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公開番号2021005930
公報種別公開特許公報(A)
公開日20210114
出願番号2019118000
出願日20190626
発明の名称巻線機
出願人個人
代理人個人
主分類H02K 15/095 20060101AFI20201211BHJP(電力の発電,変換,配電)
要約【課題】フライヤの変形、騒音、振動などの問題が生じずにフライヤの回転数を増大させることができる巻線機を提供する。
【解決手段】巻線機Mは、同期して回転可能に構成された第1フライヤ10と第2フライヤ20とをそれぞれ備えた第1フライヤ装置1及び第2フライヤ装置2と、メインフォーマ6と、一端にメインフォーマ6が回転不能に取り付けられ、第1フライヤ10が一体で回転するように取り付けられたスピンドル軸5と、第1フライヤ装置1、第2フライヤ装置2及びメインフォーマ6を一体的にスピンドル軸5の軸方向と垂直方向に移動させる上下送り装置3と、を備えている。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
半径方向に外方に向かって突出する複数の極を有する多極電機子の各極にコイル形成用の線材を巻き付ける巻線を行う巻線機であって、
線材を極に巻線するためのフライヤが、第1フライヤと前記第1フライヤから見て多極電機子側に配置された第2フライヤとからなり、
前記第1フライヤと前記第2フライヤとは、略同軸の回転軸を中心に同期して回転可能に構成されており、
前記第2フライヤは、線材を巻線される極へ案内するメインフォーマを挿通し、前記第1フライヤに対して前記回転軸の軸方向に相対的に移動可能に構成されており、
前記第1フライヤ、前記第2フライヤ及び前記メインフォーマを前記回転軸の軸方向及び軸方向と垂直方向に移動させる移動装置を備えたことを特徴とする巻線機。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
第1フライヤ装置と、
第2フライヤ装置と、
一端に前記メインフォーマが回転不能に取り付けられ、前記第1フライヤが一体で回転するように取り付けられたスピンドル軸と、
を備えており、
前記第1フライヤ装置は、
前記第1フライヤと、
前記第1フライヤを、前記スピンドル軸を中心軸として回転させる第1フライヤ回転手段と、
前記第1フライヤ回転手段が取り付けられるとともに前記スピンドル軸を軸支し、前記第1フライヤ及び前記メインフォーマを、多極電機子に対し、前記スピンドル軸の軸方向に接近及び離間するように往復運動させる第1フライヤ送り手段と、
を備え、
第2フライヤ装置は、
前記第2フライヤと、
前記第2フライヤにその回転軸から離間して取り付けられており、線材を保持するノズルと、
前記第2フライヤを、前記スピンドル軸を略同軸として回転させる第2フライヤ回転手段と、
前記第2フライヤを、多極電機子に対し、前記スピンドル軸の軸方向に接近及び離間するように往復運動させる第2フライヤ送り手段と、
を備え、
前記第1フライヤが線材を前記第2フライヤに案内し、前記第1フライヤ及び前記第2フライヤが同期して回転することにより、前記ノズルが前記巻線する極の周囲を旋回する軌跡を描くように駆動して、極への巻線を行うことを特徴とする請求項1に記載の巻線機。
【請求項3】
前記メインフォーマは、巻線時に巻線を行う極と連結し、回転不能に保持する回転防止機構を備えたことを特徴とする請求項2に記載の巻線機。
【請求項4】
巻線を多極電機子の端子または多極電機子の外部に設けられた係止部に対して係止する端末線処理を行うときには、前記第2フライヤが当該端子または係止部に対して相対的に移動することにより端末線処理を行うことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1つに記載の巻線機。
【請求項5】
前記端末線処理を、線材を前記多極電機子の端子に絡げて行うことを特徴とする請求項4に記載の巻線機。
【請求項6】
前記係止部は、前記多極電機子を保持する多極電機子保持装置に、線材を係止して保持する巻線保持部として設けられていることを特徴とする請求項4に記載の巻線機
【請求項7】
前記第1フライヤと前記第2フライヤとを複数組備え、
巻線を行うときには各組の第1フライヤと第2フライヤとが同期して回転する多連式巻線機であることを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか1つに記載の巻線機。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、半径方向に外方に向かって突出する複数の極を有する多極電機子(主としてモータ多極電機子)の各極にコイル形成用の線材を巻き付ける巻線を行う巻線機に関する。
続きを表示(約 5,700 文字)【背景技術】
【0002】
従来より、図1に示すようなアウターロータ型多極電機子であるモータ多極電機子Cの各多極電機子極部a(極)にコイル形成用の線材Wを巻き付けるために、巻線機が広く使用されている。このような巻線機として、線材を案内するメインフォーマを配置した状態で、線材を保持するノズルが取り付けられたフライヤを回転させ、ノズルが巻線する極aの周囲を旋回する軌跡を描くように駆動して極への巻線を行う、フライヤ駆動式の巻線機が知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2003−61320号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、各種駆動機構の電動化が進み、モータのニーズが増大する中、多極電機子の生産性を向上させたいという要請がある。多極電機子の生産性を向上させるためには、フライヤの回転数を上げることが有効である。
【0005】
巻線工程において、巻線開始時のスタート線W(S)(巻線開始線)、巻線終了時のフィニッシュ線W(F)(巻線終了線)、巻線途中のタップ線W(T)(巻線途中線)が所定の巻きスペースから外れることのないように保持しておくための端末線処理として、ピン状の端子に線材を巻き付けて絡げるカラゲ方式(接合は半田付け等)やU字またはV字の溝状部に線材を係止して保持するカシメ方式(接合はヒュージング溶接等)が行われている。例えば、カラゲ方式は、スタート線W(S)、フィニッシュ線W(F)、タップ線W(T)を、多極電機子Cに立設される端子tに絡げることにより行われる。ここで、巻線時と端末線処理時の切り替え時には、フライヤの中でメインフォーマが前後するためのスペースが必要である。
【0006】
フライヤの回転数を上げるにはフライヤを軽くすることが有効であり、フライヤを薄肉の円筒形状や細い板状にすることが考えられるが、端末線処理を行う必要があるため、フライヤが長くなり、フライヤの剛性が低下してしまう。これにより、フライヤの回転数を上げるとフライヤの変形、騒音、振動などの問題が生じるおそれがあった。
【0007】
そこで、本発明は、フライヤの変形、騒音、振動などの問題が生じずにフライヤの回転数を増大させることができる巻線機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明では、半径方向に外方に向かって突出する複数の極を有する多極電機子の各極にコイル形成用の線材を巻き付ける巻線を行う巻線機であって、線材を極に巻線するためのフライヤが、第1フライヤと前記第1フライヤから見て多極電機子側に配置された第2フライヤとからなり、前記第1フライヤと前記第2フライヤとは、略同軸の回転軸を中心に同期して回転可能に構成されており、前記第2フライヤは、線材を巻線される極へ案内するメインフォーマを挿通し、前記第1フライヤに対して前記回転軸の軸方向に相対的に移動可能に構成されており、前記第1フライヤ、前記第2フライヤ及び前記メインフォーマを前記回転軸の軸方向及び軸方向と垂直方向に移動させる移動装置を備えた、という技術的手段を用いる。
【0009】
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の巻線機において、第1フライヤ装置と、第2フライヤ装置と、一端に前記メインフォーマが回転不能に取り付けられ、前記第1フライヤが一体で回転するように取り付けられたスピンドル軸と、を備えており、前記第1フライヤ装置は、前記第1フライヤと、前記第1フライヤを、前記スピンドル軸を中心軸として回転させる第1フライヤ回転手段と、前記第1フライヤ回転手段が取り付けられるとともに前記スピンドル軸を軸支し、前記第1フライヤ及び前記メインフォーマを、多極電機子に対し、前記スピンドル軸の軸方向に接近及び離間するように往復運動させる第1フライヤ送り手段と、を備え、第2フライヤ装置は、前記第2フライヤと、前記第2フライヤにその回転軸から離間して取り付けられており、線材を保持するノズルと、前記第2フライヤを、前記スピンドル軸を略同軸として回転させる第2フライヤ回転手段と、前記第2フライヤを、多極電機子に対し、前記スピンドル軸の軸方向に接近及び離間するように往復運動させる第2フライヤ送り手段と、を備え、前記第1フライヤが線材を前記第2フライヤに案内し、前記第1フライヤ及び前記第2フライヤが同期して回転することにより、前記ノズルが前記巻線する極の周囲を旋回する軌跡を描くように駆動して、極への巻線を行う、という技術的手段を用いる。
【0010】
請求項3に記載の発明では、請求項2に記載の巻線機において、前記メインフォーマは、巻線時に巻線を行う極と連結し、回転不能に保持する回転防止機構を備えた、という技術的手段を用いる。
【0011】
請求項4に記載の発明では、請求項1ないし請求項3のいずれか1つに記載の巻線機において、巻線を多極電機子の端子または多極電機子の外部に設けられた係止部に対して係止する端末線処理を行うときには、前記第2フライヤが当該端子または係止部に対して相対的に移動することにより端末線処理を行う、という技術的手段を用いる。
【0012】
請求項5に記載の発明では、請求項4に記載の巻線機において、前記端末線処理を、線材を前記多極電機子の端子に絡げて行う、という技術的手段を用いる。
【0013】
請求項6に記載の発明では、請求項4に記載の巻線機において、前記係止部は、前記多極電機子を保持する多極電機子保持装置に、線材を係止して保持する巻線保持部として設けられている、という技術的手段を用いる。
【0014】
請求項7に記載の発明では、請求項1ないし請求項6のいずれか1つに記載の巻線機において、前記第1フライヤと前記第2フライヤとを複数組備え、巻線を行うときには各組の第1フライヤと第2フライヤとが同期して回転する多連式巻線機である、という技術的手段を用いる。
【発明の効果】
【0015】
本発明の巻線機によれば、メインフォーマの前後動作を、第2フライヤ(ノズル)の前後動作と独立で制御し、第2フライヤを移動させない状態で、メインフォーマを前後方向に移動させることができる。これにより、フライヤの前後方向の長さを短くすることができ、フライヤの剛性を高くすることができるので、フライヤの回転数を増大させてもフライヤの変形、騒音、振動などの問題が生じることがない。また、従来1つで構成されていたフライヤを第1フライヤと第2フライヤとで構成し、第1フライヤと第2フライヤとを同期させて回転させることができるので、イナーシャを小さくし、フライヤの回転数を増大させることができる。これにより、多極電機子の生産性を向上させることができる。
【0016】
本発明の巻線機は、巻線を行う線材が細くて巻数が多く、比較的巻線を行いやすい一方、製造コストを抑える要請があり、生産性向上が喫緊の課題である冷却用ファンなど小型のモータに用いられる多極電機子の製造に好適に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
多極電機子の構造を示す斜視説明図である。
巻線機の構造を示す側面説明図である。
巻線工程を示す説明図である。
巻線工程を示す説明図である。
巻線工程を示す説明図である。
巻線工程を示す説明図である。
メインフォーマの構造を示す説明図である。
端末線処理の変更例を示す説明図である。
多連式(4連式)巻線機の構造を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
(巻線機の構成)
本発明に係る巻線機の実施形態について、図を参照して説明する。本発明に係る巻線機は、半径方向に外方に向かって突出する複数の極を有する多極電機子の各極にコイル形成用の線材を巻き付けて多極電機子を作製するための巻線機であって、具体的にはアウターロータ型多極電機子の各極にコイル形成用の線材を巻き付けるための巻線機である。本発明に係る巻線機は、多相モータ用のステータとなるステータ多極電機子(以下、多極電機子という)Cの、多極電機子芯部としての放射状の各多極電機子極部a(極)に対し、線材Wの巻線工程を行う。なお、以下の説明においては、図2中で多極電機子に対しスピンドル軸の軸方向に接近する方向を前進方向、離間する方向を後退方向、図2中でスピンドル軸の軸方向に垂直方向で、上昇、下降する方向をそれぞれ上方向、下方向という。
【0019】
図2に示すように、巻線機Mは、第1フライヤ装置1、第2フライヤ装置2、上下送り装置3、多極電機子保持装置4、スピンドル軸5、メインフォーマ6、固定ベース7、図示しない線材Wの供給手段、制御装置、サイドフォーマを備えている。
【0020】
第1フライヤ装置1は、第1フライヤ10、第1フライヤ回転用モータ11、第1フライヤ送り用モータ12を備えている。
【0021】
第1フライヤ10は、線材Wを送るための線材送りリール10aと、線材Wを引き出して第2フライヤ20に案内するための案内部10bと、を備えている。
【0022】
第1フライヤ10は、スピンドル軸5に固定される。スピンドル軸5は、第1ベース13にベアリング14を介して支持され、第1ベース13に取り付けられている第1フライヤ回転用モータ11により、プーリ15a、15bとタイミングベルト16を介して回転可能に設けられている。これにより、第1フライヤ10は、スピンドル軸5を回転中心として回転可能に支持されており、回転時に動的バランスが取れるように形成されている。また、スピンドル軸5は中空に形成されており、内部に線材Wが挿通される。ここで、第1フライヤ回転手段は、第1フライヤ回転用モータ11、第1ベース13、ベアリング14、プーリ15a、15b、タイミングベルト16を備えて構成される。
【0023】
第1フライヤ送り用モータ12は、上下可動ベース31に載置されており、ボールネジ17を介して第1ベース13に接続されている。第1フライヤ送り用モータ12は、第1ベース13を前後方向に移動可能に構成されており、第1フライヤ10及びメインフォーマ6を、多極電機子Cに対し、接近または離間するように往復運動させることができる。ここで、第1フライヤ送り手段は、第1フライヤ送り用モータ12、第1ベース13、ボールネジ17を備えて構成される。
【0024】
第2フライヤ装置2は、第1フライヤ装置1の前方に配置されており、第2フライヤ20、第2フライヤ回転用モータ21、第2フライヤ送り用モータ22、ノズル23を備えている。
【0025】
第2フライヤ20は、中空の略円筒状に形成されており、先端部外周の1箇所に、多極電機子Cに巻き付けられるべき線材Wが引き出されるノズル23が取付けられている。
【0026】
第2フライヤ20は、第2ベース24にベアリング25を介して支持されており、第2ベース24に取り付けられている第2フライヤ回転用モータ21により、プーリ26a、26bとタイミングベルト27を介して回転可能に設けられている。第2フライヤ20は、スピンドル軸5と同軸で回転可能に支持されており、回転時に動的バランスが取れるように形成されている。ここで、第2フライヤ回転手段は、第2フライヤ回転用モータ21、第2ベース24、ベアリング25、プーリ26a、26b、タイミングベルト27を備えて構成される。
【0027】
第2ベース24は、第2フライヤ送り用モータ22にボールネジ28を介して接続されており、前後方向に移動可能に構成されている。
【0028】
第2フライヤ送り用モータ22は、上下可動ベース31に載置されており、ボールネジ28を介して第2ベース24に接続されている。第2フライヤ送り用モータ22は、第2ベース24を前後方向に移動可能に構成されており、第2フライヤ20を、多極電機子Cに対し、接近または離間するように往復運動させることができる。ここで、第2フライヤ送り手段は、第2フライヤ送り用モータ22、第2ベース24、ボールネジ28を備えて構成される。
【0029】
メインフォーマ6は、スピンドル軸5の多極電機子C側の端部にベアリング5aを介して取り付けられており、第2フライヤ20の内側に、第2フライヤ20の回転中心と同軸となるように配置されている。メインフォーマ6は、第2フライヤ20に対して前後方向に相対移動可能に、スピンドル軸5に連結されている。また、第1フライヤ10とメインフォーマ6とは前後方向には相対的には移動せず、位置関係は変わらない。
【0030】
メインフォーマ6は、前端部に多極電機子Cの1つの多極電機子極部aに被せて連結する開口を有している。メインフォーマ6は、多極電機子極部aに連結されているときは、スピンドル軸5が回転していても回転しない。また、両側の多極電機子極部aには公知のサイドフォーマ(図示せず)が装着される。
(【0031】以降は省略されています)

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