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公開番号2021024441
公報種別公開特許公報(A)
公開日20210222
出願番号2019144066
出願日20190805
発明の名称軌条車両
出願人株式会社日立製作所
代理人特許業務法人サンネクスト国際特許事務所
主分類B61D 27/00 20060101AFI20210125BHJP(鉄道)
要約【課題】
調和空気の流路となる調和空気ダクトが振動するのを抑制すること。
【解決手段】
軌道を走行する台車に支持される台枠と、台枠と相対向して配置されて車室の床面となる上床と、空調装置で生成された調和空気の流路となる調和空気ダクトと、を有する軌条車両であって、台枠は、車室の長手方向沿って配置され、調和空気ダクトは、台枠の幅方向の両端部に、台枠の長手方向に沿って配置され、且つ台枠と上床との間に配置されて、台枠と一体に成形されている。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
軌道を走行する台車に支持される台枠と、前記台枠と相対向して配置されて車室の床面となる上床と、空調装置で生成された調和空気の流路となる調和空気ダクトと、を有する軌条車両であって、
前記調和空気ダクトは、
前記台枠と前記上床との間に配置され、前記台枠と一体に成形されていることを特徴とする軌条車両。
続きを表示(約 830 文字)【請求項2】
請求項1に記載の軌条車両であって、
前記台枠は、
前記車室の内部で前記軌道と交差する方向に配置される車内側面板と、前記車室の外部で前記車内側面板と相対向して配置される車外側面板と、前記車内側面板と前記車外側面板とを接続する複数の接続板と、を備え、
前記調和空気ダクトは、
前記上床と相対向して配置される上板と、前記上板と相対向して配置される下板と、前記上板の両端側と前記下板の両端側とをそれぞれ結ぶ複数の側板と、を備えた筒体として構成され、
前記下板は、前記車内側面板と一体化されていることを特徴とする軌条車両。
【請求項3】
請求項2に記載の軌条車両であって、
前記調和空気ダクトの内部には、筒状の断熱材が配置されていることを特徴とする軌条車両。
【請求項4】
請求項1に記載の軌条車両であって、
前記台枠は、
前記車室の長手方向沿って配置され、
前記調和空気ダクトは、
前記台枠の幅方向の両端部に、前記台枠の長手方向に沿って配置されていることを特徴とする軌条車両。
【請求項5】
請求項2に記載の軌条車両であって、
前記台枠は、
前記車外側面板を支持する梁として、前記台枠の長手方向両端部に配置された複数の端梁と、前記複数の端梁の各々よりも前記台枠の中間部側に、中梁を間にして互いに分かれて配置された複数の枕梁と、を備え、
前記調和空気ダクトは、
前記複数の枕梁のうち一方の枕梁が位置する領域から他方の枕梁が位置する領域に亘って配置されていることを特徴とする軌条車両。
【請求項6】
請求項2に記載の軌条車両であって、
前記車内側面板と一体化された前記下板は、その板厚が、前記車内側面板の板厚よりも小さく設定されていることを特徴とする軌条車両。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、調和空気の流路となる調和空気ダクトを有する軌条車両に関する。
続きを表示(約 5,800 文字)【背景技術】
【0002】
高速で運行される鉄道車両等は、重心を下げるために、空調装置等の電気品を床下に備える。空調装置は、座席の下部から客室内の空気(再循環空気)を吸い込んで、空調装置内で温湿度を調和した後、再度、客室内に調和空気として供給する。空調装置は、空調装置内で調和空気を生成する過程で、換気装置によって車外から車内に導入される新鮮空気を再循環空気と混合して、調和空気を生成する。同時に、換気装置は、車内に導入された新鮮空気に見合う量の排気空気を車外へ排出する。
【0003】
車両用空調装置としては、例えば、特許文献1に開示されたものがある。特許文献1には、「複数の側窓を車体1左右両側に有すると共に、側窓上側に荷棚14,16を車体1左右両側に設けた車両の床中に主ダクト18,20を配置した。主ダクト18,20に接続され側窓の間を荷棚14,16の下側にまで立ち上げられた縦ダクト30,32を備え、縦ダクト30,32からの調和空気を荷棚14,16の下面に沿った方向に吹き出す吹出口を車体1左右両側に対向して設けた。荷棚14,16の下面は滑らかに形成し、吹出口は調和空気を扇状に拡散吹出しするように形成した。」ことが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開平11−348781号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
空調装置によって温湿度が調和された調和空気は、空調装置が備える室内送風機によって、軌条車両構体の床面をなす台枠と、台枠の上方に敷設される上床との間の空間に、軌条車両構体の長手方向に沿って配置される床中ダクトを経由して、軌条車両の各部に送風される。
【0006】
床中ダクトを通過する調和空気の流量は比較的大きいため、床中ダクトの内部を流れる調和空気に乱れが生じると、調和空気の乱れによって床中ダクトが加振されて、床中ダクトが振動することがある。床中ダクトが振動すると、床中ダクトの振動によって上床が加振されて振動し、車内に騒音が生じたり、上床の振動が乗客の足元に伝わって乗客に不快な感じを与えたり、する場合がある。なお、特許文献1では、調和空気の流路となるダクトの振動を抑制することについては配慮されていない。
【0007】
本発明の目的は、調和空気の流路となる調和空気ダクトが振動するのを抑制することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するために、本発明は、軌道を走行する台車に支持される台枠と、前記台枠と相対向して配置されて車室の床面となる上床と、空調装置で生成された調和空気の流路となる調和空気ダクトと、を有する軌条車両であって、前記調和空気ダクトは、前記台枠と前記上床との間に配置され、前記台枠と一体に成形されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、調和空気の流路となる調和空気ダクトが振動するのを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本発明の実施例に係る軌条車両の軌条車両構体の斜視図である。
本発明の実施例に係る軌条車両構体の断面図であって、図1のA−A線に沿う断面図である。
本発明の実施例に係る軌条車両構体の台枠と一体に押出成形された押出ダクトの断面図であって、図2のB部の拡大断面図である。
本発明の実施例に係る軌条車両構体の長手方向に沿う断面図であって、図1のC−C線に沿う断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。本実施例では、軌条車両の代表例として、鉄道車両を例示する。この際、軌条車両とは、敷設された軌道に沿って運行される車両の総称であり、鉄道車両、路面電車、新交通システム車両、モノレール車両等を意味する。また、各図における3次元の方向を以下のように定義する。軌条車両(鉄道車両)の車室を構成する車体である軌条車両構体の長手(レール)方向をX方向とし、軌条車両構体の幅(枕木)方向をY方向とし、軌条車両構体の高さ方向をZ方向とする。以降、単に、X方向、Y方向、Z方向と記す場合がある。
【0012】
図1は、本発明の実施例に係る軌条車両の軌条車両構体の斜視図である。図1において、軌条車両構体(以下、鉄道車両構体または単に構体と記すことがある。)7は、軌条車両の車室の底部に配置されて、軌道を走行する台車(図示せず)に支持される台枠10と、台枠10のY方向の両端部に立設される側構体20と、台枠10のX方向の両端部に立設される妻構体40と、側構体20および妻構体40の上端部に載置される屋根構体30と、から構成される6面体である。側構体20のX方向の両端部には、乗客等が乗降する乗降口22と窓23などの開口部が配置される。妻構体40には、隣接する車両に乗客等が行き来する貫通路口42が配置される。
【0013】
図2は、本発明の実施例に係る軌条車両構体の断面図であって、図1のA−A線に沿う断面図である。図2において、構体7は、X方向の両端側の底部が、地上に敷設された軌道3に沿って移動する台車5によって支持される。台枠10の上方には、車室の床面となる上床12が、台枠10とほぼ平行に台枠10と相対向して配置される。台枠10と上床12との間の空間には、複数の床中ダクト70が配置されるとともに、複数の押出ダクト80が配置される。
【0014】
台枠10と上床12との間に配置されるダクトとしては、空調装置(図示せず)が調和した空気を軌条車両の各部に送風する調和空気ダクト、車内(構体7の内部)の空気を空調装置へ送り込むための再循環空気ダクト、車内の空気を排気するために換気装置(図示せず)まで排気空気を導く排気空気ダクトがある。この際、空調装置と、調和空気ダクトと、再循環空気ダクトと、排気空気ダクト、及び換気装置は、それぞれ車両用空調システム(装置)の一要素として構成される。
【0015】
調和空気ダクトは、構体7のX方向の両端部のデッキ部まで調和空気を供給するため、構体7のX方向のほぼ全長に渡って配置される。一方、排気ダクトは、トイレ等の周囲(デッキ部)等の空気を集中的に排気する場合には、デッキ部から換気装置まで敷設されるため、そのX方向の長さは比較的短い。したがって、図2に示す床中ダクト70は、再循環空気ダクトや排気ダクトに相当し、押出ダクト80は、調和空気ダクトに相当する。
【0016】
なお、調和空気ダクトは、側構体20の窓23と窓23との間の車内側に離散的に設けられる立ち上がりダクト(図示せず)の下端部に接続される。調和空気ダクトを流れる調和空気は、立ち上がりダクトに導かれて荷棚(図示せず)の付近から車室(客室)内に供給されるため、調和空気ダクトである押出ダクト80は、台枠10のY方向の両端部にX方向に沿って配置される。
【0017】
図3は、本発明の実施例に係る軌条車両構体の台枠と一体に押出成形された押出ダクトの断面図であって、図2のB部の拡大断面図である。図3において、台枠10は、車室の内部で軌道3と交差する方向に配置される車内側面板51と、車室の外部で車内側面板51と相対向して配置される車外側面板53と、これら両側面板を接続する複数の接続板52と、から構成されるとともに、X方向に押出成形される中空押し出し形材60から構成される。台枠10の一要素となる中空押し出し形材60は、座席等(図示せず)が載置される上床12を支持する床受け部18や、押出ダクト80を一体に備える。
【0018】
押出ダクト80は、上床12と相対向して配置される上板80uと、上板80uと相対向して上板80uと平行に配置される下板であって、台枠10の車内側面板51に接続される車内側面板51aと、上板80uの両端側と車内側面板(下板)51aの両端側とをそれぞれ結ぶ側板であって、上板80uのY方向の両端部から下方(−Z方向)に垂下する態様で形成される複数の側板80sと、を備え、その断面形状が、長方形形状となる筒体として構成される。この際、押出ダクト80は、台枠10と一体に押出成形されるため、車内側面板51aは、押出ダクト80の下板として、台枠10の車内側面板51と一体化されている。このため、押出ダクト80を台枠10に一体化して固定することができ、押出ダクト80の剛性を高めることができる。
【0019】
空調装置で温湿度が調和された調和空気が押出ダクト80を通過する際、押出ダクト80内部の空気と、押出ダクト80外部の空気との温度差により、押出ダクト80を構成するダクト壁には、結露が生じる。したがって、結露の発生を抑制するため、押出ダクト80内部には筒状の断熱材90が配置される。断熱材90は、X方向に沿って押出成形された中空押し出し形材60の全体に配置される。なお、図2に示す床中ダクト70は、床受け部18相当の部品にX方向に沿って離散的にネジ等で固定される。
【0020】
また、押出ダクト80は、台枠10と一体に押出成形されるため、床中ダクト70を固定するような固定作業を省略することができる。このため、押出ダクト80を備えることによって、押出ダクト80を台枠10に固定するための製造工数を小さくすることができる。
【0021】
調和空気ダクトは、一般に空調装置の室内送風機の下流に置かれ、室内送風機で静圧が高められた大きな風量の調和空気を、X方向の端部まで供給する。このため、調和空気ダクトは他のダクトと比べて、ダクト内部を流れる空気の乱れ等によって加振されやすいので、高い剛性を備えることが望ましい。そこで、本実施例では、押出ダクト80は、台枠10と一体に押出成形されるとともに、押出ダクト80を構成する側板80s、上板80uがX方向に沿って連続的に台枠10と接続する構造であるため、他のダクトに比較して高い剛性を有する。
【0022】
このため、押出ダクト80の内部を高静圧の大きな風量の調和空気が流れ、調和空気の乱れによって押出ダクト80の内壁が加振される場合であっても、押出ダクト80は、加振に耐え得る十分高い剛性を備えているので、押出ダクト80の振動が抑制される。したがって、押出ダクト80を調和空気ダクトとして用いても、押出ダクト80の振動に起因して、車内騒音が増大したり、上床12が振動して乗客が足元に不快を感じたり、することを抑制できる。
【0023】
台枠10のうち、押出ダクト80が配置される部位Wの一部は、車内側面板51aで構成される。この際、車内側面板51aの板厚t1を、部位W以外の車内側面板51の板厚t2より小さくしても、部位Wの等価剛性と部位W以外の等価剛性をほぼ等しくできる。このため、部位Wにおける車内側面板51aの板厚t1を、部位W以外の車内側面板51の板厚t2より小さくすることによって、台枠10の重量を不要に大きくしたり、台枠10の剛性を過剰に高くしたり、することを抑制できる。すなわち、台枠10の軽量化を図ることができると共に、台枠10の剛性を高めることができる。
【0024】
図4は、本発明の実施例に係る軌条車両構体の長手方向に沿う断面図であって、図1のC−C線に沿う断面図である。図4において、台枠10は、X方向の端部に、Y方向に沿って配置される端梁14と、X方向の中央部よりに端梁14に平行に配置される枕梁16と、端梁14と枕梁16とを接続するとともに、X方向に沿って配置される中梁15を有する。すなわち、台枠10は、車外側面板53を支持する梁として、台枠10の長手方向両端部に配置された複数の端梁14と、複数の端梁14の各々よりも台枠10の中間部側に、中梁15を間にして互いに分かれて配置された複数の枕梁16を備えている。この際、枕梁16は、台車5にけん引装置(図示せず)を介して接続され、台車5のけん引力やブレーキ力が伝達されるため、高い剛性を有する。
【0025】
押出ダクト80は、複数の枕梁16のうち一方の枕梁16が位置する領域から他方の枕梁16が位置する領域に亘って配置されている。この際、押出ダクト80は、一対の枕梁16に架け渡される態様で配置されるため、構体7の1次曲げ(Z−Z平面内の曲げ)剛性を高めることができ、1次曲げ振動に伴う乗り心地の劣化を抑制することができる。
【0026】
本実施例によれば、調和空気の流路となる調和空気ダクトが振動するのを抑制することができる。結果として、調和空気ダクトである押出ダクト80の振動に起因して、車内騒音が増大したり、上床12が振動して乗客が足元に不快を感じたり、することを抑制できる。
【0027】
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
【符号の説明】
【0028】
3…軌道、5…台車、7…構体、10…台枠、12…上床、14…端梁、15…中梁、16…枕梁、18…床受け部、20…側構体、22…乗降口、23…窓、30…屋根構体、40…妻構体、42…貫通路口、51…車内側面板、52…接続板、53…車外側面板、60…中空押し出し形材、70…床中ダクト、80…押出ダクト、80u…上板、80s…側板、90…断熱材、X…長手(レール)方向、Y…幅(枕木)方向、Z…高さ方向

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