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公開番号2021033203
公報種別公開特許公報(A)
公開日20210301
出願番号2019156504
出願日20190829
発明の名称トナー
出願人キヤノン株式会社
代理人特許業務法人秀和特許事務所
主分類G03G 9/097 20060101AFI20210201BHJP(写真;映画;光波以外の波を使用する類似技術;電子写真;ホログラフイ)
要約【課題】フィラーを添加することによる低温定着性の低下の抑制及びフィラーによる優れた割れ欠け抑制効果を両立できるトナー。
【解決手段】結着樹脂及び有機ケイ素重合体を含有するトナー粒子を含むトナーであって、該有機ケイ素重合体は、有機ケイ素重合体粒子を含み、該有機ケイ素重合体粒子は、下記式(1)で表される構造を含み、
R1-SiO3/2 (1)
式(1)中、R1は炭素数1以上4以下のアルキル基であり、透過型電子顕微鏡による該トナー粒子の断面観察において、該トナー粒子の該断面の重心から該断面の輪郭までの距離Aのうち、重心から距離Aの80%以下の領域に該有機ケイ素重合体粒子が存在しており、該有機ケイ素重合体粒子の粒径が、10nm以上200nm以下であることを特徴とするトナー。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
結着樹脂及び有機ケイ素重合体を含有するトナー粒子を含むトナーであって、
該有機ケイ素重合体は、有機ケイ素重合体粒子を含み、
該有機ケイ素重合体粒子は、下記式(1)で表される構造を含み、


−SiO
3/2
(1)
式(1)中、R

は炭素数1以上4以下のアルキル基であり、
透過型電子顕微鏡による該トナー粒子の断面観察において、
該トナー粒子の該断面の重心から該断面の輪郭までの距離Aのうち、重心から距離Aの80%以下の領域に該有機ケイ素重合体粒子が存在しており、
該有機ケイ素重合体粒子の粒径が、10nm以上200nm以下であることを特徴とするトナー。
続きを表示(約 810 文字)【請求項2】
前記トナー粒子中の前記有機ケイ素重合体の含有量が、0.05質量%以上5.00質量%以下である請求項1に記載のトナー。
【請求項3】
前記トナー粒子のテトラヒドロフランTHF不溶分の
29
Si−NMRの測定において、前記有機ケイ素重合体の全ピーク面積に対する、下記式(T3)で表される構造のピーク面積の割合ST3が、0.60以上0.90以下である請求項1又は2に記載のトナー。


−SiO
3/2
(T3)
(式(T3)中、R

は炭素数1〜4のアルキル基を表す。)
【請求項4】
前記結着樹脂のSP値をSPb、前記有機ケイ素重合体粒子のSP値をSPsとしたとき、下記式(2)を満たす請求項1〜3のいずれか一項に記載のトナー。
|SPb−SPs|≦1.0 (2)
【請求項5】
前記トナー粒子は、前記有機ケイ素重合体を前記トナー粒子の表面にも有する請求項1〜4のいずれか一項に記載のトナー。
【請求項6】
前記トナー粒子は、表面に下記式(3)で表される構造を有する有機ケイ素重合体を有する請求項1〜5のいずれか一項に記載のトナー。


−SiO
3/2
(3)
(式(3)中、R

は炭素数1以上4以下のアルキル基である。)
【請求項7】
前記トナー粒子中の、前記有機ケイ素重合体粒子の含有量が、0.05質量%以上1.50質量%以下である請求項1〜6のいずれか一項に記載のトナー。
【請求項8】
前記式(1)中、R

は炭素数1又は2のアルキル基である請求項1〜7のいずれか一項に記載のトナー。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真法、静電記録法、トナージェット方式記録法などの方法によって形成される静電潜像を現像するためのトナーに関する。
続きを表示(約 9,700 文字)【背景技術】
【0002】
近年、複写機やプリンター、ファックスにおいては、省エネルギー化が大きな技術的課題として考えられており、画像定着装置にかかる熱量の大幅な削減が望まれている。したがって、トナーにおいては、より低エネルギーでの画像定着が可能な、いわゆる「低温定着性」のニーズが高まっている。
トナーの低温定着性を改善するための一般的な方法としては、使用する結着樹脂の軟化を目的としてガラス転移温度(Tg)を低くする方法が挙げられる。しかし、定着時の結着樹脂粘度を低下させて低温定着性を向上させる方法においては、定着部材との離型性不足によるオフセットの発生や、トナーの強度低下によってトナー粒子の割れや欠けが生じ、現像部材へのトナーの融着が起こりやすくなる。
【0003】
ガラス転移温度(Tg)を維持しながら、トナー強度を高めるために、結着樹脂の分子量を大きくしたり、結着樹脂に架橋構造を持たせたりすることが一般的に行われている。しかし、この方法のみでは一定以上にトナー強度を高めると、必然的に低温定着性が損なわれることとなる。
例えば特許文献1では、トナー粒子中に無機微粒子を添加することで、従来のフィラー効果とは別に、帯電安定化させるとともに、トナー粒子表面へ露出した無機微粒子によって、高い流動性を付与し、外添剤の埋没を抑制する方法が開示されている。
また、特許文献2では、パールネックレス状のシリカを添加することによって、トナー強度を大きくする方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2006−184297号公報
特開2009−42386号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1によれば、確かに画質の長期安定化が図れるが、無機微粒子の添加量に応じてフィラー効果が高くなることで、トナーの低温定着性が阻害されることがわかった。
また、特許文献2によれば、一般的なシリカに比べトナー強度を大きくすることができるが、十分な効果を得ることができる量を添加した場合には、やはり低温定着性が阻害されてしまうことがわかった。
本発明は、フィラーを添加することによる低温定着性の低下の抑制及びフィラーによる優れた割れ欠け抑制効果を両立できるトナーを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
結着樹脂及び有機ケイ素重合体を含有するトナー粒子を含むトナーであって、
該有機ケイ素重合体は、有機ケイ素重合体粒子を含み、
該有機ケイ素重合体粒子は、下記式(1)で表される構造を含み、


−SiO
3/2
(1)
式(1)中、R

は炭素数1以上4以下のアルキル基であり、
透過型電子顕微鏡による該トナー粒子の断面観察において、
該トナー粒子の該断面の重心から該断面の輪郭までの距離Aのうち、重心から距離Aの80%以下の領域に該有機ケイ素重合体粒子が存在しており、
該有機ケイ素重合体粒子の粒径が、10nm以上200nm以下であることを特徴とするトナー。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、フィラーを添加することによる低温定着性の低下の抑制及びフィラーによる優れた割れ欠け抑制効果を両立できるトナーを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
トナー中の有機ケイ素重合体粒子の存在状態を示す模式図
【発明を実施するための形態】
【0009】
数値範囲を表す「XX以上YY以下」や「XX〜YY」の記載は、特に断りのない限り、端点である下限及び上限を含む数値範囲を意味する。
数値範囲が段階的に記載されている場合、各数値範囲の上限及び下限は任意に組み合わせることができる。
本発明のトナーは、結着樹脂及び有機ケイ素重合体を含有するトナー粒子を含むトナーであって、
該有機ケイ素重合体は、有機ケイ素重合体粒子を含み、
該有機ケイ素重合体粒子は、下記式(1)で表される構造を含み、


−SiO
3/2
(1)
式(1)中、R

は炭素数1以上4以下のアルキル基であり、
透過型電子顕微鏡による該トナー粒子の断面観察において、
該トナー粒子の該断面の重心から該断面の輪郭までの距離Aのうち、重心から距離Aの80%以下の領域に該有機ケイ素重合体粒子が存在しており、
該有機ケイ素重合体粒子の粒径が、10nm以上200nm以下であることを特徴とする。
【0010】
すなわち、有機ケイ素重合体粒子をトナー粒子内部に有することで、低温定着性及び長期使用によるトナー粒子の割れ欠けの抑制を両立することができる。
これは、有機ケイ素重合体粒子の構造中のR

で示されるアルキル基に由来しているものと考えている。すなわち、アルキル基を有することでトナー粒子の結着樹脂と有機ケイ素重合体粒子との親和性が高まるため、低温定着性への影響が少なく、かつ高い割れ欠け抑制効果を発現できると推定している。
そのため、該有機ケイ素重合体粒子の構造中のR

の炭素数が1以上4以下である場合、少ない添加量にも関わらず、優れたフィラー効果による割れ欠け抑制効果が発現し、低温定着性への影響が極めて少ないトナー粒子を得ることができる。
【0011】
一方、式(1)中、R

がアルキル基でない場合、結着樹脂との親和性が乏しいためフィラー効果が発現しにくく、割れ欠け抑制効果が発現しにくい。一方、R

の炭素数が4よりも大きい場合、結着樹脂との親和性が高くなりすぎるために、低温定着性が低下する懸念がある。
【0012】
なお、有機ケイ素重合体粒子がトナー粒子に内包されることを、図1に示されるように、トナー粒子の断面の重心から断面の輪郭までの距離Aのうち、重心から距離Aの80%以下の領域に有機ケイ素重合体粒子が存在することと定義している。なお、有機ケイ素重合体粒子は、トナー粒子内部へ分散していればよく、トナー粒子表面に存在していてもよい。トナー粒子内部の有機ケイ素重合体粒子に加えて、トナー粒子表面にも有機ケイ素重合体が存在することが好ましい。
距離Aの80%以下の領域に有機ケイ素重合体粒子が存在すると、十分にトナー粒子表面から離れているために、フィラーとしての効果がトナー粒子全体に寄与できる。
該重心から距離Aの80%以下の領域に有機ケイ素重合体粒子を存在させるためには、有機ケイ素重合体粒子を重合性単量体や顔料などと混合し、重合性単量体組成物を得る際の分散時間、分散強度、有機ケイ素重合体粒子の量などを調整することにより任意に存在位置を制御することができる。
【0013】
また、有機ケイ素重合体粒子の粒径が小さすぎる場合、低温定着性を損なってしまう傾向があり、有機ケイ素重合体粒子の粒径が大きすぎる場合、割れ欠け抑制効果が小さい傾向がある。そのため、有機ケイ素重合体粒子の個数平均粒径は、10nm以上200nm以下である必要がある。当該範囲であると、きわめて優れたフィラー効果が発現するものと考えている。
該個数平均粒径は、好ましくは15nm〜180nmであり、より好ましくは40nm〜120nmである。
【0014】
有機ケイ素重合体粒子は、下記式(1)で表される構造を有する。


−SiO
3/2
(1)
式中、R

は炭素数1以上4以下のアルキル基である。
式(1)の構造を有する有機ケイ素重合体において、Si原子の4個の原子価のうち1個はR

と、残り3個はO原子と結合している。O原子は、原子価2個がいずれもSiと結合している状態、つまり、シロキサン結合(Si−O−Si)を構成する。有機ケイ素重合体としてのSi原子とO原子を考えると、Si原子2個でO原子3個を有することになるため、−SiO
3/2
と表現される。この有機ケイ素重合体の−SiO
3/2
構造は、多数のシロキサン結合で構成されるシリカ(SiO

)と類似の性質を有することが考えられる。
【0015】
式(1)で表される構造において、R

は炭素数1以上4以下のアルキル基であり、炭素数1以上3以下のアルキル基であることがより好ましく、炭素数1又は2のアルキル基であることがさらに好ましい。
炭素数が1以上3以下のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基が好ましく例示できる。特に好ましくは、R

はメチル基である。
有機ケイ素重合体粒子(有機ケイ素重合体)は、下記式(Z)で表される構造を有する有機ケイ素化合物を含む化合物の縮重合物であることが好ましい。
【0016】
【0017】
式(Z)中、R

は、炭素数1以上4以下のアルキル基を表す。R

、R

及びR

は、それぞれ独立して、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、アセトキシ基、又は、(好ましくは炭素数1〜4、より好ましくは炭素数1〜3の)アルコキシ基を表す。)


は炭素数1以上3以下のアルキル基であることが好ましく、メチル基であることがより好ましい。R

、R

及びR

は、反応基ともいう。
これらの反応基が加水分解、付加重合及び縮重合して架橋構造を形成する。加水分解性が室温で穏やかであり、有機ケイ素重合体の析出性の観点から、炭素数1〜3のアルコキシ基であることが好ましく、メトキシ基やエトキシ基であることがより好ましい。
また、R

、R

及びR

の加水分解、付加重合及び縮合重合は、反応温度、反応時間
、反応溶媒及びpHによって制御することができる。有機ケイ素重合体を得るには、上記に示す式(Z)中のR

を除く一分子中に3つの反応基(R

、R

及びR

)を有する有機ケイ素化合物(以下、三官能性シランともいう)を1種又は複数種を組み合わせて用いるとよい。
【0018】
上記式(Z)で表される化合物としては以下のものが挙げられる。
メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルジエトキシメトキシシラン、メチルエトキシジメトキシシラン、メチルトリクロロシラン、メチルメトキシジクロロシラン、メチルエトキシジクロロシラン、メチルジメトキシクロロシラン、メチルメトキシエトキシクロロシラン、メチルジエトキシクロロシラン、メチルトリアセトキシシラン、メチルジアセトキシメトキシシラン、メチルジアセトキシエトキシシラン、メチルアセトキシジメトキシシラン、メチルアセトキシメトキシエトキシシラン、メチルアセトキシジエトキシシラン、メチルトリヒドロキシシラン、メチルメトキシジヒドロキシシラン、メチルエトキシジヒドロキシシラン、メチルジメトキシヒドロキシシラン、メチルエトキシメトキシヒドロキシシラン、メチルジエトキシヒドロキシシランのような三官能性のメチルシラン。
エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリクロロシラン、エチルトリアセトキシシラン、エチルトリヒドロキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、プロピルトリクロロシラン、プロピルトリアセトキシシラン、プロピルトリヒドロキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、ブチルトリエトキシシラン、ブチルトリクロロシラン、ブチルトリアセトキシシラン、ブチルトリヒドロキシシランのような三官能性のシラン。
【0019】
また、本発明の効果を損なわない程度に、式(Z)で表される構造を有する有機ケイ素化合物とともに、以下を併用して得られた有機ケイ素重合体粒子を用いてもよい。一分子中に4つの反応基を有する有機ケイ素化合物(四官能性シラン)、一分子中に式(Z)以外の3つの反応基を有する有機ケイ素化合物(三官能性シラン)、一分子中に2つの反応基を有する有機ケイ素化合物(二官能性シラン)又は1つの反応基を有する有機ケイ素化合物(一官能性シラン)。さらに、一分子中に不飽和結合を有する有機ケイ素化合物(ビニルシラン)。例えば以下のようなものが挙げられる。
【0020】
テトラエトキシシランのような四官能性シラン。ヘキシルトリメトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、ヘキシルトリクロロシラン、ヘキシルトリアセトキシシラン、ヘキシルトリヒドロキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリクロロシラン、フェニルトリアセトキシシラン、フェニルトリヒドロキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエメトキシシラン、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリエトキシシランのような三官能性シラン。ジメチルジエトキシシラン、ヘキサメチルジシラザンのような二官能性シラン。ビニルトリイソシアネートシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルジエトキシメトキシシラン、ビニルエトキシジメトキシシラン、ビニルエトキシジヒドロキシシラン、ビニルジメトキシヒドロキシシラン、ビニルエトキシメトキシヒドロキシシラン、ビニルジエトキシヒドロキシシランのような三官能性シラン。
【0021】
トナー粒子中の有機ケイ素重合体の含有量は、0.05質量%以上5.00質量%以下であることが好ましく、0.15質量%以上4.50質量%以下であることがより好ましい。有機ケイ素重合体を0.05質量%以上含むことでより優れた割れ欠け抑制効果が発現する。また、5.00質量%以下であればより優れた低温定着性が得られる。
また、トナー粒子中の有機ケイ素重合体粒子の含有量は、0.05質量%以上1.50質量%以下であることが好ましい。
また、トナー粒子が表面に有機ケイ素重合体を有する場合、トナー粒子表面の有機ケイ素重合体を除外したものをトナー母粒子としたとき、トナー母粒子中の該有機ケイ素重合体粒子の含有量は、0.05質量%以上1.50質量%以下であることが好ましい。
この範囲であればトナー母粒子として、特に優れた割れ欠け抑制効果が発現しつつも、きわめて優れた低温定着性が発現する。
また、トナー粒子が表面に有機ケイ素重合体を有する場合、トナー粒子表面の有機ケイ素重合体の含有量は、1.00質量%以上4.50質量%以下であることが好まく、1.50質量%以上3.50質量%以下であることがより好ましい。
【0022】
トナー粒子のテトラヒドロフランTHF不溶分の
29
Si−NMRの測定において、有機ケイ素重合体の全ピーク面積に対する、下記式(T3)で表される構造のピーク面積の割合ST3が、0.60以上0.90以下であることが好ましく、0.70以上0.85以下であることがより好ましい。


−SiO
3/2
(T3)
(式(T3)中、R

は炭素数1〜4のアルキル基を表す。)
[ST3]が0.60以上0.90以下であれば、有機ケイ素重合体の縮合度が十分であり、より優れた割れ欠け抑制効果が発現する。ST3は、有機ケイ素化合物を添加した後の、有機ケイ素化合物から有機ケイ素重合体を形成しする反応の時間と温度及びpHを調整することにより制御できる。
【0023】
結着樹脂のSP値をSPbとし、有機ケイ素重合体粒子のSP値をSPsとしたときに、下記式(2)を満たすことで、わずかな添加量においても、優れたフィラー効果による割れ欠け抑制効果が発現する。|SPb−SPs|の下限は特に制限されないが、好ましくは0.0以上である。
|SPb−SPs|≦1.0 (2)
式(2)を満たすことは、結着樹脂と有機ケイ素重合体粒子の親和性が高いことを表している。有機ケイ素重合体粒子の添加量が極少量であっても、フィラー効果が発現するため、優れた低温定着性との両立が容易になる。
【0024】
溶解度パラメータ(SP値)とは値が近いもの同士が親和し易いことを示すパラメータのことである。SP値は一般的に使用されているFedors法[Poly.Eng.Sci.,14(2)147(1974)]により、構成されるモノマーの種類とモル比率から算出することができる。
SP値の単位は、(cal/cm


1/2
であるが、1(cal/cm


1/2
=2.046×10

(J/m


1/2
によって(J/m


1/2
の単位に換算することができる。
【0025】
結着樹脂は特に制限されず、公知のものを用いることができる。結着樹脂は、スチレンアクリル系共重合体を含むことが好ましい。
スチレンアクリル系共重合体は、スチレン系単量体とアクリル系単量体(アクリル酸又はメタクリル酸及びそれらのアルキルエステル)との共重合体である。
ここで、スチレンアクリル系共重合体は、スチレンアクリル系共重合体のみから構成された状態で結着樹脂中に含有されていてもよいし、他の重合体などとのブロック共重合体、グラフト共重合体、又はそれらの混合物の状態で結着樹脂中に含有されていてもよい。
【0026】
また、結着樹脂中のスチレンアクリル系共重合体の含有量は、好ましくは50質量%以上であり、80質量%以上100質量%以下であることがより好ましい。
結着樹脂が、スチレンアクリル系共重合体を含有することで、トナーの現像特性及び耐久性が向上する。
なお、結着樹脂には、スチレンアクリル系共重合体以外に、トナーに用いられる公知の
樹脂又は重合体を用いることができる。
【0027】
スチレン系単量体としては、以下のものが挙げられる。
スチレン、α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、ジビニルベンゼンなど。
スチレン系単量体は一種類で用いることもできるが、これらの中から選ばれる二種以上を組み合わせて用いることもできる。
【0028】
アクリル系単量体としては、以下のものが挙げられる。
メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、iso−プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、iso−ブチルアクリレート、tert−ブチルアクリレート、n−アミルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、n−ノニルアクリレート、n−デシルアクリレート、n−ドデシルアクリレートのようなアクリル酸アルキルエステル類;
メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、iso−プロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、iso−ブチルメタクリレート、tert−ブチルメタクリレート、n−アミルメタクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、n−オクチルメタクリレート、n−ノニルメタクリレート、n−デシルメタクリレート、n−ドデシルメタクリレートのようなメタクリル酸アルキルエステル類;
ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレートなどのアクリル酸ジエステル類;
アクリル酸、メタクリル酸など。
該アクリル系単量体は一種類で用いることもできるが、これらの中から選ばれる二種以上を組み合わせて用いることもできる。
【0029】
結着樹脂のガラス転移温度(Tg)はスチレン系単量体とアクリル系単量体の重合比率を調整することにより所望の範囲とすることができる。
具体的には、スチレン系単量体とアクリル系単量体との重合比率(スチレン系単量体:アクリル系単量体)は、質量基準で、65:35〜100:0であることが好ましく、70:30〜85:15であることがより好ましい。
結着樹脂のガラス転移温度(Tg)は、25℃以上65℃以下であることが好ましい。
【0030】
トナー粒子の製造時、結着樹脂の重合には重合開始剤を用いてもよい。重合開始剤としては、過酸化物系重合開始剤、アゾ系重合開始剤など様々なものが使用できる。
有機系の過酸化物系重合開始剤としては、例えば、パーオキシエステル、パーオキシジカーボネート、ジアルキルパーオキサイド、パーオキシケタール、ケトンパーオキサイド、ハイドロパーオキサイド、ジアシルパーオキサイドが挙げられる。
具体例としては、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ヘキシルパーオキシアセテート、t−ヘキシルパーオキシピバレート、t−ヘキシルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキシルモノカーボネートなどのパーオキシエステル;
ベンゾイルパーオキサイドなどのジアシルパーオキサイド;ジイソプロピルパーオキシジカーボネートなどのパーオキシジカーボネート;1,1−ジ−t−ヘキシルパーオキシシクロヘキサンなどのパーオキシケタール;ジ−t−ブチルパーオキサイドなどのジアルキルパーオキサイド;その他としてt−ブチルパーオキシアリルモノカーボネートなどが挙げられる。
なお、メチルエチルケトンペルオキシド、ジイソプロピルオキシカーボネート、クメン
ヒドロペルオキシド、2,4−ジクロロベンゾイルペルオキシド、ラウロイルペルオキシドなどを用いることもできる。
(【0031】以降は省略されています)

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