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公開番号2021015858
公報種別公開特許公報(A)
公開日20210212
出願番号2019128739
出願日20190710
発明の名称電子装置
出願人株式会社デンソー
代理人個人,個人,個人
主分類H01L 23/40 20060101AFI20210115BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】腐食を抑制できる電子装置を提供すること。
【解決手段】電子装置は、金属部材211、被接合部材212、金属接合層213、および防錆膜217を備える。被接合部材212は、金属部材211の下面211a側に配置され、下面211aの全域と対向する上面212aを有する。金属接合層213は、金または金合金を材料とする金属膜213a,213bを少なくとも含み、金属部材211の下面211aと被接合部材212の上面212aとを接合する。金属部材211と被接合部材212との対向領域において、金属接合層213の厚みは、下面211aおよび上面212aの平面度よりも小さい。防錆膜217は、少なくとも金属部材211の下面211aに連なる側面211bにおいて、金属接合層213との境界から所定範囲の部分に設けられている。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
銅、銅合金、アルミニウム、およびアルミニウム合金のいずれかを含む金属部材(211)と、
前記金属部材の下面側に配置され、前記下面の全域と対向する上面を有する被接合部材(212)と、
金または金合金を材料とする金属膜(213a、213b)を少なくとも含み、前記金属部材の下面と前記被接合部材の上面とを接合し、前記金属部材と前記被接合部材との対向領域において、厚みが前記金属部材の下面および前記被接合部材の上面の平面度よりも小さくされた金属接合層(213)と、
少なくとも前記金属部材の下面に連なる面において、前記金属接合層との境界から所定範囲の部分に設けられた防錆膜(217)と、
を備える電子装置。
続きを表示(約 500 文字)【請求項2】
前記防錆膜は、前記金属部材の表面のうち、前記下面を除く面の全域を覆っている請求項1に記載の電子装置。
【請求項3】
前記被接合部材は、金属の部材であり、
前記被接合部材の上面の面積は、前記金属部材の下面の面積よりも大きく、
前記厚みの方向の平面視において前記下面の全域を内包するように、前記被接合部材の上面に、前記金属膜が設けられている請求項1又は請求項2に記載の電子装置。
【請求項4】
前記被接合部材は、金属の部材であり、
前記被接合部材の上面の面積は、前記金属部材の下面の面積と等しく、
前記防錆膜は、前記被接合部材の上面に連なる面において、前記金属接合層との境界から所定範囲の部分にも設けられている請求項1又は請求項2に記載の電子装置。
【請求項5】
前記金属接合層は、前記金属部材および前記被接合部材の少なくとも一方と、前記金属膜である第1金属膜との間に介在し、前記第1金属膜を構成する材料よりも熱膨張係数が小さい第2金属膜(213c、213d)を有する請求項1〜4いずれか1項に記載の電子装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
この明細書における開示は、電子装置に関する。
続きを表示(約 6,600 文字)【背景技術】
【0002】
特許文献1は、電子装置を開示している。先行技術文献の記載内容は、この明細書における技術的要素の説明として、参照により援用される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2016−122813号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1は、2つの部材が金属接合層により接合された電子装置を提供する。特許文献1では、基板の上面に半導体素子が配置されている。基板の下面と放熱部材の上面とが、金または金合金を材料とする金属接合層によって接合されている。放熱部材の上面は、基板の下面の全域と対向している。このような構成では、基板と放熱部材との対向領域の端部に、熱応力や外部からの振動などの応力が集中する。上述の観点において、または言及されていない他の観点において、電子装置にはさらなる改良が求められている。
【0005】
開示されるひとつの目的は、腐食を抑制できる電子装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
ここに開示された電子装置は、
銅、銅合金、アルミニウム、およびアルミニウム合金のいずれかを含む金属部材(211)と、
金属部材の下面側に配置され、下面の全域と対向する上面を有する被接合部材(212)と、
金または金合金を材料とする金属膜(213a,213b)を少なくとも含み、金属部材の下面と被接合部材の上面とを接合し、金属部材と被接合部材との対向領域において、厚みが金属部材の下面および被接合部材の上面の平面度よりも小さくされた金属接合層(213)と、
少なくとも金属部材の下面に連なる面において、金属接合層との境界から所定範囲の部分に設けられた防錆膜(217)と、
を備える。
【0007】
開示された電子装置によると、金属接合層の厚みが金属部材の下面および被接合部材の上面の平面度よりも小さいため、熱応力や外部からの振動などの応力を、金属部材および被接合部材に受け持たせることができる。応力は、金属部材と被接合部材との対向領域の端部に集中する。金属部材の下面に連なる面に、防錆膜を設けている。応力が集中して腐食が生じることを、防錆膜によって抑制することができる。
【0008】
この明細書における開示された複数の態様は、それぞれの目的を達成するために、互いに異なる技術的手段を採用する。請求の範囲およびこの項に記載した括弧内の符号は、後述する実施形態の部分との対応関係を例示的に示すものであって、技術的範囲を限定することを意図するものではない。この明細書に開示される目的、特徴、および効果は、後続の詳細な説明、および添付の図面を参照することによってより明確になる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
第1実施形態に係る電子装置の断面図である。
金属部材と被接合部材との接続構造を示す断面図である。
第2実施形態に係る電子装置において、接続構造を示す断面図である。
第3実施形態に係る電子装置において、接続構造を示す断面図である。
第4実施形態に係る電子装置において、接続構造を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面に基づいて複数の実施形態を説明する。複数の実施形態において、機能的におよび/または構造的に対応する部分および/または関連付けられる部分には同一の参照符号、または百の位が異なる参照符号が付される場合がある。対応する部分および/または関連付けられる部分については、他の実施形態の説明を参照することができる。
【0011】
(第1実施形態)
先ず、図1に基づき、電子装置の概略構成について説明する。
【0012】
<電子装置>
図1に示すように、電子装置1は、筐体5と、電子部品10と、バスバー12と、半導体モジュール110と、冷却器120を備えている。筐体5は、電子部品10および半導体モジュール110を収容している。筐体5は、金属材料や樹脂材料を用いて形成されている。
【0013】
電子部品10は、部品本体から突出するリード11を有している。リード11は、外部接続端子である。バスバー12は、板状の配線部材である。リード11およびバスバー12は、銅などの導電性に優れる金属材料を用いて形成されている。リード11は、金属接合層13を介して、バスバー12に接続されている。金属接合層13により、リード11とバスバー12とが電気的に接続されている。金属接合層13は、少なくとも金または金合金の膜を含んでおり、リード11とバスバー12とは常温接合されている。
【0014】
半導体モジュール110は、ヒートシンク111および絶縁板112を含む放熱ユニットと、半導体チップ114と、封止樹脂体115を有している。放熱ユニットは、一対のヒートシンク111を有しており、ヒートシンク111の間に絶縁板112が配置されている。ヒートシンク111のそれぞれは、金属接合層113を介して、絶縁板112に接続されている。金属接合層113は、少なくとも金または金合金の膜を含んでおり、ヒートシンク111のそれぞれと絶縁板112とは常温接合されている。絶縁板112は、半導体チップ114側のヒートシンク111と、半導体チップ114に対して離れたヒートシンク111とを、電気的に分離している。絶縁板112は、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、炭化ケイ素などのセラミクス材料を用いて形成されている。
【0015】
ヒートシンク111のひとつに、半導体チップ114が配置されている。半導体チップ114は、ヒートシンク111における絶縁板112とは反対側の面に配置されている。半導体チップ114は、ヒートシンク111に固定されている。半導体チップ114が固定されたヒートシンク111は、少なくとも半導体チップ114の生じた熱を放熱する。半導体チップ114が固定されたヒートシンク111を、半導体チップ114の配線として用いてもよい。この場合、半導体チップ114が固定されたヒートシンク111は、図示しない他の配線部材と電気的に接続される。ヒートシンク111の他のひとつ、すなわち半導体チップ114が固定されていないヒートシンク111は、放熱ゲル、放熱グリス、放熱シートなどの熱伝導部材130を介して、冷却器120に固定されている。
【0016】
封止樹脂体115は、半導体チップ114を封止している。この実施形態において、封止樹脂体115は、絶縁板112の一面ごと、半導体チップ114が固定されたヒートシンク111および半導体チップ114を封止している。封止樹脂体115は、たとえばエポキシ樹脂を材料とする成形体である。封止樹脂体115は、トランスファモールド、ポッティング等により形成することができる。
【0017】
冷却器120は、熱交換部と称されることがある。冷却器120の内部には、冷媒が流通する流路が形成されている。冷媒としては、水やアンモニアなどの相変化する冷媒や、エチレングリコール系などの相変化しない冷媒を用いることができる。冷却器120の一面上に、熱伝導部材130を介して半導体モジュール110が配置されている。
【0018】
<金属接合層による接続構造>
次に、図2に基づき、金属接合層による2つの部材の接続構造について説明する。ここで示す接続構造は、金属接合層13によるリード11とバスバー12との接続構造、金属接合層113によるヒートシンク111と絶縁板112との接続構造に適用することができる。図2では、金属接合層213による金属部材211と被接合部材212との接続構造として例示する。電子装置は、金属部材211と、被接合部材212と、これらを接合する金属接合層213を備えている。
【0019】
金属部材211は、銅、銅合金、アルミニウム、およびアルミニウム合金のいずれかを材料として形成されている。金属部材211の下面211a側に、被接合部材212が配置されている。金属部材211は、下面211aに連なる面である側面211bと、下面211aの裏面である上面211cを有している。
【0020】
被接合部材212は、金属接合層213を介して金属部材211と接続される。被接合部材212の構成材料としては、たとえば、銅やアルミニウムなどの純金属、銅合金やアルミニウム合金などの合金、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、炭化ケイ素などのセラミクス、シリコンなどの半導体、樹脂等を用いることができる。被接合部材212は、金属部材211とは異なる材料を用いて形成されてもよいし、同じ材料を用いて形成されてもよい。
【0021】
被接合部材212は、金属部材211の下面211aに対向する上面212aを有している。下面211aおよび上面212aは、金属部材211と被接合部材212との対向面である。上面212aは、下面211aの全域と対向している。被接合部材212は、上面212aに連なる側面212bを有している。本実施形態では、上面212aの面積が、下面211aの面積よりも大きくされている。金属接合層213の厚み方向の平面視において、上面212aは下面211aの全域を内包している。厚み方向は、金属部材211と被接合部材212との対向方向、並び方向と称することもできる。
【0022】
リード11およびバスバー12の接続構造において、たとえばリード11が金属部材211に相当し、バスバー12が被接合部材212に相当する。また、ヒートシンク111が金属部材211に相当し、絶縁板112が被接合部材212に相当する。
【0023】
金属接合層213は、金属部材211の下面211aと被接合部材212の上面212aとを接合する。金属接合層213は、金または金合金を材料とする金属膜213a、213bを含んでいる。金属膜213a、213bは、金属層と称されることがある。金属膜213aは、金属部材211の下面211aの全域に形成されている。金属膜213bは、被接合部材212の上面212aの全域に形成されている。厚み方向の平面視において、金属膜213bは金属膜213aの全域を内包している。
【0024】
金属膜213a、213bは、スパッタリング法により形成される。金属膜213a、213bそれぞれ厚みは、nmオーダ、たとえば十数nmである。CMP(ChemicalMechanical Polishing)などによって下面211aおよび上面212aの鏡面化処理を実施し、次いでスパッタリング法により、金属膜213a、213bを形成する。そして、大気中において、常温で、金属膜213a、213b同士を接触させる。これにより、金属膜213a、213b同士を互いに接合させることができる。
【0025】
金属接合層213は、金属部材211と被接合部材212との対向領域において金属膜213a、213bを有し、対向領域外において金属膜213bを有している。よって金属接合層213の厚みは、対向領域と対向領域外とで異なっている。対向領域において、金属接合層213の厚みt1は、金属部材211の下面211aおよび被接合部材212の上面212aの平面度F1よりも小さい。厚みt1は、nmオーダ、たとえば数十nmである。平面度F1は、μmオーダ、たとえば1〜3μmである。金属接合層13、113が、金属接合層213に相当する。図1では、金属接合層13、113(金属膜)を、簡略化して図示している。
【0026】
電子装置は、さらに防錆膜217を備えている、防錆膜217は、金属部材211の側面211b上には、金属接合層213との境界から所定範囲の部分に設けられている。防錆膜217は、対向領域の端部に設けられている。防錆膜217は、金属の腐食を抑制する。防錆膜217の材料として、たとえばベンゾトリアゾールまたはその誘導体を用いることができる。本実施形態において、防錆膜217は、対向領域を連続的に取り囲んでいる。防錆膜217は、金属接合層213との境界から、厚み方向において側面211bの一部のみに設けられている。
【0027】
防錆膜217は、たとえば鏡面化処理の実施前に形成される。この場合、防錆膜217の端部上にも、金属膜213aが形成される。図1では、防錆膜217の図示を省略している。
【0028】
<第1実施形態のまとめ>
2つの部材の接続構造部(接合継手)には、熱応力や外部振動などの応力が作用する。熱応力は、第1の熱応力と第2の熱応力との複合応力である、第1の熱応力は、接合継手をなす2つの部材の熱膨張係数が異なり、接合継手内部の膨張、収縮要因で発生する応力である。第2の熱応力は、複数の異なる材料を用いて組み上げられたことから生ずる電子装置全体の膨張、収縮要因で発生する応力である。第2の熱応力は、同種材料同士の接合継手にも作用する。また、熱応力に限らず、外部から伝達される振動などの応力も、接合継手に作用する。はんだなどの接合部材を用いて2つの部材を接続する場合、接合部材が厚いため、接合部材に応力が集中する。これに対し、本実施形態では、金属接合層213の厚みt1が金属部材211の下面211aおよび被接合部材212の上面212aの平面度F1よりも小さい。金属接合層213が薄いため、応力を金属接合層213近傍の金属部材211および被接合部材212にて受け持つことができる。よって、応力が金属接合層213に集中するのを抑制することができる。これにより、高い接合強度と、高い耐久疲労強度を有することができる。また、常温で接合するため、接合時の残留応力を最小化することもできる。
【0029】
応力は、2つの部材の接合部の端部に集中する。すなわち、2つの部材の対向領域の端部に集中する。応力集中により組織が肥大化し、クラック等が生じやすくなる。2つの部材にて応力を受け持つ構成のため、金属を材料とする金属部材側において、対向領域の端部近傍に腐食が生じる虞がある。これに対し、本実施形態では、金属部材211の側面211bであって、金属接合層213との境界、すなわち下面211aとの境界から所定範囲の部分に、防錆膜217を設けている。防錆膜217は、金属接合層213が接合されない面である側面211bにおいて、対向領域の端部に近い部分を覆っている。よって、金属部材211の下面211a端部付近に応力が集中し、端部近傍の側面211bに腐食が生じるのを、防錆膜217によって抑制することができる。
【0030】
本実施形態では、被接合部材212の上面212aの面積が、金属部材211の下面211aの面積よりも大きい。そして、上面212aに設けた金属膜213bが、厚み方向の平面視において下面211aの全域を内包している。すなわち、金属膜213bが、被接合部材212において、対向領域の端部に近い部分を覆っている。金属膜213bは、金または金合金の膜である。よって、被接合部材212が金属(純金属または合金)を材料とする構成において、対向領域の端部近傍に腐食が生じるのを、金属膜213bによって抑制することができる。特に本実施形態では、上面212aの全域に金属膜213bを設けているため、上面212aの全域で腐食を抑制することができる。
(【0031】以降は省略されています)

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