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公開番号2021010125
公報種別公開特許公報(A)
公開日20210128
出願番号2019123463
出願日20190702
発明の名称ループアンテナ
出願人株式会社ゴビ
代理人
主分類H01Q 19/02 20060101AFI20201225BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】床面や路面に設置してICタグの読み取り範囲をマットのサイズまで広げる通信マットが存在するが、通信マットは、床面や平面な箇所でしか設置ができないという問題がある。
【解決手段】壁面や空間等に設置して、ICタグの通信エリアを拡張するループアンテナを提供する。線状のループアンテナは、変形可能で設置面積も小さく、カバーを付けたり、ひっかけループを付けたりすることで、設置場所を選ばす様々な箇所で使用が可能となる。
【選択図】図12
特許請求の範囲【請求項1】
タグリーダとICタグとの通信距離を広げるループアンテナであって、前記アンテナは、前記タグリーダ又は前記ICタグの通信周波数で共振し、かつ、前記タグリーダ又は前記ICタグと非接触な状態で電磁結合されることを特徴とするループアンテナ。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
前記ループアンテナが、より線又は伸縮電線で構成され、必要に応じて共振周波数調整部が設けられている請求項1に記載のループアンテナ。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のループアンテナとICタグとで、前記ICタグ単体の通信エリアが、前記ループアンテナの通信エリアまで拡張されている通信装置。
【請求項4】
請求項1又は2に記載のループアンテナとタグリーダとで、前記タグリーダ単体の通信エリアが、前記ループアンテナの通信エリアまで拡張されている通信装置。
【請求項5】
複数の前記ループアンテナが互いに電磁結合した状態で連続的に配列されることにより、前記ICタグ単体の通信エリアや前記タグリーダ単体の通信エリアが、複数の前記ループアンテナの通信エリアまで拡張されている請求項3又は4に記載の通信装置。
【請求項6】
作業者に装着されるタグリーダと、前記タグリーダと通信する請求項3又は5に記載の通信装置と、を備えた通信システムであって、
前記通信装置が、被検知対象物に近接配置されており、前記タグリーダが前記通信装置と通信すると、前記作業者の前記被検知対象物へのアクセスが検知される通信システム。
【請求項7】
前記被検知対象物が、物品や人やチェック箇所であり、前記通信装置が、前記物品や人やチェック箇所を検知する場所に近接配置されている、請求項6に記載の通信システム。
【請求項8】
前記被検知対象物が、前記作業者の作業動線に沿ったチェック箇所であり、前記通信装置が、前記チェック箇所に配置されている、請求項6に記載の通信システム。
【請求項9】
前記チェック箇所が、指定された作業手順で作業するときの作業動線に沿った箇所である、請求項8に記載の通信システム。
【請求項10】
作業者又は移動体を検知する箇所に設置されるタグリーダと、前記タグリーダ と通信する請求項3又は5に記載の通信装置と、を備えた通信システムであって、
前記タグリーダが、作業者または移動体に装備された前記通信装置のICタグと通信可能になると、前記作業者又は移動体が検知される通信システム。
【請求項11】
作業者又は移動体を検知する箇所に設置されるICタグと、前記ICタグと通信する請求項4に記載の通信装置と、を備えた通信システムであって、
前記ICタグが、作業者または移動体に装備された前記通信装置のタグリーダと通信可能になると、前記作業者又は移動体が検知される通信システム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ICタグで使用されるHF帯の周波数で共振するアンテナを、壁面や床面、または空間に設置して、ICタグの通信エリアを拡張するアンテナに関するものである。
続きを表示(約 10,000 文字)【背景技術】
【0002】
HF帯のICタグは、通信距離が短いため、タグリーダをICタグに近づけた場合に、ピンポイントでICタグ内の情報を読み取ることができる。
このように、読み取り範囲がピンポイントであるため、ICタグの情報を取得したい範囲がより広い範囲の場合には、その範囲にICタグを敷き詰めて、ICタグが読めない範囲をなくす必要がある。
このような問題の解決策として、HF帯のICタグの読み取り範囲を、床に敷設したマットのサイズまで広げる通信マットが提案されている(例えば、特許文献1)。この通信マットは、ICタグの読み取り範囲をマットのサイズ、すなわち成人男性の足の大きさ程度まで広げることで、ICタグを隙間なく敷き詰めることなく、ICタグから必要な位置情報を漏れなく取得することが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特許第6255618号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このときに問題になるのが、この通信マットは、床面に敷き詰めて使うマットであるため、平面・矩形・板状の形状であり、床面のような平らな面以外では使用が難しいことである。
例えば、手に装着するタグリーダで、棚に設置されたICタグを、ICタグの読み取り範囲を広げた状態で読み取りたいとする。その際、ICタグの設置面の近くに凹凸があったり、突起物があったりすると、通信マットはその箇所に設置することができない。
また、ICタグの設置面近くに作業上の注意書きや使用方法が書かれている場合、通信マットを上から設置すると、その注意書きや使用方法が覆い隠されてしまうという問題がある。
本発明は、この問題を解消すべく開発したもので、ICタグの近くに突起物等の障害物や、段差等があっても、ICタグの通信エリアを拡張することができるアンテナを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係るアンテナは、タグリーダとICタグとの通信距離を広げるループアンテナであって、前記アンテナは、前記タグリーダ又は前記ICタグの通信周波数で共振し、かつ、前記タグリーダ又は前記ICタグと非接触な状態で電磁結合されることを特徴とする。
また、本発明に係るアンテナは、より線又は伸縮電線と、前記タグリーダ又は前記ICタグの共振周波数を調整する共振周波数調整部と、を備える構成とすることもできる。
これにより、ループ状のアンテナの形状が円であってもなくても、また、設置場所に応じてアンテナの共振周波数が変化したとしても、前記共振周波数調整部で周波数を調整すれば、使用環境に応じた設置が可能になる。
また、アンテナの長さや形状等がHF帯の周波数で共振するように調整され、その共振周波数が維持できる状態で使用する場合は、前述の共振周波数調整部を備えなくても、ICタグとの通信が可能なアンテナとすることができる。
【0006】
本発明に係る通信装置は、ICタグと、該ICタグの通信周波数で共振する前述のループアンテナとが、非接触状態で電磁結合されて、前記ICタグ単体の通信エリアが、前記ループアンテナの通信エリアまで拡張されていることを特徴とする。
これにより、ICタグの設置場所が制限されても、変形自在なループアンテナを配置するだけで、ICタグの通信エリアを拡張することができるから、床に敷く通信マットと比べて、設置場所が限定されない効果がある。
【0007】
本発明に係る通信装置は、タグリーダと、該タグリーダの通信周波数で共振する前述のループアンテナとが、非接触状態で電磁結合されて、前記タグリーダの通信エリアが、前記ループアンテナの通信エリアまで拡張されていることを特徴とする。
この形態では、ループアンテナをタグリーダ側に配置して、タグリーダの読み取り範囲を広げることにより、ICタグの通信エリアがピンポイントであっても、その通信エリアをループアンテナの読み取り範囲にまで広げて、読み取り可能にするものである。
例えばICタグを人が携帯し、その人が通る出入口に、例えば駅の改札口やオートロックの出入口等に本発明に係る通信装置のタグリーダとループアンテナを配置しておけば、ICタグが胸のポケットや鞄等に収納されていても、胸や腰、或いはその近辺範囲まで、タグリーダの読み取り範囲を広げることができる。これにより、タグリーダの上にICタグを重ね置きに近い状態にまで近づける現行システムを改善することができる。
【0008】
本発明に係る通信装置は、複数の前記ループアンテナが互いに電磁結合した状態で連続的に配列されることにより、前記ICタグ単体の通信エリアや前記タグリーダ単体の通信エリアが、複数の前記ループアンテナの通信エリアまで拡張されていることを特徴とする。
これにより、タグリーダとICタグとが、本来ならば、通信できない距離だけ離れていても、その間に、前記ループアンテナを複数個連ねて配置するだけで、タグリーダとICタグとの間の通信が可能になる。この場合の各ループアンテナは、互いに電磁結合が可能な範囲で近接していればよい。また、読取対象となるICタグは、最も近接するループアンテナ内に、好ましくは、ループ内の中心付近に設置するのが良いが、これには限定されず、例えばループ外側もしくは内側の通信可能範囲内にあっても構わない。
【0009】
本発明に係る通信システムは、作業者に装着されるタグリーダと、前記タグリーダと通信する前述の通信装置のICタグとループアンテナと、を備えた通信システムであって、
前記通信装置が、被検知対象物に近接配置されており、前記タグリーダが前記通信装置と通信すると、前記作業者が前記被検知対象物にアクセスしたことを検知することを特徴とする。
例えば、棚に収納された商品を被検知対象物とする場合は、タグリーダを手の甲に装着し、通信装置を、棚の商品取り出し口に配置しておく。そして、作業者が棚の商品取り出し口に手を入れて商品をピッキングすれば、タグリーダが通信装置から情報を読み取るから、これに基づいて、指定された商品が確実にピッキングされたか否かを知ることができる。
ただし、これは、一例であって、これには限定されない。例えばタグリーダは、通信装置が配置される箇所に応じて、足や胴または頭部等に装着することができる。また、通信装置が配置される被検知対象物は、物だけでなく、例えば、作業者の身体の動きや動線である場合もある。この場合は、作業空間にアンテナを配置することも可能である。
【0010】
本発明に係る通信システムは、被検知対象物が物品や人やチェック箇所であり、通信装置が、物品や人等を検知する場所に近接配置されていることを特徴とする。
例えば、収納庫や冷蔵室への作業者の出入りをチェックする場合は、収納庫や冷蔵室の、例えば扉やのれん等にタグリーダを適宜に配置しておく。一方、作業者には、名札形のICタグを装着させ、そのICタグの通信エリアを拡張するために、伸縮電線で構成されたループアンテナを、例えば作業服等に縫い込んでおく。或いは、ヘルメットを着用する場合は、ヘルメットにループアンテナを装備しておく。こうすれば、作業者が収納庫や冷蔵室に出入りするだけで、誰が、何時、出入りしたかをチェックすることができるから、監視カメラ等で人物を特定してチェックする場合よりも、安価で確実なチェックが可能になる。
【0011】
また例えば、収納庫等で物品の収納位置をチェックする場合は、収納箇所にICタグとループアンテナを適宜設置しておく。一方、作業者はタグリーダを手に装着し、収納物を手に取って指定の収納位置に収納する。こうすれば、作業者はタグリーダを手に装着したまま、収納物を手に持って収納作業を行うだけで、指定された収納位置に収納されたかどうかを、チェックすることが可能である。また、この場合、収納物が片手で持てる程度の小さい物品であれば、ループアンテナを設置せず使用することもでき、また、収納物が両手で抱えて収納する大きさの物品であれば、ICタグの位置等を変更せずとも、タグに近接する位置にループアンテナを設置し、その付近にタグリーダリーダを装着した手が通過するだけで、チェックが可能となる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、ICタグの近くに突起物等の障害物や、段差等があっても、ICタグの通信エリアを拡張することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
本発明のループアンテナの構成図
ICタグの読み取り範囲を拡大させる所望のサイズの一例
ループアンテナを複数個並べて設置した場合の構成図
ループアンテナを複数個並べて設置した場合の構成図
ループアンテナを複数個並べて設置した場合の実施例
ループアンテナを壁面に設置した場合の実施例
ループアンテナを別な壁面に設置した場合の実施例
タグリーダの近くにループアンテナを設置した場合の使用例
ループアンテナのカバーに発光素材を使用した場合の使用例
ループアンテナに、壁から吊るす、ひっかけ用のループを付けた使用例
ループアンテナをシートファイルに挟んで吊るす場合の使用例
ループアンテナにタグポケットを付けた場合の使用例
ガスバルブにループアンテナを設置した場合の実施例
書籍の仕切り・見出しとしてシートファイルを使用した場合の実施例
入退室管理用タグリーダにループアンテナを設置した場合の実施例
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態を図1〜図12に基づいて説明する。
【0015】
図1は、本発明のループアンテナの構成図である。この図において、壁面や床面、または空間に設置するループアンテナ1は、ICタグ3又はタグリーダ(4a、4b)で使用されるHF帯の周波数で共振するアンテナとして構成され、ICタグ3又はタグリーダ(4a、4b)と非接触な状態で電磁結合されることにより、ICタグ3又はタグリーダ(4a、4b)の読み取り範囲を所望のサイズまで通信エリアを拡大させることが可能である。
【0016】
前記ループアンテナ1は、より線又はより線を螺旋状に巻いて伸縮可能とした伸縮電線と、共振周波数を所望の周波数に調整する共振周波数調整部2とを備える。
共振周波数調整部2を備えたループアンテナ1の場合は、その両端が共振周波数調整部2と接続された円状となる。また、共振周波数調整部2を備えないループアンテナ1の場合は、ループアンテナ1の両端同士が接続された円状となる。
【0017】
共振周波数調整部2は、ループアンテナ1の共振周波数fを、ICタグ3の読取可能な規定範囲内の周波数に調整(設定)するもので、例えば、トリマコンデンサなどの可変容量性素子や可変コイルなどの可変誘導性素子と、特定のキャパシタンスを有するコンデンサや特定のインダクダンスを有するインダクタ、並びにこれらを接続する回路により構成されている。
周知のように、ループアンテナ1の共振周波数fは、ループアンテナ1のインダクタンスLとキャパシタンスCとにより、下記式(1)のように表現される。
f=1/(2π√(LC)) (1)
HF帯のICタグ3の読み取り範囲を広げるループアンテナ1として機能させるためには、ICタグ3を読取可能な規定範囲内の周波数に共振周波数fを保つ必要がある。この場合の規定範囲内とは、例えば実際にHF帯のタグリーダ4aが安定して読み取り可能な、13.56MHzの上下0.4MHz程度の範囲である。
式(1)から理解できるように、タグリーダ4aの共振周波数fを規定範囲に保つためには、ループアンテナ1の長さやループの径等によって定まるインダクタンスLの値と、ループアンテナ1の配線間容量等の寄生容量や共振周波数fの調整のためにループアンテナ1に組み込まれるコンデンサのキャパシタンスCの値との積が、共振周波数fの規定範囲内となるように設定する必要がある。
【0018】
図2は、ICタグ3の読み取り範囲を拡大させる一例である。具体的には、直径18センチのループアンテナ1の中心に、4.5センチ角のICタグ3を設置し、80mW出力で直径10センチ程度のアンテナを有するタグリーダ4aで読み取る場合、ICタグ3の読み取り範囲を、通常であれば18センチほどの通信エリアから、25センチほどの通信エリアまで拡大させることが可能である。
床に敷設して使用する18センチ角のアンテナを埋め込んだ通信マットと比較した場合、読み取り精度が落ちる箇所が少なく、より高性能な読み取り精度を発揮することが可能である。
これは、線状のループアンテナ1は、マット状(平面)のアンテナ(基板)と比べ表面積が大きいためである。線状のループアンテナ1は、外表面に加え、より線により、より線の各導線の表面積も大きくなるからである。
周知のとおり、HF帯の13.56MHz周波数は比較的高周波であり、高周波の場合、電線の表面を電流が流れる特性がある。表面積が大きいと、電流の流れる部分が多くなるため、平面状のアンテナと比較して高性能となる。
【0019】
ループアンテナ1は、サイズや形状が変化しない固定円であっても、サイズや形状が変化するものであってもよい。また導線は、より線の他、1本線や電線を螺旋状に巻いた伸縮電線を使用することもでき、より柔軟な変形が可能である。ただし、共振が保てる範囲に変形範囲や伸縮範囲を規制する必要がある。
ループアンテナ1に柔軟な変形可能な伸縮電線等の使用が可能な理由として、螺旋状に巻かれた導線は、伸長によりインダクタンスが増大するとともにキャパシタンスが減少するため、ループアンテナ1が変形した際の導線の伸長に起因する共振周波数の変動が抑制される。また、収縮によりインダクタンスが減少するとともにキャパシタンスが増大するため、ループアンテナ1が変形した際の導線の収縮に起因する共振周波数の変動も抑制される。すなわち、ループアンテナ1の変形時にも安定してICタグ3から情報を読み取ることができる。
ICタグ3の読み取り範囲を広げるには、使用するICタグ3のサイズや、タグリーダ4aのアンテナサイズ、タグリーダ4aの出力等によって異なるが、ループアンテナ1の導線の長さと、共振周波数調整部2を調整することで、所望サイズの通信エリアまで広げることが可能である。
【0020】
また、平面状、矩形の通信マットは、マット自体にアンテナと共振周波数調整部2を組み込んだ基板であり、マットサイズの変更毎に、基板全体を作り変える必要があった。
これに対し、ループアンテナ1は、共振周波数調整部2と導線とが露出しており、それぞれが交換可能な状態である。したがって、導線の長さを短くした場合でも、導線の長さにあった調整を共振周波数調整部2に加えることで使用ができるため、使用環境に合った仕様変更が容易であり、かつ低コストでの実現が可能となる。さらには、アンテナと共振周波数調整部2のみで構成されるため、極めて軽量であり、設置場所の制限が少ない。
【0021】
ループアンテナ1は、読取対象のICタグ3の周辺に設置することで、読み取り範囲を拡張できるため、例えば、ループアンテナ1の円の中心付近にICタグ3を設置してもよいし、またループアンテナ1の円周に添った内側または外側付近にICタグ3を設置してもよい。
例えば、4.5cm角のICタグ3を、80mW出力で直径10センチ程度のアンテナを有するタグリーダ4aで読み取る場合、直径18センチのループアンテナ1の中心付近にICタグ3を設置しても、ループアンテナ1の外側にICタグ3を設置しても、ほぼ同等の性能で読み取りエリアを広げることができる。ただし、ループアンテナ1の外側にICタグ3を設置する場合は、ループアンテナ1の円周に沿って配置するとより高精度で読み取りが可能となる。
また例えば、直径3mmのICタグ3を80mW出力で直径10センチ程度のアンテナを有するタグリーダ4aで読み取る場合、タグリーダ4a単体では読み取ることができない。また、ループアンテナ1の中心に直径3mmのICタグ3を設置しても、タグリーダ4a単体の場合と同様に読み取ることができない。しかしながら、直径18センチのループアンテナ1の円周に沿わせて、直径3mmのICタグ3を設置すると、読み取ることが可能になる。具体的には、ループアンテナ1から9センチほど離れた箇所からでも読み取り可能である。このように、ICタグ3のサイズとループアンテナ1の径の差が大きい場合、ICタグ3はループアンテナ1の中心付近ではなく、円周に沿わせた位置に設置することで高精度な読み取りが可能になる。この場合、ICタグ3は円周の外側でも内側であっても、性能に大きな差は発生しない。
これは、ループアンテナ1の径とICタグ3のサイズ(径)の差が大きい場合、ICタグ3をループアンテナ1の中心に配置すると、小さいICタグ3は磁束の影響を受ける範囲が小さく、ループアンテナ1の磁束と絡むことができない。しかし、ICタグ3をループアンテナ1の円周に沿って配置すると、磁束の影響を受ける範囲が小さくとも、ループアンテナ1の磁束と絡み、電磁誘導が起こるからである。
【0022】
ICタグ3とタグリーダ(4a、4b)とループアンテナ1は、図3−aと図3−bに示すように、ICタグ3とタグリーダ(4a、4b)との間に、複数のループアンテナ1とを配置する構成でもよい。
【0023】
図4−aは、ループアンテナ1を複数個並べて設置した場合の実施例である。
ループアンテナ1を複数個並べて設置すれば、並べたループアンテナ1の範囲まで読み取り範囲を拡張させることも可能である。
ループアンテナ1を複数個並べて設置する場合、一つのループアンテナ1が受信した信号を他のループアンテナ1が電磁結合によって受信できる範囲まで、これらのアンテナ1を互いに重ならないように離しておいてもよい。
読取対象のICタグ3に対し、ループアンテナ1は、1つでも使用ができ、また複数個並べても使用ができるため、タグリーダ4aに調節や変更を加えることなく、1つのタグリーダ4aで読取範囲の調節が可能になる。
【0024】
図4−bと図4―cは、ループアンテナ1を壁面に設置した場合の実施例である。
例えば、作業箇所である壁面に設置したICタグ3の、読み取りエリアを広げたいとする。その場合、ICタグ3の近くに出っ張りがあったり、壁面の角部など平面状でない場合でも、ループアンテナ1を少し湾曲させて設置したり、出っ張りを避けて設置することも可能である。線状のループアンテナ1が通るスペースがあれば設置可能なため、設置場所の制限が少なくなる。
また、ICタグ3を設置した壁面に作業指示板等が設置されている場合、マット状のアンテナを設置すると作業指示板を覆ってしまい指示内容が読めなくなるため、マット状のアンテナを裏面から設置する必要があった。この場合、現場によっては裏面から設置ができない場合もあり、また、裏面に設置することで従来のアンテナの精度を発揮することができなくなる。これに対し、ループアンテナ1であれば、それによって隠れる範囲も限られているので、作業指示等の文字を覆い隠すことなく設置をすることが可能となる。
【0025】
ループアンテナ1は、タグリーダ(4a、4b)に近接して設置することで、タグリーダ(4a、4b)の読取範囲を拡張することも可能である。
図5は、固定式のタグリーダ4bにループアンテナ1を設置した場合の使用例である。例えば、駅の改札等に設置されている固定式のタグリーダ4bの読取箇所付近にループアンテナ1を設置する。ループアンテナ1は、タグリーダ4bの読取箇所付近と、人が、ICタグ3の組み込まれたICカード等を読ませて通過する通路側にかかるように設置するとする。通常、ICカード利用者はICカード等をカバン又は衣服のポケット等から出して、ICカードをタグリーダ4bにかざして使用しているが、カバンからICカードを出すこと無く、タグリーダ4bで読み取りが可能になり、改札等で使用することが可能になる。
【0026】
ループアンテナ1は、使用環境に適した素材のカバー(外部被覆層)で被うことでより多様な使用方法を提供出来る。
例えば、食品加工現場など水を使用する現場では防水対応のカバー7を使用したり、精密機器を使用する現場では防塵対応のカバー7を使用したり、また、防熱、防冷凍対応のカバー7等を使用することで、作業現場を選ばず使用することが可能になる。
また、カバー7の色を変えれば、ICタグ3の位置を知らせるマーカーの役割になったり、用途によって色分けをしたり、また学習現場、レジャー現場などでの使用用途の拡大も期待できる。
【0027】
図6は、ループアンテナ1のカバーに発光素材6を使用した場合の使用例である。
カバー7にLEDランプ5など発光媒体を取り付け、手に装着したタグリーダ4aがICタグ3と通信した際に発光するようにすれば、タグリーダ4a側の読み取り確認機能(バイブやアラームまたは音声など)に加え、読み取ったICタグ3を目で確認することも可能である。
また、1つのICタグ3を読み取る際、誤って複数のICタグ3を読み取ってしまう場合に、誤って通信しているICタグ3を目で確認することができ、エラーチェックとしても使用することができる。
これにより、アラーム・音声等が聞こえにくい騒音のある作業現場でのタブルチェックになったり、アミューズメント施設でのゲーム等で利用したり、さらに使用用途の拡大が期待できる。
この場合、LEDランプ5などでループアンテナ1の一部もしくは数か所を光らせてもよいし、または発光素材のカバー6を使用して、ループアンテナ1全体を光らせてもよい。
発光の方法は、例えば電磁誘導で起電すれば電源不要で使用が可能であるし、または別途電源を使用してもよい。
【0028】
またカバー7の形状等に機能を追加することで、多様な作業現場で容易に使用することが可能になる。
図7は、ループアンテナ1のカバー7にひっかけ用ループ8を付けた使用例である。
ひっかけ用ループ8のあるカバー7を使用すれば、作業現場のフックや突起物などにひっかけて容易に設置をすることが可能である。この場合のひっかけ用ループ8は、何箇所に設定してもよいが、少なくとも3箇所に設定することで、現場によって1点でひっかけてもよいし、2点でひっかけてもよく、安定して設置することができる。
また例えば、カバー7の片面にテープを取り付ければ、作業現場に容易に貼り付けて使用することも可能で、またカバー7とテープとの間にスポンジを挟んだタイプを用意すれば、金属面などで使用することも可能である。この場合、テープをループアンテナ1の片面全体に取り付けてもよいし、一部のみでもよい。
【0029】
図8は、ループアンテナ1をシートファイル9に挟んだ場合の使用例である。
ループアンテナ1を薄型のシートファイル9で挟み、シート状のアンテナとして使用することも可能で、シートファイル9の縁側には、フック等に引っ掛けられる穴を数箇所空けておけば、任意の場所に任意の向きで引っ掛けることも可能である。
この場合のシートファイル9は、ループアンテナ1のみをシートファイル9内に収納してもよいし、ICタグ3とループアンテナ1を予めセットにしたものをシートファイル9内に収納してもよい。またこの場合、透明な素材のシートファイル9を使用すれば、背面の文字等を隠すことなく設置ができ、また色つきのシートファイル9を使用して目立たせたり、シートファイル9に文字等を記載したりして使用することも可能である。
【0030】
図9は、カバー7付きループアンテナ1とICタグ3を一体化させた場合の使用例である。
ループアンテナ1にICタグ3を取り付け、一体化させることで、ICタグ3の付設が難しい箇所でも、ループアンテナ1を引っ掛けたりすることで容易に設置をすることが可能になる。
例えば、被検知箇所が空間の場合、ICタグ3と一体化したひっかけ用ループ8の付いたループアンテナ1を吊るして設置することができる。また例えば、被検知箇所が金属面の場合、通常金属面にHF帯のICタグ3を付設しても読み取ることができないが、吊るして設置をすることで金属面との間に空間ができ、金属面の近くでも容易に設置することが可能になる。
ICタグ3とループアンテナ1とを一体化させるには、ループアンテナ1に直接ICタグ3を付けてもいいし、または、ループアンテナ1のカバー7にICタグポケット10を設け、ICタグ3をICタグポケット10に出し入れ可能な状態で使用することもできる。
【実施例】
(【0031】以降は省略されています)

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