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公開番号2021033188
公報種別公開特許公報(A)
公開日20210301
出願番号2019156274
出願日20190829
発明の名称トナー
出願人キヤノン株式会社
代理人特許業務法人秀和特許事務所
主分類G03G 9/08 20060101AFI20210201BHJP(写真;映画;光波以外の波を使用する類似技術;電子写真;ホログラフイ)
要約【課題】優れた画質を示した上で、長期の画像出力においても、優れた耐ホットオフセット性、現像性、及び転写性を維持できるトナー。
【解決手段】ポリエステル樹脂及びオレフィン系ワックスを含有するトナー粒子を含有するトナーであって、該トナーの個数基準におけるメジアン径D50が、3.0μm以上6.0μm以下であり、該トナーを個数基準で概ね均等に二分して得られる大粒径側粒子群と小粒径側粒子群についてのFT-IRスペクトルにおいて、2843cm-1以上2853cm-1以下の範囲の最大吸収ピーク強度の1713cm-1以上1723cm-1以下の範囲の最大吸収ピーク強度に対する比が特定の関係にあるトナー。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
ポリエステル樹脂及びオレフィン系ワックスを含有するトナー粒子を含有するトナーであって、
該トナーの個数基準におけるメジアン径D50が、3.0μm以上6.0μm以下であり、
慣性分級方式の分級機により該トナーを、大粒径側と小粒径側とに個数基準で概ね均等に二分して得られた大粒径側粒子群と小粒径側粒子群について、
ATR法を用い、ATR結晶としてGeを用い、赤外光入射角を45°とした条件で、該小粒径側粒子群を測定して得られたFT−IRスペクトルにおいて、該オレフィン系ワックスに含有されるアルキル由来のピーク強度(2843cm
−1
以上2853cm
−1
以下の範囲の最大吸収ピーク強度)の該ポリエステル樹脂のカルボニル由来のピーク強度(1713cm
−1
以上1723cm
−1
以下の範囲の最大吸収ピーク強度)に対する比をAsとし、
ATR法を用い、ATR結晶としてGeを用い、赤外光入射角を45°とした条件で、該大粒径側粒子群を測定して得られたFT−IRスペクトルにおいて、該オレフィン系ワックスに含有されるアルキル由来のピーク強度(2843cm
−1
以上2853cm
−1
以下の範囲の最大吸収ピーク強度)の該ポリエステル樹脂のカルボニル由来のピーク強度(1713cm
−1
以上1723cm
−1
以下の範囲の最大吸収ピーク強度)に対する比をAlとしたとき、
下記式(1)を満たすことを特徴とするトナー。
0.10≦ As/Al ≦0.90 ・・・(1)
続きを表示(約 560 文字)【請求項2】
前記トナーの個数基準の粒度分布において、小粒子側からの累積値が10個数%となる粒径をD10とし、小粒子側からの累積値が90個数%となる粒径をD90としたとき、下記式(2)で得られるスパン値が、0.7以上2.0以下である請求項1に記載のトナー。
スパン値=(D90−D10)/D50 ・・・(2)
【請求項3】
下記式(3)を満たす請求項1又は2に記載のトナー。
0.10≦ As/Al ≦0.75 ・・・(3)
【請求項4】
前記トナー粒子が、ポリオレフィンにビニル系ポリマーが結合している重合体を含有する請求項1〜3のいずれか一項に記載のトナー。
【請求項5】
前記Asが、0.05〜0.20である請求項1〜4のいずれか一項に記載のトナー。
【請求項6】
前記Alが、0.15〜0.50である請求項1〜5のいずれか一項に記載のトナー。
【請求項7】
前記オレフィン系ワックスが、フィッシャートロプシュワックスを含む請求項1〜6のいずれか一項に記載のトナー。
【請求項8】
前記ポリエステル樹脂が、非晶性ポリエステル樹脂を含む請求項1〜7のいずれか一項に記載のトナー。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真方式、静電記録方式、及び、静電印刷方式などに用いられるトナーに関する。
続きを表示(約 12,000 文字)【背景技術】
【0002】
近年、電子写真方式のフルカラー複写機が広く普及するに従い、更なる高速化、高画質化はもちろんのこと、画像濃度の安定化の向上も要求されている。
具体的な高画質化対応策としては、ドット再現性を高めるため、小粒径のトナーが求められている。
そこで、ドット再現性を高めるため、小粒径かつ粒度分布がシャープなトナーが提案されている(特許文献1)。
さらに、粒度分布にばらつきがあるトナーに対して、帯電性能や歩留まりを良くするため、ケイ酸微粒子の被覆率をその粒径範囲ごとに調整したトナーも提案されている(特許文献2)。
また、具体的な画像濃度の安定化策としては、低湿環境下でも帯電量が大きくなりすぎないトナーが求められている。
そこで、低湿環境下でも帯電量が大きくならない外添設計がなされたトナーが提案されている(特許文献3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2016−128885号公報
特開2006−145800号公報
特開平04−316056号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の小粒径トナーは、常温常湿環境下における画像出力では、良好な画質が得られる。しかし、粒径に依らず、一律のシェル層及び無機微粒子の被覆率を有しているため、表面電荷密度は一定である。そのために、粒径が小さくなることにより表面積が減るため、トナー1粒当たりの帯電量が小さくなっている。
この現象は、高温高湿環境下における小粒径トナーの粒度分布のうち、さらに微粉側のトナーでより顕著に現れ、帯電量が小さいことから電界への追従性が低下する。その結果、電子写真方式における転写工程において、静電潜像担持体から中間転写体あるいはメディアへ電界を用いて転写を試みると、トナーの転写性が低下する場合があることがわかった。また、AC現像システムにおいては、静電潜像担持体からの引き戻しバイアスによる力が弱いため、静電潜像担持体にトナーが付着したままとなり、カブリが発生する場合があることがわかった。
また、特許文献2に記載のトナーは、粒径範囲ごとに無機微粒子の被覆率を調整しているため、粒径により表面電荷密度が異なる。しかし、微粉側のトナーの帯電性能を抑える方向に被覆率を調整しているため、転写性は低下し、カブリがより顕著に発生する場合があることがわかった。
【0005】
また、特許文献3に記載のトナーは、画像濃度安定性は良化する。しかし、高画質の観点からこの無機微粒子を小粒径トナーに適用すると、比表面積の観点から被覆率は下がるため、トナー1粒あたりの帯電量が小さくなる。その結果、静電潜像担持体から中間転写体あるいはメディア上へのトナーの転写性が低下する場合があることがわかった。
また、AC現像システムにおいては、静電潜像担持体に付着したトナーの帯電量が小さいことにより、静電潜像担持体からの引き戻しバイアスによる力より付着力が勝る。そのため、静電潜像担持体にトナーが付着したままとなり、カブリが発生する場合があることがわかった。
一方、その対策としてトナー1粒あたりの帯電量を高くするため、無機微粒子の添加量を多くすると、単位質量当たりの帯電量が高くなりすぎるため、静電潜像が少量のトナーによって埋められてしまい、画像濃度が低下し、画像濃度安定性が低下する場合があることがわかった。
以上のことから、優れた画質を示した上で、長期の画像出力においても、現像性や転写性が変化しにくいトナーの開発が急務となっている。本発明は、優れた画質を示した上で、長期の画像出力においても、優れた耐ホットオフセット性、現像性、及び転写性を維持できるトナーを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
ポリエステル樹脂及びオレフィン系ワックスを含有するトナー粒子を含有するトナーであって、
該トナーの個数基準におけるメジアン径D50が、3.0μm以上6.0μm以下であり、
慣性分級方式の分級機により該トナーを、大粒径側と小粒径側とに個数基準で概ね均等に二分して得られた大粒径側粒子群と小粒径側粒子群について、
ATR法を用い、ATR結晶としてGeを用い、赤外光入射角を45°とした条件で、該小粒径側粒子群を測定して得られたFT−IRスペクトルにおいて、該オレフィン系ワックスに含有されるアルキル由来のピーク強度(2843cm
−1
以上2853cm
−1
以下の範囲の最大吸収ピーク強度)の該ポリエステル樹脂のカルボニル由来のピーク強度(1713cm
−1
以上1723cm
−1
以下の範囲の最大吸収ピーク強度)に対する比をAsとし、
ATR法を用い、ATR結晶としてGeを用い、赤外光入射角を45°とした条件で、該大粒径側粒子群を測定して得られたFT−IRスペクトルにおいて、該オレフィン系ワックスに含有されるアルキル由来のピーク強度(2843cm
−1
以上2853cm
−1
以下の範囲の最大吸収ピーク強度)の該ポリエステル樹脂のカルボニル由来のピーク強度(1713cm
−1
以上1723cm
−1
以下の範囲の最大吸収ピーク強度)に対する比をAlとしたとき、
下記式(1)を満たすことを特徴とするトナー。
0.10≦ As/Al ≦0.90 ・・・(1)
【発明の効果】
【0007】
本発明により、優れた画質を示した上で、長期の画像出力においても、優れた耐ホットオフセット性、現像性、及び転写性を維持できるトナーを提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
数値範囲を表す「XX以上YY以下」や「XX〜YY」の記載は、特に断りのない限り、端点である下限及び上限を含む数値範囲を意味する。
ポリエステル樹脂及びオレフィン系ワックスを含有するトナー粒子を含有するトナーであって、
該トナーの個数基準におけるメジアン径D50が、3.0μm以上6.0μm以下であり、
慣性分級方式の分級機により該トナーを、大粒径側と小粒径側とに個数基準で概ね均等に二分して得られた大粒径側粒子群と小粒径側粒子群について、
ATR法を用い、ATR結晶としてGeを用い、赤外光入射角を45°とした条件で、該小粒径側粒子群を測定して得られたFT−IRスペクトルにおいて、該オレフィン系ワ
ックスに含有されるアルキル由来のピーク強度(2843cm
−1
以上2853cm
−1
以下の範囲の最大吸収ピーク強度)の該ポリエステル樹脂のカルボニル由来のピーク強度(1713cm
−1
以上1723cm
−1
以下の範囲の最大吸収ピーク強度)に対する比をAsとし、
ATR法を用い、ATR結晶としてGeを用い、赤外光入射角を45°とした条件で、該大粒径側粒子群を測定して得られたFT−IRスペクトルにおいて、該オレフィン系ワックスに含有されるアルキル由来のピーク強度(2843cm
−1
以上2853cm
−1
以下の範囲の最大吸収ピーク強度)の該ポリエステル樹脂のカルボニル由来のピーク強度(1713cm
−1
以上1723cm
−1
以下の範囲の最大吸収ピーク強度)に対する比をAlとしたとき、
下記式(1)を満たすことを特徴とする。
0.10≦ As/Al ≦0.90 ・・・(1)
【0009】
本発明者らは、優れた画質、現像性及び転写性を示すトナーの検討を進めた。その結果、本発明者らは、現像剤担持体と静電潜像担持体との電場におけるトナーにかかる力を詳細に分けて考察した。電界強度依存性を左右するトナーの帯電量は、表面積に比例するため、粒径の2乗に比例して小さくなる。一方、静電潜像担持体への非静電付着力は、粒径に比例していることから、トナーを小粒径化することにより現像性及び転写性が低下することは必然である。
トナーの非静電付着力を下げ、単位表面積あたりの帯電量をあげるために、ワックスの含有量を下げることが手段として考えられるが、ワックスによる効果である耐ホットオフセット性が失われてしまう。
そこで、小粒径トナーのワックス量を相対的に少なくして小粒径トナーの現像性と転写性を良化させ、大粒径トナーにワックスを含有させて耐ホットオフセット性を維持することで、現像性、転写性及び耐ホットオフセット性を満足できると考え、本発明に至った。
【0010】
トナーの個数基準におけるメジアン径D50は、3.0μm以上6.0μm以下である。D50が上記範囲である場合、ドット再現性が良くなり、優れた画質が得られる。
一方、D50が3.0μm未満である場合、微粉が過度に多いため、長期の画像出力において磁性キャリアなどへのトナースペントが発生し、現像剤の流動性の低下や安定した帯電付与ができず、優れた画質が得られない。また、D50が6.0μmより大きい場合、粗粉は表面積の観点から1粒当たりの帯電量が大きく、電界強度依存性が大きいため、現像時や転写時の飛び散りが発生し、優れた画質が得られない。D50は、好ましくは4.0μm以上5.0μm以下である。
【0011】
トナーの個数基準におけるメジアン径(D50)の測定は、走査電子顕微鏡(SEM)、S−4800(日立製作所社製)を用いて行う。
具体的には、電子顕微鏡観察用の試料台上にカーボンテープでトナーを一層になるように固定し、白金による蒸着を行い、以下の条件にて、走査電子顕微鏡S−4800(日立製作所社製)で観察する。フラッシング操作を行ってから観察を行う。
SignalName=SE(U,LA80)
AcceleratingVoltage=2000Volt
EmissionCurrent=10000nA
WorkingDistance=6000um
LensMode=High
Condencer1=5
ScanSpeed=Slow4(40秒)
Magnification=50000
DataSize=1280×960
ColorMode=Grayscale
【0012】
走査電子顕微鏡S−4800の制御ソフト上で‘コントラスト5、ブライトネス−5’に明るさを調整し、キャプチャスピード/積算枚数‘Slow4を40秒’、画像サイズ1280×960pixelsの8bitの256階調グレースケール画像として、二次電子像であるトナーの投影像を得る。画像上のスケールから、1pixelの長さは0.02μm、1pixelの面積は0.0004μm

となる。
続いて、得られた二次電子による投影像を用いて、トナー100粒について投影面積円相当径を算出する。解析するトナー100粒の選択方法の詳細は後述する。
【0013】
次に、トナー粒群の部分を抽出し、抽出されたトナー1粒のサイズをカウントする。具体的には、まず、解析するトナー粒群を抽出するため、トナー粒群と背景部分を分離する。Image−Pro Plus5.1J((株)日本ローパー)の「測定」−「カウント/サイズ」を選択する。「カウント/サイズ」の「輝度レンジ選択」で、輝度レンジを50〜255の範囲に設定して、背景として写りこんでいる輝度の低いカーボンテープ部分を除外し、トナー粒群の抽出を行う。
カーボンテープ以外の方法でトナー粒群を固定した際には、必ずしも背景が輝度の低い領域とならない、あるいは、部分的にトナー粒群と同じような輝度となる可能性は皆無ではない。しかし、トナー粒群と背景の境界については、二次電子観察像から容易に区別できる。抽出を行う際、「カウント/サイズ」の抽出オプションで、4連結を選択し、平滑度5を入力、穴埋めるにチェックを入れ、画像の全ての境界(外周)上に位置するトナー粒や他のトナー粒と重なっているトナー粒については、計算から除外する。
次に「カウント/サイズ」の測定項目で、面積とフェレ径(平均)を選択し、面積の選別レンジを最小100pixel、最大10000pixelとして、画像解析するトナー各粒を抽出する。抽出されたトナー粒群からトナー1粒を選択し、その粒子に由来する部分の大きさ(pixel数)を(ja)を求める。得られたjaより下記式を用いて、投影面積円相当径d

を得る。


={(4×ja×0.3088)/3.14}
1/2
次いで、抽出された粒子群の各粒子に対して、選択されるトナー粒の数が100となるまで同様の処理を行う。一視野中のトナー粒の数が100に満たない場合には、別視野のトナー投影像について同様の操作を繰り返す。
得られたトナー100粒について、投影面積円相当径を昇順に並べ、50個目にあたるトナー粒の投影面積円相当径を、トナーの個数基準におけるメジアン径(D50)とする。
【0014】
また、慣性分級方式の分級機により該トナーを、大粒径側と小粒径側とに個数基準で概ね均等に二分して得られた大粒径側粒子群と小粒径側粒子群について、
ATR法を用い、ATR結晶としてGeを用い、赤外光入射角を45°とした条件で、小粒径側粒子群を測定して得られたFT−IRスペクトルにおいて、オレフィン系ワックスに含有されるアルキル由来のピーク強度(2843cm
−1
以上2853cm
−1
以下の範囲の最大吸収ピーク強度)のポリエステル樹脂のカルボニル由来のピーク強度(1713cm
−1
以上1723cm
−1
以下の範囲の最大吸収ピーク強度)に対する比をAsとし、
ATR法を用い、ATR結晶としてGeを用い、赤外光入射角を45°とした条件で、大粒径側粒子群を測定して得られたFT−IRスペクトルにおいて、オレフィン系ワックスに含有されるアルキル由来のピーク強度(2843cm
−1
以上2853cm
−1
以下の範囲の最大吸収ピーク強度)のポリエステル樹脂のカルボニル由来のピーク強度(1713cm
−1
以上1723cm
−1
以下の範囲の最大吸収ピーク強度)に対する比をAlとしたとき、
下記式(1)を満たすことを特徴とする。
0.10≦ As/Al ≦0.90 ・・・(1)
【0015】
ATR結晶の屈折率や入射角を変えることで、にじみこみ深さの異なるFT−IRスペクトルを得ることができる。その特性を利用し、トナー表面近傍におけるアルキル基を有するオレフィン系ワックスの存在比率に係る指数を求める。
ATR法において、ATR結晶にGeを用い、赤外光を、入射角45°の条件で測定した場合、にじみこみ深さは約0.3μmになる。
【0016】
1713cm
−1
以上1723cm
−1
の範囲の最大吸収ピークは、ポリエステル樹脂のカルボニル基である−CO−伸縮振動に由来するピークである。このピークが1.00となるようにスペクトルを規格化した上で、2843cm
−1
以上2853cm
−1
以下の範囲の最大吸収ピークを用いることで、測定領域におけるアルキル基を有するオレフィン系ワックスの存在比率を評価することができる。
As(小粒径側粒子群(以下、単に小粒径側トナーともいう)を測定)、Al(大粒径側粒子群(以下、単に大粒径側トナーともいう)を測定)は、トナー表面からトナー中心部に向かうトナーの深さ方向において、トナー表面から約0.3μmの深さ方向おける、ポリエステル樹脂に対するアルキル基を有するオレフィン系ワックスの存在比率に係る指数である。
【0017】
式(1)を満たすことは、小粒径側トナーの表面近傍に存在するワックス量が大粒径側トナーの表面近傍に存在するワックス量に比べて少ないことを意味する。これにより、小粒径側トナーの非静電付着力を抑制しつつ、帯電性能が向上し、転写性や現像性が良化し、カブリを抑制できる。さらに大粒径側トナーは表面近傍にワックスを多く含んでいるため、耐ホットオフセット性が維持される。
また、トナーは下記式(3)を満たすことが好ましい。
0.10≦ As/Al ≦0.75 ・・・(3)
式(3)を満たすことで、より小粒径側トナーと大粒径側トナーの機能分離が進み、転写性、現像性、及び耐ホットオフセット性が良化し、カブリを抑制できる。
【0018】
Asは、好ましくは0.05〜0.20であり、より好ましくは0.10〜0.15である。Alは、好ましくは0.15〜0.50であり、より好ましくは0.15〜0.45であり、さらに好ましくは0.20〜0.40である。
Asは、小粒径側トナーに使用するワックス、分散剤の種類及び部数により制御できる。Alは、大粒径側トナーに使用するワックス、分散剤の種類及び部数により制御できる。
なお、トナーを大粒径側粒子群と小粒径側粒子群とに分割する方法については後述する。両粒子群はいずれも、粒径に関して分布を有するものであり、大粒径側粒子群の中心粒径が、小粒径側粒子群の中心粒径よりも大きいという関係にある。また、大粒径側粒子群に含まれる最小の粒子が、小粒径側粒子群に含まれる最大の粒子よりも大きいという関係にはない。
また、大粒径側粒子群と小粒径側粒子群との粒子数の差が4%以下になる程度に二分して、それらの粒子群が本発明の規定を満たすのであれば、効果が十分に得られる。そのため、本発明における“概ね均等に二分する”とは、粒子数の差が4%以下になる程度に二分することを意味する。
【0019】
トナーの個数基準の粒度分布において、小粒子側からの累積値が10個数%となる粒径をD10とし、小粒子側からの累積値が90個数%となる粒径をD90としたとき、下記式(2)で示されるスパン値が、0.7以上2.0以下であることが好ましく、0.7以上1.3以下であることがより好ましい。
スパン値=(D90−D10)/D50 ・・・(2)
スパン値を、0.7以上にすることによって本発明の効果が顕著に発現する。また、ス
パン値が2.0以下であることによって転写性が良化しカブリを抑制できる。
D90及びD10は、上記走査型電子顕微鏡による二次電子像の観察と、続く画像処理より得ることができる。
【0020】
また、トナー粒子は、ポリオレフィンにビニル系ポリマーが結合している重合体を含有することが好ましく、ポリオレフィンにビニル系ポリマーがグラフト重合している重合体を含有することが好ましい。
このような重合体を含有している場合、オレフィン系ワックスと相互作用してワックス分散性を向上させるとともに、ワックス周辺の機械的強度を増大させることができる。そのため、非静電付着力を低く抑えることができ、優れた現像性が得られ、カブリを抑制しやすくなる。また、ワックスと樹脂との相溶性が促進され、ワックス分散不良による帯電不良、部材汚染などの弊害を引き起こしにくくなる。
また、ビニル系ポリマーが、シクロアルキル(メタ)アクリレートに由来するモノマーユニットを有していることが、現像性及びカブリ抑制の観点からさらに好ましい。上記ユニットを有している場合、トナーの疎水性が高まり、高温高湿環境下における水分吸着量が減少し、非静電付着力を低く抑えることができるため、優れた現像性を有し、カブリをより抑制できる。
【0021】
ポリオレフィンにビニル系ポリマーが結合している重合体の含有量は、ポリエステル樹脂100質量部に対して、1.0質量部以上15.0質量部以下であることが好ましく、3.0質量部以上10.0質量部以下であることがより好ましい。
ポリオレフィンは、二重結合を一つ有する不飽和炭化水素の重合体又は共重合体であれば特に限定されず、様々なポリオレフィンを用いることができる。特にポリエチレン、ポリプロピレンが好ましく用いられる。
ポリオレフィンの含有割合は、ポリオレフィンにビニル系ポリマーが結合している重合体中に、5.0質量%以上20.0質量%以下であることが好ましい。
ポリオレフィンにビニル系ポリマーがグラフト重合している重合体のガラス転移温度Tgは55℃〜85℃が好ましく、軟化点は110℃〜140℃が好ましい。
【0022】
なお、ポリオレフィンにビニル系ポリマーをグラフト重合させる方法は、特に限定されず、従来公知の方法を用いることができる。
ビニル系ポリマーは、好ましくは、シクロアルキル(メタ)アクリレート由来のモノマーユニットを有する。ここで、モノマーユニットとは、ポリマー中のモノマー物質の反応した形態をいう。
シクロアルキル(メタ)アクリレートとしては、例えば、以下のシクロアルキル(メタ)アクリレートモノマーを用いることができる。
【0023】
シクロプロピルアクリレート、シクロブチルアクリレート、シクロペンチルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、シクロヘプチルアクリレート、シクロオクチルアクリレート、シクロプロピルメタクリレート、シクロブチルメタクリレート、シクロペンチルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、シクロヘプチルメタクリレート、シクロオクチルメタクリレート、ジヒドロシクロペンタジエチルアクリレート、ジシクロペンタニルアクリレート、ジシクロペンタニルメタクリレートなどが挙げられる。
これらの中でも、シクロヘキシルアクリレートが好ましい。これらは、単独で用いても複数を併用してもよい。
【0024】
ビニル系ポリマーにはシクロアルキル(メタ)アクリレートモノマー以外にも、その他のビニル系モノマーを用いてもよい。例えば以下のものが挙げられる。
スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレン、p−クロルスチレン、3,4−ジクロルスチレン
、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレンのようなスチレン及びその誘導体などのスチレン系単位。
メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチルのようなアミノ基含有α−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類;アクリロニトリル、メタアクリロニトリル、アクリルアミドのようなアクリル酸もしくはメタクリル酸誘導体などのN原子を含むビニル系単位。
マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸、アルケニルコハク酸、フマル酸、メサコン酸のような不飽和二塩基酸;マレイン酸無水物、シトラコン酸無水物、イタコン酸無水物、アルケニルコハク酸無水物のような不飽和二塩基酸無水物;マレイン酸メチルハーフエステル、マレイン酸エチルハーフエステル、マレイン酸ブチルハーフエステル、シトラコン酸メチルハーフエステル、シトラコン酸エチルハーフエステル、シトラコン酸ブチルハーフエステル、イタコン酸メチルハーフエステル、アルケニルコハク酸メチルハーフエステル、フマル酸メチルハーフエステル、メサコン酸メチルハーフエステルのような不飽和二塩基酸のハーフエステル;ジメチルマレイン酸、ジメチルフマル酸のような不飽和二塩基酸エステル;アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、ケイヒ酸のようなα,β−不飽和酸;クロトン酸無水物、ケイヒ酸無水物のようなα,β−不飽和酸無水物、前記α,β−不飽和酸と低級脂肪酸との無水物;アルケニルマロン酸、アルケニルグルタル酸、アルケニルアジピン酸、これらの酸無水物、及びこれらのモノエステルなどのカルボキシ基を含むビニル系単位。
2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート等のアクリル酸又はメタクリル酸エステル類、4−(1−ヒドロキシ−1−メチルブチル)スチレン、4−(1−ヒドロキシ−1−メチルヘキシル)スチレンなどのヒドロキシ基を含むビニル系単位。
アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸−n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸−n−オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸−2−クロルエチル、アクリル酸フェニルのようなアクリル酸エステル類などのアクリル酸エステルからなるエステル単位。
メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸−n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸−n−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチルのようなα−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類などのメタクリル酸エステルからなるエステル単位。
ポリオレフィンにビニル系ポリマーが結合している重合体は、これらの重合体同士の反応や、一方の重合体のモノマーと他方の重合体との反応等、公知の方法によって得ることができる。
【0025】
<ポリエステル樹脂>
トナー粒子は、ポリエステル樹脂を結着樹脂として含有する。
ポリエステル樹脂のモノマーとしては、多価アルコール(2価又は3価以上のアルコール)と、多価カルボン酸(2価又は3価以上のカルボン酸)、その酸無水物又はその低級アルキルエステルとが用いられる。
ここで、分岐ポリマーを作製する場合には、結着樹脂の分子内において部分架橋することが有効であり、そのためには、3価以上の多官能化合物を使用することが好ましい。従って、ポリエステルの原料モノマーとして、3価以上のカルボン酸、その酸無水物又はその低級アルキルエステル、及び/又は3価以上のアルコールを含むことが好ましい。
【0026】
多価アルコールモノマーとしては、例えば、以下を使用することができる。
2価のアルコール成分としては、例えば以下のものが挙げられる。エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、水素化ビスフェノールA、また式(A)で表されるビスフェノール及びその誘導体;式(B)で示されるジオール類;が挙げられる。
【0027】
(式中、Rはエチレン又はプロピレン基であり、x及びyはそれぞれ0以上の整数であり、かつ、x+yの平均値は0以上10以下である。)
【0028】
【0029】
3価以上のアルコール成分としては、例えば、ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼンが挙げられる。
これらのうち、好ましくはグリセロール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールが用いられる。これらの2価のアルコール及び3価以上のアルコールは、単独であるいは複数を併用して用いることができる。
【0030】
多価カルボン酸モノマーとしては、例えば、以下を使用することができる。
2価のカルボン酸成分としては、例えば、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、マロン酸、n−ドデセニルコハク酸、イソドデセニルコハク酸、n−ドデシルコハク酸、イソドデシルコハク酸、n−オクテニルコハク酸、n−オクチルコハク酸、イソオクテニルコハク酸、イソオクチルコハク酸、これらの酸の無水物及びこれらの低級アルキルエステルが挙げられる。これらのうち、これらのうち、マレイン酸、フマル酸、テレフタル酸、n−ドデセニルコハク酸が好ましく用いられる。
(【0031】以降は省略されています)

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