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公開番号2021029203
公報種別公開特許公報(A)
公開日20210301
出願番号2019155371
出願日20190828
発明の名称細胞製造装置
出願人株式会社日立製作所,国立大学法人 東京大学
代理人一色国際特許業務法人
主分類C12M 1/00 20060101AFI20210201BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】 2つの細胞供給流路と1つの細胞回収流路で構成される流路内の流れを安定化し、容易に細胞を所定の位置に移動させ、安定に細胞核を交換するための細胞製造装置を提供することを目的とする。
【解決手段】 第1の細胞供給部に接続する第1の流路と、第2の細胞供給部に接続する第2の流路と、第1の流路と第2の流路を隔てる壁に設けられ第1の流路と第2の流路を繋ぐ孔と、第1の流路側の壁に前記孔を囲むように設けられた凹形状の第1の細胞設置部と、を有し、凹形状の第1の細胞設置部は第1の縁を有し、壁の中心面に対して、第1の液体の流れに対して第1の縁の最も近い点と最も遠い点からの垂線の長さをそれぞれh1およびh2とするとき、それらの長さの関係がh1<h2である、製造装置とする。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
第1の細胞の細胞核を有し、前記第1の細胞の細胞膜と第2の細胞の細胞質とを含む細胞の製造装置であって、
第1の細胞供給部と、
第2の細胞供給部と、
前記第1の細胞供給部に接続する第1の流路と、
前記第2の細胞供給部に接続する第2の流路と、
前記第1の流路と前記第2の流路を隔てる壁に設けられ、前記第1の流路と前記第2の流路を繋ぐ孔と、
前記第1の流路側の壁に前記孔を囲むように設けられた凹形状の第1の細胞設置部と、
前記第1の流路内に設けられ、前記第1の流路に開口する開口部を有する第3の流路と、
前記第3の流路に接続する細胞回収部と、
前記第1の流路と前記第2の流路が、それぞれ前記第1の細胞供給部と前記第2の細胞供給部の逆側の端で合一して構成される共通流路と、
前記共通流路が、前記第1の流路と前記第2の流路の逆側の端に接続するポンプと、
前記孔に対して電圧を印加するための直流交流信号発生装置と、
を有し、
前記凹形状の第1の細胞設置部は第1の縁を有し、前記壁の中心面に対して、前記第1の液体の流れに対して第1の縁の最も近い点と最も遠い点からの垂線の長さをそれぞれh1およびh2とするとき、それらの長さの関係がh1<h2である、製造装置。
続きを表示(約 2,300 文字)【請求項2】
前記第1の縁の最も近い点から前記孔にいたる前記第1の斜面と前記第1の縁の最も遠い点から前記孔にいたる前記第2の斜面が、それぞれ第1の直線部分および第2の直線部分を有し、前前記中心面に対する前記第1の直線部分および第2の直線部分の傾きを、それぞれθ1及びθ2とするとき、θ1<θ2である、請求項1に記載の製造装置。
【請求項3】
前記第2の流路側の壁に前記孔を囲むように設けられた凹形状の第2の細胞設置部を有する、請求項1又は2に記載の製造装置。
【請求項4】
前記凹形状の第2の細胞設置部は第2の縁を有し、前記壁の中心面に対して、前記第2の液体の流れに対して第1の縁の最も遠い点と最も近い点からの垂線の長さをそれぞれh3およびh4とするとき、それらの長さの関係がh3<h4である請求項1〜3のいずれか1項に記載の製造装置。
【請求項5】
前記第2の縁の最も遠い点から前記孔にいたる前記第3の斜面と前記第2の縁の最も近い点から前記孔にいたる前記第4の斜面が、それぞれ第3の直線部分および第4の直線部分を有し、前記中心面に対する前記第3の直線部分および第4の直線部分の傾きを、それぞれθ3及びθ4とするとき、θ3<θ4である、請求項4に記載の製造装置。
【請求項6】
第1の細胞の細胞核を有し、前記第1の細胞の細胞膜と第2の細胞の細胞質とを含む細胞の製造装置であって、
第1の細胞供給部と、
第2の細胞供給部と、
前記第1の細胞供給部に接続する第1の流路と、
前記第2の細胞供給部に接続する第2の流路と、
前記第1の流路と前記第2の流路を隔てる平面上の壁に設けられ、前記第1の流路と前記第2の流路を繋ぐ孔と、
前記第1の流路内に設けられ、前記第1の流路に開口する開口部を有する第3の流路と、
前記第3の流路に接続する細胞回収部と、
前記第1の流路と前記第2の流路が、それぞれ前記第1の細胞供給部と前記第2の細胞供給部の逆側の端で合一して構成される共通流路と、
前記共通流路が、前記第1の流路と前記第2の流路の逆側の端に接続するポンプと、
前記孔に対して電圧を印加するための直流交流信号発生装置と、
を有し、
第1の流路内において、前記孔と前記共通流路側の端との間で、前記第1の流路が前記壁と逆側において狭くなっている、および/または第2の流路内において、前記第2の細胞供給部側の端と前記孔との間で、前記第2の流路が前記壁と逆側において狭くなっている、製造装置
【請求項7】
前記第1の流路において、前記壁と逆側に第1の抵抗体が設置されることによって前記第1の流路が前記壁と逆側において狭くなっている、請求項6の製造装置。
【請求項8】
前記第2の流路において、前記壁と逆側に第2の抵抗体が設置されることによって前記第2の流路が前記壁と逆側において狭くなっている、請求項6の製造装置。
【請求項9】
第1の細胞の細胞核を有し、前記第1の細胞の細胞膜と第2の細胞の細胞質とを含む細胞の製造装置であって、
第1の細胞供給部と、
第2の細胞供給部と、
前記第1の細胞供給部に接続する第1の流路と、
前記第2の細胞供給部に接続する第2の流路と、
前記第1の流路と前記第2の流路を隔てる壁に設けられ、前記第1の流路と前記第2の流路を繋ぐ孔と、
前記第1の流路側の壁に前記孔を囲むように設けられた凹形状の第1の細胞設置部と、
前記第1の流路内に設けられ、前記第1の流路に開口する開口部を有する第3の流路と、
前記第3の流路に接続する細胞回収部と、
前記第1の流路と前記第2の流路が、それぞれ前記第1の細胞供給部と前記第2の細胞供給部の逆側の端で合一して構成される共通流路と、
前記共通流路が、前記第1の流路と前記第2の流路の逆側の端に接続するポンプと、
前記孔に対して電圧を印加するための直流交流信号発生装置と、
を有し、
前記凹形状の第1の細胞設置部は第1の縁を有し、前記壁の中心面に対して、前記第1の液体の流れに対して第1の縁の最も近い点と最も遠い点からの垂線の長さをそれぞれh1およびh2とするとき、それらの長さの関係がh1<h2であり、
第1の流路内において、前記孔と前記共通流路側の端との間で、前記第1の流路が前記壁と逆側において狭くなっているか、および/または第2の流路内において、前記第2の細胞供給部側の端と前記孔との間で、前記第2の流路が前記壁と逆側において狭くなっている、製造装置。
【請求項10】
前記第1の縁の最も近い点から前記孔にいたる前記第1の斜面と前記第1の縁の最も遠い点から前記孔にいたる前記第2の斜面が、それぞれ第1の直線部分および第2の直線部分を有し、前記中心面に対する前記第1の直線部分および第2の直線部分の傾きを、それぞれθ1及びθ2とするとき、θ1<θ2である、請求項9に記載の製造装置。
【請求項11】
前記第1の流路において、前記壁と逆側に第1の抵抗体が設置されることによって前記第1の流路が前記壁と逆側において狭くなっている、請求項9または10の製造装置。
【請求項12】
前記第2の流路において、前記壁と逆側に第2の抵抗体が設置されることによって前記第2の流路が前記壁と逆側において狭くなっている、請求項9または10に記載の製造装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、細胞製造装置に関する。
続きを表示(約 8,900 文字)【背景技術】
【0002】
ある細胞の細胞核を別の細胞の細胞質内へ移植する細胞核移植は、細胞の性質を変える方法として、医療や産業に重要な役割を果たしている。
【0003】
例えば、細胞核を除去した受精卵に、別個体の体細胞由来の核を移植した後、受精卵を子宮に戻すことでクローン個体を産出する方法や、子宮に戻さず体外で胚盤胞へ発生させて胚性幹細胞 (Embryonic Stem cells: ES細胞) を樹立する体細胞由来胚性幹細胞 (nuclear transfer Embryonic stem cells: NtES細胞) 樹立方法などがある。こうして得られたクローン個体やNtES細胞は、畜産や再生医療の基礎研究に寄与している。
【0004】
細胞核移植以外に、細胞の性質を変える技術として、センダイウイルス法やプロトプラスト-ポリエチレングリコール法、電気的細胞融合法などの細胞融合技術が挙げられる。細胞融合は、2つ以上の細胞を融合させ、1つの細胞を形成する技術である。この方法では、細胞融合後の1つの細胞内に2つ以上の細胞に由来する細胞核が存在するため、融合細胞は医療利用に制限がある。
【0005】
細胞融合技術の内、電界集中型細胞融合法は、2つの細胞を、細胞核の直径以下の幅や径のスリットや孔 (オリフィス) を介して接触させ、スリットやオリフィスでパルス的に電界を集中させることで、2つの細胞膜の接点で電気的に細胞膜が部分的に破壊され、復元する過程で細胞を融合する方法である(例えば、特許文献1、2参照)。この方法では、オリフィスや流路の最大径や最大幅が細胞核径より小さいことにより、細胞核の混合を防ぐことが可能である(例えば、特許文献1、2参照)。近年、Polydimethyl siloxane (PDMS)を使用して作製された流路を用いて様々な電界集中型細胞融合法が検討されている。例えば、PDMSで製造された2つの平行流路間をオリフィスのみで繋ぎ、各流路末端に細胞供給口と吸引口をそれぞれ設けた流路を用い、オリフィスで細胞対を形成後、細胞融合させる方法がある。例えば、細胞供給口にJurkat細胞または樹状細胞を導入し、吸引口方向へ流路上で細胞を移動させ、オリフィスでJurkat細胞と樹状細胞を融合させ、Jurkat細胞の細胞質を樹状細胞へ移動させた後、界面活性剤を添加し、Jurkat細胞側の流路に流れを生じさせて両細胞を切り離すことで、細胞質が移動できるようになった(例えば、非特許文献1参照)。
【0006】
この電界集中型細胞融合法を基に細胞質交換法が開発された(例えば、特許文献3参照)。細胞質交換法では、標的体性細胞とiPS細胞を用いた場合、次の(A)〜(D)の手順を経て体性細胞の細胞質をiPS細胞の細胞質へ交換する(図1参照)。
【0007】
(A)標的体性細胞と1個目のiPS細胞を電界集中型細胞融合(1回目)する。
【0008】
(B)iPS細胞のみを切り離すことで、体性細胞の細胞質を除去する。
【0009】
(C)新たな2個目のiPS細胞と、切り離し元の標的体性細胞の電界集中型細胞融合(2回目)する。
【0010】
(D)体性細胞を切り離すことで、iPS細胞の細胞質を体性細胞へ導入する。
【0011】
この方法では、細胞質交換細胞は、PDMSで作製された流路内の第一と第二の2つの細胞供給流路から供給された体性細胞とiPS細胞を使用して、細胞質交換部で2回の電界集中型細胞融合後に作製される。作製された細胞質交換細胞は、第3の細胞回収流路を経て流路外へ回収可能である(例えば、特許文献4参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
特開2009−178105号公報
特開2007−174901号公報
特開2018−074982号公報
特開2018−148809号公報
【非特許文献】
【0013】
Cytoplasmic transfer without nuclei mixing between dendritic cells and tumor cells achieved by one to-one electrofusion via micro-orifices in a microfluidic device. 18th International Conference on Miniaturized. Systems for Chemistry and Life Sciences. October 26-30, 2014, San Antonio, Texas, USA
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
細胞質交換流路では、流路内で仕切られた3つの流路として、2つの細胞供給流路と1つの細胞回収流路を必要する。細胞質交換では、1つのポンプの吸引吐出により、2つの細胞供給流路を繋ぐ細胞融合部を通過する交差せん断流を利用して、細胞の分離方向を制御し、細胞供給流路を通過するせん断流を利用して細胞を切り離す。細胞核交換法で望ましい細胞の所定の位置の移動や、細胞分離方向の制御のためには、より安定したせん断流の供給が重要である。
【0015】
本発明は、2つの細胞供給流路と1つの細胞回収流路で構成される流路内の流れを安定化し、容易に細胞を所定の位置に移動させ、安定に細胞核を交換するための細胞製造装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明の一実施態様は、第1の細胞の細胞核を有し、前記第1の細胞の細胞膜と第2の細胞の細胞質とを含む細胞の製造装置であって、第1の細胞供給部と、第2の細胞供給部と、前記第1の細胞供給部に接続する第1の流路と、前記第2の細胞供給部に接続する第2の流路と、前記第1の流路と前記第2の流路を隔てる壁に設けられ、前記第1の流路と前記第2の流路を繋ぐ孔と、前記第1の流路側の壁に前記孔を囲むように設けられた凹形状の第1の細胞設置部と、前記第1の流路内に設けられ、前記第1の流路に開口する開口部を有する第3の流路と、前記第3の流路に接続する細胞回収部と、前記第1の流路と前記第2の流路が、それぞれ前記第1の細胞供給部と前記第2の細胞供給部の逆側の端で合一して構成される共通流路と、前記共通流路が、前記第1の流路と前記第2の流路の逆側の端に接続するポンプと、前記孔に対して電圧を印加するための直流交流信号発生装置と、を有し、前記凹形状の第1の細胞設置部は第1の縁を有し、前記壁の中心面に対して、前記第1の液体の流れに対して第1の縁の最も近い点と最も遠い点からの垂線の長さをそれぞれh1およびh2とするとき、それらの長さの関係がh1<h2である、製造装置である。前記第1の縁の最も近い点から前記孔にいたる前記第1の斜面と前記第1の縁の最も遠い点から前記孔にいたる前記第2の斜面が、それぞれ第1の直線部分および第2の直線部分を有し、前記壁の中心面に対する前記第1の直線部分および第2の直線部分の傾きを、それぞれθ1及びθ2とするとき、θ1<θ2であってもよい。前記第2の流路側の壁に前記孔を囲むように設けられた凹形状の第2の細胞設置部を有してもよい。前記凹形状の第2の細胞設置部は第2の縁を有し、前記壁の中心面に対して、前記第2の液体の流れに対して第1の縁の最も遠い点と最も近い点からの垂線の長さをそれぞれh3およびh4とするとき、それらの長さの関係がh3<h4であってもよい。前記第2の縁の最も遠い点から前記孔にいたる前記第3の斜面と前記第2の縁の最も近い点から前記孔にいたる前記第4の斜面が、それぞれ第3の直線部分および第4の直線部分を有し、前記壁の中心面に対する前記第3の直線部分および第4の直線部分の傾きを、それぞれθ3及びθ4とするとき、θ3<θ4であってもよい。
【0017】
本発明のその他の実施態様は、第1の細胞の細胞核を有し、前記第1の細胞の細胞膜と第2の細胞の細胞質とを含む細胞の製造装置であって、第1の細胞供給部と、第2の細胞供給部と、前記第1の細胞供給部に接続する第1の流路と、前記第2の細胞供給部に接続する第2の流路と、前記第1の流路と前記第2の流路を隔てる平面上の壁に設けられ、前記第1の流路と前記第2の流路を繋ぐ孔と、前記第1の流路内に設けられ、前記第1の流路に開口する開口部を有する第3の流路と、前記第3の流路に接続する細胞回収部と、前記第1の流路と前記第2の流路が、それぞれ前記第1の細胞供給部と前記第2の細胞供給部の逆側の端で合一して構成される共通流路と、前記共通流路が、前記第1の流路と前記第2の流路の逆側の端に接続するポンプと、前記孔に対して電圧を印加するための直流交流信号発生装置と、を有し、第1の流路内において、前記孔と前記共通流路側の端との間で、前記第1の流路が前記壁と逆側において狭くなっている、および/または第2の流路内において、前記第2の細胞供給部側の端と前記孔との間で、前記第2の流路が前記壁と逆側において狭くなっている、製造装置である。前記第1の流路において、前記壁と逆側に第1の抵抗体が設置されることによって前記第1の流路が前記壁と逆側において狭くなっていてもよい。前記第2の流路において、前記壁と逆側に第2の抵抗体が設置されることによって前記第2の流路が前記壁と逆側において狭くなっていてもよい。
【0018】
本発明のさらなる実施態様は、第1の細胞の細胞核を有し、前記第1の細胞の細胞膜と第2の細胞の細胞質とを含む細胞の製造装置であって、第1の細胞供給部と、第2の細胞供給部と、前記第1の細胞供給部に接続する第1の流路と、前記第2の細胞供給部に接続する第2の流路と、前記第1の流路と前記第2の流路を隔てる壁に設けられ、前記第1の流路と前記第2の流路を繋ぐ孔と、前記第1の流路側の壁に前記孔を囲むように設けられた凹形状の第1の細胞設置部と、前記第1の流路内に設けられ、前記第1の流路に開口する開口部を有する第3の流路と、前記第3の流路に接続する細胞回収部と、前記第1の流路と前記第2の流路が、それぞれ前記第1の細胞供給部と前記第2の細胞供給部の逆側の端で合一して構成される共通流路と、前記共通流路が、前記第1の流路と前記第2の流路の逆側の端に接続するポンプと、前記孔に対して電圧を印加するための直流交流信号発生装置と、を有し、前記凹形状の第1の細胞設置部は第1の縁を有し、前記壁の中心面に対して、前記第1の液体の流れに対して第1の縁の最も近い点と最も遠い点からの垂線の長さをそれぞれh1およびh2とするとき、それらの長さの関係がh1<h2であり、第1の流路内において、前記孔と前記共通流路側の端との間で、前記第1の流路が前記壁と逆側において狭くなっているか、および/または第2の流路内において、前記第2の細胞供給部側の端と前記孔との間で、前記第2の流路が前記壁と逆側において狭くなっている、製造装置である。前記第1の縁の最も近い点から前記孔にいたる前記第1の斜面と前記第1の縁の最も遠い点から前記孔にいたる前記第2の斜面が、それぞれ第1の直線部分および第2の直線部分を有し、前記壁の中心面に対する前記第1の直線部分および第2の直線部分の傾きを、それぞれθ1及びθ2とするとき、θ1<θ2であってもよい。前記第1の流路において、前記壁と逆側に第1の抵抗体が設置されることによって前記第1の流路が前記壁と逆側において狭くなっていてもよい。前記第2の流路において、前記壁と逆側に第2の抵抗体が設置されることによって前記第2の流路が前記壁と逆側において狭くなっていてもよい。
【発明の効果】
【0019】
本発明によって、2つの細胞供給流路と1つの細胞回収流路で構成される流路内の流れを安定化し、容易に細胞を所定の位置に移動させ、安定に細胞核を交換するための細胞製造装置を提供することができるようになった。
【図面の簡単な説明】
【0020】
従来の細胞質交換法における、体性細胞の細胞質をiPS細胞の細胞質へ交換する方法の模式図である。
本発明の一実施形態において、本開示の装置を真上から観察した時の基本構成を示す模式図である。
本発明の一実施形態において、細胞設置部を有する装置の孔周辺を拡大した図である。
本発明の一実施形態において、流路を構成する構造が狭くなっている装置を表す模式図である。
本発明の一実施形態において、流路に抵抗体が設けられている装置を表す模式図である。
本発明の一実施形態において、細胞設置部を有する装置を用いた時の、孔周辺の液体の流れを示す模式図である。
本発明の一実施形態において、細胞設置部を有する装置を用いた時の、核交換細胞の作製方法を示す模式図である。
本発明の一実施形態において、第1の流路または第2の流路に抵抗体が設けられている装置を用いた時の、孔周辺の液体の流れを示す模式図である。
本発明の一実施形態において、第1の流路および第2の流路に抵抗体が設けられている装置を用いた時の、孔周辺の液体の流れを示す模式図である。
本発明の一実施形態において、第1の流路に抵抗体が設けられている装置を用いた時の、核交換細胞の作製方法を示す模式図である。
本発明の一実施形態において、第2の流路に抵抗体が設けられている装置を用いた時の、核交換細胞の作製方法を示す模式図である。
本発明の一実施形態において、第1の流路および第2の流路に抵抗体が設けられている装置を用いた時の、核交換細胞の作製方法を示す模式図である。
本発明の一実施例において、本開示の装置を用いて、実際に核交換細胞を作製した時の観察像を示す顕微鏡写真である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、実施例を挙げながら、本発明の実施形態を詳細に述べる。
【0022】
本発明の目的、特徴、利点、及びそのアイデアは、本明細書の記載により、当業者には明らかであり、本明細書の記載から、当業者であれば、容易に本発明を再現できる。以下に記載された発明の実施の形態及び具体的に実施例などは、本発明の好ましい実施態様を示すものであり、例示又は説明のために示されているのであって、本発明をそれらに限定するものではない。本明細書で開示されている本発明の意図並びに範囲内で、本明細書の記載に基づき、様々な改変並びに修飾ができることは、当業者にとって明らかである。
【0023】
==細胞質を交換するための装置==
(1)基本構成
以下、本発明の装置の一実施態様を、図2を用いて詳細に説明する。
【0024】
本発明の一実施態様の装置は、第1の細胞供給部201と、第2の細胞供給部202と、第1の細胞供給部201に接続する第1の流路203と、第2の細胞供給部202に接続する第2の流路204と、第1の流路203と第2の流路204を隔てる壁205に設けられ、第1の流路203と第2の流路204を繋ぐ孔206と、第1の流路203と第2の流路204が、それぞれ第1の細胞供給部201と第2の細胞供給部202の逆側の端で合一して構成される共通流路209と、共通流路209が、第1の流路203と第2の流路204の逆側の端に接続するポンプ210と、孔206に対して電圧を印加するための直流交流信号発生装置212と、を有する。直流交流信号発生装置212は、電力増幅器213及び電極211を備えていてもよい。
【0025】
ここで、孔206とは、第1の流路203及び第2の流路204を連通する通路のことを言う。孔206の最大幅または最大径を、第1の細胞供給部201から供給される第1の細胞の核および第2の細胞供給部202から供給される第2の細胞の核の径より小さくしておき、細胞核が孔を通過できないようにしておくことが好ましい。具体的には、孔の最大幅または最大径は、第1の細胞の種類および第2の細胞の種類によって適宜調整すればよいが、10μm以下であることが好ましく、5μm以下であることがより好ましく、3μm以下であることがさらに好ましい。孔206の数は単数であっても複数であってもよいが、複数ある場合、同じ形状であることが好ましい。
【0026】
壁205は垂直またはほぼ垂直であることが好ましい。
【0027】
(2)第3の流路
この製造装置は、第1の流路203内に設けられ、第1の流路203に開口する開口部214を有する第3の流路207と、第3の流路207に接続する細胞回収部208と、を備えていてもよい。
【0028】
第1の流路203に開口する第3の流路207の開口部214は、第1の細胞の細胞核を有し第1の細胞の細胞膜と第2の細胞の細胞質とを含む細胞(以下、細胞質交換細胞と称する)が通過できる大きさであればよく、その最小幅または最小径は、細胞質交換細胞の大きさによって適宜調整すればよい。例えば、6μm以上であることが好ましく、10μm以上であることがより好ましく、20μm以上であることがさらに好ましい。開口部214の最小幅または最小径は、細胞質交換細胞が通過できるのであれば、細胞質交換細胞の直径よりも小さくてもよい。実際、接続口の最小幅または最小径を細胞質交換細胞の直径よりも若干小さくしておき、流路内の溶液の流速を早くすることによって、細胞を歪ませて第3の流路207内へ細胞を導入するようにすると、一旦第3の流路207に入った細胞質交換細胞は流路外に逆流しにくくなる。第3の流路207は、もう一端で細胞回収部208に接続されており、孔206を通じて作製された細胞質交換細胞を、第3の流路207に送り込んで、細胞回収部208で回収することにより、細胞質の交換処理をされていない細胞や処理途中の細胞から、細胞質交換細胞を分離して回収することが容易になる。
【0029】
(3)第1の細胞設置部
この製造装置は、第1の流路203側の壁205に孔206を囲むように設けられた凹形状の第1の細胞設置部301を有する。凹形状の第1の細胞設置部301は、第1の流路203への開口部の周囲を縁取る第1の縁と、第1の細胞供給部201から共通流路209へ流れる第1の液体の流れに対して、第1の縁の最も近い点から孔にいたる第1の斜面304と第1の縁の最も遠い点から孔にいたる第2の斜面305とを有する。壁205の中心面303に対し、液体の流れに対し第1の縁の最も近い点と最も遠い点からの垂線の長さをそれぞれh1およびh2とするとき、それらの長さの関係がh1<h2であることが好ましい。h1<h2とすることにより、孔206を通る安定した交差せん断流が生じ、例えば、第1の流路203を第1の細胞供給部201から共通流路209へ流れる細胞が、第1の細胞設置部301におさまりやすくなる。ここで、h1は5μm以上が好ましく、15μm以上が好ましく、25μm以上が好ましい。h2は10μm以上が好ましく、また20μm以上が好ましく、30μm以上が好ましい。また、第1の流路203及び第2の流路204は、実質的に平行に走っていることが好ましい。なお、本明細書で、壁205の中心面303とは、孔206を通り、第1の流路203および/または第2の流路204を流れる液体の流れに平行な面のうち、垂直な面のことをいう。
【0030】
また、この装置において、第1の縁の最も近い点と最も遠い点から孔206にいたる第1の斜面304及び第2の斜面305がそれぞれ第1の直線部分及び第2の直線部分を有し、壁205の中心面303に対する第1の直線部分及び第2の直線部分の傾きを、それぞれθ1及びθ2とするとき、θ1<θ2であることが好ましい。θ1<θ2とすることにより、孔206を通る安定した交差せん断流が生じ、例えば、第1の流路203を第1の細胞供給部201から共通流路209へ流れる細胞が、第1の細胞設置部301におさまりやすくなる。ここで、θ1は0°以上が好ましく、35°以上が好ましく、45°以上が好ましい。また、θ2は90°以下が好ましく、75°以下が好ましく、50°以下が好ましい。なお、本明細書で、斜面が直線部分を有するとは、孔206を通り、壁205の中心面303に垂直な壁205の断面において、斜面の一部または全部が直線状であることを言う。直線状の部分は、斜面の長さのうち、50%以上であることが好ましく、60%以上であることがより好ましく、70%以上であることがより好ましく、80%以上であることがより好ましく、90%以上であることがより好ましく、95%以上であることがより好ましく、99%以上であることがより好ましく、100%であることがさらに好ましい。
(【0031】以降は省略されています)

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