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公開番号2021032198
公報種別公開特許公報(A)
公開日20210301
出願番号2019155942
出願日20190828
発明の名称圧縮空気貯蔵発電装置
出願人株式会社神戸製鋼所
代理人個人,個人,個人
主分類F02C 6/16 20060101AFI20210201BHJP(燃焼機関;熱ガスまたは燃焼生成物を利用する機関設備)
要約【課題】圧縮膨張兼用機を使用した圧縮空気貯蔵発電装置において、充電運転と発電運転の別によらずに広範囲の圧力で定格運転を実現する。
【解決手段】CAES発電装置1は、圧縮膨張兼用機10と、電動発電兼用機20と、蓄圧部30と、変速部21とを備える。圧縮膨張兼用機10は、圧縮機としての機能および膨張機としての機能を有する。電動発電兼用機20は、圧縮膨張兼用機10と機械的に接続され、圧縮膨張兼用機10を駆動する電動機としての機能および圧縮膨張兼用機10によって駆動される発電機としての機能を有する。蓄圧部30は、圧縮膨張兼用機10と流体的に接続され、圧縮膨張兼用機10により生成された圧縮空気を貯蔵する。変速部21は、圧縮膨張兼用機10と電動発電兼用機20との間に介設され、変速比Rを有する。変速比Rは、0.7Rmax≦R≦Rmax、Rmax=Umax・Np/(120πD)を満たす。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
空気を圧縮する圧縮機としての機能および圧縮空気を膨張させる膨張機としての機能を有する圧縮膨張兼用機と、
前記圧縮膨張兼用機と機械的に接続され、前記圧縮膨張兼用機を駆動する電動機としての機能および前記圧縮膨張兼用機によって駆動される発電機としての機能を有する電動発電兼用機と、
前記圧縮膨張兼用機と流体的に接続され、前記圧縮膨張兼用機により生成された圧縮空気を貯蔵する蓄圧部と、
前記圧縮膨張兼用機と前記電動発電兼用機との間に介設され、以下の式の範囲の変速比Rを有する変速部と、
Umax:前記圧縮膨張兼用機の許容最高回転速度(m/s)又はピストン許容周速(m/s)
Np:前記電動発電兼用機の極数
D:前記圧縮膨張兼用機のロータ外径(m)又はクランク回転径(m)
Rmax:最大変速比
を備える、圧縮空気貯蔵発電装置。
続きを表示(約 510 文字)【請求項2】
前記電動発電兼用機が発電機として機能する発電運転において、前記蓄圧部の充填率が0%のときの前記圧縮膨張兼用機が最高回転速度又はピストン最高周速で駆動するように設定されている、請求項1に記載の圧縮空気貯蔵発電装置。
【請求項3】
前記最高回転速度又は前記ピストン最高周速は、前記圧縮膨張兼用機の許容最高回転速度又はピストン許容周速である、請求項2に記載の圧縮空気貯蔵発電装置。
【請求項4】
前記電動発電兼用機が電動機として機能する充電運転において、前記蓄圧部の充填率が100%のときの前記圧縮膨張兼用機が最低回転速度又はピストン最低周速で駆動するように設定されている、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の圧縮空気貯蔵発電装置。
【請求項5】
前記最低回転速度又は前記ピストン最低周速は、前記圧縮膨張兼用機の前記許容最高回転速度又は前記ピストン許容周速の0.4倍以上である、請求項4に記載の圧縮空気貯蔵発電装置。
【請求項6】
前記圧縮膨張兼用機は、スクリュ型である、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の圧縮空気貯蔵発電装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、圧縮空気貯蔵発電装置に関する。
続きを表示(約 5,100 文字)【背景技術】
【0002】
変動する不安定な発電出力を平滑化または平準化するための技術の一つとして、圧縮空気貯蔵(CAES:compressed air energy storage)が知られている。この技術を利用したCAES発電装置では、電力を使用して電動機で圧縮機を駆動することにより圧縮空気を生成する。生成された圧縮空気は一時的に貯蔵され、電力が必要なときに、貯蔵された圧縮空気で膨張機(タービン)を作動させて発電機を駆動することにより発電する。
【0003】
特許文献1では、CAES発電装置において、圧縮機と膨張機を兼用にした圧縮膨張兼用機を使用したものが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特表2013−509529号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1では、圧縮膨張兼用機を使用したCAES発電装置において、充電運転と発電運転の別によらずに広範囲の圧力で定格運転を行う方法について言及されていない。
【0006】
CAES発電装置には広範囲の定格運転能力が求められる。しかし、圧縮膨張兼用機を使用したCAES発電装置では、充電運転(圧縮運転)の効率が発電運転(膨張運転)の効率よりも高いため、広範囲の定格運転を実現することが難しい。具体的には、1kgの圧縮空気を生成するために必要な電力量(比充電電力量)よりも、1kgの圧縮空気から発電可能な電力量(比発電電力量)の方が一般に少ない(以降、比充電電力量ないし比発電電力量のことを単に比電力量ともいう)。従って、定格運転を実現するためには、従来であれば充電運転と発電運転の別に応じた制御が必要であった。また、運転圧力(貯蔵されている圧縮空気の圧力)によっても比電力量は変化するため、従来であれば広範囲の圧力で定格運転を実行するためには運転圧力に応じた制御も必要であった。
【0007】
本発明は、圧縮膨張兼用機を使用した圧縮空気貯蔵発電装置において、充電運転と発電運転の別によらずに広範囲の圧力で定格運転を実現することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、
空気を圧縮する圧縮機としての機能および圧縮空気を膨張させる膨張機としての機能を有する圧縮膨張兼用機と、
前記圧縮膨張兼用機と機械的に接続され、前記圧縮膨張兼用機を駆動する電動機としての機能および前記圧縮膨張兼用機によって駆動される発電機としての機能を有する電動発電兼用機と、
前記圧縮膨張兼用機と流体的に接続され、前記圧縮膨張兼用機により生成された圧縮空気を貯蔵する蓄圧部と、
前記圧縮膨張兼用機と前記電動発電兼用機との間に介設され、以下の式の範囲の変速比Rを有する変速部と、
Umax:前記圧縮膨張兼用機の許容最高回転速度(m/s)又はピストン許容周速(m/s)
Np:前記電動発電兼用機の極数
D:前記圧縮膨張兼用機のロータ外径(m)又はクランク回転径(m)
Rmax:最大変速比
を備える、圧縮空気貯蔵発電装置を提供する。
【0009】
この構成によれば、圧縮膨張兼用機の許容最高回転速度又はピストン許容周速と、電動発電兼用機の極数と、圧縮膨張兼用機のロータ径又はクランク回転径とに基づいて、圧縮膨張兼用機と電動発電兼用機との間の動力伝達比(変速比R)の範囲を規定している。変速比Rの範囲は、比電力量に影響を与える以下の2点から規定されている。第1に充電運転と発電運転の別であり、第2に蓄圧部の充填率である。これらを考慮して広範囲で定格の充電電力量および発電電力量を確保するためには、圧縮膨張兼用機の回転速度を広範囲に変化できる必要がある。これに対し、変速比Rを上記範囲(0.7Rmax≦R≦Rmax)に規定することで、圧縮膨張兼用機の回転速度を必要な範囲で変化させることができる。これにより、広範な運転範囲で定格の充電電力量および発電電力量を確保できる。即ち、充電運転と発電運転の別によらずに広範囲の圧力で定格運転を実現できる。
【0010】
前記圧縮空気貯蔵発電装置では、前記電動発電兼用機が発電機として機能する発電運転において、前記蓄圧部の充填率が0%のときの前記圧縮膨張兼用機が最高回転速度又はピストン最高周速で駆動するように設定されてもよい。
【0011】
この構成によれば、発電運転における蓄圧部の充填率が0%の最も比発電電力量が小さくなる場合に圧縮膨張兼用機が最高回転速度又はピストン最高周速で駆動するように設定されている。ここで、充填率が0%とは、発電限界値であり、即ち、蓄圧部における貯蔵圧力が小さく、これ未満の圧力では発電できないか又は許容される効率未満の発電となる貯蔵圧力の状態をいう。従って、当該状態で圧縮膨張兼用機を最高回転速度又はピストン最高周速で駆動することにより、当該状態で可能な限り多くの発電電力量を確保でき、広範囲の充填率で定格の発電電力量を確保できる。
【0012】
前記最高回転速度又は前記ピストン最高周速は、前記圧縮膨張兼用機の前記許容最高回転速度又は前記ピストン許容周速であってもよい。
【0013】
この構成によれば、圧縮膨張兼用機の許容最高回転速度又はピストン許容周速を好適に利用した運転が可能となり、広範囲の充填率での定格運転が可能となる。
【0014】
前記圧縮空気貯蔵発電装置では、前記電動発電兼用機が電動機として機能する充電運転において、前記蓄圧部の充填率が100%のときの前記圧縮膨張兼用機が最低回転速度又はピストン最低周速で駆動するように設定されてもよい。
【0015】
この構成によれば、充電運転における蓄圧部の充填率が100%の場合に圧縮膨張兼用機が最低回転速度又はピストン最低周速となるように設定されている。ここで、充填率が100%とは、蓄圧限界値であり、即ち、蓄圧部内の圧力が最大許容圧力に達していることをいう。従って、当該状態で圧縮膨張兼用機の回転速度を最低回転速度又はピストン最低周速に設定することにより、広範囲で定格の充電電力量を確保できる。
【0016】
前記最低回転速度又は前記ピストン最低周速は、前記圧縮膨張兼用機の前記許容最高回転速度又は前記ピストン許容周速の0.4倍以上であってもよい。
【0017】
この構成によれば、最低回転速度又はピストン最低周速を許容最高回転速度ピストン許容周速の0.4倍以上に設定している。これにより、圧縮膨張兼用機を運転許容温度内で運転できる。詳細には、圧縮膨張兼用機が圧縮機として動作する際、圧縮膨張兼用機の吸気口(低圧口)と吐出口(高圧口)との圧力差によって、一部の圧縮空気は吐出口(高圧口)から吸気口(低圧口)へ逆流する。この逆流する空気の流量はロータの回転速度又はピストン周速によらずほぼ一定であるため、回転速度又はピストン周速が低いほど、大気から吸気する空気に対して逆流する空気の比率が増加する。よって、圧縮膨張兼用機の内部温度は回転速度又はピストン周速が低いほど高温となり、吐出温度も上昇する。従って、圧縮膨張兼用機の内部温度および吐出温度を運転許容温度内に保つためには、最低回転速度又はピストン最低周速を一定以上に保つ必要がある。例えば、そのような最低回転速度又はピストン最低周速は、上記の通り、許容最高回転速度又はピストン許容周速の0.4倍以上である。
【0018】
前記圧縮膨張兼用機は、スクリュ型であってもよい。
【0019】
この構成によれば、スクリュロータの回転速度の調整によって、充電電力量および発電電力量を調整できるため、不規則に変動する要求電力(要求される充電電力または発電電力)に応答性良く追従でき、広範な運転範囲を有するCAES発電装置を提供できる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、圧縮膨張兼用機を使用した圧縮空気貯蔵発電装置において、充電運転と発電運転の別によらずに広範囲の圧力で定格運転を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
本発明の実施形態に係るCAES発電装置の概略構成図。
CAES発電装置の運転圧力に対する比電力量を示すグラフ。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
【0023】
図1を参照して、CAES発電装置1は、再生可能エネルギーを利用して発電する発電設備2から電力を受けて充電運転を行い、電力需要に合わせて発電運転を行う。即ち、CAES発電装置1は、発電設備2の不規則な出力変動を平準化するとともに、電力需要に応じた電力供給を行う。
【0024】
本実施形態では、再生可能エネルギーを利用して発電する発電設備2として風力発電設備を例示している。ただし、CAES発電装置1が対象とする再生可能エネルギーの種類は、これに限定されず、太陽光、太陽熱、波力、潮力、流水、または潮汐等の自然の力で定常的ないし反復的に補充され、不規則に変動するエネルギーを利用した発電の全てを対象とし得る。さらに言えば、再生可能エネルギー以外にも不規則に稼働する発電設備を有する工場等のように、発電量が変動するものすべてを対象とし得る。
【0025】
CAES発電装置1は、圧縮膨張兼用機10と、電動発電兼用機20と、蓄圧部30と、制御装置40とを備える。
【0026】
圧縮膨張兼用機10は、空気を圧縮する圧縮機としての機能および圧縮空気を膨張させる膨張機としての機能を有する。また、圧縮膨張兼用機10は、低圧口11および高圧口12を有する。圧縮膨張兼用機10は、圧縮機として機能するときには低圧口11から空気を吸気し、内部で空気を圧縮し、高圧口12から圧縮空気を吐出する。圧縮膨張兼用機10は、膨張機として機能するときには高圧口12から圧縮空気を給気され、内部で圧縮空気を膨張し、低圧口11から空気を排気する。
【0027】
本実施形態では、圧縮膨張兼用機10は、スクリュ型である。スクリュ型の圧縮膨張兼用機10は、内部のスクリュロータの回転速度を制御可能であるため、不規則に変動する要求電力(要求される充電電力または発電電力)に応答性良く追従できる。従って、スクリュ型の圧縮膨張兼用機10は、CAES発電装置1の構成要素として好ましい。また、圧縮と膨張でスクリュロータを兼用とし、圧縮と膨張でスクリュロータの回転方向を互いに逆方向とする構成とすることにより、圧縮膨張兼用機10を簡易に構成できる。ただし、圧縮膨張兼用機10は、スクリュ型に限定されず、回転式または往復式のものであればよい。ここでの回転式は、スクリュ型、遠心型、軸流型、またはスクロール型などの全ての種類のものを含む。往復式は、ピストン式またはダイヤフラム式などの全ての種類のものを含む。
【0028】
圧縮膨張兼用機10には、変速部21を介して電動発電兼用機20が機械的に接続されている。電動発電兼用機20は、圧縮膨張兼用機10を圧縮機として動作させる電動機(モータ)としての機能および膨張機として動作する圧縮膨張兼用機10によって駆動される発電機としての機能を有する。
【0029】
電動発電兼用機20には、発電設備2が電気的に接続されている。充電運転においては、電動発電兼用機20は、電動機として機能し、発電設備2からの変動する入力電力によって駆動される。
【0030】
電動発電兼用機20は、不図示の電力系統にも電気的に接続されている。発電運転においては、電動発電兼用機20は、発電機として機能し、発電した出力電力は当該電力系統に送電される。
(【0031】以降は省略されています)

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