TOP特許意匠商標
特許ウォッチ DM通知 Twitter
公開番号2021005967
公報種別公開特許公報(A)
公開日20210114
出願番号2019119354
出願日20190627
発明の名称駆動制御装置
出願人NTN株式会社
代理人個人,個人
主分類B60L 9/18 20060101AFI20201211BHJP(車両一般)
要約【課題】左右の駆動輪を個別のモータでそれぞれ独立して駆動可能な車両について、左右のトルク差を抑え車両の挙動が不安定になることを防止することができる駆動制御装置を提供する。
【解決手段】過熱時トルク配分変更部40は、一方のモータ側の検出温度が第1の閾値以下のとき、一方のモータ6を最大トルクまで出力可能とし、一方のモータ側検出温度が第1の閾値を超え第2の閾値以下のとき、検出温度が上昇するに従って、一方のモータ6で出力可能な最大のトルクを下げ、一方のモータ側の検出温度が第2の閾値を超えたとき、一方のモータのトルクを零にする。他方のモータ側の検出温度が第1の閾値を超えていない場合でも、一方のモータ6のトルク制限に従って、他方のモータ6で出力可能な最大のトルクを下げ、一方のモータ側の検出温度が第2の閾値を超えたとき、他方のモータ6で出力可能な最大のトルクに対し比率αに設定されたトルク制限値にする。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
左右の駆動輪を個別のモータでそれぞれ独立して駆動可能な車両の前記モータを制御する駆動制御装置であって、
前記各モータのモータ温度またはこのモータ温度の変化に影響する部位の温度を検出する温度検出手段と、
この温度検出手段で検出される検出温度に基づいて前記各モータのトルクをそれぞれ制限するトルク制限手段と、を備え、
このトルク制限手段は、
前記温度検出手段で検出される一方のモータ側の検出温度が第1の閾値以下のとき、前記一方のモータを最大トルクまで出力可能とし、
前記一方のモータ側の検出温度が第1の閾値を超えこの第1の閾値よりも大きい第2の閾値以下のとき、前記検出温度が上昇するに従って、前記一方のモータで出力可能な最大のトルクを下げるトルク制限を行い、
前記一方のモータ側の検出温度が前記第2の閾値を超えたとき、前記一方のモータのトルクを零に制限し、
他方のモータ側の検出温度が第1の閾値を超えていない場合でも、前記一方のモータのトルク制限に従って、前記他方のモータで出力可能な最大のトルクを下げるトルク制限を行い、前記一方のモータ側の検出温度が前記第2の閾値を超えたとき、前記他方のモータで出力可能な最大のトルクに対し定められた比率に設定されたトルク制限値に設定する駆動制御装置。
続きを表示(約 1,300 文字)【請求項2】
請求項1に記載の駆動制御装置において、複数のスイッチング素子の開閉により直流電力を前記モータの駆動に用いる交流電力に変換するインバータを備え、
前記温度検出手段は、各モータのモータ温度をそれぞれ検出するモータ用の温度センサと、前記各インバータの温度をそれぞれ検出するインバータ用の温度センサと、潤滑または冷却用の油温センサのうちの少なくとも2つを有し、
前記トルク制限手段は、同一の前記駆動輪を駆動する前記モータ、およびそのインバータ、油のうちの少なくとも2つの温度をそれぞれ検出する複数の温度センサで検出される検出温度がそれぞれに対応する第1の閾値を超えたとき、温度センサ毎に求められるトルク制限値のうち最も小さい値で前記モータのトルク制限を行う駆動制御装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の駆動制御装置において、前記トルク制限手段は、両方のモータ側の検出温度が共に第1の閾値を超えたとき、一方のモータ側の温度検出手段の検出温度に従って求められる前記左右の駆動輪のトルク制限値と、他方のモータ側の温度検出手段の検出温度に従って求められる前記左右の駆動輪のトルク制限値とのうち、低いトルク制限値で前記両方のモータのトルク制限を行う駆動制御装置。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の駆動制御装置において、前記トルク制限手段は、前記定められた比率を車速によって変更する駆動制御装置。
【請求項5】
請求項4に記載の駆動制御装置において、前記トルク制限手段は、前記車速が低速になる程前記定められた比率を大きく、前記車速が高速になる程前記定められた比率を小さく設定する駆動制御装置。
【請求項6】
請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の駆動制御装置において、前記トルク制限手段は、前記定められた比率を車速によらず一定とする駆動制御装置。
【請求項7】
請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の駆動制御装置において、前記車両が旋回中であるか否かを判定する舵角検出手段を有し、前記トルク制限手段は、前記舵角検出手段により前記車両が旋回中であると判定されたときのみ前記各モータのトルクをそれぞれ制限する駆動制御装置。
【請求項8】
請求項7に記載の駆動制御装置において、前記トルク制限手段は、前記車両の直進中、前記検出温度が第1の閾値を超えていない側の駆動輪は、このモータの最大トルクまで出力可能とする駆動制御装置。
【請求項9】
請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の駆動制御装置において、前記トルク制限手段は、前記車両の直進中前記定められた比率αを「1」とし、前記舵角検出手段により車両の旋回度合いが大きい程前記定められた比率αを小さくしていく駆動制御装置。
【請求項10】
請求項1ないし請求項9のいずれか1項に記載の駆動制御装置において、前記モータは、このモータと、前記駆動輪を支持する車輪用軸受と、前記モータの回転を減速して前記車輪用軸受に伝える減速機とを含むインホイールモータ駆動装置を構成する駆動制御装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
この発明は、駆動制御装置に関し、例えば、インホイールモータ等の駆動輪用のモータを搭載した車輪独立駆動式車両において、駆動輪用のモータ、モータや減速機等の潤滑または冷却用の油、または駆動制御装置の半導体等が過熱してしまった場合に、安全な走行または暫定的な退避走行を行うことを可能とした技術に関する。
続きを表示(約 8,100 文字)【背景技術】
【0002】
従来、インバータの温度がどの領域にあるかによって電流制限条件を設定してインバータに与える電流指令に制限を加える制御を行う技術が提案されている(特許文献1)。
その他の従来技術として、油温センサとモータステータに設けられた温度センサで検出される温度のうち、いずれか一方または両方の温度がそれぞれ定められた閾値を超えたときにモータの電流を制限する技術が提案されている(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2013−110926号公報
特開2015−142415号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
車輪独立駆動式車両において、例えば、高速旋回走行時等に片輪だけ過熱により制限がかかってしまった場合に左右の駆動輪で発生するトルクに意図しない大きな差が発生し、車両の挙動が不安定になってしまう可能性がある。
【0005】
この発明の目的は、左右の駆動輪を個別のモータでそれぞれ独立して駆動可能な車両について、左右のトルク差を抑え車両の挙動が不安定になることを防止することができる駆動制御装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明の駆動制御装置16は、左右の駆動輪2,2を個別のモータ6,6でそれぞれ独立して駆動可能な車両の前記モータ6,6を制御する駆動制御装置であって、
前記各モータ6のモータ温度またはこのモータ温度の変化に影響する部位の温度を検出する温度検出手段Ksと、
この温度検出手段Ksで検出される検出温度に基づいて前記各モータ6のトルクをそれぞれ制限するトルク制限手段40と、を備え、
このトルク制限手段40は、
前記温度検出手段Ksで検出される一方のモータ側の検出温度が第1の閾値以下のとき、前記一方のモータ6を最大トルクまで出力可能とし、
前記一方のモータ側の検出温度が第1の閾値を超えこの第1の閾値よりも大きい第2の閾値以下のとき、前記検出温度が上昇するに従って、前記一方のモータ6で出力可能な最大のトルクを下げるトルク制限を行い、
前記一方のモータ側の検出温度が前記第2の閾値を超えたとき、前記一方のモータ6のトルクを零に制限し、
他方のモータ側の検出温度が第1の閾値を超えていない場合でも、前記一方のモータ6のトルク制限に従って、前記他方のモータ6で出力可能な最大のトルクを下げるトルク制限を行い、前記一方のモータ側の検出温度が前記第2の閾値を超えたとき、前記他方のモータ6で出力可能な最大のトルクに対し定められた比率に設定されたトルク制限値に設定する。
前記定められた比率は、設計等によって任意に定める比率であって、例えば、構成される部品の耐熱温度と、試験およびシミュレーションのいずれか一方または両方等により適切な比率を求めて定められる。
【0007】
この構成によると、一方のモータ側の検出温度が第1の閾値を超えて一方のモータ6で出力可能な最大のトルクを下げるトルク制限が行われると、前記一方のモータ6のトルク制限に従って、他方のモータ6で出力可能な最大のトルクを下げるトルク制限が行われる。このため、左右の駆動輪のトルク差が大きくなり過ぎず、車両の挙動が不安定になることを防止することができる。一方のモータ側の検出温度が第2の閾値を超えたとき、他方のモータ6で出力可能な最大のトルクに対し定められた比率に設定したトルク制限値に設定するため、最低限の駆動力を確保することができる。これにより、暫定的な退避走行を行うことができる。このようにトルク制限を行うことで、モータ6の過負荷を抑えると共に車両の挙動の安定化を図れる。
前記「一方のモータ側」とは、左右の駆動輪におけるいずれか一方の駆動輪を駆動するモータである一方のモータ、および、この一方のモータのモータ温度の変化に影響する部位を意味する。
前記「モータ温度の変化に影響する部位」とは、モータの温度が上下するとモータの発熱の程度によって温度変化する部位、およびモータの温度を上下させるようなモータ電流が流れる部位であり、
前者は例えばモータの冷却を行う冷却液の循環流路、後者は例えばインバータ装置のスイッチング素子および前記インバータ装置を冷却する冷却液の循環流路である。
【0008】
複数のスイッチング素子の開閉により直流電力を前記モータ6の駆動に用いる交流電力に変換するインバータ31を備え、
前記温度検出手段Ksは、各モータ6のモータ温度をそれぞれ検出するモータ用の温度センサ42と、前記各インバータ31の温度をそれぞれ検出するインバータ用の温度センサ34と、潤滑または冷却滑用の油温センサのうち少なくとも2つを有し、
前記トルク制限手段40は、同一の前記駆動輪を駆動する前記モータ6、およびそのインバータ31、油のうちの少なくとも2つの温度をそれぞれ検出する複数の温度センサ42,34で検出される検出温度がそれぞれに対応する第1の閾値を超えたとき、温度センサ毎に求められるトルク制限値のうち最も小さい値で前記モータ6のトルク制限を行ってもよい。このようにモータ6のトルク制限を行うことで、モータ6の過負荷をより確実に抑えることができる。
【0009】
前記トルク制限手段40は、両方のモータ側の検出温度が共に第1の閾値を超えたとき、一方のモータ側の温度検出手段Ksの検出温度に従って求められる前記左右の駆動輪のトルク制限値と、他方のモータ側の温度検出手段Ksの検出温度に従って求められる前記左右の駆動輪のトルク制限値とのうち、低いトルク制限値で前記両方のモータ6,6のトルク制限を行ってもよい。このように低いトルク制限値を採用することで、左右の駆動輪を駆動する両方のモータ6,6が共に過熱した場合に、両方のモータ6,6の過負荷をより確実に抑えることができる。
【0010】
前記トルク制限手段40は、前記定められた比率を車速によって変更してもよい。
前記比率を車速により変更する発明において、前記トルク制限手段40は、前記車速が低速になる程前記定められた比率を大きく、前記車速が高速になる程前記定められた比率を小さく設定してもよい。この場合、例えば、左右の駆動輪のトルク差が大きくても影響の少ない低速走行時には、他方のモータ6のトルク制限値を大きいままとし、左右の駆動輪のトルク差が大きいと影響のある高速走行時には他方のモータ6のトルク制限値を小さくすることができる。
【0011】
前記トルク制限手段40は、前記定められた比率を車速によらず一定としてもよい。この場合、駆動制御装置16のソフトウェアの簡易化が可能となり、コスト低減を図れる。
【0012】
前記車両が旋回中であるか否かを判定する舵角検出手段Dkを有し、前記トルク制限手段40は、前記舵角検出手段Dkにより前記車両が旋回中であると判定されたときのみ前記各モータ6のトルクをそれぞれ制限してもよい。この場合、旋回中における車両の挙動を安定化することができる。
【0013】
前記舵角検出手段Dkを有する発明において、前記トルク制限手段40は、前記車両の直進中、前記検出温度が第1の閾値を超えていない側の駆動輪は、このモータ6の最大トルクまで出力可能としてもよい。この場合、車両の直進中に車両の駆動力を高めることで、急峻な登坂路等において自力走行することができる。
【0014】
前記舵角検出手段Dkを有する発明において、前記トルク制限手段40は、前記車両の直進中前記定められた比率αを「1」とし、前記舵角検出手段Dkにより車両の旋回度合いが大きい程前記定められた比率αを小さくしてもよい。このように車両の旋回度合いに応じて比率αを変えることで、旋回中における車両の挙動をより確実に安定化することができる。
【0015】
前記モータ6は、このモータ6と、前記駆動輪を支持する車輪用軸受4と、前記モータ6の回転を減速して前記車輪用軸受4に伝える減速機7とを含むインホイールモータ駆動装置IWMを構成してもよい。インホイールモータ駆動装置IWMの場合、コンパクト化を図る結果、車輪用軸受4、減速機7およびモータ6は、材料使用量の削減、モータ6の高速回転化を伴うため、これらの信頼性を確保することが重要な課題となる。前記検出温度に基づいて各モータ6のトルク制限を行い各モータ6の過負荷を抑えることで、インホイールモータ駆動装置IWMの信頼性を確保し得る。
【発明の効果】
【0016】
この発明の駆動制御装置は、左右の駆動輪を個別のモータでそれぞれ独立して駆動可能な車両の前記モータを制御する駆動制御装置であって、前記各モータのモータ温度またはこのモータ温度の変化に影響する部位の温度を検出する温度検出手段と、この温度検出手段で検出される検出温度に基づいて前記各モータのトルクをそれぞれ制限するトルク制限手段と、を備え、このトルク制限手段は、前記温度検出手段で検出される一方のモータ側の検出温度が第1の閾値以下のとき、前記一方のモータを最大トルクまで出力可能とし、前記一方のモータ側の検出温度が第1の閾値を超えこの第1の閾値よりも大きい第2の閾値以下のとき、前記検出温度が上昇するに従って、前記一方のモータで出力可能な最大のトルクを下げるトルク制限を行い、前記一方のモータ側の検出温度が前記第2の閾値を超えたとき、前記一方のモータのトルクを零に制限し、他方のモータ側の検出温度が第1の閾値を超えていない場合でも、前記一方のモータのトルク制限に従って、前記他方のモータで出力可能な最大のトルクを下げるトルク制限を行い、前記一方のモータ側の検出温度が前記第2の閾値を超えたとき、前記他方のモータで出力可能な最大のトルクに対し定められた比率に設定されたトルク制限値に設定する。このため、左右の駆動輪を個別のモータでそれぞれ独立して駆動可能な車両について、左右のトルク差を抑え車両の挙動が不安定になることを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
この発明の実施形態に係る駆動制御装置を搭載した車両を平面図で示す概念構成のブロック図である。
同車両におけるインホイールモータ駆動装置の断面図である。
同駆動制御装置の制御系のブロック図である。
左輪側で過熱が発生した場合の例を示す図である。
左右両輪で過熱が発生した場合の例を示す図である。
トルクを制限する比率の例を示す図である。
モータの回転速度と出力トルクの特性を示す図である。
この発明の他の実施形態に係る駆動制御装置を搭載した車両を平面図で示す概念構成のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
[第1の実施形態]
この発明の実施形態を図1ないし図7と共に説明する。
<車両の概念構成について>
図1は、この実施形態に係る駆動制御装置を搭載した車両を平面図で示す概念構成のブロック図である。この車両は、車体1の左右の後輪となる車輪2が駆動輪とされ、左右の前輪となる車輪3が従動輪とされた四輪の電気自動車である。前輪となる車輪3は操舵輪とされている。駆動輪となる左右の車輪2,2は、それぞれ独立して駆動可能な走行用のモータ6により駆動される。各モータ6は、後述のインホイールモータ駆動装置IWMを構成する。各車輪2,3には、ブレーキが設けられている。また左右の前輪となる操舵輪である車輪3,3は、図示しない転舵機構を介して転舵可能であり、ハンドル等の操舵手段15により操舵される。
【0019】
<インホイールモータ駆動装置IWMの概略構成について>
図2に示すように、左右のインホイールモータ駆動装置IWMは、それぞれ、モータ6と、車輪を支持する車輪用軸受4と、モータ6の回転を減速して車輪用軸受4に伝える減速機7とを有し、これらの一部または全体が車輪内に配置される。モータ6の回転は、減速機7および車輪用軸受4を介して駆動輪である車輪2に伝達される。車輪用軸受4のハブ輪4aのフランジ部には前記ブレーキを構成するブレーキロータ5が固定され、同ブレーキロータ5は、車輪2と一体に回転する。
【0020】
モータ6は、三相のモータであり、例えば、ロータ6aのコア部に永久磁石が内蔵された埋込磁石型同期モータである。このモータ6は、ハウジング8に固定したステータ6bと、回転出力軸9に取り付けたロータ6aとの間にラジアルギャップを設けたモータである。モータ6は、減速機7の潤滑、冷却を兼ねる油(冷却液)により冷却される。前記油は循環流路Jrを流れる。
【0021】
<制御系について>
図3は、この駆動制御装置16の制御系のブロック図である。駆動制御装置16は、車両全般の制御を行う電気制御ユニットである車両制御ECU14と、この車両制御ECU14の指令トルクに従って走行用の左右のモータ6,6の制御を行うインバータ装置13と、センサ類とを有する。車両が電気自動車の場合、車両制御ECUは、VCU(車両制御ユニット)とも称される。
【0022】
車両制御ECU14は、指令トルク演算部47と、トルク配分手段48とを有する。指令トルク演算部47は、アクセルセンサ51が出力する加速指令と、ブレーキセンサ53が出力する減速指令とから、左右のモータ6,6に与える加速・減速指令を指令トルクとして生成する。アクセルセンサ51は、アクセルペダル等のアクセル操作手段20の操作量を検出し、この検出した操作量に従って加速指令を出力する。ブレーキセンサ53は、ブレーキペダル等のブレーキ操作手段21の操作量を検出し、この検出した操作量に従って減速指令を出力する。トルク配分手段48は、指令トルク演算部47で演算された指令トルクを、左右のモータ6,6へ分配するようにインバータ装置13へ出力する。
【0023】
インバータ装置13は、各モータ6に対してそれぞれ設けられたパワー回路部28,28と、これらパワー回路部28,28を制御するモータコントロール部29とを有する。モータコントロール部29は、各モータ6に対応するモータ駆動制御部30,30、トルク制限手段である過熱時トルク配分変更部40、スイッチング素子温度検出部39,39、モータ温度検出部43,43、油温検出部45,45および速度検出手段41を備える。モータコントロール部29は、このモータコントロール部29が持つインホイールモータ駆動装置IWM(図1)に関する各検出値および制御値等の各情報を車両制御ECU14に出力する機能を有する。
【0024】
各パワー回路部28は、バッテリBt(図1)の直流電力を各モータ6の駆動に用いる三相の交流電力に変換するインバータ31と、このインバータ31を駆動するPWMドライバ32とを有する。各インバータ31は、複数のスイッチング素子を含むブリッジ回路で構成される。
モータコントロール部29は、コンピュータとこれに実行されるプログラム、および電子回路により構成され、その基本となる制御部としてモータ駆動制御部30,30を有する。各モータ駆動制御部30は、各系統を個別に制御する。
【0025】
各モータ駆動制御部30は、車両制御ECU14から過熱時トルク配分変更部40を介して与えられる指令トルクに対応する電流指令を演算しこの電流指令に対し、検出されるモータ電流を電流センサ38から得て追従させる電流フィードバック制御を行う。各モータ駆動制御部30は、電流フィードバック制御により電圧指令を算出し、パワー回路部28のPWMドライバ32に電圧指令を与える。また、モータ駆動制御部30は、モータ6のロータ6a(図2)の回転角を回転角検出手段33から得て、ベクトル制御を行う。
【0026】
トルク制限手段である過熱時トルク配分変更部40は、温度検出手段Ksで検出される検出温度に基づいて、各モータ6のトルクをそれぞれ制限する。
温度検出手段Ksは、各モータ6のモータ温度またはこのモータ温度の変化に影響する部位の温度を検出する。前記モータ温度の変化に影響する部位として、前記スイッチング素子および前記減速機の潤滑、冷却を行う油(冷却液)の循環流路等が挙げられる。この実施形態の温度検出手段Ksは、各モータ用の温度センサ42およびそのモータ温度検出部43と、各インバータ31用の温度センサ34およびそのスイッチング素子温度検出部39と、各減速機用の油温センサ44およびその油温検出部45とを有する。
【0027】
モータ用の温度センサ42は、各モータ6における所定の箇所、例えばステータ6b(図2)に設けられ、モータ温度検出部43は、前記温度センサ42で測定された電圧等から成る測定値を温度に変換する。インバータ用の温度センサ34は、各インバータ31における複数のスイッチング素子のいずれか一つに設けられ、スイッチング素子温度検出部39は、前記温度センサ34で測定された電圧等から成る測定値を温度に変換する。油温センサ44は、減速機7(図2)の前記油の貯留部Tk(図2)に設けられ、油温検出部45は、油温センサ44で測定された電圧等から成る測定値を温度に変換する。
【0028】
温度センサ42,34、油温センサ44として、例えば、温度センシング用のダイオードまたはサーミスタ等を適用し得る。モータ温度検出部43、スイッチング素子温度検出部39、油温検出部45として、例えば、測定値をリニアライズ(直線化)する手段、高電圧と低電圧との絶縁体、電圧増幅用のアンプ、フィルタ回路およびADコンバータ等が含まれる。
【0029】
過熱時トルク配分変更部40は、一方のモータ側の検出温度のうちモータ温度、スイッチング素子温度および油温のいずれかが第1の閾値以下のとき前記一方のモータ6を最大トルクまで出力可能とし、第1の閾値を超えこの第1の閾値よりも大きい第2の閾値以下のとき、検出温度が上昇するに従って前記一方のモータ6で出力可能な最大のトルク(トルク制限値)を下げるトルク制限を行う。過熱時トルク配分変更部40は、一方のモータ側の検出温度のうちモータ温度、スイッチング素子温度および油温のいずれかが第2の閾値を超えたとき、前記一方のモータ6のトルクを零に制限する。
【0030】
過熱時トルク配分変更部40は、他方のモータ側の検出温度が第1の閾値を超えていない場合でも、前記一方のモータ6のトルク制限に従って、前記他方のモータ6で出力可能な最大のトルク(トルク制限値)を下げるトルク制限を行い、前記一方のモータ側の検出温度が第2の閾値を超えたとき、前記他方のモータ6で出力可能な最大のトルクに対し定められた比率α(0〜1)に設定されたトルク制限値に設定する。
(【0031】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する

関連特許

NTN株式会社
軸受
NTN株式会社
玉軸受
NTN株式会社
玉軸受
NTN株式会社
玉軸受
NTN株式会社
複合体
NTN株式会社
玉軸受
NTN株式会社
軸受装置
NTN株式会社
機械部品
NTN株式会社
滑り軸受
NTN株式会社
密封軸受
NTN株式会社
軸受装置
NTN株式会社
軸受装置
NTN株式会社
軸受装置
NTN株式会社
軸受部品
NTN株式会社
機械部品
NTN株式会社
軸受装置
NTN株式会社
軸受装置
NTN株式会社
発電装置
NTN株式会社
焼結軸受
NTN株式会社
軸受装置
NTN株式会社
樹脂製容器
NTN株式会社
転がり軸受
NTN株式会社
ポンプ装置
NTN株式会社
転がり軸受
NTN株式会社
転がり軸受
NTN株式会社
転がり軸受
NTN株式会社
無段変速機
NTN株式会社
転がり軸受
NTN株式会社
ロック機構
NTN株式会社
転がり軸受
NTN株式会社
転がり軸受
NTN株式会社
深溝玉軸受
NTN株式会社
無段変速機
NTN株式会社
スラスト軸受
NTN株式会社
フォイル軸受
NTN株式会社
磁石ユニット
続きを見る