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公開番号2021005977
公報種別公開特許公報(A)
公開日20210114
出願番号2019119872
出願日20190627
発明の名称電力変換装置
出願人富士電機株式会社
代理人個人,個人
主分類H02M 7/48 20070101AFI20201211BHJP(電力の発電,変換,配電)
要約【課題】筐体内部の空気の滞留を抑制する電力変換装置を提供する。
【解決手段】電力変換装置100は、筐体110と、筐体110の内側に設けられる磁気部品と、筐体110の内側において磁気部品の周囲に設けられる回路部品と、筐体110の内側において磁気部品と回路部品との間を仕切るように設けられる板(遮熱板10)と、を備える。遮熱板10には、遮熱板10の磁気部品側の第1領域と遮熱板の回路部品側の第2領域とを連通する孔12が形成される。
【選択図】図3C
特許請求の範囲【請求項1】
筐体と、
前記筐体の内側に設けられる磁気部品と、
前記筐体の内側において前記磁気部品の周囲に設けられる回路部品と、
前記筐体の内側において前記磁気部品と前記回路部品との間を仕切るように設けられる板と、
を備え、
前記板には、前記板の前記磁気部品側の第1領域と前記板の前記回路部品側の第2領域とを連通する孔が形成される電力変換装置。
続きを表示(約 200 文字)【請求項2】
前記板には、前記磁気部品寄りの第1部分に前記孔が形成されず、前記第1部分を除く第2部分に前記孔が形成される請求項1に記載の電力変換装置。
【請求項3】
前記第1部分は、前記磁気部品を前記板に向かって略垂直方向に投影してなる領域であり、
前記第2部分は、前記第1部分よりも前記筐体の側面寄りの位置に設けられる領域である請求項2に記載の電力変換装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、電力変換装置に関する。
続きを表示(約 6,100 文字)【背景技術】
【0002】
パワー半導体素子のスイッチング動作によって、入力電力を所望の電力に変換する電力変換装置では、様々な部品の電力(エネルギー)損失に起因する発熱を装置内でいかに冷却するかが重要な課題となっている。特に、パワー半導体素子と並ぶ大きな発熱部材には、ケイ素鋼板、フェライトなどで形成されるコアにケーブルを巻き回して構成されるリアクトルなどの磁気部品がある。電力変換装置では、磁気部品自体の冷却も重要であるが、リアクトルがその他の回路部品と共に1つの筐体に収納される場合、磁気部品で発生した熱によって磁気部品の周囲の温度が上昇し、磁気部品の周囲に設けられる部品(回路部品、筐体の防水用パッキンなど)の温度が許容温度を超えることがある。
【0003】
特許文献1には、リアクトルと、リアクトルを収納する金属製のカバーと、カバーの内側に設けられリアクトルの熱をカバーに伝える伝熱材とで構成される構造体が開示される。また、特許文献1には、構造体の熱が周囲の部品に伝わることを防ぐために、リアクトル収納空間と回路部収納空間とを仕切る隔壁を、電力変換装置の筐体内部に設けることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2016−21817号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示される従来技術では、リアクトル収納空間と回路部収納空間とを仕切る隔壁が筐体内部に設けられるため、隔壁によって、筐体内部の一部の領域に空気が滞留し、又は、筐体内部の空気の流れが妨げられる。そのため、磁気部品の周囲に設けられる部品(回路部品、筐体の防水用パッキンなど)と筐体内部の空気との間の熱交換量が低下して、当該部品の温度が許容温度を超え得る。従って、磁気部品から磁気部品の周囲に設けられる部品への熱の伝達を低下させながら、筐体内部の空気の滞留を抑制する上での改善の余地がある。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、筐体内部の空気の滞留を抑制する電力変換装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、本発明に係る電力変換装置は、筐体と、前記筐体の内側に設けられる磁気部品と、前記筐体の内側において、前記磁気部品の周囲に設けられる回路部品とを備える。電力変換装置は、前記筐体の内側において前記磁気部品と前記回路部品との間を仕切るように設けられる板を備える。前記板には、前記板の前記磁気部品側の第1領域と前記板の前記回路部品側の第2領域とを連通する孔が形成される。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、筐体内部の空気の滞留を抑制できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本発明の実施の形態に係る電力変換装置100の外観図
図1に示される電力変換装置100を構成する回路の一例を示す図
遮熱板10が設置された電力変換装置100の内部構造を示す図
図3Aに示される遮熱板10を除いて、コア4、直流リアクトル5などを示す図
遮熱板10に蓋体20が設けられた状態と、コモンモードチョークコイル2の前側に蓋体21が設けられた状態とを示す図
遮熱板10の斜視図
図4Aの遮熱板10にコア4が固定された状態を示す図
第1板状部材10aの拡大図
遮熱板10に孔12が形成されていない場合の温度分布を表す図
遮熱板10に孔12が形成されている場合の温度分布を表す図
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本発明の実施の形態に係る電力変換装置を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。なお、各形態において、平行、直角、水平、垂直、上下、左右などの方向には、本発明の効果を損なわない程度のずれが許容される。また、X軸方向、Y軸方向、Z軸方向は、それぞれ、X軸に平行な方向、Y軸に平行な方向、Z軸に平行な方向を表す。X軸方向とY軸方向とZ軸方向は、互いに直交する。XY平面、YZ平面、ZX平面は、それぞれ、X軸方向及びY軸方向に平行な仮想平面、Y軸方向及びZ軸方向に平行な仮想平面、Z軸方向及びX軸方向に平行な仮想平面を表す。図1以降において、X軸方向のうち、矢印で示す方向はプラスX軸方向とし、当該方向とは逆の方向はマイナスX軸方向とする。Y軸方向のうち、矢印で示す方向はプラスY軸方向とし、当該方向とは逆の方向はマイナスY軸方向とする。Z軸方向のうち、矢印で示す方向はプラスZ軸方向とし、当該方向とは逆の方向はマイナスZ軸方向とする。
【0011】
実施の形態
図1は本発明の実施の形態に係る電力変換装置100の外観図である。電力変換装置100は、例えば雨、塵埃などの浸入を抑制する密閉構造の筐体110を有するインバータである。筐体110の上下方向はX軸方向に等しく、筐体110の左右方向はY軸方向に等しく、筐体110の奥行き方向はZ軸方向に等しい。筐体110は有底の箱形状の収納体である。筐体110のプラスZ軸方向側には、筐体110の開口部を覆う正面パネル120が設けられる。正面パネル120は、筐体110に固定されるヒンジ130を介して開閉可能に設けられる。
【0012】
なお電力変換装置100は、所謂インバータ(直流を可変電圧、可変周波数の交流に変換する装置)に限定されず、後述する各種リアクトルを備えると共に電力変換用のスイッチング素子を備える装置であればよい。すなわち、電力変換装置100は、直流電力を交流電力に変換するコンバータ、直流電力を電力用半導体素子でスイッチング(オン・オフ)することで直流電力の値を制御する直流チョッパ、入力周波数より低い周波数の交流を得るサイクロコンバータなどでもよい。
【0013】
図2は図1に示される電力変換装置100を構成する回路の一例を示す図である。例えば電力変換装置100は、EMC(Electromagnetic Compatibility:電磁両立性)フィルタ101、三相交流電圧を整流するダイオード整流器102、及び三相インバータ主回路103を備える。
【0014】
EMCフィルタ101は、ノイズを除去するため、線間コンデンサ1、コモンモードチョークコイル2(L

)、接地コンデンサ3などを備える。
【0015】
三相インバータ主回路103は、コア4(L
core
)、直流リアクトル5(L
DC
)、平滑コンデンサ7、及び複数のスイッチング素子S

〜S

を備え、整流された電圧を三相交流電圧へ変換する。三相インバータ主回路103で変換された三相交流電圧が負荷(モータ200など)に印加される。
【0016】
コア4は、ダイオード整流器102と三相インバータ主回路103とを接続する正極側直流母線及び負極側直流母線に設けられ、電磁ノイズの補助的な抑制を行う。
【0017】
直流リアクトル5は、例えば正極側直流母線に設けられ、商用電圧に重畳される高調波電流を抑制すると共に力率改善を図るために設けられる。
【0018】
複数のスイッチング素子S

〜S

は、ダイオード整流器102から供給される直流電力を交流電力に変換する3相ブリッジ接続された半導体スイッチング素子である。以下では、複数のスイッチング素子S

〜S

のそれぞれを区別しない場合、「スイッチング素子」と称する。スイッチング素子は、MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)などである。スイッチング素子は、それぞれ、不図示のゲート駆動回路から入力されるPWM信号(ゲート駆動信号)に従って、オン又はオフ状態となる。ゲート駆動回路は、不図示の制御回路から入力されるPWM信号を、スイッチング素子を駆動可能な値の電圧の信号であるゲート駆動信号に変換して、スイッチング素子に入力する回路である。
【0019】
コモンモードチョークコイル2、コア4、直流リアクトル5は、それぞれ例えば、複数のケイ素鋼板から打ち抜かれた環状の部材を積層して形成されたコア部、フェライトを焼結して形成されるコア部などに、巻線が巻き付けられることで形成される。スイッチング素子への通電が行われることによってスイッチング素子、コモンモードチョークコイル2、コア4、直流リアクトル5などが発熱する。
【0020】
コモンモードチョークコイル2、コア4、直流リアクトル5などの発熱部品で発生した熱が、周囲の部品に伝わることで、周囲の部品の温度が許容温度を超過する可能性がある。周囲の部品は、例えば、線間コンデンサ1、接地コンデンサ3、平滑コンデンサ7(C
dc
)、ダイオード整流器102を構成する整流素子などである。電力変換装置100は、発熱部品で発生した熱が周囲の部品へ伝わることを防ぐため、金属製の部材である遮熱板を備える。遮熱板の構造について図3Aなどを用いて説明する。
【0021】
図3Aは、遮熱板10が設置された電力変換装置100の内部構造を示す図である。図3Aに示すように、電力変換装置100の外郭を構成する筐体110の内側には、直流リアクトル5、遮熱板10、コモンモードチョークコイル2、制御基板8などが設けられる。制御基板8のマイナスZ軸方向の不図示の端面には、スイッチング素子が設けられる。図3Aに示される遮熱板10には、図3Bに示されるコア4が固定される。遮熱板10へのコア4の固定方法の詳細については後述する。
【0022】
図3Bは、図3Aに示される遮熱板10を除いて、コア4、直流リアクトル5などを示す図である。直流リアクトル5は、筐体110の内部空間の内、筐体110のプラスX軸方向の端面(天井面110a)と、筐体110のマイナスY軸方向の端面(側面110b)とが交わる角部110c寄りの部分に設けられる。
【0023】
例えば、発熱部品である直流リアクトル5、コア4などが、筐体110のマイナスX軸方向の端面(底面110d)寄りの部分に設けられている場合、直流リアクトル5で発生した熱が筐体110の底面110dから天井面110aに向かって上昇するため、直流リアクトル5の上部に存在する他の部品がその熱の影響を受け易くなる。
【0024】
電力変換装置100では、直流リアクトル5などが、筐体110の角部110c寄りの部分に設けられているため、熱の影響を受けやすい部品が、相対的に直流リアクトル5などの発熱部品の下側に位置する。従って直流リアクトル5などで発生した熱の当該部品への影響が軽減される。なお、直流リアクトル5などで発生した熱は、筐体110の天井面110aなどに伝わり、筐体110の外部に放射される。
【0025】
また電力変換装置100では、図3Aに示すように、直流リアクトル5の周囲を囲むように遮熱板10が設置されている。遮熱板10は、放熱フィンベース6のプラスZ軸方向の端面に固定される。放熱フィンベース6は、筐体110の内部部品で発生した熱を筐体110の外部に放射するための板状の放熱部材である。放熱フィンベース6の材料には、アルミニウム、オーステナイト系ステンレス合金、銅合金、鋳鉄、鋼、鉄合金などの金属を例示できる。なお、放熱フィンベース6のマイナスZ軸方向の端面には、不図示の複数のフィンが設けられる。直流リアクトル5の周囲に遮熱板10が設置されることで、直流リアクトル5で発生した熱が、周囲の部品に伝わり難くなる。
【0026】
また電力変換装置100では、発熱部品の一部(例えばコア4など)が遮熱板10に固定される。遮熱板10の材料には、銅、アルミニウム、クロム、モリブデン、ニッケル、鉄、チタン、パラジウム、インジウム、タングステン、金、白金、銀、ステンレス鋼(SUS)、さらにこれらを複数含む合金、例えば、ニッケルと鉄の合金などを使用できる。放熱フィンベース6に遮熱板10が固定されるため、発熱部品で発生した熱の一部は、遮熱板10に伝わり、さらに放熱フィンベース6などに伝わる。従って、発熱部品の周囲に設けられる部品への熱の影響がより一層軽減される。
【0027】
なお、遮熱板10の熱伝導率は、例えば発熱部品(例えばコア4など)の熱伝導率よりも高い熱伝導率を有する材料で構成することが望ましい。この構成により、コア4など発生した熱が遮熱板10に伝わり易くなり、コア4など発生した熱が周囲の部品へより一層伝わり難くなる。
【0028】
なお、コア4は、遮熱板10において、例えば図3Aに示される筐体110の側面110b寄りの位置に固定することが望ましい。このように構成することによって、例えばダイオード整流器102から三相インバータ主回路103へ伸びる直流母線を、筐体110の側面110b寄りに位置に配線できるため、筐体110の内部空間の余剰スペースを有効に利用しながら、コア4への直流母線の接続が容易化される。
【0029】
図3Cは遮熱板10に蓋体20が設けられた状態と、コモンモードチョークコイル2の前側に蓋体21が設けられた状態とを示す図である。図3Cに示す蓋体20及び蓋体21は、遮熱板10と同様の材料で板状に形成された導電性の部材である。
【0030】
蓋体20は、遮熱板10のプラスZ軸方向の端面にねじ留めされる。蓋体20は、直流リアクトル5の正面側(プラスZ軸方向側)の全体を覆うように、遮熱板10に固定される。蓋体20は、図1に示す正面パネル120と直流リアクトル5との間を仕切るように、遮熱板10に固定される。
(【0031】以降は省略されています)

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