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公開番号2021027777
公報種別公開特許公報(A)
公開日20210222
出願番号2019146677
出願日20190808
発明の名称共振装置、電力伝送装置、及び電力伝送方法
出願人株式会社レーザーシステム
代理人特許業務法人鷲田国際特許事務所
主分類H02J 50/12 20160101AFI20210125BHJP(電力の発電,変換,配電)
要約【課題】2つの共振器間の位置ずれに対応可能とする共振装置を提供すること。
【解決手段】閉曲線線路の一部が開放された構造を呈し、自身に対向して配された自身と相似形の他の共振器211との間で、電磁結合を利用して非接触で高周波電力の授受を行う共振器111と、閉曲線線路が形成する面内で、共振器111を、当該共振器111の周方向に回転させる駆動部115と、駆動部115を制御して共振器111の周方向における角度が互いに異なる複数の位置で共振器111と他の共振器211との間で高周波電力の授受を試験的に実行させ、共振器111の各位置で検出される共振器111と他の共振器211との一方から他方へ伝送された高周波電力の電力値に基づいて、高周波電力の授受を本実施する際の角度を設定する制御部114と、を備える共振装置。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
閉曲線線路の一部が開放された構造を呈し、自身に対向して配された自身と相似形の他の共振器との間で、電磁結合を利用して非接触で高周波電力の授受を行う共振器と、
前記閉曲線線路が形成する面内で、前記共振器を、当該共振器の周方向に回転させる駆動部と、
前記駆動部を制御して前記共振器の周方向における角度が互いに異なる複数の位置で前記共振器と前記他の共振器との間で前記高周波電力の授受を試験的に実行させ、前記共振器の各位置で検出される前記共振器と前記他の共振器との一方から他方へ伝送された前記高周波電力の電力値に基づいて、前記高周波電力の授受を本実施する際の前記角度を設定する制御部と、
を備える共振装置。
続きを表示(約 1,200 文字)【請求項2】
前記制御部は、前記共振器と前記他の共振器との間における前記高周波電力の伝送効率が閾値以上となるように、又は、前記共振器と前記他の共振器との間における前記高周波電力の伝送効率が最大となるように、前記共振器の周方向における角度を設定する、
請求項1に記載の共振装置。
【請求項3】
前記制御部は、
前記角度を設定する前には、第1電力値で、前記共振器と前記他の共振器との間で前記高周波電力の授受を実行させ、
前記角度を設定した後には、前記第1電力値よりも大きい第2電力値で、前記共振器と前記他の共振器との間で前記高周波電力の授受を実行させる、
請求項1又は2に記載の共振装置。
【請求項4】
前記共振器は、金属膜と絶縁膜とが交互に積層された構造を有する、
請求項1乃至3のいずれか一項に記載の共振装置。
【請求項5】
前記共振器は、自身の長手方向の中心位置に、当該共振器の側面から当該共振器の中心点に向かって延在する突起部を有し、当該突起部にて、支持されている、
請求項1乃至4のいずれか一項に記載の共振装置。
【請求項6】
第1及び第2共振装置を備え、当該第1及び第2共振装置それぞれが有する閉曲線線路の一部が開放された構造を呈する共振器を用いて、非接触で高周波電力の授受を行う電力伝送装置であって、
前記第1及び第2共振装置のいずれか一方は、
前記閉曲線線路が形成する面内で、前記共振器を、当該共振器の周方向に回転させる駆動部と、
前記駆動部を制御して前記共振器の周方向における角度が互いに異なる複数の位置で一方の前記共振器と他方の前記共振器との間で前記高周波電力の授受を試験的に実行させ、前記共振器の各位置で検出される一方の前記共振器から他方の前記共振器へ伝送された前記高周波電力の電力値に基づいて、前記高周波電力の授受を本実施する際の前記角度を設定する制御部と、を有する、
電力伝送装置。
【請求項7】
第1及び第2共振装置それぞれが有する閉曲線線路の一部が開放された構造を呈する共振器を用いて、非接触で高周波電力の授受を行う電力伝送方法であって、
前記第1及び第2共振装置のいずれか一方は、
前記閉曲線線路が形成する面内で、前記共振器を、当該共振器の周方向に回転させ、
前記共振器の周方向における角度が互いに異なる複数の位置で一方の前記共振器と他方の前記共振器との間で前記高周波電力の授受を試験的に実行させ、前記共振器の各位置で検出される一方の前記共振器から他方の前記共振器へ伝送された前記高周波電力の電力値に基づいて、前記高周波電力の授受を本実施する際の前記角度を設定する、
電力伝送方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、共振装置、電力伝送装置、及び電力伝送方法に関する。
続きを表示(約 5,800 文字)【背景技術】
【0002】
従来、2つのオープンリング共振器を用いて、非接触で高周波の電力や信号(以下、「高周波電力」と総称する)を送受する電力伝送装置が知られている(例えば、特許文献1、非特許文献1を参照)。
【0003】
この種の電力伝送装置は、互いに対向するように配設された送電側のオープンリング共振器と受電側のオープンリング共振器とによって構成される。そして、送電側のオープンリング共振器と受電側のオープンリング共振器とを電磁結合(例えば、磁界共鳴)させることによって、送電側のオープンリング共振器から受電側のオープンリング共振器に高周波電力を伝送する。
【0004】
オープンリング共振器は、一般に、送電側のオープンリング共振器と受電側のオープンリング共振器とが、同一の周波数で共振するように構成されており、典型的には、リングの線路長が共振周波数から換算されるλ/2程度となるように構成される。
【0005】
このように構成された電力伝送装置は、非接触で高い伝送効率を得られるため、携帯機器や電気自動車等への非接触電力伝送の用途等への応用が期待されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特許第4835334号公報
【非特許文献】
【0007】
I.Awai and A.K.Saha, “Open Ring Resonators Applicable to Wide-band BPF”, Proceedings of Asia-Pacific Microwave Conference 2006, ISBN:978-4-902339-08-6
大平 孝、“電圧電流で理解する最大効率とkQ積”, 2014 Microwave workshops & Exhibition (MWE 2014)ダイジェスト WS05-03
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、この種の電力伝送装置は、小型で且つ高効率というメリットを有しているが、2つのオープンリング共振器間の位置関係に応じて、オープンリング共振器間の電磁結合の状態が変化し、電力伝送の効率が低下するという課題がある。かかる課題は、特に、2つのオープンリング共振器のうちの一方が移動体に搭載されている場合に表出しやすく、例えば、地上に固定された共振器から移動体に搭載された共振器に対して電力伝送を実行する際に、表出しやすい。
【0009】
本開示は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、2つの共振器間の位置ずれに対応可能とする共振装置、電力伝送装置、及び電力伝送方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前述した課題を解決する主たる本開示は、
閉曲線線路の一部が開放された構造を呈し、自身に対向して配された自身と相似形の他の共振器との間で、電磁結合を利用して非接触で高周波電力の授受を行う共振器と、
前記閉曲線線路が形成する面内で、前記共振器を、当該共振器の周方向に回転させる駆動部と、
前記駆動部を制御して前記共振器の周方向における角度が互いに異なる複数の位置で前記共振器と前記他の共振器との間で前記高周波電力の授受を試験的に実行させ、前記共振器の各位置で検出される前記共振器と前記他の共振器との一方から他方へ伝送された前記高周波電力の電力値に基づいて、前記高周波電力の授受を本実施する際の前記角度を設定する制御部と、
を備える共振装置である。
【0011】
又、他の局面では、
第1及び第2共振装置を備え、当該第1及び第2共振装置それぞれが有する閉曲線線路の一部が開放された構造を呈する共振器を用いて、非接触で高周波電力の授受を行う電力伝送装置であって、
前記第1及び第2共振装置のいずれか一方は、
前記閉曲線線路が形成する面内で、前記共振器を、当該共振器の周方向に回転させる駆動部と、
前記駆動部を制御して前記共振器の周方向における角度が互いに異なる複数の位置で一方の前記共振器と他方の前記共振器との間で前記高周波電力の授受を試験的に実行させ、前記共振器の各位置で検出される一方の前記共振器から他方の前記共振器へ伝送された前記高周波電力の電力値に基づいて、前記高周波電力の授受を本実施する際の前記角度を設定する制御部と、を有する、
電力伝送装置である。
【0012】
又、他の局面では、
第1及び第2共振装置それぞれが有する閉曲線線路の一部が開放された構造を呈する共振器を用いて、非接触で高周波電力の授受を行う電力伝送方法であって、
前記第1及び第2共振装置のいずれか一方は、
前記閉曲線線路が形成する面内で、前記共振器を、当該共振器の周方向に回転させ、
前記共振器の周方向における角度が互いに異なる複数の位置で一方の前記共振器と他方の前記共振器との間で前記高周波電力の授受を試験的に実行させ、前記共振器の各位置で検出される一方の前記共振器から他方の前記共振器へ伝送された前記高周波電力の電力値に基づいて、前記高周波電力の授受を本実施する際の前記角度を設定する、
電力伝送方法である。
【発明の効果】
【0013】
本開示に係る共振装置によれば、2つの共振器間の位置ずれに対応することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
第1の実施形態に係る電力伝送装置の全体構成を示す図
第1の実施形態に係る第1共振装置と第2共振装置の構成の一例を示す側面図
第1の実施形態に係る第1共振器を平面視した図
第1の実施形態に係る第1共振器と第2共振器との位置関係を示す平面図
電力伝送装置における、ポート角度(共振器への入出力線路の接続位置)と伝送効率の関係の一例を示す図
電力伝送装置における、共振器間距離(±Z方向における第1共振器と第2共振器の間の距離)と伝送効率の関係の一例を示す図
電力伝送装置における、リング間角度とkQ積の関係の一例を示す図
第1の実施形態に係る電力伝送装置において、共振器間距離の変化に対応するために、リング間角度を調整した場合に検出される伝送効率の挙動を示す図
第1の実施形態に係る電力伝送装置において、±X方向における位置ずれに対応するために、リング間角度を調整した場合に検出される伝送効率の挙動を示す図
第1の実施形態に係る電力伝送装置において、±Y方向における位置ずれに対応するために、リング間角度を調整した場合に検出される伝送効率の挙動を示す図
第1の実施形態に係る電力伝送装置の動作を示すフローチャート
第2の実施形態に係る共振器の側面を拡大した図
第2の実施形態に係る電磁界解析シミュレーションにより、多層構造の共振器を用いて電力伝送を実行した場合の伝送効率と単相構造の共振器を用いて電力伝送を実行した場合の伝送効率とを比較した図
第3の実施形態に係る共振装置を側面から見た図
第3の実施形態に係る共振装置を平面から見た図
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に添付図面を参照しながら、本開示の好適な実施形態について詳細に説明する。尚、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0016】
各図には、各構成の位置関係を明確にするため、電力伝送装置の送電装置と受電装置とが対向する方向のうち、送電装置から受電装置を見た方向を、Z軸のプラス方向として、共通の直交座標系(X、Y、Z)を示している。以下では、プラスZ方向を上方向と称して説明する。但し、これらの方向は、電力伝送装置の使用時の姿勢を制限するものではない。
【0017】
(第1の実施形態)
[電力伝送装置の全体構成]
以下、図1〜図4を参照して、本実施形態に係る電力伝送装置の構成の一例について説明する。本実施形態に係る電力伝送装置は、電気負荷に対する電力伝送に適用されている。
【0018】
図1は、本実施形態に係る電力伝送装置Uの全体構成を示す図である。
【0019】
電力伝送装置Uは、受電装置100と送電装置200とにより構成される。
【0020】
受電装置100は、例えば、送電装置200の第2共振装置210から高周波電力を受電する第1共振装置110、第1共振装置110が受電した高周波電力を整流する整流回路120、及び、整流回路120で整流された直流電力を使用する電気負荷(例えば、バッテリ)130を有している。
【0021】
送電装置200は、例えば、電源230(例えば、バッテリ)、当該電源230から供給される電力を用いて高周波電力を生成する発振器220(例えば、半導体発振器、マグネトロン等)、及び、発振器220から取得した高周波電力を、受電装置100の第1共振装置110に送出する第2共振装置210を有している。
【0022】
尚、受電装置100と送電装置200とは、典型的には、分離した状態で配設されている。受電装置100は、例えば、電気自動車に搭載され、送電装置200は、例えば、給電設備として地面に埋設されている。
【0023】
図2は、本実施形態に係る第1共振装置110と第2共振装置210の構成の一例を示す側面図である。図3は、本実施形態に係る第1共振器111を平面視した図である。図4は、本実施形態に係る第1共振器111と第2共振器211との位置関係を示す平面図である。尚、図4では、第1共振器111及び第2共振器211の突起部(後述する111b等)の図示を省略している。
【0024】
第1共振装置110は、第1共振器111、第1入出力線路112、第1グラウンド板113、第1制御部114、及び、駆動部115を備えている。
【0025】
第1共振器111は、第2共振器211が対向して配された際に、当該第2共振器211と電磁結合して、当該第2共振器211との間で、非接触で高周波電力の授受を行う。ここでは、第2共振器211から第1共振器111に対して、高周波電力を送電する。
【0026】
第1共振器111は、閉曲線線路の一部に開放部111aを有する構造(以下、「オープンリング」と称する)を呈している(図3を参照)。即ち、第1共振器111は、長手方向の両端が開放端とされている。第1共振器111は、例えば、開放部111aを有するリング状の金属板にて構成されている。第1共振器111のオープンリングのリング長は、例えば、電位差の最大となる両端が近接するように、送受する高周波電力の波長の1/2の長さ程度に設定される。
【0027】
第1共振器111は、第1入出力線路112と電気的に接続するように配設され、第2共振器211から受信した高周波電力を、第1入出力線路112を介して、整流回路120に送出する。本実施形態に係る第1共振器111は、当該第1共振器111の上面側(即ち、裏面側)において、第1入出力線路112の電極部112aと電気接続するように配設されている。
【0028】
第1共振器111が第1入出力線路112の電極部112aと電気接続する位置は、第1共振器111と第1入出力線路112との間におけるインピーダンス整合を考慮して、適宜な位置に設定されている(図5、図6を参照して後述)。尚、以下では、第1共振器111が電極部112aと電気接続する位置を、平面視において、第1共振器111の中心点A

と第1共振器111に電極部112aが電気接続する位置A

とを結ぶ線と、第1共振器111の中心点A

と第1共振器111の長手方向の中心位置A

とを結ぶ線との間のなす角度(即ち、位置A

と位置A

との間の第1共振器111の周方向における角度)∠A





により規定する(以下、「ポート角度φ

」と称する)。
【0029】
但し、第1共振器111に対する第1入出力線路112のポート角度φ

は、第1共振器111と第1入出力線路112との間のインピーダンス整合の整合条件を完全に充足する角度よりも小さくなるように設定されるのが望ましい(図5、図6を参照して後述)。尚、図3では、ポート角度φ

が、略28°の態様を示している。
【0030】
第1共振器111は、例えば、当該第1共振器111の側面において、当該第1共振器111の長手方向の中心位置(即ち、周方向の中心位置)から、当該第1共振器111の中心点A

に向けて突出する突起部111bを有している(図3を参照)。そして、第1共振器111は、突起部111bに挿通された上下方向(±Z方向)に延在する支持棒111Sにて支持されている。突起部111bの位置は、典型的には、第1共振器111が共振動作する際の電圧のゼロクロス点に相当するため、突起部111bは、第1共振器111の共振特性に影響を及ぼさない。
(【0031】以降は省略されています)

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