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公開番号2021025537
公報種別公開特許公報(A)
公開日20210222
出願番号2019141048
出願日20190731
発明の名称摩擦ダンパ
出願人株式会社SOKEN,株式会社デンソー,国立大学法人 名古屋工業大学
代理人特許業務法人ゆうあい特許事務所
主分類F16F 15/02 20060101AFI20210125BHJP(機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段)
要約【課題】構造体から被取付部に伝わる種々の方向の振動を低減することの可能な摩擦ダンパを提供する。
【解決手段】取付部10は、構造体2と一体に形成され、取付穴11を有する。締結部材20は、取付部10が有する取付穴11を挿通し、被取付部3が有する締結穴4に締結される。摺動部材30は、取付部10が有する取付穴11の内壁面に密着し且つ摺動可能に設けられる。そして、摩擦ダンパ1は、摺動部材30の内壁面と締結部材20の外壁面との間に所定の厚みを有する筒状の空間40〜43または弾性変形部材が設けられる構成である。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
構造体(2)が取り付けられる被取付部(3)に対して前記構造体から伝わる振動を摩擦により減衰する摩擦ダンパにおいて、
前記構造体と一体に形成され、取付穴(11)を有する取付部(10)と、
前記取付部が有する前記取付穴を挿通し、前記被取付部が有する締結穴(4)に締結される締結部材(20)と、
前記取付部が有する前記取付穴の内壁面に密着し且つ摺動可能に設けられる摺動部材(30)と、を備え、
前記摺動部材の内壁面と前記締結部材の外壁面との間に所定の厚みを有する筒状の空間(40〜43)または弾性変形部材が設けられている、摩擦ダンパ。
続きを表示(約 2,700 文字)【請求項2】
前記取付穴または前記締結部材の一部と前記摺動部材の一部とを固定する固定部(31)をさらに備える、請求項1に記載の摩擦ダンパ。
【請求項3】
前記取付部は前記被取付部よりも剛性が低い構成とされている、請求項1または2に記載の摩擦ダンパ。
【請求項4】
車両の被取付部(3)に取り付けられる構造体(2)としての電動圧縮機から前記被取付部に伝わる振動を摩擦により減衰する摩擦ダンパにおいて、
前記電動圧縮機のハウジングと一体に形成され、取付穴(11)を有する取付部(10)と、
前記取付部が有する前記取付穴を挿通し、前記被取付部が有する締結穴(4)に締結される締結部材(20)と、
前記取付部の外壁面を覆うと共に、前記取付部の外壁面に摺動可能に設けられる外側摺動部材(50)と、を備え、
前記取付穴の内壁面と前記締結部材の外壁面との間に所定の厚みを有する筒状の空間(40)または弾性変形部材が設けられている、摩擦ダンパ。
【請求項5】
前記外側摺動部材の周方向の一方の端部と他方の端部とを接続するように設けられ、前記外側摺動部材から前記取付部の外壁面への押圧力を調整可能な押圧力調整機構(52、521、522)をさらに備える、請求項4に記載の摩擦ダンパ。
【請求項6】
前記押圧力調整機構は、前記外側摺動部材から前記取付部の外壁面に作用する荷重分布を軸方向に調整可能に構成されている、請求項5に記載の摩擦ダンパ。
【請求項7】
車両の被取付部(3)に取り付けられる構造体(2)としての電動圧縮機から前記被取付部に伝わる振動を摩擦により減衰する摩擦ダンパにおいて、
前記電動圧縮機のハウジングと一体に形成され、取付穴(11)を有する取付部(10)と、
前記取付部が有する前記取付穴を挿通し、前記被取付部が有する締結穴(4)に締結される締結部材(20)と、を備え、
前記取付部は、前記電動圧縮機の前記ハウジングよりも前記被取付部側に突き出した足部(12)を有し、
前記足部の内壁面と前記締結部材の外壁面との間に所定の厚みを有する筒状の空間(42)が設けられており、
前記取付部のうち前記足部に対して前記被取付部とは反対側の位置に、前記締結部材の外壁面に密着し且つ摺動可能な摺動部(13)が設けられている、摩擦ダンパ。
【請求項8】
前記取付部は、前記電動圧縮機の前記ハウジングと一体に形成された取付部本体(14)と、前記足部とが別部材で構成されている、請求項7に記載の摩擦ダンパ。
【請求項9】
前記取付部のうち前記締結部材の外壁面に密着し且つ摺動可能な前記摺動部は、前記取付部のうち前記電動圧縮機の前記ハウジングと一体に形成された前記取付部本体とは別部材で構成された筒状の摺動部材(35)であり、
前記取付部本体の一部と前記摺動部材の一部とを固定する固定部(31)を備える、請求項8に記載の摩擦ダンパ。
【請求項10】
前記摺動部材は、周方向の一部が円形に対して不連続な形状となっている、請求項9に記載の摩擦ダンパ。
【請求項11】
前記摺動部材は、軸方向に延びるスリット(36)を有し、筒状の軸に垂直な断面がC形状となっている、請求項9または10に記載の摩擦ダンパ。
【請求項12】
前記摺動部材は、金属板を筒状としたものであり、前記金属板の周方向の一方の端部(371)と他方の端部(372)との間にスリットが形成されている、請求項9ないし11のいずれか1つに記載の摩擦ダンパ。
【請求項13】
前記摺動部材は、金属板を筒状としたものであり、金属板の周方向の一方の端部(371)と他方の端部(372)とが径方向に重なる構成である、請求項9または10に記載の摩擦ダンパ。
【請求項14】
前記摺動部材は、周方向の一部に、円形に対して径方向外側に凸状に形成された部位(38)を有する、請求項9または10に記載の摩擦ダンパ。
【請求項15】
前記摺動部材は、
周方向の一部が円形に対して不連続な形状の部位を有する不連続部(351)と、全周に亘り連続形状となっている連続部(352)とが一体に形成されたものである、請求項9ないし11のいずれか1つに記載の摩擦ダンパ。
【請求項16】
前記摺動部材の内壁面または前記締結部材の外壁面に設けられた溝(25、26、39)を有し、
前記溝は、前記摺動部材の内壁面または前記締結部材の外壁面の表面粗さより深く、且つ、その表面粗さより広幅である、請求項9ないし15のいずれか1つに記載の摩擦ダンパ。
【請求項17】
前記摺動部材は、前記溝に対応する位置に、内壁と外壁とを通じる通路(34)を有する、請求項16に記載の摩擦ダンパ。
【請求項18】
前記摺動部材は、前記溝に対応する位置に設けられた通路として機能するスリットを有する、請求項16または17に記載の摩擦ダンパ。
【請求項19】
車両の前記被取付部に前記電動圧縮機が取り付けられた状態において、前記スリットは、前記摺動部材の軸を含む水平面(HS)よりも下側に設けられている、請求項18に記載の摩擦ダンパ。
【請求項20】
前記溝(26)は、前記締結部材の外壁面に螺旋状に形成されており、
前記溝の端部は、前記締結部材の外壁面のうち前記摺動部材と摺動する部位から露出している、請求項16に記載の摩擦ダンパ。
【請求項21】
前記締結部材と前記摺動部材とを取り外した場合、前記締結部材の外径と前記摺動部材の内径との圧入代は、前記摺動部材の軸方向の一方から他方に向かい減少または増加している、請求項9ないし15のいずれか1つに記載の摩擦ダンパ。
【請求項22】
前記取付部の有する前記取付穴の内壁面、前記締結部材の外壁面の一部、前記摺動部材の外壁面、前記締結部材の頭部のうち前記取付穴側の面、および、前記摺動部材の固定部により区画された半密閉空間を有する、請求項9ないし21のいずれか1つに記載の摩擦ダンパ。
【請求項23】
前記半密閉空間に潤滑油(70)が封入されている、請求項22に記載の摩擦ダンパ。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、摩擦ダンパに関するものである。
続きを表示(約 9,100 文字)【背景技術】
【0002】
従来、構造体の振動を摩擦により減衰する摩擦ダンパが知られている。
特許文献1に記載の摩擦ダンパは、2個の構造体の間に伝わる振動を摩擦により減衰するものである。この摩擦ダンパは、2個の構造体のうち、一方の構造体にシャフトが設けられ、他方の構造体に筒状のハウジング部材が設けられている。そして、シャフトは、筒状の摺動部材を介してハウジング部材の内側に挿入されている。この摩擦ダンパでは、2個の構造体のうち少なくとも一方の構造体がシャフトの軸方向に振動すると、摺動部材の内壁とシャフトの外壁とが摺動し、その際に生じる摩擦力により、2個の構造体同士の間に伝わる振動が減衰される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2015−121261号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の摩擦ダンパは、シャフトと摺動部材とハウジング部材がいずれも、シャフトの軸方向のみに摺動するように構成されている。そのため、この摩擦ダンパは、構造体がシャフトの軸に対し交差する方向に振動する際、摺動部材とシャフトとが摺動しない構成である。したがって、この摩擦ダンパは、構造体同士の間に圧縮、引張、曲げなどの荷重が作用するような複雑な振動に対して、その振動を減衰する効果(以下、振動減衰効果という)を発揮することができない。
【0005】
また、特許文献1に記載の摩擦ダンパは、シャフトの一部が摺動部材から外気に露出している構成である。そのため、摺動部材の内壁とシャフトの外壁との摺動面に外気側から異物が入り込むと、摺動部材の内壁とシャフトの外壁との摺動が悪化し、振動減衰効果が低下するおそれがある。
【0006】
本発明は上記点に鑑みて、構造体から被取付部に伝わる種々の方向の振動を低減することの可能な摩擦ダンパを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、請求項1に係る発明によると、構造体(2)が取り付けられる被取付部(3)に対してその構造体から伝わる振動を摩擦により減衰する摩擦ダンパは、取付部(10)、締結部材(20)および摺動部材(30)を備える。取付部は、構造体と一体に形成され、取付穴(11)を有する。締結部材は、取付部が有する取付穴を挿通し、被取付部が有する締結穴(4)に締結される。摺動部材は、取付部が有する取付穴の内壁面に密着し且つ摺動可能に設けられる。そして、この摩擦ダンパは、摺動部材の内壁面と締結部材の外壁面との間に所定の厚みを有する筒状の空間(40、41)または弾性変形部材が設けられる構成である。
【0008】
これによれば、構造体と被取付部との間に種々の方向の振動が生じると、取付部と摺動部材とは軸方向に対して伸縮または曲げの変形を生じる。そのため、取付部が有する取付穴の内壁面と摺動部材の外壁面とが密着した状態で摺動する(すなわち、すべりを生じる)。したがって、この摩擦ダンパは、取付部が有する取付穴の内壁面と摺動部材の外壁面との間に生じる摩擦力とすべり量に応じて、構造体から被取付部に伝わる種々の方向の振動による運動エネルギを熱エネルギに変換し、その振動を減衰することができる。その結果、この摩擦ダンパは、構造体と被取付部との間に圧縮、引張、曲げなどの荷重が作用するような複雑な振動に対して振動減衰効果を発揮することが可能である。
【0009】
また、この摩擦ダンパは、取付部の有する取付穴が、締結部材と被取付部により閉塞された半密閉空間を形成し、その半密閉空間の内側で、取付穴の内壁面と摺動部材の外壁面とが摺動する構成である。そのため、取付穴と摺動部材とが摺動する部位に外部から異物が入り込むことが防がれる。したがって、この摩擦ダンパは、振動減衰効果の低下を防ぐことができる。
【0010】
また、請求項4に係る発明によると、車両の被取付部(3)に取り付けられる構造体(2)としての電動圧縮機からその被取付部に伝わる振動を摩擦により減衰する摩擦ダンパは、取付部(10)、締結部材(20)および外側摺動部材(50)を備える。取付部は、電動圧縮機のハウジングと一体に形成され、取付穴(11)を有する。締結部材は、取付部が有する取付穴を挿通し、被取付部が有する締結穴(4)に締結される。外側摺動部材は、取付部の外壁面を覆うと共に、取付部の外壁面に摺動可能に設けられる。そして、この摩擦ダンパは、取付穴の内壁面と締結部材の外壁面との間に所定の厚みを有する筒状の空間(40)または弾性変形部材が設けられる構成である。
【0011】
これによれば、電動圧縮機が振動すると、取付部と外側摺動部材は軸方向に対して伸縮または曲げの変形を生じる。そのため、取付部の外壁面と外側摺動部材の内壁面とが密着した状態で摺動する。したがって、この摩擦ダンパは、取付部の外壁面と外側摺動部材の内壁面との間に生じる摩擦力とすべり量に応じて、電動圧縮機から車両の被取付部に伝わる種々の方向の振動による運動エネルギを熱エネルギに変換し、その振動を減衰することができる。
【0012】
また、請求項7に係る発明によると、車両の被取付部(3)に取り付けられる構造体(2)としての電動圧縮機からその被取付部に伝わる振動を摩擦により減衰する摩擦ダンパは、取付部(10)および締結部材(20)を備える。取付部は、電動圧縮機のハウジングと一体に形成され、取付穴(11)を有する。締結部材は、取付部が有する取付穴を挿通し、被取付部が有する締結穴(4)に締結される。そして、取付部は、電動圧縮機のハウジングよりも車両の被取付部側に突き出した足部(12)を有する。また、足部の内壁面と締結部材の外壁面との間に所定の厚みを有する筒状の空間(42)が設けられている。そして、取付部のうち足部に対して被取付部とは反対側の位置に、締結部材の外壁面に密着し且つ摺動可能な摺動部(13)が設けられている。
【0013】
これによれば、取付部が有する足部は、電動圧縮機の振動によって撓りを生じる。その際、締結部材と取付部は断面積等の違いにより剛性が異なるので、変形の仕方も異なるものとなる。締結部材の剛性よりも取付部の剛性が高い場合、振動によって取付部は円弧状に変形し、締結部材はその円弧状となる取付部の両端を繋ぐ弦の様に変形する。このような円弧と弦の関係により、取付部のうち足部に対して被取付部とは反対側で且つ足部に近い位置で、締結部材と取付部との変位差が最大となる。この変位差が最大となる位置に、締結部材の外壁面に密着し且つ摺動可能な摺動部を設けることで、振動による運動エネルギが効率よく熱エネルギに変換され、大きな振動減衰効果を得ることができる。
【0014】
なお、各構成要素等に付された括弧付きの参照符号は、その構成要素等と後述する実施形態に記載の具体的な構成要素等との対応関係の一例を示すものである。
【図面の簡単な説明】
【0015】
第1実施形態に係る摩擦ダンパの断面図である。
図1のII部分の拡大図である。
第2実施形態に係る摩擦ダンパが備える摺動部材を示す側面図である。
図3のIV―IV線の断面図である。
第2実施形態に係る摩擦ダンパが備える摺動部材と締結部材を組み付けた状態を示す側面図である。
図5のVI―VI線の断面図である。
第3実施形態に係る摩擦ダンパの断面図である。
第3実施形態に係る摩擦ダンパにおいて静止状態を示す模式図である。
第3実施形態に係る摩擦ダンパにおいて伸び時の状態を示す模式図である。
図9Aの状態のすべり量を示すグラフである。
第3実施形態に係る摩擦ダンパにおいて縮み時の状態を示す模式図である。
図10Aの状態のすべり量を示すグラフである。
第3実施形態に係る摩擦ダンパにおいて曲げ時の状態を示す模式図である。
図11Aの状態のすべり量を示すグラフである。
第3実施形態に係る摩擦ダンパおいてすべり量の解析に用いたモデルの軸に平行な断面を含む斜視図である。
第3実施形態に係る摩擦ダンパにおいてすべり量の解析結果を示すグラフである。
第4実施形態に係る摩擦ダンパの断面図である。
第5実施形態に係る摩擦ダンパの断面図である。
第5実施形態に係る摩擦ダンパが備える外側摺動部材を示す断面図である。
図16のXVII方向の矢視図である。
第5実施形態に係る摩擦ダンパにおいて静止状態を示す模式図である。
第5実施形態に係る摩擦ダンパにおいて伸び時の状態を示す模式図である。
図19Aの状態のすべり量を示すグラフである。
第5実施形態に係る摩擦ダンパにおいて縮み時の状態を示す模式図である。
図20Aの状態のすべり量を示すグラフである。
第5実施形態に係る摩擦ダンパにおいて曲げ時の状態を示す模式図である。
図21Aの状態のすべり量を示すグラフである。
第6実施形態に係る摩擦ダンパが備える外側摺動部材を示す側面図である。
第6実施形態に係る摩擦ダンパにおいて振動の伝達関数の測定試験に使用したモデルの模式図である。
第6実施形態に係る摩擦ダンパにおいて振動の伝達関数の測定試験の結果を示すグラフである。
第6実施形態に係る摩擦ダンパにおいて振動の伝達関数の測定試験の結果を示すグラフである。
第7実施形態に係る摩擦ダンパが備える外側摺動部材を示す断面図である。
第8実施形態に係る摩擦ダンパの断面図である。
第9実施形態に係る摩擦ダンパの断面図である。
第9実施形態に係る摩擦ダンパにおいてすべり量の解析に用いたモデルの断面図である。
第9実施形態に係る摩擦ダンパにおいてすべり量の解析結果を示すコンター図である。
図30のXXXI部分の拡大図である。
図30のXXXII部分の拡大図である。
第9実施形態に係る摩擦ダンパにおいてすべり量の解析結果を示すグラフである。
第10実施形態に係る摩擦ダンパの断面図である。
第10実施形態に係る摩擦ダンパが備える摺動部材の斜視図である。
第11実施形態に係る摩擦ダンパが備える摺動部材の斜視図である。
第11実施形態に係る摩擦ダンパが備える摺動部材の断面図である。
第11実施形態に係る摩擦ダンパが備える摺動部材と、スリットの無い摺動部材とで直径締め代と締付力との関係を示すグラフである。
第12実施形態に係る摩擦ダンパが備える摺動部材の斜視図である。
第12実施形態に係る摩擦ダンパと、摺動部材を備えていない摩擦ダンパとで振動減衰効果の確認試験の結果を示すグラフである。
第12実施形態に係る摩擦ダンパと、摺動部材を備えていない摩擦ダンパとで振動減衰効果の確認試験に用いたモデルを示す模式図である。
図41のXLII方向から視た図である。
第12実施形態に係る摩擦ダンパと、摺動部材を備えていない摩擦ダンパとで振動減衰効果の確認試験の結果を示すグラフである。
第13実施形態に係る摩擦ダンパが備える摺動部材の斜視図である。
第14実施形態に係る摩擦ダンパが備える摺動部材の斜視図である。
第15実施形態に係る摩擦ダンパが備える摺動部材の斜視図である。
第16実施形態に係る摩擦ダンパが備える摺動部材の斜視図である。
第17実施形態に係る摩擦ダンパの断面図である。
図48のXLIX部分の拡大図である。
第18実施形態に係る摩擦ダンパの断面図である。
図50のLI部分の拡大図である。
第19実施形態に係る摩擦ダンパの断面図である。
図52のLIII部分の拡大図である。
第20実施形態に係る摩擦ダンパの断面図である。
図54のLV−LV線の断面図である。
第21実施形態に係る摩擦ダンパにおいて軸に垂直な断面図である。
第22実施形態に係る摩擦ダンパの断面図である。
第23実施形態に係る摩擦ダンパの断面図である。
第24実施形態に係る摩擦ダンパが備える摺動部材と締結部材の組付け前の状態を示す図である。
第24実施形態に係る摩擦ダンパの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の摩擦ダンパは、構造体としてのカーエアコン用電動圧縮機と、その電動圧縮機が取り付けられる被取付部としての車両ボディまたはエンジンとの間の振動を、摩擦により減衰する装置である。
【0017】
本発明の複数の実施形態に係る摩擦ダンパについて説明する前に、まず、摩擦ダンパが必要とされる背景について説明する。
【0018】
エンジン及び電動モータを併用して走行するハイブリッド車両では、エンジンによる駆動と電動モータによる駆動との比率を車両の走行状態に応じて変化させている。このようなハイブリッド車両において、空調装置を構成する冷凍サイクルに冷媒を循環させるための圧縮機として、エンジンから駆動力を得るものを使用すると、圧縮機は所要の駆動力をエンジンから常時得ることができない。そのため、ハイブリッド車両では、車両に搭載されたバッテリ等から得られる電力により駆動する電動圧縮機が使用される。また、電動モータのみで走行する電動車両においても電動圧縮機が使用される。そして、その電動圧縮機は、車両ボディやエンジンに取り付けられる。
【0019】
ところで、ハイブリッド車両は、エンジンが停止された状態で電動モータのみで走行運転されることがある。また、電動車両は常に電動モータのみで走行運転される。このように電動モータのみで走行運転される時に電動圧縮機が駆動すると、電動圧縮機の駆動に起因して、車内及び車外に不快な騒音が発生する。
特に、電動圧縮機自体が発生する放射音よりも、電動圧縮機の振動がその取付部位を介して車両ボディやエンジンを加振することにより発生する共振音が、不快な騒音の主因となる。そのため、電動圧縮機から車両ボディやエンジンに伝達する振動の緩和を図った圧縮機の取付構造が必要とされている。
【0020】
電動圧縮機は駆動時、内部で電動機が回って冷媒が圧縮されて昇圧し吐出する。その冷媒を圧縮する際の反力、電動機の回転力、圧縮機構の移動部品の慣性力などの力により、電動圧縮機全体は上下左右に振動し、電動圧縮機の取付足は曲げや伸び縮みの変形をする。そのため、電動圧縮機から車両ボディまたはエンジンに伝わる種々の方向の振動を低減することの可能な摩擦ダンパが必要とされている。
【0021】
このような背景において、以下に説明する本発明の複数の実施形態に係る摩擦ダンパは、電動圧縮機から車両ボディまたはエンジンに伝わる種々の方向の振動の低減を可能とするものである。
なお、以下に説明する各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、同一符号を付し、その説明を省略する。
【0022】
(第1実施形態)
第1実施形態の摩擦ダンパを図1および図2に示す。第1実施形態の摩擦ダンパ1は、構造体2としての電動圧縮機から、被取付部3としての車両ボディまたはエンジンに伝わる振動を、摩擦により減衰する装置である。
【0023】
摩擦ダンパ1は、取付部10、締結部材20および摺動部材30などを備えている。
取付部10は、構造体2としての電動圧縮機が備えるハウジングと一体に形成されている。取付部10は、例えば円筒状に形成され、その内側に取付穴11を有している。取付部10は、構造体2を被取付部3に取り付けるための足となる部位であることから取付足とも呼ばれる。取付部10は、被取付部3よりも剛性が低い構成とされている。
【0024】
締結部材20は、被取付部3としての車両ボディまたはエンジンに対して、構造体2と一体に形成された取付部10を取り付けるためのボルトである。締結部材20は、頭部21と、柱部22と、ねじ部23を有している。締結部材20は、取付部10が有する取付穴11を挿通し、被取付部3が有する締結穴4に締結される。具体的には、締結部材20の頭部21は、取付部10のうち被取付部3とは反対側の端面に接している。なお、取付部10のうち被取付部3とは反対側の端面と、締結部材20の頭部21との間に、図示しないワッシャ等を設けてもよい。締結部材20のねじ部23は、被取付部3が有する締結穴4の内壁に設けられた雌ねじに締結される。なお、締結部材20の柱部22の外径は、取付部10が有する取付穴11の内径より小さく形成されている。
【0025】
摺動部材30は、筒状に形成され、取付部10が有する取付穴11の内側、且つ、締結部材20の柱部22の外側に設けられている。摺動部材30を取付穴11に設ける前の状態で、摺動部材30の外径は、取付穴11の内径と同一または僅かに大きく形成されている。そのため、摺動部材30を取付穴11に設けた状態で、摺動部材30のうち径方向外側の外壁面(以下、摺動部材30の外壁面という)は、取付穴11の内壁面に密着している。その際に摺動部材30の外壁面および取付穴11の内壁面に対して垂直な方向に作用する荷重は、摺動部材30の外壁面と取付穴11の内壁面とが摺動可能なように設定されている。
【0026】
摺動部材30のうち径方向内側の内壁面(以下、摺動部材30の内壁面という)と締結部材20の柱部22の外壁面との間には、所定の厚みを有する筒状の空間40が設けられている。そのため、構造体2の振動に伴って、取付部10と摺動部材30と締結部材20はそれぞれ、軸方向に対して伸縮または曲げの変形を生じることが可能である。
なお、図示は省略するが、摺動部材30の内壁面と締結部材20の柱部22の外壁面との間に設けられる筒状の空間40に、例えばゴムなどの弾性率の小さい弾性変形部材を配置してもよい。その場合でも、構造体2の振動に伴って、取付部10と摺動部材30と締結部材20はそれぞれ、軸方向に対して伸縮または曲げの変形を生じることが可能である。
【0027】
また、摺動部材30のうち軸方向の頭部21側の端面と、締結部材20の頭部21または図示しないワッシャとの間にも、所定の空間41が設けられている。そのため、被取付部3が有する締結穴4の雌ねじに締結部材20のねじ部23を締結する際の軸力は、摺動部材30に作用しない構成となっている。
【0028】
さらに、摺動部材30のうち軸方向の被取付部3側の部位には、固定部31が設けられている。摺動部材30を締結部材20から取り外した状態で固定部31の内径は、締結部材20の柱部22の外径より僅かに小さく形成されている。そのため、固定部31は、締結部材20の柱部22に対して圧入により固定されている。なお、摺動部材30のうち固定部31より頭部21側の部位には、頭部21側から固定部31側に向かって内径が次第に小さくなるテーパ部32が形成されている。
【0029】
以上説明した構成を備える第1実施形態の摩擦ダンパ1は、次の作用効果を奏する。
第1実施形態の摩擦ダンパ1が設けられる構造体2としての電動圧縮機は、駆動時に上下左右に振動する。そのため、構造体2と一体に形成された取付部10は、曲げや伸縮の変形をする。その際、取付穴11の内壁面と摺動部材30の外壁面とで相対変位差ができるので、取付穴11の内壁面と摺動部材30の外壁面で繰り返しすべりが生じる。また、摺動部材30の外壁面と取付穴11の内壁面とは密着し、且つ、その摺動面に垂直な方向に所定の荷重が作用している。そのため、取付穴11の内壁面と摺動部材30の外壁面で生じる「すべり量」と「摩擦力」との積に応じた熱エネルギが発生し、振動の運動エネルギがその熱エネルギに変換される。したがって、この摩擦ダンパ1は、構造体2としての電動圧縮機から、被取付部3としての車両ボディまたはエンジンに伝わる振動を減衰することが可能である。
【0030】
第1実施形態の摩擦ダンパ1は、取付穴11の内壁面と摺動部材30の外壁面とのすべり量と摩擦力との積が大きくなるように、摺動面の摩擦係数、摺動面に作用する垂直荷重、および、各部材の剛性などが設定されている。なお、第1実施形態の摩擦ダンパ1において摺動面とは、取付穴11の内壁面と摺動部材30の外壁面である。垂直荷重とは、摺動面に対して垂直な方向に作用する荷重である。
一般に、摩擦力は、摺動面の摩擦係数μと垂直荷重Pとの積で決まる。摩擦係数μは、摺動面の性状と潤滑材などの種類で決まる。垂直荷重Pは、摺動面に作用する押付力と接触面積で決まる。すべり量は物体の変形による相対変位と摩擦力で決まる。なお、摩擦力が大きいと、すべりにくくなるので、すべり量は小さくなる。このことから、すべり量と摩擦力との積が大きくなるように、摺動面の摩擦係数、摺動面に作用する垂直荷重、および、各部材の剛性などを調整することで、摩擦ダンパ1の振動減衰効果を高めることが可能である。
(【0031】以降は省略されています)

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