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公開番号2021017918
公報種別公開特許公報(A)
公開日20210215
出願番号2019133032
出願日20190718
発明の名称歯車
出願人ミネベアミツミ株式会社
代理人特許業務法人平田国際特許事務所
主分類F16H 55/08 20060101AFI20210118BHJP(機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段)
要約【課題】小径で歯数が小さい場合であっても、回転不良の発生を抑制可能な歯車を提供する。
【解決手段】歯筋方向において、異なる転位量に設定された歯車1であって、歯筋方向における各位置の歯形状が、転位量に応じた曲線により構成されている。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
歯筋方向における各位置の歯形状が、転位量に応じて設定された曲線により構成され、
前記歯筋方向において前記歯形状が連続的に変化するように構成された、
歯車。
続きを表示(約 810 文字)【請求項2】
クラウニング処理が施された、
請求項1に記載の歯車。
【請求項3】
前記曲線が、少なくともインボリュート曲線を含む曲線である、
請求項1または2に記載の歯車。
【請求項4】
前記曲線が、少なくともインボリュート曲線とトロコイド曲線とを含む曲線であり、
インボリュート曲線とトロコイド曲線とが切り替わる転換点を有する、
請求項1乃至3の何れか1項に記載の歯車。
【請求項5】
前記転換点は歯車の噛み合い終端位置である、
請求項4に記載の歯車。
【請求項6】
前記トロコイド曲線は、複数のトロコイド曲線の包絡線から構成されている、
請求項4または5に記載の歯車。
【請求項7】
歯筋方向全域における噛み合い終端位置の最大の厚さと最小の厚さとの差は、歯筋方向全域における最大の転位量と最小の転位量との差よりも小さい、
請求項1乃至6の何れか1項に記載の歯車。
【請求項8】
歯筋方向の中央部と端部の噛み合い終端位置での厚さの差が、歯筋方向の中央部と端部の転位量の差よりも小さい、
請求項1乃至7の何れか1項に記載の歯車。
【請求項9】
歯筋方向の端部において、噛み合い終端位置よりも径方向内側に、歯筋方向の中央部よりも厚さが減少した厚み減少部を有する、
請求項1乃至8の何れか1項に記載の歯車。
【請求項10】
歯筋方向の中央部から両端部にかけて、前記厚み減少部の厚み減少量が徐々に大きくなる歯形状を有する、
請求項9に記載の歯車。
【請求項11】
少なくとも歯筋方向の両端部において、前記厚み減少部は周方向に凹むように形成されている、
請求項9または10に記載の歯車。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、歯車に関する。
続きを表示(約 6,200 文字)【背景技術】
【0002】
歯車において、製造誤差が大きい場合や歯車の回転軸の平行度が十分でない場合等に、バックラッシュが消滅し歯が詰まることによる回転不良の発生や、片当たりによる騒音の発生のおそれがある。
【0003】
このような回転不良や片当たりの発生を抑制するために、特許文献1では、歯筋方向端部にいくにしたがって歯先を削り(歯先クラウニングを施し)、かつ歯筋方向の歯形を同一形状に維持した歯形状の歯車が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2018−135899号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の歯車では、回転軸の位置ずれや軸倒れ等が発生した際に、その転位量が小さく、かつ大径で歯数が大きい場合には問題なく回転するが、転位量が大きく、かつ小径で歯数が小さい場合には、回転不良を引き起こすおそれがあった。
【0006】
そこで、本発明は、小径で歯数が小さい場合であっても、回転不良の発生を抑制可能な歯車を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記課題を解決することを目的として、歯筋方向における各位置の歯形状が、転位量に応じて設定された曲線により構成され、前記歯筋方向において前記歯形状が連続的に変化するように構成された、歯車を提供する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、小径で歯数が小さい場合であっても、回転不良の発生を抑制可能な歯車を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本発明の一実施の形態に係る歯車を示す図であり、(a)は斜視図、(b)は(a)のA−A断面を示す断面図である。
図1(b)のB−B線断面図、C−C線断面図、D−D線断面図、及び各断面における要部拡大図である。
転位量を説明する図である。
(a)は標準歯車における歯筋方向の一端部、中央部、及び他端部における歯の断面形状を示す図、(b)は転位量が大きい場合の標準歯車の歯合状態を説明する図である。
(a)は歯面クラウニングを施した比較例1の歯車における歯筋方向の一端部、中央部、及び他端部における歯の断面形状を示す図、(b)は転位量が大きい場合の比較例1の歯車の歯合状態を説明する図である。
(a)は歯先クラウニングを施した比較例2の歯車における歯筋方向の一端部、中央部、及び他端部における歯の断面形状を示す図、(b)は大径で歯数が多い場合の比較例2の歯車の歯合状態を説明する図である。
小径で歯数が小さい場合の比較例2の歯車の歯合状態を説明する図である。
比較例3の歯車の歯形状の一例を示す断面図である。
(a)は歯面クラウニング及び歯先クラウニングを施した比較例4の歯車の歯形状における歯筋方向の一端部、中央部、及び他端部における歯の断面形状を示す図、(b)は比較例4の歯車の歯合状態を説明する図である。
(a),(b)は本発明の一変形例に係る歯車における歯筋方向の一端部、中央部、及び他端部における歯の断面形状を示す図である。
転位量を変化した際の歯形状の変化を説明する図である。
(a)は歯筋方向端部の転位量を−0.5とした場合、(b)は歯筋方向の転位量を−1.0とした場合の、歯筋方向の中央部と端部の歯の断面図である。
(a)は図12(a)において基準ラック工具の歯の先端部を所定の曲率半径の曲線のみで構成した場合、(b)は図12(a)において基準ラック工具の歯の先端部を直線のみで構成した場合の、歯筋方向の中央部と端部の歯の断面図である。
(a)は歯車におけるミスアライメントの影響を説明する図であり、(b)はピッチ円直径と移動量との関係の一例を示すグラフ図である。
本発明の一実施の形態に係る樹脂製歯車の製造方法の手順を示すフロー図である。
電極形成工程で形成する電極の斜視図である。
(a),(b)は、金型形成工程を説明する図である。
(a)〜(d)は、金型形成工程時の電極の回動を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[実施の形態]
以下、本発明の実施の形態を添付図面にしたがって説明する。
【0011】
(歯車の概要)
図1は、本実施の形態に係る歯車を示す図であり、(a)は平面図、(b)は斜視図である。図2(a)は、図1の歯車の歯形状を示す斜視図、図2(b)は歯筋方向の一端部、中央部、及び他端部における歯の断面形状を示す図である。
【0012】
図1及び図2に示すように、歯車1は、図示しない回転軸が挿入される軸孔2aを有する略円柱状の軸部2と、軸部2の外周面に形成された複数の歯3と、を一体に備えている。なお、軸部2の形状等は特に限定するものではなく、適宜変更可能である。以下、回転軸に平行な方向を軸方向、回転軸に垂直な方向を径方向という。また、回転軸を回転中心とした回転方向を周方向と呼称する。ここでは、歯車1が、歯3が軸方向に対して平行に形成された平歯歯車である場合を説明するが、歯3が軸方向に対して斜めに形成されたハスバ歯車であってもよい。
【0013】
本実施の形態では、歯車1は、樹脂からなる。ただし、これに限らず、歯車1の材質は樹脂に限定されない。
【0014】
本実施の形態に係る歯車1は、歯筋方向における各位置の歯形状が、転位量に応じて設定された曲線により構成され、歯筋方向において歯形状が連続的に変化するように構成されている。
【0015】
このように構成することで、回転軸の位置ずれや軸倒れ等が発生した際に、小径で歯数が小さい場合であっても、回転不良の発生を抑制することが可能になる。以下、この理由について説明する。
【0016】
(転位量について)
まず、転位量について説明する。本明細書における転位量とは、回転軸の位置ずれや軸倒れ、あるいはミスアライメント等による相手歯車の回転軸と自歯車の回転軸との距離の変化量である。転位量という語句は、一般に、ホブカッタにより歯車を創成する際における歯車回転軸とホブカッタの回転軸との距離の変化量、あるいは歯車の歯の径方向位置の変化量として用いられる場合が多いが、本実施の形態に係る歯車1の創成はホブカッタに限定されるものではなく、本明細書ではこのような定義を用いない。
【0017】
より具体的には、図3に示すように、相手歯車1bの回転軸が自歯車1a側に傾いた(軸倒れが発生した)場合、相手歯車1bの歯先位置が自歯車1a側に突出する。この突出量、すなわち相手歯車1bの回転軸が傾いていない状態における歯先位置から、相手歯車1bの回転軸が傾いた状態(あるいは回転軸の位置ずれ等により回転軸の位置がずれた状態)における歯先位置までの距離が、転位量と等しくなる。このように、転位量は、自歯車1aに対する相手歯車1bの突出量(正常な位置からの突出量)と言い換えることができる。
【0018】
(最適な歯形状の検討)
ここで、回転不良や片当たりを抑制可能な最適な歯形状について検討する。以下、歯筋方向における両端部から中央部にかけて、歯厚が徐々に厚くなるように、歯面にクラウニング処理を施すことを歯面クラウニングと呼称する。また、歯筋方向における両端部から中央部にかけて、歯先が徐々に径方向外側に突出するように歯先にクラウニング処理を施すことを歯先クラウニングと呼称する。
【0019】
まず、図4(a)に示すように、歯面クラウニング及び歯先クラウニングを施さず、歯筋方向の歯形を同一形状に維持した歯形状の標準歯車100について検討する。
【0020】
図4(b)に示すように、歯面クラウニング及び歯先クラウニングを施さない標準歯車100では、転位量が大きくなると、歯101の歯筋方向における端部にて深くかみ合ってしまい、駆動歯車側あるいは従動歯車側の歯先と、それとかみ合う従動歯車側あるいは駆動歯車側の歯底とが干渉するいわゆる底付きやバックラッシュの消滅等の回転不良が生じるおそれがある。特に樹脂製の標準歯車100においては、歯101に力がかかった際に歯101が弾性変形して噛み合い位置が変化し、回転不良が発生してしまう可能性が大きくなる。
【0021】
次に、図5(a)に示すように、標準歯車100において歯面クラウニングのみを施した比較例1の歯車110について検討する。比較例1の歯車110では、歯111に歯面クラウニングを施すことで、歯筋方向の端部において歯厚が減少される。そのため、図5(b)に示すように、転位量が大きい場合であっても、バックラッシュを確保し、回転不良や片当たりの発生を抑制することが可能である。しかし、歯面クラウニングのみを施した歯車110は、研削やマシニング加工での製作が必要なため生産性が悪く、安価かつ大量に製作することは困難である。
【0022】
次に、図6(a)に示すように、標準歯車100において歯先クラウニングのみを施した比較例2の歯車120について検討する。図6(b)は、モジュールを1.5、歯数を40枚、圧力角を20°、ピッチ円直径を60mmとした場合の歯合状態を示している。図6(b)に示すように、比較例2の歯車120では、歯121に歯先クラウニングを施すことで、歯面クラウニングを施した場合と同様に、転位量が小さい場合には、バックラッシュを確保し、回転不良や片当たりの発生を抑制することが可能である。
【0023】
このように、比較例2の歯車120では、転位量が小さく、かつ大径で歯数が多い場合には問題なく回転する。しかし、図7に示すように、転位量が大きく、かつ小径で歯数が少ない場合には、図6(b)の場合と同一のクラウニング量としたとき、バックラッシュの消滅による回転不良や、片当たりによる騒音を引き起こすおそれがある。なお、図7では、モジュールを0.5、歯数を15枚、圧力角を20°、ピッチ円直径を7.5mmとした場合の歯合状態を示している。
【0024】
比較例2の歯車120における課題を解決するために、歯筋方向における全域を一定のマイナス転位に設定することで、例えば、図8に示す比較例3の歯車130のような歯形状とすることが考えられる。しかし、この場合、回転不良や片当たりの発生は抑制できるものの、歯筋方向の中央部において歯合時にガタつくおそれがあり、また歯元近傍が必要以上に細くなるために歯元強度が不足するおそれもある。
【0025】
比較例2の歯車120における課題を解決する他の構成として、図9(a)に示す比較例4の歯車140のように、歯141に歯先クラウニングと歯面クラウニングの両方を施すことが考えられる。しかし、この場合、図9(b)に示すように、クラウニング量が大きくなり、ガタつきが発生するおそれがある。より具体的には、歯車140では、歯底の干渉を回避するためには図9(b)に破線で示す理想歯形における切り下げにあたる部分に合わせて歯面クラウニングにおけるクラウニング量を設定する必要があり、歯面が当接する箇所を理想歯形に合わせ削り、歯面全域をそれに合わせて削ることになるため、歯先クラウニングを施した比較例2の歯車120、及び理想歯形に比べて、より大きなクラウニング量を設定する必要が生じる。その結果、クラウニング量が大きくなり過ぎ、ガタつきが発生するおそれがある。さらに、歯筋方向の端部においてバックラッシュが大きくなり過ぎてしまうため、ガタつき及び騒音の原因となるおそれがある。
【0026】
そこで、本実施の形態に係る歯車1では、図1及び図2に示すように、歯筋方向における各位置の歯形状を、転位量に応じた曲線により構成した。これにより、最適な歯形状をとるために、比較例4の歯車140と比べてクラウニング量を抑え、ガタつきや騒音を抑制することができる。さらに歯先クラウニングを施すことによって、歯先の突出量に対して歯形状を最適化することが可能であり、歯底の厚さの減少量を抑え、歯車1全体の強度を向上させることが可能になる。
【0027】
本実施の形態では、歯先クラウニングを施す場合について説明したが、図10(a)に示す歯車1aのように、歯先クラウニングを省略してもよく、歯筋方向における各位置の歯形状を、転位量に応じた曲線により構成していればよい。また、本実施の形態では、歯先31の曲線と歯底32の曲線とを同一の曲率の曲線で構成したが、図10(b)に示す歯車1bのように、歯先31の曲線と歯底32の曲線とが異なる曲率となっていてもよい。ただし、この場合ホブカッタ(ホブ盤)による創成が困難となるため、本実施の形態のように、歯先31の曲線と歯底32の曲線とを同一の曲率の曲線で構成し、ホブカッタによる創成を可能として生産性を高めることがより望ましい。
【0028】
(歯形状の詳細)
以下、本実施の形態に係る歯車1の歯形状の詳細について説明する。本実施の形態に係る歯車1では、歯筋方向において転位量が連続して変化するように設定されており、歯筋方向における各位置で回転軸に対して垂直な断面(径方向断面)における歯形状を、当該位置の転位量に応じた曲線により構成している。ここでいう転位量とは、上述のように、回転軸の軸ずれや軸倒れ等による相手歯車の回転軸と自歯車の回転軸との距離の変化量でるから、転位量が変わると歯車1の歯合状態が変わるために歯形状を適切な形状にする必要が生じる。つまり、「転位量に応じた曲線」とは、設定された転位量で歯合させた際に、回転不良やガタつき等の不具合を生じることなく正常に歯車1が回転できる歯形状となる曲線を意味している。
【0029】
また、本実施の形態に係る歯車1は、歯先クラウニングを施している。歯先クラウニングを施すことで、歯筋方向の端部において歯先の突出量を減らし、それにより歯元での厚さを確保して歯3の強度を向上することが可能になる。
【0030】
より詳細には、本実施の形態に係る歯車1では、歯筋方向における各位置の歯形状が、当該位置の転位量に応じた、インボリュート曲線とトロコイド曲線とにより構成されており、インボリュート曲線とトロコイド曲線とが切り替わる転換点を有する。以下、「転位量に応じたインボリュート曲線とトロコイド曲線」について説明する。
(【0031】以降は省略されています)

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