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公開番号2021006764
公報種別公開特許公報(A)
公開日20210121
出願番号2019120624
出願日20190628
発明の名称プローブ
出願人日本製鉄株式会社
代理人アセンド特許業務法人
主分類G01N 27/26 20060101AFI20201218BHJP(測定;試験)
要約【課題】金属の腐食環境測定試験において、金属表面上の塩分量及び液膜厚さの双方を測定できるプローブを提供する。
【解決手段】プローブ10は、電気化学インピーダンス法による金属の腐食環境測定に用いられる。プローブ10は、1対の第1電極12A,12Bと、1対の第2電極13A,13Bと、プローブ本体11と、を備える。1対の第2電極13A,13Bは、第1電極12A,12B同士の間隔L1よりも長い間隔L2を有する。プローブ本体11は、第1電極12A,12B及び第2電極13A,13Bが露出し、液膜110が形成される測定面111を有する。測定面111は、表面粗さRa(nm)が20以上、2000以下である液膜保持領域112を有する。液膜保持領域112は、少なくとも第1電極12A,12B間、第2電極13A,13B間、及び第1電極12A,12Bと第2電極13A,13Bとの間に設けられる。
【選択図】図5
特許請求の範囲【請求項1】
電気化学インピーダンス法による金属の腐食環境測定に用いられるプローブであって、
1対の第1電極と、
前記第1電極同士の間隔よりも長い間隔を有する1対の第2電極と、
前記第1電極及び前記第2電極が露出し、液膜が形成される測定面を有するプローブ本体と、を備え、
前記測定面は、表面粗さRa(nm)が20以上、2000以下である液膜保持領域を有し、
前記液膜保持領域は、少なくとも前記第1電極間、前記第2電極間、及び前記第1電極と前記第2電極との間に設けられる、プローブ。
続きを表示(約 200 文字)【請求項2】
請求項1に記載のプローブであって、
前記第1電極、及び前記第2電極は、並列に配置され、
前記液膜保持領域は、前記第1電極、及び前記第2電極の配置方向に延びる溝を有する、プローブ。
【請求項3】
請求項2に記載のプローブであって、
前記液膜保持領域は、前記並列に配置された第1電極及び第2電極で構成される電極群の一端から他端まで延びる、プローブ。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、プローブに関し、より詳細には、電気化学インピーダンス法による金属の腐食環境測定に用いられるプローブに関する。
続きを表示(約 5,200 文字)【背景技術】
【0002】
電気化学系の特性を調査する方法として、電気化学インピーダンス法が知られている。電気化学インピーダンス法は、例えば、次のようにして行われる。まず、1対の電極と電解質溶液とを接触させ、電極間に種々の周波数の交流電圧を印加する。次に、各周波数の交流電圧に対する周波数応答から電極間のインピーダンスを求め、それに基づき目的の特性値を算出する。
【0003】
例えば、特許文献1は、電気化学インピーダンス法によって高電圧用の絶縁板の表面に付着した汚損を検出する汚損検出器を開示する。この汚損検出器は、絶縁板を冷却して結露を生じさせて絶縁板上の電極間の絶縁抵抗値を測定することにより、絶縁板の汚損度、すなわち塩分量を検出する。電極間には、吸湿材が配置されている。
【0004】
例えば、非特許文献1は、電気化学インピーダンス法を用い、熱交換器の伝熱面に形成される液膜の厚さを測定するプローブを開示する。プローブの表面には、複数の電極対が格子状かつ高密度に配置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
実開昭62−088952号公報
【非特許文献】
【0006】
新井崇洋、古谷正裕、金井大造著「高密度多点電極法による液膜厚さ計測技術の開発、電力中央研究所報告L09008」財団法人電力中央研究所発行、平成22年6月、P.2−11
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、電気化学インピーダンス法は、金属の腐食環境測定試験にも使用することができる。腐食環境測定試験は、実環境での金属の腐食を模擬した試験である。金属の腐食は、金属表面に付着した塩分が吸湿し、液膜が形成されることで進行する。大気腐食のメカニズムの解明、腐食促進試験、金属の寿命予測方法の構築のためには、金属表面の塩分量及び液膜厚さの双方を測定することが好ましい。
【0008】
しかしながら、特許文献1の技術では、絶縁板上の塩分量を測定することはできても、液膜厚さを測定することはできない。非特許文献1の技術では、予め組成が判明している液膜を用いて液膜厚さの変動を測定する。非特許文献1では、電極に付着した塩分量の測定は考慮されていない。
【0009】
本開示は、金属の腐食環境測定試験において、金属表面上の塩分量及び液膜厚さの双方を測定できるプローブを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本開示に係るプローブは、電気化学インピーダンス法による金属の腐食環境測定に用いられる。プローブは、1対の第1電極と、1対の第2電極と、プローブ本体と、を備える。1対の第2電極は、第1電極同士の間隔よりも長い間隔を有する。プローブ本体は、第1電極及び第2電極が露出し、液膜が形成される測定面を有する。測定面は、表面粗さRa(nm)が20以上、2000以下である液膜保持領域を有する。液膜保持領域は、少なくとも第1電極間、第2電極間、及び第1電極と第2電極との間に設けられる。
【発明の効果】
【0011】
本開示によるプローブによれば、金属の腐食環境測定試験において、金属表面上の塩分量及び液膜厚さの双方を測定できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1は、一般的な電気化学インピーダンス法を説明するための模式図である。
図2は、図1の系における等価回路を示す図である。
図3は、没水環境を示す模式図である。
図4は、薄膜環境を示す模式図である。
図5は、本実施形態に係るプローブを示す概略図である。
図6は、プローブの平面図である。
図7は、液膜保持領域の溝を示す図である。
図8は、マスターデータの一例を示す図である。
図9は、図6とは異なる液膜保持領域を有する測定面を示す図である。
図10は、図6とは異なる液膜保持領域を有する測定面を示す図である。
図11は、図6とは異なる液膜保持領域を有する測定面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
[電気化学インピーダンス法]
初めに、金属の腐食環境測定試験に利用される電気化学インピーダンス法について説明する。図1は、一般的な電気化学インピーダンス法を説明するための模式図である。電気化学インピーダンス法では、交流電源103に接続された1対の電極101,102を用いる。電極101,102は、腐食環境の測定対象である金属からなる。腐食環境の測定の際には、電極101,102上に液膜110を形成し、電極101,102間に交流電圧を印加して液膜110中に交流電流を流す。
【0014】
図2は、図1の系における等価回路を示す図である。図2では、図1中の一方の電極101のみを示している。液膜110は、溶液抵抗RSを有する。液膜110と電極101との境界は、腐食反応抵抗RP及びコンデンサCの並列回路と置き換えることができる。
【0015】
この等価回路に高周波の交流電圧が印加された場合、並列回路において全ての電流がコンデンサCを通る。この場合、等価回路には溶液抵抗RSのみが抵抗(インピーダンス)として存在するとみなすことができる。したがって、電極101,102間に高周波の交流電圧を印加すれば、電極101,102間のインピーダンスを求めることができる。このインピーダンスを用いれば、液膜110の電気伝導率、及び厚さを別々にであれば求めることができる。
【0016】
高周波の交流電圧によって得られたインピーダンスZは、オームの法則より以下の式(1)を満たす。
Z=(1/σ)・(L/A) (1)
σは液膜110の電気伝導率、Lは電極101,102の間隔、Aは液膜110中の交流電流が通る部分の断面積、を表す。
【0017】
上述したように、インピーダンスZは、電極101,102間に高周波の交流電圧を印加することで求められる。電極101,102の間隔Lは、既知の値である。したがって、交流電流が通る部分の断面積Aが求まれば、式(1)に基づき、液膜110の電気伝導率σを求めることができる。
【0018】
図3を参照して、交流電流ACは、その性質上、液膜110中において電極101,102に近い部分を流れる。そのため、液膜110が十分に厚い場合、液膜110のうち電極101,102からある程度離れた部分Pには、交流電流ACが流れない。以下、液膜110が十分に厚く、交流電流ACが液膜110の厚さ方向全域に流れない環境を、没水環境という。
【0019】
没水環境において、交流電流ACが流れる部分の断面積Aは、一定であり、液膜110の厚さに依存しない。没水環境における断面積Aは、シミュレーション又は予備試験等によって予め求めておくことができる。実際の腐食環境測定試験では、予め求めた断面積A、及び上述のインピーダンスZを使用し、式(1)より、液膜110の電気伝導率σを求めることができる。この電気伝導率σにより、液膜110中の塩分量を把握することができる。
【0020】
図4を参照して、液膜110が薄い場合、交流電流ACは液膜110の厚さ方向全域に流れる。以下、液膜110が薄く、交流電流ACが液膜110の厚さ方向全域で流れる環境を、薄膜環境という。薄膜環境において、交流電流ACが流れる部分の断面積Aは、液膜110の厚さに比例する。薄膜環境において、液膜110の電気伝導率σが既知であれば、式(1)に基づいて断面積Aを算出し、液膜110の厚さを求めることができる。
【0021】
このように、電極101,102が没水環境にある場合、液膜110の電気伝導率σを求めることができ、電極101,102が薄膜環境にある場合、電気伝導率σさえわかれば、液膜110の厚さを求めることができる。これより、液膜110の電気伝導率σ及び厚さの双方を把握するためには、まず、没水環境での腐食環境測定試験において電気伝導率σを求めた後、別の腐食環境測定試験において、求めた電気伝導率σを用い、薄膜環境で液膜110の厚さを求める必要がある。本発明者等は、電極101,102の間隔Lに着目し、一回の腐食環境測定試験において液膜110の電気伝導率σ及び厚さの双方を同時に求めることを検討した。
【0022】
本発明者等が検討した結果、電極101,102の間隔Lが比較的短い場合、一方の電極101から流出した交流電流ACは、直ぐに他方の電極102に流入する。反対に、電極101,102の間隔Lが比較的長い場合、一方の電極101から流出した交流電流ACは、液膜110中を厚さ方向に広がりながら流れた後、他方の電極102に流入する。すなわち、電極101,102の間隔Lが短ければ没水環境に近づき、間隔Lが長ければ薄膜環境に近づく。本発明者等は、この検討結果に基づき、実施形態に係るプローブを完成させた。
【0023】
実施形態に係るプローブは、電気化学インピーダンス法による金属の腐食環境測定に用いられる。プローブは、1対の第1電極と、1対の第2電極と、プローブ本体と、を備える。1対の第2電極は、第1電極同士の間隔よりも長い間隔を有する。プローブ本体は、第1電極及び第2電極が露出し、液膜が形成される測定面を有する。測定面は、表面粗さRa(nm)が20以上、2000以下である液膜保持領域を有する。液膜保持領域は、少なくとも第1電極間、第2電極間、及び第1電極と第2電極との間に設けられる(第1の構成)。
【0024】
第1の構成において、プローブは、1対の第1電極と、1対の第2電極と、を備える。第2電極の間隔は、第1電極の間隔よりも長い。第1電極及び第2電極が露出する測定面上に液膜を形成すると、第1電極を没水環境に、第2電極を薄膜環境に置くことができる。没水環境における第1電極間のインピーダンスからは、電気伝導率が求められる。電気伝導率は、液膜の塩分量に換算することができる。また、没水環境で求めた電気伝導率と、薄膜環境における第2電極間のインピーダンスを用いて、液膜厚さが求められる。よって、金属の腐食環境測定試験において、金属表面上の塩分量及び液膜厚さの双方を求めることができる。
【0025】
また、第1の構成に係るプローブにおいて、液膜が形成される測定面は、液膜保持領域を有する。液膜保持領域は、少なくとも第1電極間、第2電極間、及び第1電極と第2電極との間に設けられる。すなわち、液膜保持領域は、4つの電極を繋ぐように設けられる。液膜保持領域は、所定の表面粗さを有するため、液膜を保持することができる。よって、液膜厚さが薄い場合であっても、電極間において液膜が分離しにくく、電極間のインピーダンスを測定することができる。
【0026】
第1の構成に係るプローブにおいて、第1電極、及び第2電極は、並列に配置されてもよい。この場合、液膜保持領域は、第1電極、及び第2電極の配置方向に延びる溝を有することが好ましい(第2の構成)。
【0027】
第2の構成によれば、液膜保持領域が、各電極の配置方向に延びる溝を有する。これにより、液膜を各電極の配置方向に保持することができ、電極間での液膜の分離をより確実に抑制することができる。
【0028】
第2の構成に係るプローブにおいて、液膜保持領域は、並列に配置された第1電極及び第2電極で構成される電極群の一端から他端まで延びていてもよい(第3の構成)。
【0029】
第3の構成によれば、一列に配置された電極各々の間だけでなく、各電極上にも液膜保持領域が設けられる。これにより、液膜が4つの電極を橋渡すように保持されるため、電極間での液膜の分離をより生じにくくすることができる。
【0030】
以下、本開示の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。各図において同一又は相当の構成については同一符号を付し、同じ説明を繰り返さない。
(【0031】以降は省略されています)

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