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公開番号2021028899
公報種別公開特許公報(A)
公開日20210225
出願番号2019148033
出願日20190809
発明の名称雌端子
出願人株式会社オートネットワーク技術研究所,住友電装株式会社,住友電気工業株式会社
代理人特許業務法人笠井中根国際特許事務所,個人,個人
主分類H01R 13/15 20060101AFI20210129BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】雌雄端子間の高い接圧を優れた作業性により実現できる、新規な構造の雌端子を提供する。
【解決手段】雄端子12が圧入される内面26によって接続部14を構成する雄端子挿通筒部24と、雄端子挿通筒部24の一対の第一分離部28,28に連接して相互に離隔して外方に突出する一対の重ね板部30,30と、連結板部56と一対の挟持板部58,58を有し、一対の挟持板部58,58の突出端部間が挿込口60とされたクリップ18とを備え、クリップ18の挿込口60から一対の挟持板部58,58間に圧入された一対の重ね板部30,30が、一対の挟持板部58,58の弾性復元力により一対の挟持板部58,58間で相互に重ね合された状態に付勢されており、雄端子12が圧入される際には、一対の挟持板部58,58の弾性復元力に抗して雄端子挿通筒部24が拡径方向に弾性変形されて雄端子12の圧入が許容される雌端子10である。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
雄端子と導通接続される接続部を含む雌端子金具と、
前記雌端子金具に設けられており、前記雄端子が圧入される内面によって前記接続部を構成する雄端子挿通筒部と、
前記雄端子挿通筒部の周方向の一か所が軸方向全長に亘って分離されることによって設けられた一対の第一分離部に連接して相互に離隔して外方に突出する一対の重ね板部と、
前記雌端子金具に保持されており、連結板部と該連結板部の両側縁部から相互に接近する方向に突出する一対の挟持板部を有し、該一対の挟持板部の突出端部間が挿込口とされたクリップとを備え、
前記クリップの前記挿込口から前記一対の挟持板部間に圧入された前記一対の重ね板部が、前記一対の挟持板部の弾性復元力により前記一対の挟持板部間で相互に重ね合された状態に付勢されており、
前記雄端子挿通筒部に前記雄端子が圧入される際には、前記一対の挟持板部の弾性復元力に抗して前記雄端子挿通筒部が拡径方向に弾性変形されて前記雄端子の前記雄端子挿通筒部への圧入が許容されるようになっている雌端子。
続きを表示(約 630 文字)【請求項2】
前記一対の挟持板部と該一対の挟持板部がそれぞれ重ね合される前記一対の重ね板部の一方に設けられたロック穴と、他方に設けられたロック爪とのロック嵌合によって、前記クリップが前記雌端子金具に保持されている請求項1に記載の雌端子。
【請求項3】
前記一対の重ね板部の突出方向の先端部が前記クリップの前記一対の挟持板部間で挟持されており、各前記一対の重ね板部の前記先端部には、幅方向両側端部が重ね合せ方向と反対側に向かって屈曲されて、前記クリップの前記一対の挟持板部の幅方向外方に配置される一対の保護壁部が設けられている請求項1または請求項2に記載の雌端子。
【請求項4】
前記一対の保護壁部の外面が、前記雌端子金具が収容されるハウジングの内面に当接されて支持される当接支持面を構成する請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の雌端子。
【請求項5】
前記雌端子金具が、前記雄端子挿通筒部の前記周方向の他の一か所において、前記軸方向全長に亘って分離されることによって設けられた一対の第二分離部と、該一対の第二分離部に連接して外方に突出する一対の延出板部とをさらに含んでおり、
前記一対の延出板部の延出端部が前記雌端子金具の基端部に設けられた電線圧着部に連接されており、前記一対の延出板部が全長に亘って相互に隙間を隔てて対向配置されている請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の雌端子。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、雌端子に係り、特に、大きな接圧で雄端子との導通接続が可能な雌端子に関するものである。
続きを表示(約 10,000 文字)【背景技術】
【0002】
従来から、自動車等の電装系に使用される雌端子として、例えば、特開2011−238558号公報(特許文献1)に記載のように、側縁部に開口部を有する箱状のケースと、ケースの内部に向かって突出する撓み変形可能な一対の接続部を備えたものが知られている。このような雌端子は、特許文献1の図8に示されているように、雄端子を開口部からケースの内部に挿入した後に、一対の接続部に接近する方向の付勢力を付与する別体のばね部材を取り付けることにより、大きな接圧で雄端子と雌端子の接続部の電気的接続が図られるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2011−238558号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、このような従来構造の雌端子においては、雄端子を開口部からケースの内部に挿入した後に別体のばね部材を取り付ける必要があることから、作業工程が増加して作業性が悪化するおそれがあった。
【0005】
そこで、雌雄端子間の高い接圧を優れた作業性により実現できる、新規な構造の雌端子を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の雌端子は、雄端子と導通接続される接続部を含む雌端子金具と、前記雌端子金具に設けられており、前記雄端子が圧入される内面によって前記接続部を構成する雄端子挿通筒部と、前記雄端子挿通筒部の周方向の一か所が軸方向全長に亘って分離されることによって設けられた一対の第一分離部に連接して相互に離隔して外方に突出する一対の重ね板部と、前記雌端子金具に保持されており、連結板部と該連結板部の両側縁部から相互に接近する方向に突出する一対の挟持板部を有し、該一対の挟持板部の突出端部間が挿込口とされたクリップとを備え、前記クリップの前記挿込口から前記一対の挟持板部間に圧入された前記一対の重ね板部が、前記一対の挟持板部の弾性復元力により前記一対の挟持板部間で相互に重ね合された状態に付勢されており、前記雄端子挿通筒部に前記雄端子が圧入される際には、前記一対の挟持板部の弾性復元力に抗して前記雄端子挿通筒部が拡径方向に弾性変形されて前記雄端子の前記雄端子挿通筒部への圧入が許容されるようになっている雌端子である。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、雌雄端子間の高い接圧を優れた作業性により実現できる雌端子を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1は、実施形態1にかかる雌端子を示す斜視図である。
図2は、図1に示す雌端子がハウジングに収容された状態の平面図である。
図3は、図2におけるIII−III断面図である。
図4は、図2におけるIV−IV断面拡大図である。
図5は、図1に示す雌端子を長さ方向を回転軸として180°回転した状態の斜視図である。
図6は、図3に示す雌端子金具の断面図であって、一対の重ね板部が付勢手段によって付勢される前の状態を示す図である。
図7は、実施形態2にかかる雌端子を示す平面図である。
図8は、図7におけるVIII−VIII断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
<本開示の実施形態の説明>
最初に、本開示の実施態様を列記して説明する。
本開示の雌端子は、
(1)雄端子と導通接続される接続部を含む雌端子金具と、前記雌端子金具に設けられており、前記雄端子が圧入される内面によって前記接続部を構成する雄端子挿通筒部と、前記雄端子挿通筒部の周方向の一か所が軸方向全長に亘って分離されることによって設けられた一対の第一分離部に連接して相互に離隔して外方に突出する一対の重ね板部と、前記雌端子金具に保持されており、連結板部と該連結板部の両側縁部から相互に接近する方向に突出する一対の挟持板部を有し、該一対の挟持板部の突出端部間が挿込口とされたクリップとを備え、前記クリップの前記挿込口から前記一対の挟持板部間に圧入された前記一対の重ね板部が、前記一対の挟持板部の弾性復元力により前記一対の挟持板部間で相互に重ね合された状態に付勢されており、前記雄端子挿通筒部に前記雄端子が圧入される際には、前記一対の挟持板部の弾性復元力に抗して前記雄端子挿通筒部が拡径方向に弾性変形されて前記雄端子の前記雄端子挿通筒部への圧入が許容されるようになっている雌端子である。
【0010】
本開示の雌端子によれば、雌端子金具に設けられた雄端子挿通筒部が、周方向の一か所において軸方向全長に亘って分離された一対の第一分離部を備え、第一分離部に連接して相互に離隔して外方に突出する一対の重ね板部を有している。そして、雌端子金具に保持されたクリップの一対の挟持板部間に一対の重ね板部を圧入することにより、一対の挟持板部の相互に離隔する方向への弾性変形が生じ、一対の挟持板部の間に一対の重ね板部を介在させることができる。その結果、一対の挟持板部の弾性復元力により一対の重ね板部が相互に接近して重ね合される方向に付勢される。これにより、雄端子挿通筒部の一対の第一分離部が相互に接近して重ね合される方向に弾性変形され、クリップの一対の挟持板部の弾性復元力によって、雄端子挿通筒部が縮径状態に保持されるようになっている。その上で、雄端子挿通筒部に雄端子が圧入される際には、クリップの一対の挟持板部の弾性復元力に抗して、雄端子挿通筒部が拡径方向に弾性変形可能であることから、雄端子挿通筒部への雄端子の圧入が許容される。このような構造の本態様の雌端子においては、クリップの一対の挟持板部の弾性復元力により、雄端子挿通筒部には縮径方向の力が加えられている。それゆえ、雄端子挿通筒部に圧入された雄端子に対して、雄端子挿通筒部の内面によって構成される接続部を、大きな接圧で圧接することが可能となるのである。
【0011】
しかも、クリップは、雌端子金具に保持されていることから、従来構造のように雄端子を雌端子に導通接続した後に、別体のばね部材等を導通接続部分を挟持するように取り付ける必要がない。それゆえ、作業工程の簡素化を図ることができ、雌雄端子間の高い接圧を優れた作業性により実現することができる。
【0012】
また、雄端子挿通筒部に雄端子が圧入される際に、クリップの一対の挟持板部の弾性復元力に抗して雄端子挿通筒部の拡径方向の弾性変形が許容されるようになっている。それゆえ、雄端子を雌端子の接続部に向けて挿入する際の挿入力を有利に低減しつつ接圧状態を安定して保持することが可能となっている。
【0013】
加えて、雄端子に何らかの外力が加わった際には、外力は雄端子挿通筒部の径方向外方に伝達されることとなる。したがって、クリップによる一対の重ね板部の付勢方向である重ね合わせ方向とは外力の伝達方向が異ならされている。それゆえ、雄端子に伝達された外力により雌雄端子間の接圧が変動することを有利に低減乃至は防止することができ、雌雄端子間の導通安定性の向上も確保することができる。
【0014】
一対の重ね板部を相互に重ね合された状態に付勢するクリップは、連結板部と連結板部の両側縁部から相互に接近する方向に突出する一対の挟持板部を有するシンプルな構成を有している。それゆえ、クリップを雌端子金具に保持させることによる構造の複雑化や雌端子自体の大型化を有利に回避することができ、雄端子の挿入力の低減と雄端子への接圧の向上を両立して達成できるコンパクトな雌端子を、より簡便な構造で提供することが可能となる。
【0015】
(2)前記一対の挟持板部と該一対の挟持板部がそれぞれ重ね合される前記一対の重ね板部の一方に設けられたロック穴と、他方に設けられたロック爪とのロック嵌合によって、前記クリップが前記雌端子金具に保持されていることが好ましい。
互いに重ね合される各挟持板部と各重ね板部の一方にロック穴を設け、他方にロック爪を設けるという簡単な構造により、ロック穴とロック爪のロック嵌合により、雌端子金具の一対の重ね板部に対して、クリップを保持させることができる。これにより、一層の構造の簡素化や雌端子の小型化を図ることができる。
【0016】
(3)前記一対の重ね板部の突出方向の先端部が前記クリップの前記一対の挟持板部間で挟持されており、各前記一対の重ね板部の前記先端部には、幅方向両側端部が重ね合せ方向と反対側に向かって屈曲されて、前記クリップの前記一対の挟持板部の幅方向外方に配置される一対の保護壁部が設けられていることが好ましい。
各一対の重ね板部の突出方向の先端部の幅方向両側端部が、一対の重ね板部の重ね合せ方向と反対側に向かって屈曲されることによって形成された一対の保護壁部が設けられている。そして、一対の保護壁部間に位置する一対の重ね板部の先端部に、クリップを装着することで、クリップの一対の挟持板部の幅方向両側を、一対の保護壁部によって保護することができる。これにより、クリップと他部材との干渉や、クリップに外力が加わり雌端子金具から外れる不具合等を、低減乃至は解消することができる。さらに、一対の保護壁部は、クリップを一対の重ね板部に装着する際にガイドとしての機能も奏することができ、雌端子の組立作業性の向上も図ることができる。
【0017】
(4)前記一対の保護壁部の外面が、前記雌端子金具が収容されるハウジングの内面に当接されて支持される当接支持面を構成することが好ましい。
一対の保護壁部の外面が、雌端子金具が収容されるハウジングの内面に当接されて支持される当接支持面を構成することにより、雌端子金具をハウジング内に安定して保持することができる。それゆえ、雌端子挿通筒部へ雄端子が挿入される際の雌端子の変位等を防止でき、スムーズな雌端子挿通筒部への雄端子の挿入を安定して維持することができる。さらに、雄端子の雌端子挿通筒部への挿入力をハウジング側に分散することができ、雌端子の耐久性の向上等も図ることができる。
【0018】
(5)前記雌端子金具が、前記雄端子挿通筒部の前記周方向の他の一か所において、前記軸方向全長に亘って分離されることによって設けられた一対の第二分離部と、該一対の第二分離部に連接して外方に突出する一対の延出板部とをさらに含んでおり、前記一対の延出板部の延出端部が前記雌端子金具の基端部に設けられた電線圧着部に連接されており、前記一対の延出板部が全長に亘って相互に隙間を隔てて対向配置されていることが好ましい。
雄端子挿通筒部の周方向の他の一か所に軸方向全長に亘って延びる第二分離部が設けられており、第二分離部に連接して外方に突出する一対の延出板部が雌端子金具の基端部に設けられた電線圧着部に連接されている。これにより、雄端子挿通筒部の弾性変形が容易となり、雄端子の雄端子挿通筒部への挿入力の低減を図ることができる。しかも、一対の延出板部は、全長に亘って相互に隙間を隔てて対向配置されており、雌端子金具の基端部に設けられた電線圧着部に連接されている。それゆえ、比較的大径となる電線圧着部への一対の延出板部の連接を容易に行うことができ、一対の延出板部同士の当接により雄端子挿通筒部の拡径方向への変形が阻止されて挿入力が上昇することも有利に回避できる。
なお、雄端子挿通筒部に設けられる第二分離部の周方向位置は雌端子の配設領域等の条件により任意に設定することができる。例えば、第一分離部に雄端子挿通筒部の軸直角方向で対向する位置に設けられてもよいし、第一分離部と第二分離部が雄端子挿通筒部の周方向で90°離隔する位置に設けられて、重ね板部と延出板部が互いに直交方向に突出するように構成することも可能である。
【0019】
<本開示の実施形態の詳細>
本開示の端子間接続構造の具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、本開示は、これらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0020】
<実施形態1>
以下、本開示の実施形態1について、図1から図6を参照しつつ説明する。図1から図6に、本開示の実施形態1に従う雌端子10が示されている。雌端子10は、略円筒状のピン形状を有する雄端子12と導通接続される接続部14を含む雌端子金具16を有している。また、雌端子10は、雌端子金具16に組み付けられて保持されるクリップ18を有している。加えて、雌端子10は、ハウジング20に収容されて使用される。なお、以下では、Z方向を上方、Y方向を幅方向、X方向を長さ方向として説明する。また、複数の同一部材については、一部の部材にのみ符号を付し、他の部材については符号を省略する場合がある。
【0021】
<雌端子金具16>
図1,図3〜4および図6に示されているように、雌端子金具16は、金属板材を所定の形状にプレス加工してなる。雌端子金具16を構成する金属としては、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金等の電気抵抗の低い金属を適宜に選択することができる。図3に示すように、雌端子金具16は、後述する電線圧着部46側から先端側(図3,6中左側)に向かって突出する一対の突片17,17を有している。一対の突片17、17は、互いに隙間を隔てて対向配置されており、それぞれの長さ方向の略中央部分において、対向方向と反対側に向かって凸となる方向に湾曲された一対の湾曲部21,21が設けられている。そして、一対の湾曲部21,21が対向配置されることにより、略円筒状の雄端子挿通筒部24が形成されている。雄端子挿通筒部24は、雌端子金具16の幅方向両側に開口しており、雄端子12の最大外径寸法:tよりも小さな最大内径寸法:rを有している。これにより、雄端子挿通筒部24は、雄端子12が圧入されるように構成されており、雄端子挿通筒部24の内面26によって接続部14が構成されている。雌端子金具16の長さ方向の先端部22側に位置する一対の湾曲部21,21の相対向する周端部により、雄端子挿通筒部24の周方向の1か所が雄端子挿通筒部24の軸方向(図3中、紙面に垂直な方向)の全長に亘って分離された一対の第一分離部28,28が構成されている。一対の第一分離部28,28に連接して相互に離隔して外方(図3中、左方)に向かって突出する一対の重ね板部30,30が設けられている。
【0022】
一対の重ね板部30,30の中央部分には、上側の重ね板部30の上面および下側の重ね板部30の下面のそれぞれにおいて、略三角断面形状を有するロック爪32が外方に向かって突設されている。ロック爪32は、雌端子金具16の先端部22側がテーパ面とされており、雌端子金具16の基端部34側が上下方向に延びる垂直面とされている。上側の重ね板部30の突出方向の先端部22側には、幅方向両側端部が重ね合せ方向と反対側である上方に向かって屈曲されて、略矩形平板状の一対の保護壁部36,36が設けられている。また、下側の重ね板部30の突出方向の先端部22側には、幅方向両側端部が重ね合せ方向と反対側である下方に向かって屈曲されて、同様の略矩形平板状の一対の保護壁部36,36が設けられている。加えて、一対の重ね板部30,30の基端部34側には、幅方向両側端部が幅方向外方に向かって平面視で略矩形平板状に突出して一対の突起38,38が形成されており、図示しない雄端子カバーに係合されるようになっている。
【0023】
雌端子金具16が、雌端子金具16の基端部34側に位置する一対の湾曲部21,21の相対向する周端部により、雄端子挿通筒部24の周方向の他の1か所が雄端子挿通筒部24の軸方向(図3中、紙面に垂直な方向)の全長に亘って分離された一対の第二分離部40,40が構成されている。一対の第二分離部40,40に連接して相互に離隔して外方(図3中、左方)に向かって突出する一対の延出板部42,42が設けられている。一対の延出板部42,42の延出端部には、相手方に向かって突出する側壁44,44が設けられており、側壁44同士が当接することにより一対の延出板部42,42の延出端部が筒状に形成されている。一対の延出板部42,42の延出端部が、雌端子金具16の基端部34に設けられた電線圧着部46に連接されている。一対の延出板部42,42は長さ方向の全長に亘って相互に隙間を隔てて対向配置されている。加えて、一対の延出板部42,42の先端部には、幅方向両側端部が幅方向外方に向かって平面視で略矩形平板状に突出して一対の突起48,48が形成されており、図示しない雄端子カバーに係合されるようになっている。
【0024】
電線圧着部46において、雌端子金具16に対して電線50の芯線52が導通接続されている。電線50は、導体である銅やアルミニウムその他の金属線の複数を束ね合わせた芯線52が、エチレン系樹脂やスチレン系樹脂等の電気絶縁性を有する絶縁被覆54で覆われた構造とされている。電線50の端末において絶縁被覆54を剥いで露呈された芯線52を、公知の圧着技術を用いて雌端子金具16の電線圧着部46に圧着することにより電線50の芯線52が雌端子金具16に対して導通接続されるようになっている。
【0025】
<クリップ18>
雌端子金具16に対してクリップ18が組み付けられて保持されている(例えば、図1や図3参照)。クリップ18は、プレス加工や打抜き加工等が可能な種々の金属材料、例えばばね鋼やステンレス鋼,黄銅,リン青銅,ベリリウム銅等の帯板を用いて形成されている。クリップ18は、矩形平板状の連結板部56と、連結板部56の両側縁部から相互に接近する方向に突出する矩形平板状の一対の挟持板部58,58を有している。一対の挟持板部58,58の突出端部が、相互に離隔する方向にわずかに屈曲されている。一対の挟持板部58,58が突出端部において最も接近した突出端部間の隙間が、挿込口60とされている。挿込口60の略中央部において、一対の挟持板部58,58には、板厚方向に矩形断面形状のロック穴62が貫設されている。
【0026】
クリップ18は、例えば図1や図3に示すように、雌端子金具16の先端部22に組み付けられている。すなわち、雌端子金具16の先端部22に設けられた一対の重ね板部30,30が、クリップ18の挿込口60からクリップ18の一対の挟持板部58,58間に圧入されている。この際、一対の挟持板部58,58が相互に離隔する方向に弾性変形することで、一対の重ね板部30,30に設けられたロック爪32を乗り越える。その後、一対の挟持板部58,58が弾性復帰することにより、一対の挟持板部58,58に設けられたロック穴62にロック爪32がロック嵌合されて、クリップ18が雌端子金具16に離脱不能に保持されている。ロック爪32をロック穴62にロック嵌合するという簡単な構造により、雌端子金具16の一対の重ね板部30,30に対して、クリップ18を保持させることができることから、構造を簡素化して雌端子10の小型化を図ることができる。この結果、一対の重ね板部30,30の突出方向の先端部が、クリップ18の一対の挟持板部58,58間で挟持されている。また、一対の重ね板部30,30が、一対の挟持板部58,58の弾性復元力により、一対の挟持板部58,58間で相互に重ね合された状態に付勢されている。さらに、クリップ18の一対の挟持板部58,58の幅方向外方には、一対の保護壁部36,36が配置されている。これにより、クリップ18の一対の挟持板部58,58の幅方向両側を、一対の保護壁部36,36によって保護することができる。それゆえ、クリップ18と図示しない他部材との干渉や、クリップ18に外力が加わった際に雌端子金具16から外れる不具合等を、低減乃至は解消することができる。さらに、一対の保護壁部36,36は、クリップ18を一対の重ね板部30,30に装着する際にガイドとしての機能も果たすことができる。それゆえ、雌端子10の組立作業性の向上も図ることができる。
【0027】
<ハウジング20>
先端部22にクリップ18が組み付けられた雌端子金具16は、ハウジング20に収容されて使用される。ハウジング20は絶縁性の合成樹脂で形成されている。ハウジング20は、長さ方向の一方側(図3中、左側)に開口する横長の角筒箱体状とされており、一本の電線50付きの雌端子10を収容するための一つの雌端子収容室64(例えば図3参照)を有している。図3に示すように、雌端子収容室64は、先端(図3中、右端側)に矩形断面形状の狭幅の先端収容室64aが設けられ、それ以外には矩形断面形状の基端側収容室64bが設けられている。先端収容室64aは、ハウジング20を構成する周壁66の先端部が他の部位よりも肉厚とされることによって狭幅となっている。また、ハウジング20を構成する周壁66の先端側には、幅方向一方側(図3中、紙面に垂直な方向の下方側)において、円形断面形状および円形断面形状に連接して長さ方向両側に向かって延びる矩形断面形状を有する雄端子挿通孔68が貫設されている。
【0028】
先端部22にクリップ18が組み付けられた雌端子金具16が、ハウジング20に対してクリップ18が組み付けられた側から挿入され収容される。この結果、クリップ18が組み付けられた一対の重ね板部30,30の先端部が、ハウジング20の先端収容室64aに収容される。これにより、図4に示すように、一対の保護壁部36,36の外面によって、雌端子金具16が収容されるハウジング20の先端収容室64aの内面に当接されて支持される当接支持面70が構成されている。それゆえ、雌端子金具16をハウジング20内に安定して保持することができる。また、後述する雌端子金具16の雄端子挿通筒部24へ雄端子12が圧入される際の雌端子10の変位等を防止でき、スムーズな雄端子12の挿入を安定して維持できる。さらに、雄端子12の挿入力をハウジング20側に分散することができることから、雌端子10の耐久性の向上等も図られる。
【0029】
続いて、本実施形態の作用効果について説明する。本実施形態の雌端子10においては、ハウジング20に収容された雌端子10に対して、ハウジング20の雄端子挿通孔68から雄端子12が圧入されるようになっている。雌端子10の雄端子挿通筒部24に雄端子12が圧入される際には、クリップ18の一対の挟持板部58,58の弾性復元力に抗して雌端子10の雄端子挿通筒部24が拡径方向、すなわち一対の第一分離部28,28が相互に離隔する方向に弾性変形される。これにより、雄端子12の雌端子10の雄端子挿通筒部24への圧入が許容される。
【0030】
接続部14を構成する雄端子挿通筒部24の内面26の一か所が軸方向の全長に亘って分離されて一対の第一分離部28,28が形成され、一対の第一分離部28,28に連接された一対の重ね板部30,30が、クリップ18の挿込口60からクリップ18の一対の挟持板部58,58間に圧入されている。これにより、一対の重ね板部30,30が、一対の挟持板部58,58の弾性復元力により、一対の挟持板部58,58間で相互に重ね合された状態に付勢されている。それゆえ、雌端子10の雄端子挿通筒部24に雄端子12が圧入される際には、クリップ18の一対の挟持板部58,58の弾性復元力に抗して雌端子10の雄端子挿通筒部24が拡径方向に弾性変形され、雄端子12の雌端子10の雄端子挿通筒部24への圧入が許容されるのである。それゆえ、雄端子12を雌端子10の接続部14である雄端子挿通筒部24の内面26に向けて挿入する際の挿入力を有利に低減しつつ接圧状態を安定して保持することができる。また、雄端子挿通筒部24には、クリップ18の一対の挟持板部58,58の弾性復元力により、縮径方向の力が加えられているため、雄端子挿通筒部24に圧入された雄端子12に対して、雌端子10の接続部14(雄端子挿通筒部24の内面26)を大きな接圧で接触させることが可能となる。また、雄端子12に何らかの外力が加わった際には、外力は雄端子挿通筒部24の径方向外方に伝達され、クリップ18による一対の重ね板部30,30の付勢方向である重ね合わせ方向とは外力の伝達方向が異ならされている。それゆえ、雄端子12に伝達された外力により雌端子10と雄端子12間の接圧が変動することを有利に低減乃至は防止することができ、雌端子10と雄端子12間の導通安定性の向上も確保できる。
(【0031】以降は省略されています)

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