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公開番号2021005507
公報種別公開特許公報(A)
公開日20210114
出願番号2019119317
出願日20190627
発明の名称ワイヤハーネス
出願人日立金属株式会社
代理人特許業務法人平田国際特許事務所
主分類H01B 7/00 20060101AFI20201211BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】シース端部からの水の侵入を抑制可能なワイヤハーネスを提供する。
【解決手段】ケーブル2の分離部11に設けられ、ケーブル2及び電線21の延出方向を規制するホルダ6と、ホルダ6を覆う樹脂モールド部3と、少なくとも1つのグループの電線21の周囲を覆うように設けられ、分離部11側の端部が樹脂モールド部3に覆われ樹脂モールド部3と溶着されている中空筒状の樹脂チューブ4と、樹脂チューブ4における分離部11と反対側の端部と、該端部から延出される電線21と樹脂チューブ4との間を水密にシールする防水部5と、を備え、ホルダ6は、樹脂チューブ4の分離部11側の端面が当接され樹脂チューブ4の開口の少なくとも一部を塞ぐように形成され、樹脂モールド部3のモールドの際に樹脂が樹脂チューブ4内への侵入を防止する樹脂侵入防止部61を有する。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
複数の電線と、前記複数の電線を一括して覆うシースと、を有するケーブルと、
前記シースから前記複数の電線が延出され、前記複数の電線が複数のグループに分離され異なる方向に延出される分離部に設けられ、前記ケーブル及び前記複数のグループの前記電線の延出方向を規制するホルダと、
前記ホルダを覆うと共に、前記シースと該シースから延出される前記複数の電線とにわたって樹脂をモールドしてなる樹脂モールド部と、
前記複数のグループのうち少なくとも1つのグループの前記電線の周囲を覆うように設けられ、前記分離部側の端部が前記樹脂モールド部に覆われ前記樹脂モールド部と溶着されている中空筒状の樹脂チューブと、
前記樹脂チューブにおける前記分離部と反対側の端部と、該端部から延出される前記電線と前記樹脂チューブとの間を水密にシールする防水部と、を備え、
前記ホルダは、前記樹脂チューブの前記分離部側の端面が当接され前記樹脂チューブの開口の少なくとも一部を塞ぐように形成され、前記樹脂モールド部のモールドの際に樹脂が前記樹脂チューブ内へと侵入することを防止する樹脂侵入防止部を有する、
ワイヤハーネス。
続きを表示(約 400 文字)【請求項2】
前記ホルダは、前記樹脂侵入防止部から前記樹脂チューブ内へと突出すると共に、前記樹脂チューブ内に挿通された前記電線と前記樹脂チューブの内周面との間へとそれぞれ挿入され、前記電線を狭持する一対の爪部を有する、
請求項1に記載のワイヤハーネス。
【請求項3】
前記樹脂侵入防止部は、前記電線を通すための電線挿通穴を有し、
前記電線挿通穴は、前記爪部の対向方向に対して垂直な方向に開口する切欠き状に形成されている、
請求項2に記載のワイヤハーネス。
【請求項4】
前記爪部は、前記樹脂モールド部から外方に突出するように設けられている、
請求項2または3の何れか1項に記載のワイヤハーネス。
【請求項5】
前記爪部は、前記樹脂チューブよりも硬い、
請求項1乃至4の何れか1項に記載のワイヤハーネス。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ワイヤハーネスに関する。
続きを表示(約 6,500 文字)【背景技術】
【0002】
従来のワイヤハーネスとして、ケーブルの分離部分に樹脂モールドを行い、シース端部への水の侵入を抑制することが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特許第6213447号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、樹脂モールドを行うのみでは、十分な防水性が得られない場合がある。例えば、樹脂モールドより延出される電線の絶縁体の融点が高く、樹脂モールドと絶縁体とが溶着されない場合には、樹脂モールドと絶縁体との間から水が浸入してしまうおそれがある。
【0005】
そこで、本発明は、シース端部からの水の侵入を抑制可能なワイヤハーネスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記課題を解決することを目的として、複数の電線と、前記複数の電線を一括して覆うシースと、を有するケーブルと、前記シースから前記複数の電線が延出され、前記複数の電線が複数のグループに分離され異なる方向に延出される分離部に設けられ、前記ケーブル及び前記複数のグループの前記電線の延出方向を規制するホルダと、前記ホルダを覆うと共に、前記シースと該シースから延出される前記複数の電線とにわたって樹脂をモールドしてなる樹脂モールド部と、前記複数のグループのうち少なくとも1つのグループの前記電線の周囲を覆うように設けられ、前記分離部側の端部が前記樹脂モールド部に覆われ前記樹脂モールド部と溶着されている中空筒状の樹脂チューブと、前記樹脂チューブにおける前記分離部と反対側の端部と、該端部から延出される前記電線と前記樹脂チューブとの間を水密にシールする防水部と、を備え、前記ホルダは、前記樹脂チューブの前記分離部側の端面が当接され前記樹脂チューブの開口の少なくとも一部を塞ぐように形成され、前記樹脂モールド部のモールドの際に樹脂が前記樹脂チューブ内へと侵入することを防止する樹脂侵入防止部を有する、ワイヤハーネスを提供する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、シース端部からの水の侵入を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
(a)は本発明の一実施の形態に係るワイヤハーネスの外観を示す斜視図、(b)はその樹脂モールド部を省略した斜視図である。
(a)は図1のワイヤハーネスの平面図であり、(b)はその樹脂モールド部を省略した平面図である。
ケーブルの長手方向に垂直な断面を示す断面図である。
図1のワイヤハーネスに用いるホルダを示す図であり、(a)は斜視図、(b)は平面図である。
ホルダの一変形例を示す図であり、(a)は斜視図、(b)は平面図である。
(a)は図5のホルダとケーブルを金型にセットしたときの断面図、(b)はそのA−A線断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[実施の形態]
以下、本発明の実施の形態を添付図面にしたがって説明する。
【0010】
図1(a)は、本実施の形態に係るワイヤハーネスの外観を示す斜視図、(b)はその樹脂モールド部を省略した斜視図である。また、図2(a)はワイヤハーネスの平面図であり、図2(b)はその樹脂モールド部を省略した平面図である。
【0011】
図1及び図2に示すように、ワイヤハーネス1は、ケーブル2と、ケーブル2における分離部11を覆うように設けられる樹脂モールド部3と、を備えている。
【0012】
図3に示すように、複数の電線21をシース22で一括して被覆して構成されている。本実施の形態では、ケーブル2は、第1導体211aの周囲を第1絶縁体211bで被覆した一対の第1電線211と、第2導体212aの周囲を第2絶縁体212bで被覆した一対の第2電線212と、第3導体213aの周囲を第3絶縁体213bで被覆した3本の第3電線213と、を有している。第1導体211a、第2導体212a、及び第3導体213aは、例えば銅等からなる金属素線を撚り合わせた撚線導体からなる。第1絶縁体211b、第2絶縁体212b、及び第3絶縁体213bは、例えば架橋PE(ポリエチレン)又は難燃架橋PE(ポリエチレン)からなる。
【0013】
本実施の形態では、一対の第1電線211は撚り合わされており、撚り合わされた一対の第1電線211を内部シース23で一括して被覆することで、第1電線ユニット24が形成されている。本実施の形態では、内部シース23は、ウレタン樹脂からなる。また、一対の第2電線212は互いに撚り合されている。また、3本の第3電線213は互いに撚り合されている。
【0014】
第1電線ユニット24と、撚り合された一対の第2電線212と、撚り合された3本の第3電線213とは、さらに介在(フィラー)25と共に撚り合わされ、その周囲を一括して覆うようにシース22が設けられている。本実施の形態では、シース22は、ウレタン樹脂からなる。介在25は、例えばステープルファイバー等の糸状体からなる。
【0015】
本実施の形態に係るワイヤハーネス1は、自動車に搭載される自動車用のワイヤ−ネスである。本実施の形態では、第1電線211は、自動車の車輪速センサ(ABSセンサ)の検出信号を伝送するために用いられる。また、本実施の形態では、第2電線212は、自動車の制振装置の制御用のダンパ線として用いられる。また、本実施の形態では、第3電線213は、自動車の加速度センサ用の信号線として用いられる。すなわち、本実施の形態では、第1電線211及び第3電線213は信号線として、第2電線212は電源線として用いられている。なお、各電線21の用途はこれに限定されるものではなく、例えば、第2電線212を電動パーキングブレーキ装置に電力を供給する用途等に用いてもよい。また、電線21の本数等についても、図示のものに限定されない。
【0016】
図1,2に戻り、ワイヤハーネス1では、シース22の端部から複数の電線21が延出されており、複数の電線21が複数のグループに分離され異なる方向に延出されている。この複数の電線21が複数のグループに分離され異なる方向に延出されている部分を分離部11と呼称する。本実施の形態では、分離部11にて、第1電線ユニット24(一対の第1電線211)と、一対の第2電線212と、3本の第3電線213と、に分岐されている。
【0017】
第1電線ユニット24の分離部11からの延出方向は、ケーブル2の分離部11からの延出方向と略平行となっており、第1電線ユニット24とケーブル2とは、樹脂モールド部3の対向位置からそれぞれ反対方向に延出されている。シース22から延出された一対の第2電線212と3本の第3電線213とは、平面視で略90度曲げられて第1電線ユニット24から分岐された後、一対の第2電線212と3本の第3電線213とにさらに分岐されている。以下、第1電線ユニット24から一対の第2電線212と3本の第3電線213とを分岐する部分を第1分離部11aと呼称し、一対の第2電線212と3本の第3電線213とを分岐する部分を第2分離部11bと呼称する。
【0018】
一対の第2電線212は、第2分離部11bにて、第1分離部11aからの延出方向に対して平面視でケーブル2の延出側に略45度傾いた方向に延出されている。また、3本の第3電線213は、第2分離部11bにて、第1分離部11aからの延出方向に対して平面視で第1電線ユニット24の延出側に略45度傾いた方向に延出されている。つまり、一対の第2電線212と3本の第3電線213とは、第2分離部11bから、平面視で略90度異なる方向へと延出されている。
【0019】
樹脂モールド部3は、分離部11を覆うように設けられ、シース22と該シース22から延出される複数の電線21とにわたって樹脂をモールドして形成されている。本実施の形態では、分離部11に、ケーブル2及び電線21の延出方向を規制するホルダ6を設け、ホルダ6を覆うように樹脂モールド部3が形成されている。ホルダ6の詳細については後述する。
【0020】
樹脂モールド部3は、シース22の端部、第1分離部11a、及び第1分離部11aより延出された第1電線ユニット24の周囲を覆う略直方体形状の基部31と、第2分離部11bおよび第2分離部11bより延出された第2電線212、第3電線213の周囲を覆う突出部32と、第1分離部11aと第2分離部11b間の第2電線212と第3電線213の周囲を覆い、基部31と突出部32とを連結する連結部33と、を一体に有している。
【0021】
基部31におけるケーブル2の延出側(シース22で覆われた部分の延出側)には、ケーブル2の周囲を覆う円筒状のシース囲繞部31aが設けられている。このシース囲繞部31aには、ワイヤハーネス1を車体等に固定するためのブラケット(不図示)が取り付けられてもよい。本実施の形態では、樹脂モールド部3の近傍のシース22の周囲に、ブラケットを取り付けた。なお、ブラケットは、連結部33に取り付けられてもよい。連結部33にブラケットを取り付けることにより、基部31と突出部32によりブラケットの位置が規制されてブラケットの位置ずれが生じ難くなり、また樹脂モールド部3の重心に近い位置を支持できるために分離部11の姿勢が安定しやすい。
【0022】
本実施の形態では、樹脂モールド部3は、ウレタン樹脂からなる。シース22と内部シース23はウレタン樹脂からなるため、樹脂モールド部3をモールドする際に樹脂モールド部3に溶着して一体化され、防水性が確保される。しかし、第2電線212の絶縁体212b、及び第3電線213の絶縁体213bは樹脂モールド部3に溶着しないため、第2電線212や第3電線213と樹脂モールド部3との間から水が侵入してしまうおそれが生じる。
【0023】
そこで、本実施の形態では、ウレタン樹脂からなる中空筒状の樹脂チューブ4を用い、一対の第2電線212の周囲、及び3本の第3電線213の周囲をそれぞれ覆うように樹脂チューブ4を配置した状態で、樹脂モールド部3を形成するようにした。樹脂チューブ4の分離部11側の端部は、樹脂モールド部3に覆われ樹脂モールド部3と溶着されている。なお、本実施の形態では、第1電線211がウレタン樹脂からなる内部シース23に覆われているために、第1電線211の周囲に樹脂チューブ4を配置しなかったが、内部シース23を省略した場合には、第1電線211の周囲に別途樹脂チューブ4を設けてもよい。樹脂チューブ4は、分離部11にて分離される複数のグループのうち少なくとも1つのグループの電線21の周囲を覆うように設けられていればよい。
【0024】
また、本実施の形態では、樹脂モールド部3、シース22、内部シース23、及び樹脂チューブ4が、ウレタン樹脂からなる場合について説明したが、これに限らず、樹脂モールド部3のモールド時に、樹脂モールド部3にシース22、内部シース23、及び樹脂チューブ4が溶着される材料であればよい。つまり、シース22、内部シース23、及び樹脂チューブ4は、樹脂モールド部3に用いる樹脂の融点以下の融点を有する樹脂であればよい。例えば、樹脂モールド部3としてポリアミドを用い、シース22、内部シース23、及び樹脂チューブ4としてウレタン樹脂を用いてもよい。
【0025】
なお、樹脂チューブ4と第1電線ユニット24とが当接していたり、樹脂チューブ4同士が当接していたりすると、樹脂モールド部3のモールド時に樹脂チューブ4と第1電線ユニット24間に樹脂が流れ込まず、樹脂モールド部3と、樹脂チューブ4や内部シース23とが溶着しない部分が生じ、防水性が低下するおそれがある。そのため、樹脂チューブ4と第1電線ユニット24、及び樹脂チューブ4同士は、両者の間に樹脂モールド部3のモールド時に樹脂が流れやすくなる程度に、離間していることが望ましい。
【0026】
両樹脂チューブ4における分離部11と反対側の端部(以下、先端部という)には、樹脂チューブ4の先端部から延出される一対の第2電線212、あるいは3本の第3電線213と樹脂チューブ4との間を水密にシールする防水部5がそれぞれ設けられている。本実施の形態では、防水部5として、熱収縮チューブを用いた。熱収縮チューブは、樹脂チューブ4の先端部と当該先端部から延出される電線21(一対の第2電線212、あるいは3本の第3電線213)とにわたって設けられている。熱収縮チューブとしては、内周面に接着剤が塗布されたものを用い、熱収縮チューブを収縮させた際に、接着剤により熱収縮チューブと電線21間の隙間を埋めることが望ましい。なお、防水部5は熱収縮チューブに限らず、例えば、パッキン部材等であってもよい。なお、図1(a),(b)では防水部5を省略して示している。
【0027】
ここで、樹脂チューブ4を設ける場合、樹脂モールド部3をモールドする際に、樹脂チューブ4内に樹脂が侵入してしまう(樹脂チューブ4内に樹脂が漏れ出してしまう)おそれが生じる。そこで、本実施の形態では、樹脂モールド部3のモールドの際に樹脂が樹脂チューブ4内へと侵入することを防止するために、ホルダ6に樹脂侵入防止部61を形成している。以下、ホルダ6の詳細について説明する。
【0028】
(ホルダ6の説明)
ホルダ6は、樹脂モールド部3をモールドする際に、分離部11を保護すると共に、樹脂の流れにより各電線21がばたつくことを抑制するように保持する役割を果たす部材である。
【0029】
図4は、本実施の形態で用いるホルダを示す図であり、(a)は斜視図、(b)は平面図である。図1(b)、図2(b)及び図4(a),(b)に示すように、ホルダ6は、底壁62と、底壁62の周縁から、底壁62の表面に対して垂直な方向である上方に延びる側壁63と、を有している。以下、説明の簡略化のため、底壁62からの側壁63の突出方向を上方といい、底壁62の表面に対して垂直な方向を上下方向という。ただし、これらの方向は便宜上のものであり、ワイヤハーネス1の使用状態における分離部11の配置等を限定するものではない。
【0030】
側壁63には、ケーブル2(シース22で覆われた部分)をホルダ6内に導入するための入口穴64が形成されており、入口穴64と連通したシース収容空間65にケーブル2(シース22で覆われた部分)が導入される。ホルダ6の底壁62及び側壁63には、シース22の端面に干渉することでケーブル2の過挿入を抑制する段差部65aが形成されている。入口穴64は上方に開口する切欠き状に形成されている。シース収容空間65の両側に設けられた側壁63の上端部には、シース収容空間65側に突出しケーブル2が上方に抜けてしまうことを抑制するケーブル規制突起63aが設けられている。
(【0031】以降は省略されています)

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