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公開番号2021005146
公報種別公開特許公報(A)
公開日20210114
出願番号2019117357
出願日20190625
発明の名称異常検知装置および異常検知方法
出願人株式会社日立パワーソリューションズ
代理人青稜特許業務法人
主分類G05B 23/02 20060101AFI20201211BHJP(制御;調整)
要約【課題】
複数の時系列センサ信号に基づく異常検知において、異常検知感度を維持しながら、異常測度算出、クラスタリングともに高速に処理可能にする。
【解決手段】
異常検知装置において、指定された学習期間の特徴ベクトルをクラスタリングして各クラスタに属する特徴ベクトルを一定数に調整し、新たに抽出した特徴ベクトルに応じて1個のクラスタを選択し、選択したクラスタに属する全特徴ベクトルを用いて算出される基準ベクトルに基づいて異常測度を算出する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
設備に装着された複数のセンサから出力される複数の時系列のセンサ信号を入力するセンサ信号入力部と、
前記センサ信号から時刻毎に特徴ベクトルを抽出する特徴ベクトル抽出部と、
指定された学習期間の前記特徴ベクトルをクラスタリングして各クラスタに属する特徴ベクトルを一定数に調整するクラスタリング部と、
新たに抽出した前記特徴ベクトルに応じて前記クラスタから1個を選択するクラスタ選択部と、
前記選択したクラスタに属する全特徴ベクトルを用いて基準ベクトルを作成し、前記作成した基準ベクトルと前記新たに抽出した特徴ベクトルに基づいて異常測度を算出する異常測度算出部と、
前記異常測度をしきい値と比較することにより各時刻のセンサ信号が正常か異常かを判定する異常検出部とを備えることを特徴とする異常検知装置。
続きを表示(約 1,700 文字)【請求項2】
請求項1に記載の異常検知装置であって、
前記クラスタリング部は、クラスタ中心位置の初期配置を互いの類似度が低くなるように1個ずつクラスタを追加し、指定された基準類似度より互いの類似度が高くなるか、指定された最大数を超える場合に追加を停止することを特徴とする異常検知装置。
【請求項3】
請求項1に記載の異常検知装置であって、
前記クラスタリング部は、クラスタ中心位置の算出とクラスタメンバ振り分けの繰り返しにより行い、前記クラスタ中心位置の移動量が指定された基準値より小さくなるか、指定された最大数まで繰り返した場合に繰り返しを停止することを特徴とする異常検知装置。
【請求項4】
請求項1に記載の異常検知装置であって、
前記異常測度算出部は、異常検知時に、新たに抽出した特徴ベクトルと前記選択したクラスタの中心位置に基づいて仮の異常測度を算出し、前記仮の異常測度が前記しきい値以下の場合は、前記仮の異常測度を異常測度とすることを特徴とする異常検知装置。
【請求項5】
請求項1に記載の異常検知装置であって、
前記異常測度算出部は、前記クラスタ選択部におけるクラスタ選択の前に、新たに抽出した特徴ベクトルとその1時刻前の基準ベクトルに基づいて仮の異常測度を算出し、学習時は、前記仮の異常測度が所定の区間で算出済みの前記異常測度の最大値以下の場合、異常検知時は、前記仮の異常測度が前記しきい値以下の場合に、前記仮の異常測度を異常測度とすることを特徴とする異常検知装置。
【請求項6】
複数の時系列センサ信号を入力して時刻毎に特徴ベクトルを抽出し、
指定された学習期間の前記特徴ベクトルをクラスタリングして各クラスタに属する特徴ベクトルを一定数に調整し、
前記各クラスタの中心とクラスタに属する特徴ベクトルを学習データとして蓄積し、新たに抽出した特徴ベクトルに応じて、学習データとして蓄積したクラスタの中から1個のクラスタを選択し、
前記選択したクラスタに属する全特徴ベクトルを用いて基準ベクトルを作成し、
前記新たに抽出した特徴ベクトルと前記作成した基準ベクトルに基づき異常測度を算出し、
前記異常測度をしきい値と比較することにより各時刻のセンサ信号が異常か正常かを判定することを特徴とする異常検知方法。
【請求項7】
請求項6に記載の異常検知方法であって、
前記クラスタリングは、クラスタ中心位置の初期配置を互いの類似度が低くなるように1個ずつクラスタを追加し、指定された基準類似度より互いの類似度が高くなるか、指定された最大数を超える場合に、追加を停止することを特徴とする異常検知方法。
【請求項8】
請求項6に記載の異常検知方法であって、
前記クラスタリングは、クラスタ中心位置の算出とクラスタメンバ振り分けの繰り返しにより行い、前記クラスタ中心位置の移動量が指定された基準値より小さくなるか、指定された最大数まで繰り返した場合に、繰り返しを停止することを特徴とする異常検知方法。
【請求項9】
請求項6に記載の異常検知方法であって、
前記異常測度の算出は、新たに抽出した特徴ベクトルと前記選択したクラスタの中心位置に基づいて仮の異常測度を算出し、前記仮の異常測度が前記しきい値以下の場合は、前記仮の異常測度を異常測度とすることを特徴とすることを異常検知方法。
【請求項10】
請求項6に記載の異常検知方法であって、
前記異常測度の算出は、前記クラスタの選択の前に、新たに抽出した特徴ベクトルとその1時刻前の基準ベクトルに基づいて仮の異常測度を算出し、学習時は、前記仮の異常測度が所定の区間で算出済みの前記異常測度の最大値以下の場合、異常検知時は、前記仮の異常測度が前記しきい値以下の場合に、前記仮の異常測度を異常測度とすることを特徴とする異常検知方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、プラントや設備などが出力する複数の時系列センサ信号をもとに異常を早期に検知する異常検知装置および異常検知方法に関する。
続きを表示(約 8,700 文字)【背景技術】
【0002】
電力会社では、ガスタービンの廃熱などを利用して地域暖房用温水を供給したり、工場向けに高圧蒸気や低圧蒸気を供給したりしている。石油化学会社では、ガスタービンなどを電源設備として運転している。このようにガスタービンなどを用いた各種プラントや設備において、設備の不具合またはその兆候を検知する異常検知は、社会へのダメージを最小限に抑えるためにも極めて重要である。
【0003】
ガスタービンや蒸気タービンのみならず、水力発電所での水車、原子力発電所の原子炉、風力発電所の風車、航空機や重機のエンジン、鉄道車両や軌道、エスカレータ、エレベータ、機器・部品レベルでも、搭載電池の劣化・寿命など、上記のような予防保全を必要とする設備は枚挙に暇がない。
【0004】
このため、対象設備やプラントでは様々な物理情報を取得する複数のセンサを取り付け、センサ毎の監視基準に従って、対象設備やプラントが正常か異常かを判定される。
【0005】
本技術分野における従来技術として特許文献1がある。特許文献1には、センサ信号から特徴ベクトルを抽出し、抽出された特徴ベクトルをクラスタリングし、各クラスタの中心とクラスタに属するデータを学習データとして蓄積しておき、これらの中から新たに観測された特徴ベクトルに応じて1個または数個のクラスタを選択し、選択されたクラスタに属するデータの中から新たに観測された特徴ベクトルに応じて所定数の学習データを選択し、選択した学習データを用いて正常モデルを作成し、新たに観測された特徴ベクトルと正常モデルに基づき異常測度を算出し、算出した異常測度に基づき異常か正常かを判定する異常検知方法が開示されている。ここに異常測度とは、複数のセンサによる測定値を1つのベクトル値として表現し、正常状態のベクトル値からの偏移量のことである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2014−32455号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に記載の異常検知方法は、新たに観測された特徴ベクトルから異常測度を算出する際に、新たに観測された特徴ベクトルの1個または数個の近傍クラスタに属するデータの中から所定数の近傍データを探索するため、全学習データの中から所定数の近傍データを探索するよりも高速に処理可能である。しかしながら、近傍データを探索する処理が必要であり、この計算時間は依然として大きい。また、学習時にクラスタリングを行うため、学習に要する時間も大きい。
【0008】
本発明の目的は、上記課題を解決するため、複数の時系列センサ信号に基づく異常検知において、異常検知感度を維持しながら、異常測度算出、クラスタリングともに高速に処理可能な異常検知装置および異常検知方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上記背景技術及び課題に鑑み、その一例を挙げるならば、異常検知装置であって、設備に装着された複数のセンサから出力される複数の時系列のセンサ信号を入力するセンサ信号入力部と、センサ信号から時刻毎に特徴ベクトルを抽出する特徴ベクトル抽出部と、指定された学習期間の特徴ベクトルをクラスタリングして各クラスタに属する特徴ベクトルを一定数に調整するクラスタリング部と、新たに抽出した特徴ベクトルに応じてクラスタから1個を選択するクラスタ選択部と、選択したクラスタに属する全特徴ベクトルを用いて基準ベクトルを作成し、作成した基準ベクトルと新たに抽出した特徴ベクトルに基づいて異常測度を算出する異常測度算出部と、異常測度をしきい値と比較することにより各時刻のセンサ信号が正常か異常かを判定する異常検出部とを備える。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、高速に処理可能な異常検知装置および異常検知方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
本実施例における異常検知装置の機能構成ブロック図である。
本実施例における異常検知装置のハードウェアイメージのブロック構成図である。
本実施例における複数のセンサ信号をリスト化して表形式に表した例を示す図である。
本実施例における異常検知装置の行う全体の概略処理フロー図である。
本実施例における学習時のクラスタリング処理のフロー図である。
本実施例におけるクラスタ初期位置設定処理の処理フロー図である。
本実施例におけるk平均クラスタリング処理の処理フロー図である。
本実施例におけるクラスタメンバ調整処理のフロー図である。
本実施例における近傍データプリセット方式による異常測度算出処理を説明する図である。
本実施例における近傍データ探索方式による異常測度算出処理を説明する図である。
本実施例における学習時の異常測度算出処理のフロー図である。
本実施例における学習時の他の異常測度算出処理のフロー図である。
本実施例における異常検知時の異常測度算出処理のフロー図である。
本実施例における異常検知時の他の異常測度算出処理のフロー図である。
本実施例におけるオフライン解析条件を設定するGUIを示す図である。
本実施例におけるオンライン解析結果の表示対象を指定するGUIを示す図である。
本実施例における解析結果全体表示画面を示す図である。
本実施例における解析結果拡大表示画面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施例について、図面を用いて詳細に説明する。
【実施例】
【0013】
図1は、本実施例における異常検知装置の機能構成ブロック図である。図1において、異常検知装置100は、検知対象である設備101に装着されたセンサから出力されるセンサ信号102を、所定時間ごとに(周期的に)取得する。取得したセンサ信号102は、一旦センサ信号蓄積部103にて蓄積される。センサ信号入力部104は、センサ信号蓄積部103から、あるいは設備101に装着されたセンサから直接にセンサ信号102を入力し、特徴ベクトル抽出部105へ送る。特徴ベクトル抽出部105は、センサ信号102をもとに所定時間毎(以下、各時刻と表現する場合もある)特徴ベクトルを抽出し、クラスタリング部106とクラスタ選択部108へと送る。クラスタリング部106は、予め指定された学習期間の特徴ベクトルを用いてクラスタリングを行い、クラスタの中心とクラスタに属する特徴ベクトルを学習データとして学習結果蓄積部107に蓄積する。クラスタ選択部108は、学習データとして蓄積されたクラスタの中から、特徴ベクトル毎に特徴ベクトルに応じてクラスタを選択し、異常測度算出部109は、特徴ベクトル毎に、選択したクラスタに属する全特徴ベクトルを用いて異常測度を算出する。
【0014】
しきい値算出部110は、異常測度算出部109による学習データの異常測度に基づいてしきい値を算出する。しきい値算出部110で算出されたしきい値は学習結果として学習結果蓄積部107に保存される。異常検出部111は、異常測度算出部109から送られる各特徴ベクトルの異常測度と、しきい値算出部110で算出したしきい値とを比較することで、設備101の異常を検出し、検出結果112は外部に出力される。
【0015】
また、図2は本実施例における異常検知装置のハードウェアイメージのブロック構成図である。図2において、異常検知装置100は、一般的な情報処理装置である、処理装置(CPU)と記憶装置(メモリ)と入出力インターフェース(I/F)を有する装置によって実現される。すなわち、図1における異常検知装置100のセンサ信号入力部104、特徴ベクトル抽出部105、クラスタリング部106、クラスタ選択部108、異常測度算出部109、しきい値算出部110、異常検出部111の処理は、図2におけるメモリ20に格納されたそれらの処理プログラムをCPU10がソフトウェア処理することにより実行される。また、図1におけるセンサ信号蓄積部103と学習結果蓄積部107は、図2におけるメモリ20に対応する。また、入力I/F30で、センサ信号102取得する。また、図1における異常検出部111からの異常検出信号は、出力I/F40を介して、外部の表示装置等に出力される。
【0016】
なお、図1の各構成は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現してもよい。また、各構成をソフトウェアで実現する場合、各機能を実現するプログラム、データ、ファイル等の情報は、メモリのみならず、ハードディスク等の記録装置、または、ICカード等の記録媒体におくことができるし、必要に応じて無線ネットワーク等を介してダウンロードし、インストールすることも可能である。また、上記CPU10で行う処理を無線ネットワーク等を介してクラウド上で行ってもよい。
【0017】
ここで、以下で用いる用語の簡単な説明を行う。特徴ベクトルとは、複数のセンサによる測定値を1つのベクトル値として表現したものである。異常測度とは、注目する特徴ベクトルの、指定された期間の特徴ベクトルからの偏移量のことである。異常検知の対象とする設備101は、例えばガスタービンや蒸気タービンなどの設備やプラントである。
【0018】
図3は、複数のセンサ信号102をリスト化して表形式に表した例である。センサ信号102は、物理特性の異なる複数の物理情報が所定間隔毎に取得される多次元時系列信号である。図3に示す表の構成は、日時201の情報と、複数のセンサのセンサ信号値202を対応させて示している。センサは、数百から数千といった数になる場合もあり、それらの種類によって、例えば、シリンダ、オイル、冷却水などの温度、オイルや冷却水の圧力、軸の回転速度、室温、運転時間などをセンサ値として出力する。センサ値は、設備やプラントなどの出力や状態を表すのみならず、何かの状態をある値(たとえば目標値)に制御するための制御信号の場合もある。
【0019】
図4は、本実施例における異常検知装置100の行う全体の概要処理フロー図である。ここで、異常検知装置100の動作には、センサ信号蓄積部103に蓄積されたデータを用いて学習データの生成、保存を行う「学習」処理と、入力信号に基づき異常を検知する「異常検知」処理のフェーズがある。基本的に「学習」はオフラインの処理、「異常検知」はオンラインの処理である。ただし、「異常検知」をオフラインの処理とすることも可能である。以下の説明では、それらを「学習時」、「異常検知時」という言葉で区別する。
【0020】
図4(a)は学習時の異常測度算出処理で、学習期間のセンサ信号を入力し(S301)、特徴ベクトルの抽出(S302)とクラスタリング(S303)とクラスタ選択(S304)と異常測度の算出(S305)としきい値の算出(S306)を行う。図4(b)は異常検知時の異常判定処理で、検知対象のセンサ信号を入力し(S311)、特徴ベクトルの抽出(S312)とクラスタ選択(S313)と異常測度の算出(S314)を行う。そして、算出した異常測度を、S306で求めたしきい値と比較することにより、設備の正常/異常を判定する(S315)。
以下、図4(a)、(b)の詳細について説明するが、図4(a)の詳細なフローは、図5、図6、図7、図8、図10A、図10Bで、図4(b)の詳細なフローは、図11A、図11Bにて説明する。
【0021】
まず、図4(a)の学習時の異常測度算出処理について説明する。ステップS302において、特徴ベクトル抽出部105は、入力したセンサ信号の正準化および特徴ベクトルの抽出を行う。センサ信号の正準化は、単位及びスケールの異なる複数のセンサ信号を同様に扱うために行う。具体的には、各センサ信号の学習期間の平均と標準偏差を用いて、平均が0、分散が1となるように各センサ信号を変換する。異常検知時に同じ変換ができるように、各センサ信号の平均と標準偏差を学習結果蓄積部107に記憶しておく。または、各センサ信号の学習期間の最大値と最小値を用いて、最大が1、最小が0となるように各センサ信号を変換する。または、最大値と最小値の代わりに予め設定した上限値と下限値を用いてもよい。この場合は、異常検知時に同様の変換ができるように、各センサ信号の最大値と最小値または上限値と下限値を学習結果蓄積部107に記憶しておく。
【0022】
特徴ベクトル抽出は、センサ信号を正準化したものをそのまま要素として並べてベクトルとする。あるいは、ある時刻に対して±1,±2,・・・のウィンドウを設け、ウィンドウ幅(3,5,・・・)×センサ数の特徴ベクトルとすることで、センサ信号の時間変化を表す特徴を抽出することもできる。また、離散ウェーブレット変換(DWT:Discrete Wavelet Transform)を施して、周波数成分に分解してもよい。
【0023】
図5は、本実施例における学習時のクラスタリング処理(S303)のフロー図である。図5において、最初に、特徴ベクトル抽出部105で抽出された学習期間の特徴ベクトルを入力する(S401)。次に、クラスタリング部106において、学習期間を複数の区間に分ける(S402)。1区間は一定の長さであることが望ましく、例えば1日を1区間とする。あるいは、化学プラントのようなバッチ処理の場合はバッチ毎、加工装置の場合は加工対象個体毎、MRIのような医療装置の場合は検査対象者毎としてもよい。次に入力された特徴ベクトルに基づいて、クラスタ中心初期配置を行い(S403)、k平均クラスタリングを行う(S404)。そして、各クラスタのメンバの調整を行う(S405)。ここで、クラスタのメンバとは、クラスタに属する特徴ベクトルのことである。S403において、異なる区間の特徴ベクトル同士の類似度は0とみなす。また、ステップS404およびステップS405の処理では、1つのクラスタに異なる区間の特徴ベクトルが混在しないようにする。次に、学習結果蓄積部107において、各クラスタの区間IDと中心とクラスタメンバを記録する(S406)。以下、クラスタ中心初期配置(S403)、k平均クラスタリング(S404)、クラスタメンバ調整(S405)について、詳細に説明する。
【0024】
まず、クラスタ中心初期配置(S403)について説明する。図6は、本実施例におけるクラスタ中心位置の初期設定処理のフロー図である。図6において、始めに、クラスタの最大数および初期配置の打切り基準値、すなわち、基準類似度、を入力する(S501)。次に、指定された学習期間の最初の特徴ベクトルを最初のクラスタ中心とする(S502)。次に、クラスタ最大数までステップS504〜S507の処理を繰り返す(S503)。まず、設定済みのクラスタ中心と学習期間の全特徴ベクトルとの類似度を算出する(S504)。類似度は1/(1+距離)で算出する。ただし区間が異なる場合は類似度を0とする。次に、全特徴ベクトルについてクラスタ中心との類似度の最大値を求める(S505)。この値の最小値が打切り基準値よりも小さければ(S506)、クラスタ中心との類似度の最大値が最小となる特徴ベクトルを次のクラスタ中心とする(S507)。つまり、最も近いクラスタ中心まで最も遠い特徴ベクトルをクラスタ中心とする。クラスタ数が最大数に達すればループを抜けて処理終了となる(S508)。また、ステップS506において類似度の最大値の最小値が打切り基準値以上であれば、処理を打切り、すなわちループを抜けて処理終了となる(S508)。この打切りにより、クラスタ数を必要最低限に抑えることが可能となるため、クラスタ中心初期配置処理の計算時間を短縮できるだけではなく、クラスタリング処理全体と異常測度算出処理の計算時間も短縮できる。
【0025】
クラスタ中心の初期位置は、一般的にランダムに配置する場合が多く、本実施例においてもランダムに配置してもよい。しかし、運転、停止の切り替えがある設備において、その過渡状態のデータは定常状態のデータより少ないため、ランダムに選択すると初期中心位置に選ばれにくい。すると、過渡状態のデータがクラスタ中心算出に与える影響が相対的に小さくなってしまう。上記で説明したクラスタ中心初期配置処理の方法は、クラスタ中心をお互いに遠くに初期配置することを狙ったものであり、これにより、過渡状態のクラスタを増やすことができる。
【0026】
次に、k平均クラスタリング(S404)について説明する。図7は、本実施例におけるk平均法によるクラスタリング処理のフロー図である。図7において、始めに、繰り返し最大数と打切り基準値を入力する(S601)。次に、繰り返し最大数までステップS603〜S605の処理を繰り返す(S602)。まず、指定された学習期間の全特徴ベクトルを対象としてクラスタメンバの振り分けを行う(S603)。具体的には各特徴ベクトルを最も中心までの距離が近いクラスタのメンバとする。各クラスタについて、全クラスタメンバの特徴ベクトルの平均を新しいクラスタ中心ベクトルとする(S604)。クラスタ中心の移動量が打切り基準値より大きい場合(S605)、ループの最初の処理(S603)に戻る。そうでない場合は、ループを抜けて処理を終了する(S606)。また、繰り返し最大数に達した場合、ループを抜け、処理を終了する(S606)。
【0027】
クラスタメンバ振り分け(S603)において、特徴ベクトルの区間とステップS406で記録されたクラスタの区間IDが一致しない場合は、距離を無限大とみなす。したがって、一つのクラスタの全メンバが同じ区間の特徴ベクトルとなる。これにより、距離算出処理を大幅に省略することができる。
【0028】
次に、クラスタメンバ調整(S405)について説明する。この処理は、各クラスタのメンバ数を異常測度算出に必要な近傍データの数に揃えることを目的とする。図8は、本実施例におけるクラスタメンバ調整処理のフロー図である。始めに、クラスタメンバ数の指定値を入力する(S701)。次に、各クラスタについて、ステップS703〜S706の処理を繰り返す(S702)。まず、クラスタのメンバ数が指定した数より少なければ(S703)、クラスタにメンバを追加して指定された数になるようにする(S704)。追加するメンバは、メンバ以外の特徴ベクトルのうちクラスタ中心から近い順に決める。ステップS703においてクラスタのメンバ数が指定値以上であれば、ステップS704をスキップする。次に、クラスタのメンバ数が指定値より多ければ(S705)、間引いて指定した数になるようにする(S706)。間引くメンバはランダムに決めてよい。クラスタのメンバ数が多いということは、特徴空間上でベクトルの密度が高いということであり、どのメンバを削除しても大差ないからである。
【0029】
次に、クラスタ選択部108、異常測度算出部109およびしきい値算出部110における、図4(a)の学習時の処理(S304〜S306)について説明する。なお、異常測度算出処理には2種の方式があり、いずれかの方式を予め選択しておくものとする。以下の説明ではそれぞれ近傍データプリセット方式、近傍データ探索方式と呼ぶこととする。
【0030】
図9Aは、近傍データプリセット方式による異常測度算出処理を説明する図である。注目ベクトルqの最近傍クラスタのメンバであるk個のベクトルが張るk−1次元のアフィン部分空間へ注目ベクトルqを投影したときの投影距離を測る。図9Aは、k=3の場合の例である。3個のベクトルx1〜x3でアフィン部分空間すなわち平面を形成し、注目ベクトルqに最も近いアフィン部分空間上の点Xbが投影点(基準ベクトル)となり、注目ベクトルqから基準ベクトルXbまでの距離が異常測度である。なお、kは特徴ベクトルの次元数より十分小さければいくつでもよい。
(【0031】以降は省略されています)

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