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公開番号2021021789
公報種別公開特許公報(A)
公開日20210218
出願番号2019137209
出願日20190725
発明の名称トナー
出願人キヤノン株式会社
代理人特許業務法人秀和特許事務所
主分類G03G 9/093 20060101AFI20210122BHJP(写真;映画;光波以外の波を使用する類似技術;電子写真;ホログラフイ)
要約【課題】帯電立ち上がり性と安定した帯電性能を有するとともに、長期の使用においても表面状態の変化が小さく、帯電部材汚染も起こしにくい、優れた耐久性を示すトナー。
【解決手段】トナー粒子を有するトナーであって、該トナー粒子が、結着樹脂を含有するトナー母粒子及び該トナー母粒子の表面のシェルを有し、該シェルが、金属化合物及び有機ケイ素重合体を含み、該シェルが該トナー粒子の表面に少なくとも該金属化合物の露出部及び該有機ケイ素重合体の露出部を有し、トナー粒子の断面のTEM-EDXを用いた分析において、該トナー粒子表面の該金属化合物の露出部又は該有機ケイ素重合体の露出部における該トナー母粒子と該シェルの界面から該トナー粒子表面までの平均距離を、それぞれHa(nm)又はHb(nm)としたとき下記式(1)を満たすことを特徴とするトナー。
Hb>Ha+20.0 (1)
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
トナー粒子を有するトナーであって、
該トナー粒子が、結着樹脂を含有するトナー母粒子及び該トナー母粒子の表面のシェルを有し、
該シェルが、金属化合物及び有機ケイ素重合体を含み、
該シェルが、該トナー粒子の表面に少なくとも該金属化合物の露出部及び該有機ケイ素重合体の露出部を有し、
透過型電子顕微鏡TEMで観察されるトナー粒子の断面に対するエネルギー分散型X線分光法EDXを用いたマッピング分析において、該トナー粒子表面の該金属化合物の該露出部における該トナー母粒子と該シェルの界面から該トナー粒子表面までの平均距離をHa(nm)とし、該トナー粒子表面の該有機ケイ素重合体の該露出部における該トナー母粒子と該シェルの界面から該トナー粒子表面までの平均距離をHb(nm)としたとき、下記式(1)を満たすことを特徴とするトナー。
Hb>Ha+20.0 (1)
続きを表示(約 1,400 文字)【請求項2】
前記トナー1.0gを、61.5質量%のショ糖水溶液31.0g及び非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤及び有機ビルダーからなる10.0質量%の精密測定器洗浄用中性洗剤水溶液6.0gからなる混合水溶液に分散させ、シェーカーを用いて1分間に300回の振とうを20分行う処理(a)を施し、
該処理(a)を施したトナーを該混合水溶液に分散させ、電気的出力120Wの超音波を10分間印加する処理(b)を施したとき、
該処理(b)後のトナーにおける前記シェルの被覆率が80.0面積%以上である請求項1に記載のトナー。
【請求項3】
蛍光X線分析において、前記処理(a)の実施後、前記処理(b)の実施前のトナーにおける前記金属化合物に含まれる金属量をM1(検出強度kcps)、前記有機ケイ素重合体に含まれるケイ素量をSi1(検出強度kcps)とし、
前記処理(b)の実施後のトナーにおける前記金属化合物に含まれる金属量をM2(検出強度kcps)、前記有機ケイ素重合体に含まれるケイ素量をSi2(検出強度kcps)としたとき、
下記式(2)及び(3)を満たす請求項2に記載のトナー。
M2/M1≧0.90 (2)
Si2/Si1≧0.90 (3)
【請求項4】
前記平均距離Ha(nm)及び前記平均距離Hb(nm)が、下記式(4)及び(5)を満たす請求項1〜3のいずれか1項に記載のトナー。
2.5≦Ha≦50.0 (4)
30.0≦Hb≦300.0 (5)
【請求項5】
前記金属化合物の体積抵抗率が、1.0×10

Ω・cm以上1.0×10
11
Ω・cm以下である請求項1〜4のいずれか1項に記載のトナー。
【請求項6】
前記金属化合物が、第3族から第13族に含まれる金属元素からなる群から選択される少なくとも一の金属元素Mを含む化合物と、多価酸と、の反応物である請求項1〜5のいずれか1項に記載のトナー。
【請求項7】
前記金属元素Mのポーリングの電気陰性度が、1.25以上1.85以下である請求項6に記載のトナー。
【請求項8】
前記多価酸が、炭酸、硫酸、及びリン酸からなる群より選ばれる少なくとも一つを含有する請求項6又は7に記載のトナー。
【請求項9】
前記金属元素Mが、Zr、Ti及びAlからなる群から選択される少なくとも一である請求項6〜8のいずれか1項に記載のトナー。
【請求項10】
前記有機ケイ素重合体が、下記式(I)で表される構造を有する請求項1〜9のいずれか1項に記載のトナー。
R−SiO
3/2
(I)
(式(I)中、Rは、アルキル基、アルケニル基、アシル基、アリール基又はメタクリロキシアルキル基を示す)。
【請求項11】
前記Rが、炭素数1以上6以下のアルキル基又はビニル基である請求項10に記載のトナー。
【請求項12】
前記金属化合物は微粒子の形態を有し、前記有機ケイ素重合体の露出部が前記有機ケイ素重合体と前記トナー母粒子との界面を断面とした半球状の形態を有する請求項1〜11のいずれか1項に記載のトナー。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真法、静電記録法及びトナージェット方式記録法を利用した記録方法に用いられるトナーに関する。
続きを表示(約 9,600 文字)【背景技術】
【0002】
近年、プリンターやコピー機において、一枚目の印刷物が出力されるまでの時間が重視されるようになってきており、この時間を短縮するために様々な検討が行われている。
加えて、これらの装置においては、トナーカートリッジの交換頻度を下げてメンテナンス性を向上するために、トナーカートリッジの印刷可能な枚数の増加が求められている。
上記の時間を短縮するためには、帯電ローラやキャリア等の帯電部材との摩擦によって迅速に帯電する、優れた帯電立ち上がり性を有するトナーが必要である。トナーは帯電ローラやキャリア等の帯電部材と接触した際に帯電部材から電荷が移動することによって帯電する。よって、帯電部材との接触回数が多く、帯電部材との接触時に電荷がスムーズに移動するトナーは帯電立ち上がり性に優れる。
帯電部材との接触回数を増やすためには、トナーの流動性を上げることが有効であり、帯電部材との接触時に電荷がスムーズに移動するためには、トナーの抵抗を下げることが有効である。そこで、トナーの流動性を上げ、抵抗を下げることで帯電立ち上がり性を改善するために、金属化合物微粒子を表面に有するトナーの検討が広く行われている。
【0003】
一方で、トナーカートリッジの印刷可能な枚数を増加するためには、長期使用時にもトナー表面の変化や帯電部材の汚染が少ない、優れた耐久性を有するトナーが必要である。そこで、金属化合物微粒子を表面に固着させることで、長期使用時における金属化合物微粒子の帯電部材への移行や埋め込みを抑制したトナーの検討が行われている。
特許文献1には、トナー母粒子より仕事関数が大きい、又は同一である紡錘形状である疎水性ルチルアナターゼ型酸化チタンと疎水性シリカを併用した一成分磁性トナーが開示されている。
特許文献2には、優れた流動性・転写効率を有し、流動化剤の帯電部材への移行や埋め込みの少ないトナーが開示されている。このトナーは、トナー粒子表面にケイ素化合物、アルミニウム化合物、チタン化合物から選ばれる2種類以上の化合物を含む粒状塊同士を固着することで形成された被覆層を有している。
特許文献3には、初期帯電性に優れ、長期使用時でも画像濃度の変動やカブリを抑制できるトナーとして、トナー母粒子の表面がチタン化合物で被覆され、トナー母粒子にシリカ及びチタニアが外添されたトナーが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2003−107785号公報
特開2004−325756号公報
特開2011−102892号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、本発明者らが検討した結果、特許文献1に記載のトナーは、長期に使用した場合には、トナー粒子上の疎水性ルチルアナターゼ型酸化チタンと疎水性シリカが剥がれ、帯電部材に移行する場合があることがわかった。
特許文献2に記載のトナーにおいても長期の使用や高速な帯電プロセスといったトナーに高い負荷のかかる場合には、トナー粒子上のチタン化合物やアルミニウム化合物を含む
粒状塊が帯電部材に移行することがわかった。その結果、トナーの帯電性能が低下するとともに、移行したチタン化合物、アルミニウム化合物等が帯電部材を汚染して帯電付与能を低下させてしまう場合があることがわかった。この場合、トナー帯電性能の低下及び帯電部材の汚染により、初期と同様の帯電立ち上がり性が得られなくなる。
加えて、特許文献2に記載のトナーにおいては、帯電性能が必ずしも十分ではなく、摩擦帯電させた後の帯電量が安定に保持されない傾向があることわかった。そして、このようなトナーを用いた現像剤を無撹拌状態で放置した場合、その後の現像工程において非画像部へのトナー飛散や画像欠陥を生じやすく、高画質の画像が得られないことがわかった。
特許文献3に記載のトナーは、初期帯電性に優れるものの、長期の使用において、トナーからシリカやチタニアが帯電部材に移行することがわかった。それにより、トナーの帯電性能が低下するとともに、移行したシリカやチタニアがトナーの帯電部材を汚染することで、初期と同等の帯電立ち上がり性が得られなくなる場合がある。また、帯電部材汚染を抑制するためにシリカやアルミナを外添しなかった場合には、流動性が不足するため、初期から帯電立ち上がり性が低いことが確認された。
上述したように、優れた帯電性能を有することと、長期の使用において優れた耐久性を有することを両立することには課題を有している。本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、帯電立ち上がり性と安定した帯電性能を有するとともに、長期の使用においても表面状態の変化が小さく、帯電部材汚染も起こしにくい、優れた耐久性を示すトナーを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
トナー粒子を有するトナーであって、
該トナー粒子が、結着樹脂を含有するトナー母粒子及び該トナー母粒子の表面のシェルを有し、
該シェルが、金属化合物及び有機ケイ素重合体を含み、
該シェルが、該トナー粒子の表面に少なくとも該金属化合物の露出部及び該有機ケイ素重合体の露出部を有し、
透過型電子顕微鏡TEMで観察されるトナー粒子の断面に対するエネルギー分散型X線分光法EDXを用いたマッピング分析において、該トナー粒子表面の該金属化合物の該露出部における該トナー母粒子と該シェルの界面から該トナー粒子表面までの平均距離をHa(nm)とし、該トナー粒子表面の該有機ケイ素重合体の該露出部における該トナー母粒子と該シェルの界面から該トナー粒子表面までの平均距離をHb(nm)としたとき、下記式(1)を満たすことを特徴とするトナー。
Hb>Ha+20.0 (1)
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、優れた帯電立ち上がり性と安定した帯電性能を有するとともに、長期の使用時における帯電部材への汚染を起こしにくい、耐久性に優れたトナーを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
TEM−EDXによるトナー粒子断面のマッピング像の一例
トナーの帯電量を測定するための装置の一例
【発明を実施するための形態】
【0009】
数値範囲を表す「XX以上YY以下」や「XX〜YY」の記載は、特に断りのない限り、端点である下限及び上限を含む数値範囲を意味する。
本発明のトナーは、トナー粒子を有するトナーであって、
該トナー粒子が、結着樹脂を含有するトナー母粒子及び該トナー母粒子の表面のシェル
を有し、
該シェルが、金属化合物及び有機ケイ素重合体を含み、
該シェルが、該トナー粒子の表面に少なくとも該金属化合物の露出部及び該有機ケイ素重合体の露出部を有し、
透過型電子顕微鏡TEMで観察されるトナー粒子の断面に対するエネルギー分散型X線分光法EDXを用いたマッピング分析において、該トナー粒子表面の該金属化合物の該露出部における該トナー母粒子と該シェルの界面から該トナー粒子表面までの平均距離をHa(nm)とし、該トナー粒子表面の該有機ケイ素重合体の該露出部における該トナー母粒子と該シェルの界面から該トナー粒子表面までの平均距離をHb(nm)としたとき、下記式(1)を満たすことを特徴とする。
Hb>Ha+20.0 (1)
【0010】
本発明者らが検討したところ、トナー粒子の表面に金属化合物が存在する場合、トナー粒子の抵抗値が低減され、帯電特性が改善されることがわかった。また、トナーを長期に使用すると、トナー粒子表面で金属化合物の剥がれや埋没が発生しやすいこともわかった。トナー粒子表面は、金属化合物の剥がれや埋没により状態が変化してしまう。また、帯電部材に金属化合物が付着することで帯電部材表面の状態が変化し、帯電部材の性能も変化してしまう場合がある。
【0011】
この現象を克服すべく本発明者らが鋭意検討したところ、上記特定の構成とすることにより、優れた帯電立上り性と安定した帯電性能を有するとともに、長期の使用時における帯電部材の汚染を起こしにくい、耐久性に優れたトナーを提供できることを見出した。
トナーを構成するシェルが、金属化合物及び有機ケイ素重合体を含むことにより、従来と比べて、トナー粒子表面における金属化合物の固着状態が強くなり、金属化合物の剥離を抑制することができる。
【0012】
有機ケイ素重合体は表面自由エネルギーが低いため、トナーの流動性が向上し、帯電立ち上がり性が良好になる。
また、透過型電子顕微鏡TEMで観察されるトナー粒子の断面に対するエネルギー分散型X線分光法EDXを用いたマッピング分析において、トナー粒子表面の金属化合物の露出部におけるトナー母粒子とシェルの界面からトナー粒子表面までの平均距離をHa(nm)とし、トナー粒子表面の有機ケイ素重合体の露出部におけるトナー母粒子とシェルの界面からトナー粒子表面までの平均距離をHb(nm)としたとき、Hb>Ha+20.
0を満たすことが必要である。
上記関係を満たすことにより、有機ケイ素重合体の露出部がスペーサーとなる。それにより、トナー粒子表面同士の接触面積が低減する。その結果、トナー粒子の流動性が改善し、金属化合物の剥離が抑制されるとともに、埋没も抑制されたと本発明者らは考察している。
【0013】
また、新たな効果として、トナー粒子表面に有機ケイ素重合体の露出部を形成させることにより、摩擦帯電させた後の帯電量が安定化する傾向を示す。一般に、トナー粒子表面に金属化合物を多く存在させると帯電立上り性は良化するが、帯電したトナー粒子同士が接触することで電荷が急速に移動し、帯電量が不安定化する傾向がある。有機ケイ素重合体の露出部がスペーサーとなりトナー粒子表面における金属化合物の接触が抑制されたことで帯電量が安定化したと考察している。
Hb>Ha+40.0であることがより好ましい。Hb−Haは、200.0以下であることが好ましく、100.0以下であることがより好ましい。
【0014】
HaとHbは、以下の方法で得られた値とする。
透過型電子顕微鏡(以下、TEMとする)でトナー粒子の断面観察を行い、トナー粒子
の構成元素を、エネルギー分散型X線分光法(以下、EDXとする)を用いて解析し、EDXマッピング像を作製する。EDXマッピング像において、トナー粒子の断面の輪郭に、金属化合物と有機ケイ素重合体の構成元素に由来するシグナルを確認する。
金属化合物のシグナルと有機ケイ素重合体のシグナルがトナー粒子の表面(断面の輪郭)に観察される場合、それらを金属化合物露出部と有機ケイ素重合体の露出部としてHa及びHbを算出する。詳細な測定方法は後述する。
【0015】
トナーを構成するシェルのより好ましい固着状態について詳細を述べる。
トナー1.0gを61.5質量%のショ糖水溶液31.0gと、非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤及び有機ビルダーからなる10.0質量%の精密測定器洗浄用中性洗剤水溶液6.0gからなる混合水溶液に分散させ、シェーカーを用いて1分間に300回の振とうを20分行う処理(a)を施し、処理(a)を施したトナーを前記混合水溶液に分散させ、電気的出力120Wの超音波を10分間印加する処理(b)を施したとき、処理(b)後のトナーにおけるシェルの被覆率が80.0面積%以上であることが好ましい。
該被覆率は、より好ましくは85.0面積%以上である。上限は特に制限されないが、好ましくは98.0面積%以下であり、より好ましくは95.0面積%以下である。
【0016】
処理(a)は、トナー粒子表面における外部添加剤(有機微粒子や無機微粒子)を取り除く処理である。この処理を行うことによって、外部添加剤を添加する前のトナー粒子(あるいは、外部添加剤が添加されていない粒子)の性状を確認することができる。
処理(b)は、比較的固着状態が弱い金属化合物と有機ケイ素重合体で構成されるシェルを取り除く処理である。この処理を行ったサンプルを観察することによって、トナー母粒子表面に固着した金属化合物と有機ケイ素重合体からなるシェルの被覆率を測定することができる。
被覆率が上記範囲であることで、帯電の立ち上がりを良化することができる。
被覆率は、後述するシェルの生成方法において原材料の添加方法によって制御することが可能である。
【0017】
さらに、蛍光X線分析において、処理(a)の実施後、処理(b)の実施前のトナーにおける金属化合物に含まれる金属量をM1(検出強度kcps)、有機ケイ素重合体に含まれるケイ素量をSi1(検出強度kcps)とし、処理(b)の実施後のトナーにおける金属化合物に含まれる金属量をM2(検出強度kcps)、有機ケイ素重合体に含まれるケイ素量をSi2(検出強度kcps)としたとき、下記式(2)及び(3)を満たすことが好ましい。
M2/M1≧0.90 (2)
Si2/Si1≧0.90 (3)
【0018】
上記式(2)は、処理(b)において金属化合物がトナー粒子表面から剥離しなかった比率を意味している。式(2)が0.90以上となる場合、トナー粒子表面からの金属化合物の剥離が抑制され、耐久性に優れたトナーを得ることができる。
上記式(3)は、処理(b)において有機ケイ素重合体がトナー粒子表面から剥離しなかった比率を意味している。式(3)が0.90以上となる場合、トナー粒子表面における有機ケイ素重合体の剥離や金属化合物の埋没が抑制され、耐久性に優れたトナーを得ることができる。
M2/M1は、より好ましくは0.95以上である。上限は特に制限されないが、好ましくは1.00以下であり、より好ましくは0.99以下である。
Si2/Si1は、より好ましくは0.95以上である。上限は特に制限されないが、好ましくは1.00以下であり、より好ましくは0.99以下である。
M2/M1及びSi2/Si1は、後述するシェルの生成方法において有機ケイ素重合
体の原材料となる有機ケイ素化合物の種類やトナー製造時の有機ケイ素重合体の付着条件等によって制御することができる。
【0019】
トナー粒子において、金属化合物は微粒子の形態を有することが好ましい。これにより、トナー粒子の流動性が改善できるとともに抵抗値が制御しやすくなる。
【0020】
トナー粒子において、有機ケイ素重合体の露出部が、有機ケイ素重合体とトナー母粒子との界面を断面とした半球状の形態を有することが好ましい。それにより、前記露出部とトナー母粒子との接触面積が大きくなり、トナー粒子が受ける法線方向の荷重を分散でき、長期の使用における有機ケイ素重合体の剥がれを抑制することが可能となる。前記露出部が大粒径の球形状の外部添加剤で形成された場合、球体であるため、トナー粒子が受ける法線方向の荷重が一点に集中してしまい、長期の使用により外部添加材の剥がれや埋没が発生する場合がある。
半球状とは、曲面を有する半球状に近い形状のものであればよく、略半球状も含まれる。半球状には、例えば、半真球状や、半楕円球状も含まれる。半球状は、球の中心を通る面で切断されたもの、すなわち球を半分にした形状のものを含む。また半球状は、球の中心を通らない面で切断されたもの、すなわち球の半分よりも大きい形状のものも、球の半分よりも小さい形状のものも含む。
【0021】
有機ケイ素重合体の露出部が、半球状の形態を有するかどうかは、例えば、後述のTEM−EDXによるマッピング像において、有機ケイ素重合体の露出部のシグナルの形状を確認することで判断できる。マッピング像において有機ケイ素重合体の露出部が、トナー粒子表面に凸形状を形成していることが好ましく、より好ましくは半円状で存在していることである。
半円状とは、曲面を有する半円状に近い形状のものであればよく、略半円状も含まれる。半円状には、例えば、半真円状や、半楕円状も含まれる。半円状は、円の中心を通る直線で切断されたもの、すなわち円を半分にした形状のものを含む。また半円状は、円の中心を通らない直線で切断されたもの、すなわち円の半分よりも大きい形状のものも、円の半分よりも小さい形状のものも含む。
【0022】
トナー粒子表面の金属化合物の露出部におけるトナー母粒子とシェルの界面からトナー粒子表面までの平均距離Ha(nm)及びトナー粒子表面の有機ケイ素重合体の露出部におけるトナー母粒子とシェルの界面からトナー粒子表面までの平均距離Hb(nm)が、下記式(4)及び(5)を満たすことが好ましい。
2.5≦Ha≦50.0 (4)
30.0≦Hb≦300.0 (5)
【0023】
Ha(nm)は、2.5nm以上50.0nm以下であることが好ましい。
Haが上記範囲を満たす場合、流動性に優れ、かつ金属化合物微粒子の剥がれによる帯電部材への移行が抑制され、耐久性の優れたトナーを得ることができる。Haは、上記の観点から、5.0nm以上30.0nm以下がより好ましい。Haは、例えば、トナー母粒子に金属化合物を付着させる際の材料の種類や添加量、pH、温度等を変更することにより制御することができる。
【0024】
Hb(nm)は、30.0nm以上300.0nm以下であることが好ましい。Hbが上記範囲となることにより、有機ケイ素重合体の露出部がトナー粒子間のスペーサーとしての効果を発現でき、金属化合物微粒子の剥がれや埋没が抑制されるとともに、トナー粒子の帯電量が安定する。Hbは、上記の観点から50.0nm以上200.0nm以下がより好ましい。
Hbは、例えば、後述する製造方法(a)又は(b)の後にさらに有機ケイ素化合物の
縮合反応を行い、その際の有機ケイ素化合物の種類や添加量により制御できる。また、pHや温度を変更することにより制御することができる。
【0025】
トナー粒子に用いる金属化合物について詳細に述べる。
金属化合物の体積抵抗率は、1.0×10

Ω・cm以上1.0×10
11
Ω・cm以下であることが好ましく、1.0×10

Ω・cm以上1.0×10

Ω・cm以下であることがより好ましい。
金属化合物の体積抵抗率は、金属化合物の微粒子の粉末を電極で挟み、トルクレンチを用いて一定の荷重をかけた状態として、電極間の距離と抵抗値を計測することで算出できる。詳細な測定方法は後述する。
金属化合物の微粒子の体積抵抗率を上記の範囲として、有機ケイ素重合体とともにトナー母粒子表面を被覆することにより、トナー粒子表面の抵抗値が下がり、帯電立上り性が得られやすくなる。
【0026】
また、金属化合物は第3族から第13族に含まれる金属元素からなる群より選択される少なくとも一の金属元素Mを含むことが好ましい。第3族から第13族に含まれる金属元素から選択される少なくとも1種の金属元素を含有する金属化合物をトナー粒子表面に配置することで、トナー粒子表面の抵抗値が下がり、トナーの帯電立ち上がり性が良化する。
具体的には、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、銅、鉄、銀、亜鉛、インジウム、及びアルミニウムなどからなる群より選択される少なくとも一が挙げられる。
【0027】
また、金属化合物は金属元素Mを含む化合物と多価酸との反応物であることが好ましく、多価酸と金属元素Mの塩であることがより好ましい。多価酸は、電子対を受け取り、負に帯電しやすい。そのため、多価酸と金属元素Mを含む化合物も、負に帯電しやすく、帯電性に優れる。
したがって、金属元素Mを含む化合物と多価酸との反応物をトナー粒子表面に有することで、金属元素Mを含む化合物を通して帯電部材からトナー粒子へと電荷の移動がスムーズに起こるために、トナーの帯電立ち上がり性がより良好になる。
【0028】
金属元素Mのポーリングの電気陰性度は、1.25以上1.85以下であることが好ましく、1.30以上1.70以下であることがより好ましい。電気陰性度が上記範囲の金属元素Mを含有する金属化合物は、疎水性を有しており、吸湿性が抑えられることに加え、金属化合物内での分極が大きくなるため、帯電立ち上がり性に対する効果をより向上させることができる。
なお、ポーリングの電気陰性度は、「日本化学会編(2004)『化学便覧 基礎編』改訂5版、表表紙裏の表、丸善出版」に記載の値を用いた。
【0029】
多価酸は、2価以上の酸であれば特に制限されない。2価以上の酸と、金属元素Mを含む化合物との反応物は、化合物と多価酸との間で架橋構造を作り、その架橋構造により電子の移動を促進し、帯電立ち上がり性を向上させる。
多価酸としては、具体的には以下のものがあげられる。
リン酸、炭酸、硫酸などの無機酸;ジカルボン酸、トリカルボン酸などの有機酸。
有機酸の具体例としては、以下のものがあげられる。
シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、フマル酸、マレイン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸などのジカルボン酸。クエン酸、アコニット酸、無水トリメリット酸などのトリカルボン酸。
【0030】
そのなかでも、多価酸が、炭酸、硫酸、及びリン酸からなる群より選ばれる少なくとも
一を含有することが好ましい。これらは、金属元素Mを含む化合物と強固に反応し、吸湿しにくい。より好ましくは、多価酸が、リン酸を含有することである。
多価酸はそのまま用いてもよいし、多価酸とナトリウム、カリウム、リチウムなどとのアルカリ金属塩;マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウムなどとのアルカリ土類金属塩;又は、多価酸のアンモニウム塩を用いてもよい。
(【0031】以降は省略されています)

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