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公開番号2021015763
公報種別公開特許公報(A)
公開日20210212
出願番号2019131106
出願日20190716
発明の名称圧着端子
出願人矢崎総業株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類H01R 4/18 20060101AFI20210115BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】一対の加締め片部の先端が確実に芯線に食い込み、電線との間の導通抵抗が低く、且つ、固着力が強い圧着端子を提供する。
【解決手段】圧着端子10は、基底部16aと基底部16aの両側端から延設された一対の加締め片部16bを有し、電線Wの複数の素線1aからなる芯線1を圧着する芯線圧着部16と、一対の加締め片部16bがそれぞれ内側に向かって湾曲状に加締められた状態にあって互いに重なり合う部位の双方の対向面に配置され、芯線1への食い込み方向に対し垂直方向の面同士を互いに噛合い面とする一対の噛合部19とを備えた。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
基底部と前記基底部の両側端から延設された一対の加締め片部を有し、電線の複数の素線からなる芯線を圧着する芯線圧着部と、
一対の前記加締め片部がそれぞれ内側に向かって湾曲状に加締められた状態にあって互いに重なり合う部位の双方の対向面に配置され、前記芯線への食い込み方向に対し垂直方向の面同士を互いに噛合い面とする一対の噛合部とを備えたことを特徴とする圧着端子。
続きを表示(約 140 文字)【請求項2】
請求項1記載の圧着端子であって、
前記各噛合部は、前記芯線への食い込み方向に対し垂直方向の面と、前記芯線への食い込み方向に対し斜め方向の面とから断面三角形状であり、双方の前記垂直方向の面同士と前記斜め方向の面同士とがそれぞれ噛み合うことを特徴とする圧着端子。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、電線に接続する圧着端子に関する。
続きを表示(約 4,900 文字)【背景技術】
【0002】
電線に圧着する圧着端子の従来例が図5〜図9に示されている(特許文献1参照)。図5〜図7において、圧着端子110を接続する電線Wは、複数の素線101aからなる芯線101と芯線101の外周を覆う絶縁外皮102とから構成されている。電線Wの先端側は、絶縁外皮102が除去されて芯線101が露出されている。
【0003】
圧着端子110は、相手端子接続部111と電線接続部115を有する。電線接続部115は、芯線圧着部116と外皮圧着部117を有する。芯線圧着部116は、基底部116aとこの基底部116aの両側から延設された一対の加締め片部116bを有する。一対の加締め片部116bの先端部の外面には、それぞれ噛合部120が設けられている。
【0004】
外皮圧着部117は、基底部117aとこの基底部117aの両側から延設された一対の加締め片部117bを有する。
【0005】
圧着端子110は、芯線圧着部116によって露出された芯線101を加締め圧着し、外皮圧着部117によって絶縁外皮102を加締め圧着している。
【0006】
芯線圧着部116の加締め圧着は、加締め治具140によって行われる。加締め治具140は、図8に示すように、アンビル141と、加締め先端側に最終的な加締め外周形状の加締め溝142aを有するクリンパ142とを有する。アンビル141の上面に芯線圧着部116を載置し、上方よりクリンパ142を降下させる。すると、アンビル141及びクリンパ142が基底部116a及び一対の加締め片部116bを押圧して芯線101の外周を包み込むように塑性変形すると共に、一対の加締め片部116bの先端部が芯線1内に食い込む(図7参照)。
【0007】
ここで、一対の加締め片部116bの互いに重なり合う部位の双方の対向面には噛合部120が設けられているため、双方の噛合部120が噛み合って双方の噛合部120が互いに固定しつつ芯線101内に食い込む。従って、一対の加締め片部116bが一体となって共に芯線101内に食い込む。これにより、安定した導通抵抗が得られる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
特開2010−61944号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、図9に示すように、加締め圧着過程にあって、一対の噛合部120は、芯線101への食い込み方向Tに対し斜め方向の面120a同士が噛合っている。従って、加締め圧着力(エネルギー)が芯線101の食い込み方向T以外にも分散し、食い込み方向Tに集中しないため、芯線101に確実に食い込まない、若しくは、食い込みが浅くなる虞がある。加締め片部116bが芯線101に食い込まない状態、若しくは、食い込みが浅い状態で加締め圧着されると、芯線圧着部116と芯線1との接触面積が小さいために導通抵抗が大きくなり、又、芯線圧着部116と芯線1間の固着力が弱くなるという問題が発生する。
【0010】
そこで、本発明は、前記した課題を解決すべくなされたものであり、一対の加締め片部の先端部が確実に芯線に食い込み、電線との間の導通抵抗が低く、且つ、固着力が強い圧着端子を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、基底部と前記基底部の両側端から延設された一対の加締め片部を有し、電線の複数の素線からなる芯線を圧着する芯線圧着部と、一対の前記加締め片部がそれぞれ内側に向かって湾曲状に加締められた状態にあって互いに重なり合う部位の双方の当接面に設けられ、前記芯線への食い込み方向に対し垂直方向の面同士を互いに噛合い面とする一対の噛合部とを備えたことを特徴とする圧着端子である。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、芯線圧着部の加締め圧着過程で、一対の噛合部は、芯線への食い込み方向に対し垂直方向の面同士が噛み合っているため、加締め圧着力が芯線の食い込み方向に集中する。以上より、一対の加締め片部が確実に芯線に食い込み、電線との間の導通抵抗が低く、且つ、固着力が強い。
【図面の簡単な説明】
【0013】
本発明の一実施形態を示し、(a)は圧着端子に電線を圧着する前の斜視図、(b)は(a)のA−A線断面図である。
本発明の一実施形態を示し、(a)は電線を圧着した圧着端子の側面図、(b)は(a)のB−B線断面図である。
本発明の一実施形態を示し、(a)〜(c)はそれぞれ加締め過程を示す断面図である。
本発明の一実施形態を示し、加締め圧着力が噛合部を介して加締め片部に作用する力の向きを説明する図である。
従来例を示し、圧着端子に電線を圧着する前の斜視図である。
従来例を示し、図5のC−C線断面図である。
従来例を示し、芯線を圧着した状態の芯線圧着部の断面図である。
従来例を示し、加締め治具での加締め作業を説明する図である。
従来例を示し、加締め圧着力が噛合部を介して加締め片部に作用する力の向きを説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
【0015】
図1〜図4は本発明の一実施形態を示す。図1及び図2に示すように、電線Wは、複数の素線1aからなる芯線1と芯線1の外周を覆う絶縁外皮2とから構成されている。電線Wの先端側は、絶縁外皮2が除去されて芯線1が露出されている。芯線1は、アルミニウム製又はアルミニウム合金製(以下、アルミ製)の多数の素線1aからなり、多数の素線1aが互いに撚られている。つまり、電線Wは、アルミ電線である。
【0016】
圧着端子10は、例えば銅合金製であり、所定形状に裁断したプレートを折り曲げ加工することによって形成されている。圧着端子10は、相手端子接続部11と電線接続部15を有する。電線接続部15は、芯線圧着部16と外皮圧着部17を有する。芯線圧着部16は、基底部16aとこの基底部16aの両側端から延設された一対の加締め片部16bを有する。一対の加締め片部16bは、図1等に示すように、電線Wを圧着する前の状態にあって、それぞれ先端に向かうに従って互いの間隔が徐々に離間する外斜めに延びるストレート形状である。
【0017】
一対の加締め片部16bの先端部18には、噛合部19がそれぞれ設けられている。噛合部19は、図1(b)等に示すように、芯線1の圧着前の状態にあって、それぞれの外面に設けられているが、一対の加締め片部16bがそれぞれ内側に向かって湾曲状に加締められた状態(図2(b)、図3(b)等)にあって互いに重なり合う部位の双方の当接面に配置される。
【0018】
各噛合部19は、図4に詳しく示すように、芯線1への食い込み方向Tに対し垂直方向の面19aと、芯線1への食い込み方向Tに対し斜め方向の面19bとから断面三角形状である。そして、噛合い時には、双方の垂直方向の面19a同士と、斜め方向の面19b同士とがそれぞれ噛み合う。
【0019】
外皮圧着部17は、基底部17aとこの基底部17aの両側から延設された一対の加締め片部17bを有する。
【0020】
圧着端子10は、芯線圧着部16によって露出された芯線1を加締め圧着し、外皮圧着部17によって絶縁外皮2を加締め圧着している。
【0021】
圧着端子10は、加締め治具20によって圧着される。図3に示すように、加締め治具20は、アンビル21と、アンビル21に対して昇降するクリンパ22とを有する。アンビル21の上面21aは、芯線圧着部16の主に基底部16aの最終的な加締め外周形状に形成されている。クリンパ22の下方側には、加締め溝22aが形成されている。加締め溝22aは、芯線圧着部16の一対の加締め片部16bの最終的な加締め外周形状を有する。
【0022】
次に、加締め治具20を用いた芯線圧着部16の圧着過程を説明する。図3(a)に示すように、アンビル21の上面21aに芯線圧着部16を載置する。次に、上方よりクリンパ22を降下させる。すると、クリンパ22が一対の加締め片部16bを押圧し、先端に向かって外方に開く形状の一対の加締め片部16bが互いの間隔を狭める方向に塑性変形される。クリンパ22が更に降下されると、図3(b)に示すように、アンビル21及びクリンパ22が基底部16a及び一対の加締め片部16bを押圧して芯線1の外周を包み込むように塑性変形すると共に各加締め片部16bの先端部18の先端面が芯線1に当接する。各加締め片部16bの先端部18の先端面は、芯線1に対してほぼ垂直方向(芯線1のほぼ中心に向かう方向)に当接する。また、一対の加締め片部16bの先端部18の噛合部19同士が噛み合う。
【0023】
クリンパ22を更に降下すると、アンビル21及びクリンパ22が基底部16a及び一対の加締め片部16bを押圧して芯線1の外周を圧縮しつつ包み込むように塑性変形すると共に、一対の加締め片部16bの先端部18が芯線1内に徐々に食い込む。
【0024】
ここで、一対の噛合部19は、芯線1への食い込み方向Tに対し垂直方向の面19a同士が噛み合っているため、加締め圧着力F(図3(b)に示す)が芯線1の食い込み方向T以外には分散せずに、食い込み方向に集中する。
【0025】
そして、アンビル21とクリンパ22による最終加締め位置において、図3(c)に示すように、一対の加締め片部16bの先端部18が芯線1内に直線方向に十分に食い込んだ状態で加締め圧着される。
【0026】
以上説明したように、圧着端子10は、基底部16aと基底部16aの両側端から延設された一対の加締め片部16bを有し、電線Wの複数の素線1aからなる芯線1を圧着する芯線圧着部16と、一対の加締め片部16bがそれぞれ内側に向かって湾曲状に加締められた状態にあって互いに重なり合う部位の双方の対向面に配置され、芯線1への食い込み方向Tに対し垂直方向の面19a同士を互いに噛合い面とする一対の噛合部19とを備えている。
【0027】
従って、上記したように、芯線圧着部16の加締め圧着過程で、加締め圧着力Fが芯線1の食い込み方向Tに集中する。以上より、一対の加締め片部16bが確実に芯線に食い込み、電線Wとの間の導通抵抗が低く、且つ、固着力が強い。
【0028】
各噛合部19は、芯線1への食い込み方向に対し垂直方向の面19aと、芯線1への食い込み方向Tに対し斜め方向の面19bとから断面三角形状であり、双方の垂直方向の面19a同士と斜め方向の面19b同士とがそれぞれ噛み合う。従って、噛合部19が単純な構成であり、加工し易い。
【0029】
実施形態では、芯線1がアルミ製であるが、本発明はアルミ製以外の芯線1(例えば銅合金製)であっても適用できる。
【符号の説明】
【0030】
W 電線
1 芯線
1a 素線
10 圧着端子
16 芯線圧着部
16a 基底部
16b 加締め片部
18 先端部
18a テーパ面

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