すシーケンス図である。
ダム流入量予測プログラムのソフトウェア構成を示す概略ブロック図である。
ダム流入量予測プログラムの処理を示すシーケンス図である。
ダム流入量予測プログラムによる第1のGUIを示す図である。
ダム流入量予測プログラムによる第2のGUIを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明を実施するための形態として、実施例を添付図面に基づいて説明する。
【実施例】
【0019】
図1は、本発明に係る実施例を実現するためのコンピュータシステムの構成を示す概略ブロック図である。
本実施例のコンピュータシステムは、インターネット160に接続される、予測サーバ110、データサーバ180およびクライアント端末170によって構成される。
【0020】
予測サーバ110は、メモリ120、CPU(Central Processing Unit)130およびHDD(Hard Disk Drive)140を備える。
【0021】
メモリ120には、ダム流入量予測プログラム121が展開される。このダム流入量予測プログラム121は、CPU130への命令によって構成される。
【0022】
CPU130は、ダム流入量予測プログラム121の命令に従った計算、データサーバ180へのアクセス、クライアント端末170からのリクエストへの応答などの処理を行う。ダム流入量予測プログラム121が実行する処理は、実際には、ダム流入量予測プログラム121に記述された命令に従うCPU130によって実行される。
HDD140は、ダム流入量予測プログラム121の処理結果を格納する。
【0023】
クライアント端末170は、例えば、PC(Personal Computer)のように、ウェブブラウザを動作させる機能を有するコンピュータである。
【0024】
データサーバ180は、気象データ181、河川観測データ182および地図データ183を格納し、予測サーバ110およびクライアント端末170からのリクエストに応じてそれぞれのデータを配信する。
【0025】
次に、データサーバ180に格納する各種のデータについて説明する。
気象データ181は、過去の気象観測時系列、あるいは未来の気象予測時系列のデータであり、時系列のメッシュデータとして格納される。すなわち、時空間を時間、高度、緯度および経度の4軸で定義し、それぞれの軸ごとに、開始点、終了点および解像度が定義され、それに基づいて時空間がセルに分割され、各セルに値が格納される。
【0026】
ユーザは、時間、高度、緯度および経度を指定すると、それに相当する値を取得することができる。ただし、定義する軸は4つに限定されない。例えば、地表面のみに定義されるデータであれば、時間、緯度および経度の3軸から構成される。あるいは、予報であれば、初期時刻軸が追加で用いられる。
【0027】
河川観測データ182は、過去の河川観測時系列、あるいは未来の河川予測時系列のデータである。これには、観測地点における河川水位、河川流量、ダム流入量、ダム放流量およびダム貯水位置水位などが含まれる。また、河川観測データ182は、観測要素を列、日付および時刻を行とする表形式として格納される。ここで、未来の河川予測時系列とは、例えば、上流にあるダムの予定放流時系列である。
【0028】
地図データ183は、地図画像のデータであり、例えば、WMTS(Web Map Tile Service)に準拠して実装すればよい。さらに、地図データ183として、河道横断図や河道縦断図などのデータが含まれる。
【0029】
図2は、本発明に係る実施例を実現するためのコンピュータシステムによって実行される処理を示すシーケンス図である。
ステップ201(S201)で、予測サーバ110は、データサーバ180にリクエストを送り、気象データ181および河川観測データ182を取得する。
【0030】
ステップ202(S202)で、予測サーバ110は、ダム流入量予測プログラム121を実行する。この処理結果として出力されたダム流入量予測結果データが、HDD140に格納される。
(【0031】以降は省略されています)

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