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公開番号2021009942
公報種別公開特許公報(A)
公開日20210128
出願番号2019123365
出願日20190702
発明の名称両面実装基板、両面実装基板の製造方法、および半導体レーザ
出願人株式会社日立パワーソリューションズ
代理人特許業務法人磯野国際特許商標事務所
主分類H01L 23/12 20060101AFI20201225BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】単結晶SiC両面実装基板において、マイクロパイプ欠陥による表面側と裏面側との短絡を防止することができる両面実装基板を提供する。
【解決手段】両面実装基板10は、単結晶炭化ケイ素の両面実装基板であって、両面実装基板の製造段階で生じる結晶欠陥であるマイクロパイプ8の欠陥内壁面部において、第1の部品面に薄膜成膜した第1の配線膜2aから流入した第1の配線膜材2amと、第1の部品面と表裏関係にある第2の部品面に薄膜成膜した絶縁膜3から流入した絶縁膜材3mと、第2の部品面に薄膜成膜した第2の配線膜2bから流入した第2の配線膜材2bmとにより多層膜構造体を有する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
単結晶炭化ケイ素の両面実装基板であって、
前記両面実装基板の製造段階で生じる結晶欠陥であるマイクロパイプ欠陥内壁面部において、
第1の部品面に薄膜成膜した第1の配線膜から流入した第1の配線膜材と、前記第1の部品面と表裏関係にある第2の部品面に薄膜成膜した絶縁膜から流入した絶縁膜材と、前記第2の部品面に薄膜成膜した第2の配線膜から流入した第2の配線膜材とにより多層膜構造体を有する
ことを特徴とする両面実装基板。
続きを表示(約 1,200 文字)【請求項2】
少なくとも、前記第1の部品面の最下層面に形成された前記第1の配線膜と、
前記第2の部品面の最下層面に形成された前記絶縁膜と、
前記第2の部品面の前記絶縁膜の上層部に形成された前記第2の配線膜とを含む積層構造体を有する
ことを特徴とする請求項1に記載の両面実装基板。
【請求項3】
電子ビーム蒸着成膜法又は抵抗加熱蒸着成膜法により、最下層部にチタン層を形成し、その上層部に順次、白金層、金層を形成した積層構造体により前記第1の配線膜および前記第2の配線膜を構成すること
ことを特徴とする請求項1に記載の両面実装基板。
【請求項4】
電子ビーム蒸着成膜法又は抵抗加熱蒸着成膜法により、最下層部にチタン層を形成し、その上層部に銅層を形成した積層構造体により前記第1の配線膜および前記第2の配線膜を構成する
ことを特徴とする請求項1に記載の両面実装基板。
【請求項5】
前記絶縁膜材はシリコン酸化物であって、電子ビーム蒸着成膜法又は抵抗加熱蒸着成膜法よりも前記マイクロパイプ欠陥内壁面部に流入しやすいスパッタリング成膜法又はイオンプレーティング成膜法により形成する
ことを特徴とする請求項1に記載の両面実装基板。
【請求項6】
単結晶炭化ケイ素の両面実装基板の製造方法であって、
第1の部品面に第1の配線膜を成膜する第1ステップと、
前記第1の部品面と表裏関係にある第2の部品面に絶縁膜を成膜する第2ステップと、
前記第2の部品面に第2の配線膜を成膜する第3ステップと、を有し
前記両面実装基板の製造段階で生じる結晶欠陥であるマイクロパイプ欠陥内壁面部において、前記第1の部品面に成膜した第1の配線膜から流入した第1の配線膜材と、前記第2の部品面に成膜した第2の配線膜から流入した第2の配線膜材が、前記絶縁膜から流入した絶縁膜材により中間層を形成する
することを特徴とする両面実装基板の製造方法。
【請求項7】
前記第1の配線膜および前記第2の配線膜は、電子ビーム蒸着成膜法又は抵抗加熱蒸着成膜法により、チタン層の上に白金層、前記白金層の上に金層を形成した多層膜を形成する
ことを特徴とする請求項6に記載の両面実装基板の製造方法。
【請求項8】
前記絶縁膜材はシリコン酸化物であって、電子ビーム蒸着成膜法又は抵抗加熱蒸着成膜法よりも前記マイクロパイプ欠陥内壁面部に流入しやすいスパッタリング成膜法又はイオンプレーティング成膜法により、前記絶縁膜を形成する
ことを特徴とする請求項6に記載の両面実装基板の製造方法。
【請求項9】
請求項1から5のうちいずれか1項の両面実装基板と、
前記両面実装基板上に構成された半導体レーザ素子と、
を含んで構成される半導体レーザ。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、単結晶炭化ケイ素(単結晶SiC)の両面実装基板、両面実装基板の製造方法、および半導体レーザに関する。
続きを表示(約 5,000 文字)【背景技術】
【0002】
近年、電子機器の高速化、小型・軽量(高密度)化、高出力化、高信頼性化に対する要求は極めて強い。半導体素子は、急速に高集積化、大サイズ化、マルチチップ化、高出力化の方向に向かっている。また電子回路は、微細化、配線長の短縮化、低抵抗化の方向に向かっている。このような動きの中で、素子の発熱をいかに効率よく除去(放熱)するかが重要な問題となっている。
【0003】
電子回路には、発熱以外にも、配線密度の増大や高電力化による基板の絶縁破壊等の問題点が指摘されている。基板用の素材には、熱伝導性がよいこと、電気絶縁性が優れること、高周波特性が良いこと、熱膨張係数がSiやGaAsに近いこと、化学的に安定していること、機械的強度が大きいこと、回路形成が容易であること、気密封止ができることが求められる。また、製造面からは、安価であること、技術完成度が高いこと、原料が入手しやすいこと、単純かつ廉価な製造プロセスが適用可能なこと、公害物質など毒性物質を含まないことが求められる。
【0004】
セラミックス製の基板材料としては、一般的に多結晶アルミナ(熱伝導率:約23W/m・K)、多結晶窒化アルミニウム(熱伝導率:約170W/m・K)、多結晶炭化ケイ素(熱伝導率:約300W/m・K)等が用いられている。
【0005】
しかし近年、熱伝導率300W/m・Kの多結晶炭化ケイ素を基板材料として使った場合でも放熱特性が不十分となる半導体レーザが増えてきている。そこで、熱伝導率が約490W/m・Kの単結晶炭化ケイ素(単結晶SiC)が基板材料として注目されている。
【0006】
一方、炭化ケイ素(SiC)基板を用いる際に、依然としてマイクロパイプの欠陥の問題がある。特許文献1では、マイクロパイプなど凹型の欠陥を含むウエハを改善してpn接合型のダイオードを作成する製造方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特許第3967045号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
単結晶SiCは、結晶中に含まれる結晶欠陥のうち、最もデバイス動作に影響を及ぼすものとして中空貫通欠陥(マイクロパイプ欠陥)がある。単結晶SiC両面実装基板にマイクロパイプ欠陥が存在すると、表面に電極を形成する過程において、配線膜材がマイクロパイプ欠陥内に流れ込み、表面配線膜と裏面配線膜が短絡することがある。
【0009】
単結晶SiC基板を用いて両面実装基板を製造した際の問題点を、図6を参照して説明する。単結晶SiC基板1の表面1aに第1の配線膜2aを形成し、裏面1bに第2の配線膜2bを形成した際、配線膜材がマイクロパイプ8内に流入し、単結晶SiC基板1の表面1aと裏面1bが導通(短絡)する問題があった。マイクロパイプ8は、約10〜20μmの直径であり、実体顕微鏡での識別が困難である。
【0010】
これに対処するため、特許文献1の方法では、CVD(Chemical vapor deposition)法により、マイクロパイプの半径以上の厚さにシリコン酸化膜(絶縁膜)を成長させ、このとき、マイクロパイプ(穴部)はシリコン酸化物で埋め込まれた構造となっている。その後、基板上の成長させた絶縁膜を除去している。
【0011】
この方法では、絶縁膜を除去する工程(切削工程)に時間と費用がかかる。絶縁膜の熱伝導率は約1W/m・Kであるので、マイクロパイプ内の熱伝導が悪く周辺部分の性能に影響をもたらす課題があった。
【0012】
本発明は、前記した課題を解決するためになされたものであり、単結晶SiC両面実装基板において、マイクロパイプ欠陥による表面側と裏面側との短絡を防止することができる両面実装基板、両面実装基板の製造方法、および半導体レーザを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
前記した目的を解決するため、本発明の両面実装基板は、単結晶炭化ケイ素の両面実装基板であって、両面実装基板の製造段階で生じる結晶欠陥であるマイクロパイプ欠陥内壁面部において、第1の部品面に薄膜成膜した第1の配線膜から流入した第1の配線膜材と、第1の部品面と表裏関係にある第2の部品面に薄膜成膜した絶縁膜から流入した絶縁膜材と、第2の部品面に薄膜成膜した第2の配線膜から流入した第2の配線膜材とにより多層膜構造体を有することを特徴とする。本発明のその他の態様については、後記する実施形態において説明する。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、単結晶SiC両面実装基板において、マイクロパイプ欠陥による表面側と裏面側との短絡を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
第1実施形態に係る両面実装基板の製造工程を示す断面図である。
第2実施形態に係る両面実装基板の製造工程を示す断面図である。
第3実施形態に係る両面実装基板の製造工程を示す断面図である。
第4実施形態に係る両面実装基板の断面図である。
第4実施形態に係る両面実装基板の製造工程を示す断面図である。
マイクロパイプの存在による問題点を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明を実施するための形態を、図面を参照して詳細に説明する。
<<第1実施形態>>
図1は、第1実施形態に係る両面実装基板10の製造工程を示す断面図である。ここでは、単結晶SiC基板1の表面1a、裏面1bに配線膜を形成する。
【0017】
(処理S0)まず、図1(a)に示すように、使用する平板状の単結晶SiC基板1が準備されている。使用する平板状の単結晶SiC基板1内にはマイクロパイプ8が存在する。SiC(炭化ケイ素)とは、天然には存在しない人工化合物で、珪砂と炭素から合成される。SiCは、高温(1500℃)まで強度が持続するほか、軽量で耐食性も高く、耐熱材料として優れている。単結晶SiCは、前記したように、熱伝導率が約490W/m・Kと熱伝導率の高い特徴を有する。
【0018】
(処理S1:第1の製作工程、第1ステップ)そして、図1(b)に示すように、単結晶SiC基板1の表面1aにおける第1の部品面に第1の配線膜2aを成膜する。ここでは、第1の配線膜2aは、電子ビーム蒸着成膜法又は抵抗加熱蒸着成膜法により、チタン(Ti)層の上に白金(Pt)層、白金層の上に金(Au)層を形成した多層膜(Ti/Pt/Auの多層膜)により形成される。後記する第2の配線膜2bも同様である。
【0019】
電子ビーム蒸着は、高真空雰囲気の中で、蒸発材料をるつぼに入れ、電子ビームをるつぼに入っている蒸着材料に照射し、るつぼに入っている蒸発材料を加熱蒸発させ、蒸発源の上部に置いた基板に蒸発材料が堆積して薄膜を形成する。抵抗加熱蒸着成膜法は、高真空雰囲気の中で、蒸着材料を抵抗体に入れて通電加熱して蒸発させ、蒸発源の上部に設置した基板に蒸発材料が堆積して薄膜を形成する。
【0020】
(処理S2:第2の製作工程、第2ステップ)次に、図1(c)に示すように、第1の部品面と表裏関係にある裏面1bの第2の部品面に絶縁膜3を成膜する。絶縁膜3は、シリコン酸化膜の絶縁膜材であり、具体的には、二酸化シリコン(SiO

)の薄膜である。絶縁膜は、酸化膜に限定されるわけではなく、アルミナ(Al



)、窒化ケイ素(Si



)、酸化チタン(TiO

)等の絶縁を確保できる膜であればよい。
【0021】
絶縁膜3は、電子ビーム蒸着成膜法又は抵抗加熱蒸着成膜法よりもマイクロパイプ8の欠陥内壁面部に流入しやすいスパッタリング成膜法又はイオンプレーティング成膜法により形成される。
【0022】
スパッタリング成膜法は、プラズマ等により高いエネルギーをもった粒子を材料(ターゲット)に衝突させて、その衝撃で材料成分をたたき出し、その粒子を基板上に膜を堆積させることで膜を形成する。
【0023】
イオンプレーティング成膜法は、電子ビーム蒸着成膜法とほぼ同じ原理であるが、異なるところは、蒸発粒子をプラズマ中を通過させることで、プラスの電荷を帯びさせ、基板にマイナスの電荷を印加して蒸発粒子を引き付けて堆積させ膜を形成する。
【0024】
(処理S3:第3の製作工程、第3ステップ)最後に、図1(d)に示すように、第2の部品面に第2の配線膜2bを成膜する。第2の配線膜2bは、電子ビーム蒸着成膜法又は抵抗加熱蒸着成膜法により、チタン(Ti)層の上に白金(Pt)層、白金層の上に金(Au)層を形成した多層膜(Ti/Pt/Auの多層膜)により形成される。
【0025】
両面実装基板10は、少なくとも、第1の部品面の最下層面に形成された第1の配線膜2aと、第2の部品面の最下層面に形成された絶縁膜3と、第2の部品面の絶縁膜3の上層部に形成された第2の配線膜2bとを含む積層構造体を有する。
【0026】
また、電子ビーム蒸着成膜法又は抵抗加熱蒸着成膜法により、最下層部にチタン層を形成し、その上層部に順次、白金層、金層を形成した積層構造体により第1の配線膜2aおよび第2の配線膜2bを構成するとよい。
【0027】
本実施形態は、配線膜および絶縁膜を形成する際に異なる方法を採用していることが特徴となっている。発明者らは種々の検討を行い、電子ビーム蒸着成膜法又は抵抗加熱蒸着成膜法で配線膜を形成すると、配線膜はマイクロパイプ8内に回り込みにくいこと、他方、スパッタリング成膜法又はイオンプレーティング成膜法で絶縁膜を形成すると、絶縁膜はマイクロパイプ8内に回り込みやすいことを見出した。
【0028】
このため、表面1aに配線膜を、電子ビーム蒸着成膜法又は抵抗加熱蒸着成膜法で形成し、裏面1bに絶縁膜を、スパッタリング成膜法又はイオンプレーティング成膜法で形成後、裏面1b側に配線膜を、電子ビーム蒸着成膜法又は抵抗加熱蒸着成膜法で形成する。
【0029】
この結果、単結晶炭化ケイ素(単結晶SiC)の両面実装基板10であって、両面実装基板10の製造段階で生じる結晶欠陥であるマイクロパイプ8の欠陥内壁面部において、第1の部品面に薄膜成膜した第1の配線膜2aから流入した第1の配線膜材2amと、第1の部品面と表裏関係にある第2の部品面に薄膜成膜した第2の配線膜2bから流入した第2の配線膜材2bmが、絶縁膜3から流入した絶縁膜材3mにより中間層を形成した多層膜構造体を提供することができる。これにより、従来、課題となっていたマイクロパイプ8が存在しても、単結晶SiC基板1の表裏面の導通(短絡)を防止できる効果がある。
【0030】
<<第2実施形態>>
図2は、第2実施形態に係る両面実装基板10の製造工程を示す断面図である。第2実施形態は、第1実施形態と同様に、単結晶SiC基板1の表面1a、裏面1bに配線膜を形成する。第2実施形態は、第1実施形態と異なり、最初に裏面1bに配線膜を形成することが異なる。図2に記載の同一構成品については、図1と同一符号を付しており、説明を省略する。図2においては、裏面1bを第1の部品面、表面1aを第2の部品面とする。
(【0031】以降は省略されています)

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