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公開番号2021010893
公報種別公開特許公報(A)
公開日20210204
出願番号2019127577
出願日20190709
発明の名称成膜装置
出願人凸版印刷株式会社
代理人
主分類B05C 1/04 20060101AFI20210108BHJP(霧化または噴霧一般;液体または他の流動性材料の表面への適用一般)
要約【課題】ロールツーロール方式の成膜装置において、圧胴ロールの上下動などによる塗工部のウェブのパス長の変化に対しても、過大または急激な帯電上昇を抑制し、安全性を向上することができる成膜装置を提供する。
【解決手段】搬送機構は塗工膜を成膜したウェブ状基材を塗工機構から乾燥機構へ搬送するためのフィードロールを含む搬送ロールを備え、フィードロールを駆動するモーターの回転速度をPID制御を用いて制御する機構を備える成膜装置であって、塗工機構から乾燥機構への搬送経路の途中に塗工膜の帯電量を測定する帯電測定器を備え、帯電測定器はフィードロールの近傍に設置され、帯電測定器により測定した帯電量が規定した帯電量よりも大きくなった場合に、PID制御の比例ゲイン、積分ゲイン、微分ゲインの少なくとも1つを変更する機構を備える成膜装置とする。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
塗工部と搬送機構と乾燥部とを備え、
前記塗工部は、溶剤を含んだ塗布液をウェブ状基材に塗布して塗工膜を形成する機能を有し、
前記搬送機構は、前記塗工膜を成膜した前記ウェブ状基材を前記塗工部から前記乾燥部へ搬送するためのフィードロールを含む搬送ロールを備え、
前記乾燥部は、前記塗工膜を乾燥する機能を有し、
前記フィードロールを駆動するモーターの回転速度をPID制御を用いて制御する機構を備える成膜装置であって、
前記塗工部から前記乾燥部への搬送経路の途中に、前記塗工膜の帯電量を測定する帯電測定器を備え、
前記帯電測定器は、前記フィードロールの近傍に設置され、
前記帯電測定器により測定した前記帯電量が、規定した帯電量よりも大きくなった場合に、前記PID制御の比例ゲイン、積分ゲイン、微分ゲインの少なくとも1つを変更する機構を備える、
ことを特徴とする成膜装置。
続きを表示(約 230 文字)【請求項2】
前記塗工部は、インキパンから塗布液を版面に掻き上げたグラビア版に、圧胴ロールに保持された前記ウェブ状基材を押し付けて塗工膜を成膜するグラビア塗工部である、
ことを特徴とする請求項1に記載の成膜装置。
【請求項3】
前記帯電測定器により測定した前記帯電量が、規定した帯電量以上で規定した時間継続した場合に、前記搬送機構及び前記塗工部の作動を停止する機構を備える、
ことを特徴とする請求項1、または2に記載の成膜装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、連続的に搬送されるウェブ状基材に、塗布液を塗布して塗工膜を形成するロールツーロール方式の成膜装置、特にはグラビア成膜装置に関する。
続きを表示(約 6,300 文字)【背景技術】
【0002】
連続的に搬送される長尺状可撓性の基材(以下、ウェブと記載する)上に、塗布液を塗布して所望の膜厚の塗工膜をロールツーロール方式で形成する方法が、包装材料、産業資材、電子材料等の薄膜形成に用いられている。特にグラビア塗布による成膜は、薄膜であっても精度良く塗布することが原理的に可能であり、塗布可能な粘度範囲が広いという特徴を有している。
【0003】
図3は、従来の一般的なグラビア成膜装置500の全体的な構成を示す模式断面図である。グラビア成膜装置500は、回転自在のガイドロールGR(図3では2個のみ図示)やウェブを搬送するためのフィードロール(駆動ロール)FR(通常巻出ユニット、巻取ユニットにも設けられる)からなる搬送ロール類による搬送機構を備え、要求される柄に応じた版目を加工したグラビア版GC、または無地柄のグラビア版GCにより塗布液をウェブに塗工し、乾燥炉等の乾燥部で乾燥する成膜装置である。フィードロールFRは、例えば、ウェブを吸引によりロール上に保持するサクションロール(吸引ロール)である。
【0004】
図3中のグラビア塗工部は、塗布液を溜めたインキパンIP、回転することでインキパンIPに溜められた塗布液を版面に掻き上げるグラビア版GC、グラビア版GCの塗布液を掻き取る板状のドクター部(不図示)、グラビア版GCに被塗布物であるウェブを押し付ける圧胴ロールID、下方に流れ落ちる塗布液を受けて回収する回収パン(不図示)、及びインキパンIPに塗布液を供給するポンプシステム(不図示)により構成される。
【0005】
ところで、ロールツーロール方式による塗工膜の形成では、使用する絶縁性のウェブ、有機溶剤を含むインキによっては帯電し易いものがあり、帯電によってウェブと搬送ロールあるいはその他の物体との間で火花放電が起こることがある。火花放電が起こると、放電の熱によってウェブの一部が変質したり、塗布むら等の原因となる。
【0006】
また、放電が発生した箇所に、空気中の酸素とインキから揮発した有機溶剤とが一定の割合で存在すると、有機溶剤に着火し火災が発生する。この場合、塗布膜厚が厚い(有機溶剤の量が多い)ほど、ガス濃度が高くなり、可燃性が高くなる。あるいは異物付着の原因になる等、帯電現象は種々のトラブルの原因となることが知られている。
【0007】
前記のような帯電による問題を抑制するために、従来、絶縁体上に発生した帯電電荷をイオナイザーで中和する方法(特許文献1)や、除電布などの除電部材を用いる方法、あるいは絶縁性のウェブを搬送する搬送ロールとして、ウェブが摩擦帯電により正電荷を帯びるよう選択した材料と、負電荷を帯びるよう選択した材料とをウェブの搬送方向に交互に組み合わせた搬送ロールを用いることによって、摩擦帯電を抑制する方法が提案されている(特許文献2)。
【0008】
図4は、グラビア成膜装置において、(a)非成膜時と、(b)成膜時の、それぞれウェブWSと、グラビア版GC、圧胴ロールID、ガイドロールGRとの位置関係を示す模式断面図である。このように、グラビア成膜装置では、非成膜時にはウェブWSとグラビア版GCとは離れており(開状態)、成膜時には接触した状態(閉状態)となる。
【0009】
前記のような位置関係の変化は、図3のグラビア塗工部に上下向きの太矢印で示すような、圧胴ロールIDを含む部分(以下、圧胴ロールIDで代表する)の、シリンダー(不図示)を用いた上下動によるものであり、この上下動が起きている期間はグラビア塗工部を通過するウェブの長さ(パス長)が変化している。すなわち、ウェブWSとグラビア版GCとの関係が「開状態」から「閉状態」、または「閉状態」から「開状態」へと変化しているときにパス長が変化していることとなる。
【0010】
そこでパス長の変化を吸収するために、圧胴ロールIDの動作情報に基づき、フィードロールFRを駆動するモーターの回転速度を、インバータを用いたPID(比例積分微分)制御によって制御する機構を備えているが、ウェブWSと搬送ロール類の接触部のずれを皆無にすることは難しい。このため、それらの摩擦による帯電上昇を避けられない。
【0011】
上記のような、イオナイザーや除電布を用いる方法、異種電荷が発生するように搬送ロールを組み合わせる方法、フィードロールFRを従来のようにPID制御する方法では、ウェブ材料や加工条件(搬送速度や張力)ごとに帯電現象は変化するため、抜本的な安全対策とはならない。また、除電が不十分な場合、急激に増大する帯電に対応できない可能性がある、という問題があった。尚、グラビア成膜装置以外のロールツーロール方式の成膜装置においても、圧胴ロールの上下動以外の原因でウェブの弛みやシワが発生することがあり、同様の問題が存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
特開昭62−105398号公報
特開昭62−131500号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、グラビア成膜装置などのロールツーロール方式の成膜装置において、圧胴ロールの上下動などによる塗工部のウェブのパス長の変化に対しても、過大または急激な帯電上昇を抑制し、安全性を向上することができる成膜装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記の課題を解決する手段として、本発明の請求項1に記載の発明は、塗工部と搬送機構と乾燥部とを備え、
前記塗工部は、溶剤を含んだ塗布液をウェブ状基材に塗布して塗工膜を形成する機能を有し、
前記搬送機構は、前記塗工膜を成膜した前記ウェブ状基材を前記塗工部から前記乾燥部へ搬送するためのフィードロールを含む搬送ロールを備え、
前記乾燥部は、前記塗工膜を乾燥する機能を有し、
前記フィードロールを駆動するモーターの回転速度をPID制御を用いて制御する機構を備える成膜装置であって、
前記塗工部から前記乾燥部への搬送経路の途中に、前記塗工膜の帯電量を測定する帯電測定器を備え、
前記帯電測定器は、前記フィードロールの近傍に設置され、
前記帯電測定器により測定した前記帯電量が、規定した帯電量よりも大きくなった場合に、前記PID制御の比例ゲイン、積分ゲイン、微分ゲインの少なくとも1つを変更する機構を備える、ことを特徴とする成膜装置としたものである。
【0015】
請求項2に記載の発明は、前記塗工部は、インキパンから塗布液を版面に掻き上げたグラビア版に、圧胴ロールに保持された前記ウェブ状基材を押し付けて塗工膜を成膜するグラビア塗工部である、ことを特徴とする請求項1に記載の成膜装置としたものである。
【0016】
請求項3に記載の発明は、前記帯電測定器により測定した前記帯電量が、規定した帯電量以上で規定した時間継続した場合に、前記搬送機構及び前記塗工部の作動を停止する機構を備える、ことを特徴とする請求項1、または2に記載の成膜装置としたものである。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、グラビア成膜装置などのロールツーロール方式の成膜装置において、圧胴ロールの上下動などによる塗工部のウェブのパス長の変化に対しても、過大または急激な帯電上昇を抑制し、安全性を向上することができる成膜装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
本発明の成膜装置の一実施形態に係る、グラビア成膜装置の全体的な構成を示す模式断面図である。
図1のグラビア成膜装置における、フィードロールと帯電測定器の位置関係を例示する模式平面図である。
従来の一般的なグラビア成膜装置の全体的な構成を示す模式断面図である。
グラビア成膜装置において、(a)非成膜時と、(b)成膜時の、それぞれウェブと、グラビア版、圧胴ロール、ガイドロールとの位置関係を示す模式断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態に係る成膜装置について図面を用いて説明する。同一の構成要素については便宜上の理由がない限り同一の符号を付ける。図面において、見易さのため構成要素の厚さや比率は誇張されていることがあり、構成要素の数も減らして図示していることがある。また、本発明は以下の実施形態そのままに限定されるものではなく、主旨を逸脱しない限りにおいて、適宜の組み合わせ、変形によって具体化できる。
【0020】
図1は、本発明の成膜装置の一実施形態に係る、グラビア成膜装置100の全体的な構成を示す模式断面図である。グラビア成膜装置100は、図3の従来のグラビア成膜装置500の構成に加えて、まず、グラビア塗工部から乾燥部への搬送経路の途中に、塗工膜の帯電量を測定する帯電測定器を備えている。
【0021】
図2は、図1のグラビア成膜装置における、フィードロールと帯電測定器の位置関係を例示する模式平面図である。帯電測定器は有機溶剤使用環境ために防爆仕様のものとし、フィードロールFRの近傍に、ウェブの幅方向に対して、OS側、DS側の両方に設置されていることが望ましい。尚、OS側とは、ウェブを搬送方向に向かって見たときの右側(図2での右側)を指し、DS側とは同じく左側(図2での左側)を指す。
【0022】
グラビア成膜装置100は、従来のグラビア成膜装置500と同様に、図1のグラビア塗工部に上下向きの太矢印で示すような、圧胴ロールIDの上下動によるグラビア塗工部を通過するウェブの長さ(パス長)の変化を吸収するために、圧胴ロールIDの動作情報に基づき、フィードロールFRを駆動するモーターの回転速度を、PID制御により制御する機構を備えるが、それとともに、帯電測定器により測定した帯電量(2器以上設置する場合は少なくとも一方の帯電量)が、あらかじめ規定した帯電量よりも大きくなった場合に、PID制御のゲインを変更する機構を備えている。
【0023】
まず、従来のPID制御について説明する。既述のように、圧胴ロールIDの上下動により、ウェブWSとグラビア版GCとの関係が「開状態」(非成膜状態)から「閉状態」
(成膜状態)、または「閉状態」から「開状態」へと変化するときにパス長は変化し、ウェブWSとフィードロールFRを含む搬送ロール類の接触部にずれを生じる。このずれをp(次元:長さ)とすると、pを0にするようにフィードロールFRを駆動するモーターの回転速度をPID制御により制御する。
【0024】
すなわち、下記の式(1)に示すように、圧胴ロールIDの動作情報に基づくずれpの現在値、過去からの積算値、変化率を用いて、フィードロールFRを駆動するモーターの制御量(CV)を決定する。
CV=K

×p+K

×∫pdt+K

×(dp/dt)・・・(1)
式(1)中のK

、K

、K

はそれぞれ比例ゲイン、積分ゲイン、微分ゲインと呼ばれ、ずれpがスムーズに0になるように選定された制御定数であり、tは時間である。
【0025】
上記を図3を用いて説明すると、中央制御部である装置PLC(Programmable Logic Controller)は、圧胴ロールIDの動作情報(動作量、タイミング)を取り込み、演算処理により比例ゲイン、積分ゲイン、微分ゲインを選定して式(1)に従い、フィードロールFRを駆動するモーターの回転速度をPID制御する信号をPID制御部へ出力する。
【0026】
しかしながら、ずれpが0となるまでにはある程度の時間を要するため、摩擦帯電による電荷が蓄積される。また、ずれpが圧胴ロールIDの上下動に起因するもの以外の、例えばウェブの弛みやシワを伴う場合、圧胴ロールIDの動作情報に基づいてPID制御するだけでは電荷の蓄積は留まらない。
【0027】
そこで、本発明の成膜装置の一実施形態に係るグラビア成膜装置100では、帯電測定器により測定した帯電量(2器以上設置する場合は少なくとも一方の帯電量)が、あらかじめ規定した帯電量よりも大きくなった場合に、前記の比例ゲインK

、積分ゲインK

、微分ゲインK

の少なくとも1つを変更する機構を備えている。比例ゲインK

、積分ゲインK

、微分ゲインK

の好適な変更量は、ウェブ材料や加工条件(搬送速度や張力)に依存するため、あらかじめ予備実験によって調べておくことが望ましい。
【0028】
前記を図1を用いて説明すると、中央制御部である装置PLCは、圧胴ロールIDの動作情報を取り込み、選定した比例ゲイン、積分ゲイン、微分ゲインを用いて、フィードロールFRを駆動するモーターの回転速度をPID制御する信号を作成するが、それとともに、帯電測定器により測定した帯電データと、あらかじめ規定した帯電量の閾値を比較(帯電量監視)しているので、帯電量(2器以上設置する場合は少なくとも一方の帯電量)があらかじめ規定した帯電量よりも大きくなった場合には、比例ゲインK

、積分ゲインK

、微分ゲインK

の少なくとも1つを変更した結果をPID制御信号として出力する。
【0029】
前記のように、本発明の成膜装置の一実施形態に係るグラビア成膜装置100では、帯電測定器により測定した帯電データに基づいて、比例ゲインK

、積分ゲインK

、微分ゲインK

の少なくとも1つを変更した結果を制御信号としてPID制御部へ出力するので、帯電量があらかじめ規定した帯電量よりも大きい状態が継続することなく、ずれpがスムーズに0になるように調整され、過大または急激な帯電上昇を抑制することができる。
【0030】
また、グラビア成膜装置100では、さらに安全性を向上するために、設置した帯電測定器により測定した帯電量が、あらかじめ規定した帯電量以上で、あらかじめ規定した時間継続した場合に、搬送機構及び塗工部の作動を停止する機構を備えることが好ましい。
(【0031】以降は省略されています)

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