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公開番号2021032327
公報種別公開特許公報(A)
公開日20210301
出願番号2019152991
出願日20190823
発明の名称制振装置
出願人株式会社東芝,東芝インフラシステムズ株式会社
代理人特許業務法人スズエ国際特許事務所
主分類F16F 15/02 20060101AFI20210201BHJP(機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段)
要約【課題】 制振性能を向上可能な制振装置を提供することである。
【解決手段】 本実施形態に係る制振装置は、第1方向において対象物を挟んで対向している第1基板及び第2基板と、前記第1基板及び前記対象物の間に位置し、前記第1基板及び前記対象物に接し、バネ特性及びダンパ特性を有する第1防振材と、前記第2基板及び前記対象物の間に位置し、前記第2基板及び前記対象物に接し、バネ特性及びダンパ特性を有する第2防振材と、前記第1基板及び前記第2基板に接続され、前記第1方向において前記第1基板及び前記第2基板の少なくとも一方を移動させる第1アクチュエータと、印加された第1振動の前記第1方向の第1振動成分を測定するセンサと、前記センサ及び前記第1アクチュエータに電気的に接続され、前記第1振動成分に基づいて前記第1アクチュエータを制御するコントローラと、を備える。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
第1方向において対象物を挟んで対向している第1基板及び第2基板と、
前記第1基板及び前記対象物の間に位置し、前記第1基板及び前記対象物に接し、バネ特性及びダンパ特性を有する第1防振材と、
前記第2基板及び前記対象物の間に位置し、前記第2基板及び前記対象物に接し、バネ特性及びダンパ特性を有する第2防振材と、
前記第1基板及び前記第2基板に接続され、前記第1方向において前記第1基板及び前記第2基板の少なくとも一方を移動させる第1アクチュエータと、
印加された第1振動の前記第1方向の第1振動成分を測定するセンサと、
前記センサ及び前記第1アクチュエータに電気的に接続され、前記第1振動成分に基づいて前記第1アクチュエータを制御するコントローラと、を備える制振装置。
続きを表示(約 1,400 文字)【請求項2】
前記コントローラは、前記第1アクチュエータを制御することにより前記第1防振材の厚さ及び前記第2防振材の厚さを制御する請求項1に記載の制振装置。
【請求項3】
前記コントローラは、前記第1振動成分のピークの周波数と共振周波数とが一致した際に、前記第1防振材の厚さ及び前記第2防振材の厚さを制御することにより前記共振周波数を変化させる、請求項2に記載の制振装置。
【請求項4】
前記コントローラは、現在の前記第1防振材の第1厚さ及び現在の前記第2防振材の第2厚さに対応する第1共振周波数と目標とする第2共振周波数との差分値に基づいて前記第1アクチュエータを制御し、前記第1厚さを前記第2共振周波数に対応する前記第1防振材の第3厚さに変化させ、前記第2厚さを前記第2共振周波数に対応する前記第2防振材の第4厚さに変化させ、前記第3厚さに対応する前記第1防振材の第1バネ係数を算出し、前記第4厚さに対応する前記第2防振材の第2バネ係数を算出し、前記第1バネ係数及び前記第2バネ係数に基づいて第3共振周波数を算出し、算出した第3共振周波数をフィードバックする、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の制振装置。
【請求項5】
前記第1防振材及び前記第2防振材は、ゴムで形成されている、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の制振装置。
【請求項6】
前記コントローラは、前記第1振動成分のピークの周波数と共振周波数とが一致しないように、前記第1防振材の厚さ及び前記第2防振材の厚さを制御する、請求項2に記載の制振装置。
【請求項7】
前記第1方向に交差する第2方向おいて前記対象物を挟んで対向している第3基板及び第4基板と、
前記第3基板及び前記対象物の間に位置し、前記第3基板及び前記対象物に接し、バネ特性及びダンパ特性を有する第3防振材と、
前記第4基板及び前記対象物の間に位置し、前記第4基板及び前記対象物に接し、バネ特性及びダンパ特性を有する第4防振材と、
前記第3基板及び前記第4基板に接続され、前記第2方向において前記第3基板及び前記第4基板の少なくとも一方を移動させる第2アクチュエータと、を備え、
前記センサは、前記第1振動の前記第2方向の第2振動成分を測定し、
前記コントローラは、前記第2アクチュエータに電気的に接続され、前記第2振動成分に基づいて前記第2アクチュエータを制御する、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の制振装置。
【請求項8】
前記第1方向及び前記第2方向に交差する第3方向おいて前記対象物を挟んで対向している第5基板及び第6基板と、
前記第5基板及び前記対象物の間に位置し、前記第5基板及び前記対象物に接し、バネ特性及びダンパ特性を有する第5防振材と、
前記第6基板及び前記対象物の間に位置し、前記第6基板及び前記対象物に接し、バネ特性及びダンパ特性を有する第6防振材と、
前記第5基板及び前記第6基板に接続され、前記第3方向において前記第5基板及び前記第6基板の少なくとも一方を移動させる第3アクチュエータと、を備え、
前記センサは、前記第1振動の前記第3方向の第3振動成分を測定し、
前記コントローラは、前記第3アクチュエータに電気的に接続され、前記第3振動成分に基づいて前記第3アクチュエータを制御する、請求項7に記載の制振装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、制振装置に関する。
続きを表示(約 9,000 文字)【背景技術】
【0002】
物体、例えば、飛翔体に対象物、例えば、センサを搭載する場合、この飛翔体が飛翔している際に飛翔体に振動が印加され得る。飛翔体が飛翔時に外部等から振動を印加された場合に、センサ性能に影響が生じないようにセンサを防振する必要がある。飛翔体に生じる振動のピークの周波数は、重心位置の時間変化や速度及びその他の状況の変化等に起因して変化し得る。一般的に、このようなセンサを防振する場合、センサとこのセンサに対する加振源との間に防振材が配置される。この場合、外部等から印加された振動の周波数と飛翔体の共振周波数とが一致しないような防振材がこの飛翔体に適用される。飛翔体の共振周波数は、防振材の形状、材質、大きさ、及び質量等により定まる。防振したい振動の周波数の範囲が広い場合、外部から印加された振動の周波数と飛翔体の共振周波数とが一致し、センサに伝達する振動が増幅する可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特許第4682856号公報
特開平2−149999号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の実施形態が解決しようとする課題は、制振性能を向上可能な制振装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本実施形態に係る制振装置は、第1方向において対象物を挟んで対向している第1基板及び第2基板と、前記第1基板及び前記対象物の間に位置し、前記第1基板及び前記対象物に接し、バネ特性及びダンパ特性を有する第1防振材と、前記第2基板及び前記対象物の間に位置し、前記第2基板及び前記対象物に接し、バネ特性及びダンパ特性を有する第2防振材と、前記第1基板及び前記第2基板に接続され、前記第1方向において前記第1基板及び前記第2基板の少なくとも一方を移動させる第1アクチュエータと、印加された第1振動の前記第1方向の第1振動成分を測定するセンサと、前記センサ及び前記第1アクチュエータに電気的に接続され、前記第1振動成分に基づいて前記第1アクチュエータを制御するコントローラと、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1は、第1実施形態に係る制振装置の構成例を模式的に示す斜視図である。
図2は、制振装置の構成例を模式的に示す断面図である。
図3は、周波数に対する伝達率の変化の一例を示す図である。
図4は、第1実施形態に係る共振周波数の制御系の一例を示すブロック図である。
図5は、第1実施形態に係る制振装置の動作の一例を示す図である。
図6は、変形例1に係る制振装置の動作の一例を示す図である。
図7は、変形例2に係る制振装置の構成例を模式的に示す斜視図である。
図8は、変形例3に係る制振装置の構成例を模式的に示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、実施の形態について図面を参照して説明する。なお、図面は、一例であって、発明の範囲を限定するものではない。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る制振装置1の構成例を模式的に示す斜視図である。第1方向Z、第2方向X、及び第3方向Yは、互いに直交しているが、90度以外の角度で交差していてもよい。本明細書において、第1基板10から第2基板20に向かう方向を「上側」(あるいは、単に上)と称し、第2基板20から第1基板10に向かう方向を「下側」(あるいは、単に下)と称する。例えば「第1基板10の上の第2基板20」及び「第1基板10の下の第2基板20」とした場合、第2基板20は、第1基板10に接していてもよいし、第1基板10から離間していてもよい。
【0008】
制振装置1は、対象物TGTと、第1基板10と、防振材AM1と、第2基板20と、防振材AM2と、センサSNRと、アクチュエータLNA1と、制御器CNTとを備えている。以下、対象物を挟んで対向する少なくとも2つの基板と、対象物及び基板の間に設けられた防振材と、対向する少なくとも2つの基板に接続されたアクチュエータとを防振構造と称する場合もある。
対象物TGTは、センサ等を含む筐体である。一例では、対象物TGTは、慣性計測装置(IMU:inertial measurement unit)を内側に格納する筐体である。図1に示した例では、対象物TGTは、直方体である。なお、対象物TGTは、直方体以外の形状であってもよい。
【0009】
第1基板10は、例えば、矩形の平板状に形成されている。なお、第1基板10は、矩形の平板以外の形状に形成されていてもよい。図1に示した例では、第1基板10は、主面10Aと、第1方向Zにおいて主面10Aと反対側の対向面10Bとを有している。また、第1基板10は、側面10S1、側面10S2、側面10S3、及び側面10S4を有している。側面10S1及び側面10S2は、第3方向Yにおいて、互いに対向している。側面10S3及び側面10S4は、第2方向Xにおいて、互いに対向している。第1基板10は、第3方向Yにおいて、対象物TGTよりも外側に延出している延出部ETを有している。図1に示した例では、延出部ETは、防振材AM1よりも外側に延出している。第1基板10は、第1方向Zにおいて、対象物TGTの下に位置している。
【0010】
防振材AM1は、例えば、矩形の平板状に形成されている。なお、防振材AM1は、矩形の平板以外の形状に形成されていてもよい。防振材AM1は、ダンパ特性及びバネ特性を有している。防振材AM1は、弾性部材、例えば、ゴム(防振ゴム)である。防振材AM1は、対象物TGT及び第1基板10の間に位置している。防振材AM1は、対象物TGT及び第1基板10(の主面10A)に接している。図1に示した例では、防振材AM1は、第2方向X及び第3方向Yに広がるX−Y平面において第1基板10よりも小さい。なお、防振材AM1は、X−Y平面で対象物TGTよりも大きくてもよい。
【0011】
第2基板20は、例えば、矩形の平板状に形成されている。なお、第2基板20は、矩形の平板以外の形状に形成されていてもよい。図1に示した例では、第2基板20は、主面20Aと、第1方向Zにおいて主面20Aと反対側の対向面20Bとを有している。また、第2基板20は、側面20S1、側面20S2、側面20S3、及び側面20S4を有している。側面20S1及び側面20S2は、第3方向Yにおいて、互いに対向している。側面20S3及び側面20S4は、第2方向Xにおいて、互いに対向している。例えば、第1基板10及び第2基板20の形状、質量、大きさ、及び材料は、同じである。「同じ」、「同一」、「同等」、及び「一致」等の用語は、複数の対象となる物体、空間又は領域等の物理量、材料、又は構成(構造)等が全く同じであることはもちろん、実質的に同じであると見做せる程度に異なる意味も含むものとして用いる。なお、第1基板10及び第2基板20の形状、質量、大きさ、及び材料は、異なっていてもよい。第2基板20は、第1方向Zにおいて、対象物TGTの上に位置している。言い換えると、第2基板20の対向面20Bは、第1方向Zにおいて、対象物TGTを挟んで第1基板10の主面10Aと対向している。つまり、第1基板10及び第2基板20は、第1方向Zにおいて、対象物TGTを挟んで互いに対向している。
【0012】
防振材AM2は、例えば、矩形の平板状に形成されている。なお、防振材AM2は、矩形の平板以外の形状に形成されていてもよい。防振材AM2は、ダンパ特性及びバネ特性を有している。防振材AM2は、弾性部材、例えば、ゴム(防振ゴム)である。防振材AM2は、対象物TGT及び第2基板20の間に位置している。防振材AM2は、対象物TGT及び第2基板20(の対向面20B)に接している。防振材AM1及びAM2の形状、質量、大きさ、及び材料は、同じである。また、防振材AM1の厚さAT1及び防振材AM1の厚さAT2は、同じである。なお、防振材AM1及びAM2の形状、質量、大きさ及び材料は、異なっていてもよい。防振材AM1の厚さAT1及び防振材AM2の厚さAT2は、異なっていてもよい。また、防振材AM2は、X−Y平面で対象物TGTよりも大きくてもよい。
【0013】
センサSNRは、例えば、加速度センサである。なお、センサSNRは、加速度センサ以外のセンサであってもよい。図1に示した例では、センサSNRは、1軸の加速度センサである。センサSNRは、例えば、外部等から制振装置1に印加された振動(以下、印加振動と称する場合もある)の第1方向Zの振動成分を測定する。センサSNRは、例えば、第1基板10の延出部ETの主面10Aに設けられている。なお、センサSNRは、延出部ET以外の部分に設けられていてもよい。
【0014】
アクチュエータLNA1は、入力されたエネルギ又は信号を物理的運動に変換する。アクチュエータLNA1は、例えば、入力された信号を第1方向Zの物理的運動に変換するリニアアクチュエータである。アクチュエータLNA1は、第1基板10及び第2基板20に接続されている。アクチュエータLNA1は、例えば、第1方向Zにおいて、第1基板10及び第2基板20の少なくとも一方を移動させる。図1に示した例では、対となる2つのアクチュエータLNA1は、第3方向Yにおいて、第1基板10及び第2基板20を挟んで互いに対向している。対となる2つのアクチュエータLNA1は、第1基板10及び第2基板20に接続されている。例えば、対となる2つのアクチュエータLNA1の1つのアクチュエータLNA1は、第1基板10の側面10S1及び第2基板20の側面20S1に接続されている。対となる2つのアクチュエータLNA1のもう1つのアクチュエータLNA1は、第1基板10の側面10S2及び第2基板20の側面20S2に接続されている。
【0015】
制御器CNTは、防振構造を制御する。図1に示した例では、制御器CNTは、センサSNR及びアクチュエータLNA1に配線等により電気的に接続されている。制御器CNTは、アクチュエータLNA1を制御することにより、第1基板10(の主面10A)及び第2基板20(の対向面20B)の間の距離(以下、平板間距離と称する場合もある)HT1を制御する。例えば、制御器CNTは、センサSNRで測定した第1方向Zの振動成分に基づいて、アクチュエータLNA1をリアルタイムでフィードバック制御することにより、平板間距離HT1を制御する。制御器CNTは、平板間距離HT1を制御することにより、防振材AM1の厚さAT1及び防振材AM2の厚さAT2を制御し、第1方向Zの振動成分に対する制振装置1の共振周波数を制御する。つまり、制御器CNTは、センサSNRで測定した振動成分に基づいて、制振装置1の共振周波数をリアルタイムでフィードバック制御する。制御器CNTは、例えば、印加振動の所定の期間の最大の振幅(以下、ピークと称する場合もある)に対応する周波数に一致しないように制振装置1の共振周波数を制御する。一例では、制御器CNTは、印加振動のピークの周波数に一致した場合に、印加振動のピークの周波数と異なる周波数に制振装置1の共振周波数を変化させる。
【0016】
図2は、制振装置1の構成例を模式的に示す断面図である。図2には、防振材AM1及びAM2のバネ特性を示すバネSPRと、防振材AM1及びAM2のダンパ特性を示すダンパDMRとを示している。なお、防振材AM1及びAM2は、バネSPR及びダンパDMRに相当する特性を有していればよく、物理的な部材として有していなくともよい。図2において、防振材AM1及び防振材AM2の形状、質量、大きさ、及び材料は、同じであるものとする。防振材AM1の厚さAT1及び防振材AM2の厚さAT2は、同じであるものとする。また、防振材AM1及びAM2のバネ係数は、同じであるものとする。
【0017】
図2に示した例では、防振材AM1(AM2)のバネ係数kは、以下の式で示される。
ここで、Eは、防振材AM1(AM2)のヤング率であり、Iは、防振材AM1(AM2)の形状に基づく断面二次モーメントであり、lは、防振材AM1(AM2)の厚さAT1(AT2)である。
【0018】
図2に示すように、制振装置1は、第1方向Zにおいて、対象物TGTを挟んで互いに対向している防振材AM1及びAM2を有している。そのため、防振材AM1及びAM2の合成バネ定数Kは、以下の式で示される。
制御器CNTがアクチュエータLNA1を制御して平板間距離HT1を短くすることで、防振材AM1の厚さAT1(=l)及び防振材AM2の厚さAT2(=l)を薄く(小さく)した場合、式(1)より、防振材AM1(AM2)のバネ係数kは、大きくなる。この場合、式(2)より、防振材AM1及びAM2の合成バネ定数Kは、大きくなる。制御器CNTがアクチュエータLNA1を制御して平板間距離HT1を長くすることで、防振材AM1の厚さAT1(=l)及び防振材AM2の厚さAT2(=l)を厚く(大きく)する場合、式(1)より、防振材AM1(AM2)のバネ係数kは、小さくなる。この場合、式(2)より、防振材AM1及びAM2の合成バネ定数Kは、小さくなる。
【0019】
図3は、周波数に対する伝達率τの変化の一例を示す図である。図3において、縦軸は、伝達率τを示している。図3の縦軸において、大の矢印の方向に進むに従って伝達率τが大きくなり、小の矢印の方向に進むに従って伝達率τが小さくなる。図3において、横軸は、周波数[Hz]を示している。図3の横軸において、大の矢印の方向に進むに従って周波数が大きくなり、小の矢印の方向に進むに従って周波数が小さくなる。図3には、基準となるバネ係数(以下、基準バネ定数と称する場合もある)Kb(=K)に対応する周波数に対する伝達率τの変化L1と、基準バネ定数Kbの4倍大きいバネ係数4Kbに対応する周波数に対する伝達率τの変化L2と、基準バネ定数Kbの1/4倍小さいバネ係数Kb/4に対応する周波数に対する伝達率τの変化L3とを示している。図3の横軸には、伝達率τの変化L1において最大の伝達率に対応する周波数(共振周波数)fn1、伝達率τの変化L2において最大の伝達率に対応する共振周波数fn2、及び伝達率τの変化L3において最大の伝達率に対応する共振周波数fn3を示している。共振周波数fn3は、共振周波数fn1よりも大きく、共振周波数fn2は、共振周波数fn1よりも小さい。
【0020】
例えば、対向面10Bの振動によって印加された力FC0と力FC0の内の対象物TGTへ伝達される力FCTとの比は、力の伝達率τとして、以下の式で示される。
ここで、fnは、制振装置1の共振周波数であり、fは、所定の周波数であり、ζは、減衰比であり、Kは、バネ係数(合成バネ定数)であり、mは、制振装置1の質量である。
【0021】
例えば、式(3)及び(4)より、図3の横軸の各周波数に対する伝達率を算出することで、伝達率τの変化L1が導出される。伝達率τの変化L1より、共振周波数fn1を含む所定の周波数の範囲で、印加振動が増幅することがわかる。基準バネ定数Kbをバネ係数Kb/4に変化させると、伝達率τの変化L1から伝達率τの変化L2に変化し、共振周波数fn1から共振周波数fn2に変化する。基準バネ定数Kbをバネ係数4Kbに変化させると、伝達率τの変化L1から伝達率τの変化L3に変化し、共振周波数fn1から共振周波数fn3に変化する。つまり、バネ係数を変化させることで、所定の系、例えば、制振装置1の共振周波数が変化する。
【0022】
図4は、本実施形態に係る共振周波数の制御系SYの一例を示すブロック図である。
制振装置1は、制御系SYを有している。制御系SYは、制御器S1と、アクチュエータS2と、計算器S3と、演算器C1とを有している。制御系SYは、フィードバック制御を実行する。
【0023】
制御器S1は、外部等から印加された振動に基づいて算出された目標とする共振周波数(以下、目標共振周波数と称する)に基づいてアクチュエータS2を制御する。例えば、制御器S1は、式(4)及び目標共振周波数ftgtに基づいて、目標とするバネ係数(以下、目標バネ定数と称する場合もある)を算出する。制御器S1は、式(1)、式(2)、及び目標バネ定数に基づいて、目標とする防振材AM1及びAM2の厚さ(以下、目標厚さと称する場合もある)を算出する。制御器S1は、例えば、防振材AM1の厚さAT1及び防振材AM2の厚さAT2が目標厚さになるようにアクチュエータS2を制御する。例えば、制御器S1は、制御器CNTに相当する。
【0024】
アクチュエータS2は、制御器S1の制御により、第1基板10及び第2基板20の少なくとも一方を移動させ、防振材AM1の厚さAT1及び防振材AM2の厚さAT2を制御する。アクチュエータS2は、例えば、アクチュエータLNA1に相当する。
【0025】
計算器S3は、アクチュエータS2により防振材AM1の厚さAT1及び防振材AM2の厚さAT2を制御し、現在の防振材AM1の厚さAT1及び現在の防振材AM2の厚さAT2に相当するバネ係数(以下、現在のバネ係数と称する場合もある)を算出する。計算器S3は、式(4)及び現在のバネ係数に基づいて、現在の防振材AM1の厚さAT1及び現在の防振材AM2の厚さAT2に対応する現在の制振装置1の共振周波数(以下、現在の共振周波数と称する場合もある)fnを算出する。計算器S3は、例えば、制御器CNTに含まれていてもよい。
【0026】
演算器C1は、例えば、センサSNRで測定された外部からの振動等に基づいて算出された制振装置1の目標共振周波数ftgtを入力される。演算器C1は、目標共振周波数ftgtと現在の共振周波数fnとの差分値を算出し、算出した差分値を制御器S1に出力する。制御器S1は、差分値に基づいてアクチュエータS2を駆動させる制御信号をアクチュエータS2に出力する。アクチュエータS2は、制御器S1から入力された制御信号に従って駆動し、第1基板10及び第2基板の少なくとも1方を移動させて、平板間距離HT1を計算器S3に出力する。計算器S3は、平板間距離HT1に基づいて現在の防振材AM1の厚さAT1及び現在の防振材AM2のAT2を算出し、算出した現在の防振材AM1の厚さAT1及び現在の防振材AM2の厚さAT2に基づいて現在のバネ係数を算出する。計算器S3は、現在のバネ係数に基づいて、現在の共振周波数Fnを算出し、演算器C1と制御系SYの外部とに出力する。
【0027】
図5は、本実施形態に係る制振装置1の動作の一例を示す図である。図5の横方向には、時刻T−Δtと、時刻Tと、時刻T+Δtとを示している。図5の横方向において、時刻Tは、時刻T−Δtよりも後の時刻に相当し、時刻T+Δtは、時刻Tよりも後の時刻に相当する。図5の縦方向には、各時刻(T−Δt、T、T+Δt)における制振装置1の状態を模式的に示す断面図と、各時刻(T−Δt、T、T+Δt)における制振装置1の特性(以下、制振装置特性と称する場合もある)として周波数に対する伝達率の変化と、各時刻(T−Δt、T、T+Δt)における印加振動の周波数に対するスペクトラムの変化と、を示している。
【0028】
図5に示した例では、時刻T−Δtにおいて、印加振動のスペクトラムの変化SPT1のピークP1に対応する周波数F0と、制振装置1の周波数に対する伝達率τの変化TSL1における最大の伝達率R1に対応する共振周波数F1とは異なっている。そのため、制御器CNTは、アクチュエータLNA1を制御しない。
【0029】
時刻Tにおいて、印加振動のスペクトラムの変化SPT2のピークP2に対応する周波数F1と、制振装置1の周波数に対する伝達率τの変化TSL1における最大の伝達率R1に対応する共振周波数F1と同じである。この場合、制御器CNTは、印加振動のスペクトラムの変化SPT2のピークP2の周波数F1から制振装置1の共振周波数F1をずらすために目標共振周波数を算出する。
【0030】
時刻T+Δtにおいて、印加振動のスペクトラムの変化SPT2のピークP2に対応する周波数F1と、制振装置1の周波数に対する伝達率τの変化TSL2における最大の伝達率R2に対応する共振周波数F2と異なっている。制御器CNTは、アクチュエータLNA1を制御して平板間距離HT11を平板間距離HT11よりも短い平板間距離HT12に制御し、制振装置1の周波数に対する伝達率τの変化TSL1から周波数に対する伝達率τの変化TSL2に変化させ、制振装置1の共振周波数F1を共振周波数F1よりも大きい共振周波数F2に変化させる。
(【0031】以降は省略されています)

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