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公開番号2021027610
公報種別公開特許公報(A)
公開日20210222
出願番号2019141128
出願日20190731
発明の名称駆動装置
出願人株式会社デンソー
代理人特許業務法人 サトー国際特許事務所
主分類H02P 5/46 20060101AFI20210125BHJP(電力の発電,変換,配電)
要約【課題】直列接続した2個の機電一体モータの始動時あるいは停止時に、中点電位がずれる場合でも、簡単な構成で中点電位を修正しながら安定した状態で駆動することができるようにした駆動装置を提供する。
【解決手段】機電一体モータ10、20は、それぞれモータ11、21を駆動するインバータ12、22が設けられる。モータ駆動装置40は、制御回路60により、中点Nの中点電位Vnを検出し、中点電位Vnが外れる場合には、補償回路70を作動させて基準電位領域内に収まるように制御し、インバータ12、22に対して回転指示値を調整する。これにより、補償回路70による電流を流すことなく中点電位Vnを基準電位領域内に収まるようにする。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
それぞれモータおよびインバータを一体に設ける構成の第1および第2機電一体モータを直列接続して直流電源に接続した状態で駆動制御する駆動装置であって、
前記第1および第2機電一体モータのインバータ間を接続している中点の電位を検出する中点電位検出回路(64)と、
前記中点に電流を流し出しあるいは前記中点から電流を取り込む補償回路(70)と、
始動時もしくは停止時において、第1および第2機電一体モータの一方のモータ電流が過大もしくは過少となって前記中点電位が前記基準電圧範囲から外れた場合に、前記補償回路により前記中点電位の偏りを抑制させ、他方のモータもしくは双方のモータの回転数を指示値に応じて調整して補正指示値を設定することで、前記中点電位が前記基準電圧範囲に戻るように制御する制御回路(60)と
を備えた駆動装置。
続きを表示(約 270 文字)【請求項2】
前記制御回路は、他方のモータもしくは双方のモータの回転数を指示値に応じて調整して前記補正指示値を設定したときは、前記補正指示値を記憶し、次に外部から入力される回転指示値に対して始動するときに、前記補正指示値を読み出して対応する回転指示値を設定する請求項1に記載の駆動装置。
【請求項3】
前記補償回路は、昇降圧コンバータにより構成され、前記中点電位が前記基準電圧範囲から外れた場合に前記中点電位の偏りを抑制する動作を実行し、前記中点電位が前記基準電圧範囲に戻ると動作を停止する請求項1または2に記載の駆動装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、駆動装置に関する。
続きを表示(約 5,400 文字)【背景技術】
【0002】
電源電圧に対してこれよりも低い電圧で動作するインバータを複数直列に接続することで電源電圧となるようにして使用することが行われている。例えば24V電源の車載バッテリを用いているバス、トラック、大型建機等の車両においては、比較的廉価な12V車用の機電一体モータを流用することが考えられている。この場合、12V車用に使用される機電一体モータでは、モータ本体にインバータをユニット化して内蔵した構成とされている。
【0003】
この場合、従来の構成においては、一方のインバータがフェールして停止や保護動作が行われた際にも、双方向コンバータなどで構成された補償回路により、中点電位を基準電位であるバッテリ電圧VBの1/2となるように降圧動作することで、システムとしての動作を継続させることができる。
【0004】
しかしながら、インバータがフェールして停止や保護動作が行われた状態で、他方のインバータの動作を継続させるためには、定常的に一方のインバータの動作電流を基準電位に降圧させる必要があり、相応の熱設計がされた大容量のインバータを構成する必要がある。
【0005】
また、コンデンサを用いた補償回路構成では、そもそも中点電位がずれている場合に基準電位に保持することができる時間は非常に短く、モータ負荷のトルク・イナーシャばらつきにより、始動特性が異なると、中点電位に偏りが発生することがあり、これを保護するためにインバータが停止したり、損傷を招く可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特許第4559665号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記事情を考慮してなされたもので、その目的は、2個の機電一体モータを直列接続して使用する構成で、始動時あるいは停止時に中点電位がずれる場合でも、簡単な構成で中点電位を修正しながら安定した状態で駆動することができるようにした駆動装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に記載の駆動装置は、それぞれモータおよびインバータを一体に設ける構成の第1および第2機電一体モータを直列接続して直流電源に接続した状態で駆動制御する駆動装置であって、前記第1および第2機電一体モータのインバータ間を接続している中点の電位を検出する中点電位検出回路(64)と、前記中点に電流を流し出しあるいは前記中点から電流を取り込む補償回路(70)と、始動時もしくは停止時において、第1および第2機電一体モータの一方のモータ電流が過大もしくは過少となって前記中点電位が前記基準電圧範囲から外れた場合に、前記補償回路により前記中点電位の偏りを抑制させ、他方のモータもしくは双方のモータの回転数を指示値に応じて調整して補正指示値を設定することで、前記中点電位が前記基準電圧範囲に戻るように制御する制御回路(60)と
を備えている。
【0009】
上記構成を採用することにより、第1および第2機電一体モータを始動あるいは停止させるときに、制御回路は、中点電位検出回路により中点電位を監視し、制御回路により、一方のモータ電流が過大もしくは過少となって前記中点電位が前記基準電圧範囲から外れた場合に、前記補償回路により前記中点電位の偏りを抑制させ、他方のモータもしくは双方のモータの回転数を指示値に応じて調整して補正指示値を設定することで、前記中点電位が前記基準電圧範囲に戻るように制御することができる。
【0010】
これにより、中点電位の偏りがない状態で第1および第2の機電一体モータを継続して運転することができるようになる。また、中点電位の偏りが修正されるまでの間において補償回路を動作させるので、補償回路を構成する素子の小型化やインバータの熱設計を簡素化することが可能になり、結果として、システムのコストやサイズ低減が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
一実施形態を示す電気的構成図
制御回路の電気的構成図
補償回路の電気的構成図
レベルシフト回路の電気的構成図
モータ制御の流れ図
タイミングチャート
【発明を実施するための形態】
【0012】
(実施形態)
以下、本発明の一実施形態について、図1〜図6を参照して説明する。
全体構成を示す図1において、機電一体モータ10および20は、これらを直列に接続して使用するように設けられる。機電一体モータ10は、第1モータ11および第1モータ11に給電する第1インバータ12を一体に備えている。同じく、機電一体モータ20は、第2モータ21および第2モータ21に給電する第2インバータ22を一体に備えている。
【0013】
第1および第2インバータ12、22は、例えば12V電源用のもので、第1インバータ12はプリチャージ用の前置コンデンサとして第1コンデンサ13を備え、第2インバータ22はプリチャージ用の前置コンデンサとして第2コンデンサ23を備える。第1インバータ12および第2インバータ22は、それぞれ内部にプリチャージ回路を備えており、第1モータ11、第2モータ12の駆動を実施する前に、第1コンデンサ13、第2コンデンサ23へのプリチャージ動作を実施するように構成されている。
【0014】
機電一体モータ10および20は、それぞれ電源端子V1、V2、信号端子SI1、SI2、イグニッションスイッチからのスイッチ端子IGS1、IGS2、グランド端子GND1、GND2を備えている。機電一体モータ10のグランド端子GND1と機電一体モータ20の電源端子V2を共通に接続した直列接続の構成である。
【0015】
直列接続された機電一体モータ10、20は、例えば24Vの車載バッテリによる直流電源30から直流電圧VBが給電され、モータ駆動装置40により駆動される。モータ駆動装置40は、直流電源30から給電されるECU(Electronic Control Unit)50から駆動信号が与えられる。
【0016】
モータ駆動装置40は、制御回路60を中心とした構成で、フィルタ回路を構成するコイル41、コンデンサ42および補償回路70が設けられている。モータ駆動装置40は、電源端子VB、GND、信号端子SI(DIAG)、IGSを備えると共に、2つの機電一体モータ10、20に対応した端子群A、Bを備える。
【0017】
端子群A、端子群Bは、それぞれ端子A1〜A4、端子B1〜B4を有する。端子群Aの各端子A1〜A4は、それぞれ機電一体モータ10の端子V1、SI1、IGS1およびGND1に接続される。端子群Bの各端子B1〜B4は、それぞれ機電一体モータ20の端子V2、SI2、IGS2およびGND2に接続される。
【0018】
モータ駆動装置40の電源端子VB、GND間に車載バッテリ30の正負の端子が接続される。モータ駆動装置40は、ECU50から信号端子SIに回転指示値SIが与えられ、端子IGSにオンオフ信号IGSが与えられる。また、モータ駆動装置40は、信号端子SIからECU50に対して、機電一体モータ10あるいは20の異常を伝えるためのダイアグ信号DIAGを出力する。
【0019】
モータ駆動装置40において、電源端子VBは、コイル41を介して電源線L1に接続され、電源線L1は端子群Aの端子A1に接続される。電源端子GNDは、電源線L2を介して端子群Bの端子B4に接続されている。電源端子VBとGNDとの間にコンデンサ42が接続されている。コイル41とコンデンサ42によりフィルタ回路が構成されている。電源線L1とL2との間に補償回路70および制御回路60が接続されている。
【0020】
端子A4と端子B1は共通に接続され、中点電位Vnを検出する中点Nとして制御回路60に接続されると共に、補償回路70に接続される。補償回路70は、例えば双方向コンバータにより構成されるもので、電源線L1とL2との間に接続される。出力端子は中点Nに接続され、制御端子は制御回路60に接続されている。
【0021】
制御回路60は、信号端子SIを介して回転指示値SIが与えられると共に、信号端子IGSを介してオンオフ信号IGSが与えられる。また、制御回路60は、端子A2を介して回転指示値SI1を出力し、端子A3を介してオンオフ信号IGS1を出力する。同様に、制御回路60は、端子B2を介して回転指示値SI2を出力し、端子B3を介してオンオフ信号IGS2を出力する。
【0022】
次に、制御回路60の具体的構成について図2を参照して説明する。制御回路60は、マイコン61を主体として、降圧電源回路62、電源電圧検出回路63、中点電位検出回路64,レベルシフト回路65、66を備える構成である。降圧電源回路62は、入力端子VBからコイル41を介して与えられる直流電圧VBを所定電圧に降圧してマイコン61に給電する。降圧電源回路62は、シリーズ電源あるいはスイッチング電源により構成される。
【0023】
電源電圧検出回路63は、電源線L1−L2間に接続された抵抗の直列回路などにより構成され、制御回路60に入力される直流電圧VBを分圧電圧により検出してマイコン61に出力する。中点電位検出回路64は、端子A4、B1である中点Nと電源線L2との間に接続された抵抗の直列回路などにより構成され、中点Nの電圧Vnを分圧電圧により検出してマイコン61に出力する。
【0024】
マイコン61は、機電一体モータ10に対して、レベルシフト回路65を介して端子A2から回転指示値SI1を出力し、レベルシフト回路66を介して端子A3からオンオフ信号ING1を出力する。また、マイコン61は、機電一体モータ20に対して、端子B2から回転指示値SI2を出力し、端子B3からオンオフ信号ING2を出力する。
【0025】
マイコン61は、後述するように、2つの機電一体モータ10および20の駆動状態で、中点Nの中点電位Vnを監視し、第1インバータ12あるいは第2インバータ22の動作を監視すると共に、異常発生時に補償回路70により中点電位Vnを修正するように制御する。
【0026】
図3は、補償回路70の電気的構成を示している。この補償回路70において、電源線L1およびL2の間に、コンデンサ71、制御部72、MOSトランジスタ73および74の直列回路が接続されている。MOSトランジスタ73および74の共通接続点はコイル75を介して中点Nに接続され、中点Nと電源線L2の間にコンデンサ76が接続されている。
【0027】
中点Nは制御部72に接続され、中点電位Vnが入力されるようになっている。また、制御部72は、制御回路60のマイコン61の端子Pに接続されており、マイコン61から動作制御のための制御信号が与えられる。
【0028】
補償回路70は、制御回路60のマイコン61から制御信号が与えられると、MOSトランジスタ73、74を駆動して昇圧動作あるいは降圧動作のいずれかを実施し、コンデンサ76の電位を調整する。これによって、補償回路70は、出力端子から電流Icを中点Nに出力したり、中点Nから電流Icを流し込んだりして中点電位Vnの調整を行う。補償回路70は、昇降圧コンバータとして機能する。
【0029】
図4は、レベルシフト回路65の電気的構成の一例を示している。電源線L1とL2との間に抵抗R1、R2およびnpn型のトランジスタTr1の直列回路が接続される。トランジスタTr1のベースは抵抗R3を介してマイコン61の出力端子に接続され、回転指示値が与えられる。トランジスタTr1のベースは、抵抗R4を介して電源線L2に接続される。電源線L1と端子A4との間にpnp型のトランジスタTr2および抵抗R5の直列回路が接続される。トランジスタTr2のコレクタ・ベース間は抵抗R1が接続される。トランジスタTr2のコレクタは端子A2に接続される。
【0030】
マイコン61から機電一体モータ10に対する回転指示値が出力されると、レベルシフト回路65は、直流電源30の直流電圧VBを基準としたハイサイドの電圧レベルに変換した電圧を端子A2から回転指示値SI1として出力する。
(【0031】以降は省略されています)

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