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公開番号2021004965
公報種別公開特許公報(A)
公開日20210114
出願番号2019118234
出願日20190626
発明の名称トナー
出願人キヤノン株式会社
代理人個人
主分類G03G 9/087 20060101AFI20201211BHJP(写真;映画;光波以外の波を使用する類似技術;電子写真;ホログラフイ)
要約【課題】低温定着性と高温高湿度環境下においても帯電維持性が高いレベルで両立できるトナー、およびその製造方法を提供する。
【解決手段】非晶性樹脂および結晶性オレフィン系水酸基含有共重合体を含有するトナー粒子を有するトナーであって、前記結晶性オレフィン系水酸基含有共重合体は、別途示されるモノマーユニットY1とモノマーユニットY2とを有し、前記結晶性オレフィン系水酸基含有共重合体の水酸基価が、20mgKOH/g以上200mgKOH/g以下であり、前記トナー粒子中の前記結晶性オレフィン系水酸基含有共重合体の含有量が、前記トナー粒子中の非晶性樹脂100質量部に対して1以上30質量部以下である。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
非晶性樹脂および結晶性オレフィン系水酸基含有共重合体を含有するトナー粒子を有するトナーであって、
前記結晶性オレフィン系水酸基含有共重合体は、下記式(1)で示されるモノマーユニットY1と下記式(2)で示されるモノマーユニットY2とを有し、
前記結晶性オレフィン系水酸基含有共重合体の水酸基価が、20mgKOH/g以上200mgKOH/g以下であり、
前記トナー粒子中の前記結晶性オレフィン系水酸基含有共重合体の含有量が、前記トナー粒子中の非晶性樹脂100質量部に対して1以上30質量部以下であることを特徴とするトナー:
(前記式(1)及び(2)中、R

はH又はCH

を示し、R

はH又はCH

を示す。)
続きを表示(約 500 文字)【請求項2】
前記結晶性オレフィン系水酸基含有共重合体の全質量をWとし、
前記式(1)で示されるモノマーユニットY1の質量をlとし、
前記式(2)で示されるモノマーユニットY2の質量をmとしたときに、
該結晶性オレフィン系水酸基含有共重合体における、(l+m)/Wの値が、0.80以上である、請求項1に記載のトナー。
【請求項3】
前記結晶性オレフィン系水酸基含有共重合体の融点が、80℃以上150℃以下である、請求項1又は2に記載のトナー。
【請求項4】
前記結晶性オレフィン系水酸基含有共重合体の軟化点が、100℃以上160℃以下である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のトナー。
【請求項5】
前記非晶性樹脂が非晶性ポリエステルである請求項1〜4のいずれか1項に記載のトナー。
【請求項6】
前記非晶性樹脂が、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物を50モル%以上含むアルコールモノマーとカルボン酸モノマーとを縮重合して得られる非晶性ポリエステルである請求項1〜5のいずれか1項に記載のトナー

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真方式の画像形成方法において使用するトナーに関する。
続きを表示(約 6,300 文字)【背景技術】
【0002】
近年、画像形成に際して、省エネルギー化への要求の高まりに伴い、トナーの定着温度をより低温化させる取り組みが採られるようになってきている。その一つとして、軟化温度の低いポリエステルを用いることで、さらに定着温度を下げることが提案されている。ところが、軟化温度が低いために、保存時や輸送時等の静置状態下でトナー同士が融着してしまいブロッキングが発生することがある。
【0003】
そこでブロッキング耐性と低温定着性の両立の手段として、融点を超えると粘度が大きく低下するシャープメルト性を有した結晶性樹脂を用いる技術が提案されている。(特許文献1)しかしながら、結着樹脂として結晶性樹脂である結晶性ポリエステルを単独で用いる場合、結晶性ポリエステルの電気抵抗の低さに起因して、摩擦帯電後に徐々にトナーの電荷が逃げてしまうことが大きな課題であった。
【0004】
そこで、結晶性ポリエステルの添加量を下げ、結晶性ポリエステルと相溶性の高い非晶性樹脂を混合して用いたトナーが提案されている(特許文献2)。
また、結晶性ポリエステルのエステル基濃度を一定量以下にすることで、極性を下げて電気抵抗を改善した結晶性ポリエステルが提案されている。(特許文献3)
また、結晶性ポリエステルと同様の作用を示すものとして、炭素数16以上の長鎖炭化水素骨格を有するアルコール化合物、エステル化合物、アミド化合物、カルボン酸化合物などの極性官能基を含有する低分子結晶性化合物を用いる技術が提案されている。(特許文献3)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開平4−120554号公報
特開2011−81355号公報
特開2008−281884号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記特許文献2に開示されているように、結着樹脂として結晶性ポリエステルと共に、非晶性樹脂を含有するトナーの場合、相溶性の高い樹脂同士を組み合わせると、シャープメルト性が良化し、低温定着性が向上する。しかしながら、非晶性樹脂との相溶性を高めるためには、より極性の低い結晶性ポリエステルの極性を高める必要があるため、電気抵抗が低い結晶性ポリエステルに起因した帯電保持性の低下が誘起され、帯電性が低下する場合があった。
【0007】
上記特許文献3に開示されているように、結晶性ポリエステルのエステル基濃度を調整し、低極性化させた場合、結晶性ポリエステルの電気抵抗が高くなることで、帯電性は良化するものの、同時に非晶性樹脂との極性差が広がり、相溶性が下がる。このため、低温定着性は十分ではない場合があった。
すなわち、従来の結晶性ポリエステルと非晶性樹脂とを含むトナーの場合、低温定着性と帯電性とがトレードオフの関係である。このため、結晶性ポリエステルの極性を制御し、結晶性樹脂と非晶性樹脂との相溶性を制御するだけでは、低温定着性と帯電性とを高いレベルで両立することは難しかった。
【0008】
上記特許文献3に開示されているように、結晶性ポリエステルの代わりに、極性官能基を含有する低分子結晶性化合物をトナーに含有した場合も同様に、高温高湿度環境下において、摩擦帯電後に徐々に電荷が逃げてしまう場合があった。特に高温高湿度環境下での帯電性が十分ではなかった。極性官能基を含有する低分子結晶性化合物としては、炭素数16以上の長鎖炭化水素骨格を有するアルコール化合物、エステル化合物、アミド化合物、またはカルボン酸化合物などが挙げられる。高温高湿度環境下での帯電性が十分ではないことは、前記低分子結晶性化合物が、非晶性樹脂との相溶性を高めるために高極性の官能基を含有していることに起因している。すなわち、非晶性樹脂がポリエステルやスチレンアクリル樹脂などトナーの結着樹脂として一般的に使用される樹脂の場合、上記の官能基は極性が高いほど、非晶性樹脂と炭素数16以上の長鎖炭化水素骨格を有する低分子結晶性化合物との相溶性は高まる。このため、低温定着性は良好となるが、官能基の極性の高さが起因して高温高湿度環境下における帯電性が低下してしまうというトレードオフの関係であった。
そこで本発明の目的は、低温定着性と高温高湿度環境下における帯電維持性とが高いレベルで両立できるトナーを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、可塑剤由来の帯電性を良化させるために、体積抵抗が高く、ガラス転移温度が室温以下である結晶性樹脂である、エチレンやプロピレンなどのオレフィン系化合物に由来するモノマーユニットを有する共重合体に着目した。
本発明者らは、オレフィン系材料と非晶性樹脂との相溶性を改善させるために、オレフィン系材料中に水酸基を含有させ、極性を向上させることで低温定着性を良化させる検討を試みた。
【0010】
水酸基を有するオレフィン系樹脂として、食品包装用途などに一般的に使用されているエチレンポバール(EVOH:エチレン−ビニルアルコール共重合体)を用いた検討を実施した。その結果、該材料では相溶性の向上は確認できたものの、該材料の融点が高いため低温定着性は十分ではなく、多量の水酸基の極性に起因した帯電保持性にも課題があった。
【0011】
そこで、本発明者らのさらなる検討の結果、水酸基価が、20mgKOH/g以上200mgKOH/g以下の結晶性オレフィン系水酸基含有共重合体を可塑剤として用いることで低温定着性、帯電保持性に優れたトナーが得られた。オレフィン系水酸基含有共重合体の水酸基の含有量を制御することで、水素結合に起因した分子間力が弱まるため、融点が低下する。また、水酸基価を上記範囲に制御した場合、本発明の結晶性オレフィン系水酸基含有共重合体は、水酸基を有するにも関わらず、同等の溶解度パラメーター(極性)を有する従来の結晶性化合物と比較して大幅に高抵抗になり、帯電保持性が向上した。詳細は不明だが、電荷漏洩を誘起する極性の高い水酸基が極性の低いオレフィン部位中でミクロ相分離を起こすために、水酸基の運動性が低下し、抵抗が高まったものと考えている。
【0012】
すなわち、本発明は、非晶性樹脂および結晶性オレフィン系水酸基含有共重合体を含有するトナー粒子を有するトナーであって、
前記結晶性オレフィン系水酸基含有共重合体は、下記式(1)で示されるモノマーユニットY1と下記式(2)で示されるモノマーユニットY2とを有し、
前記結晶性オレフィン系水酸基含有共重合体の水酸基価が、20mgKOH/g以上200mgKOH/g以下であり、
前記トナー粒子中の前記結晶性オレフィン系水酸基含有共重合体の含有量が、前記トナー粒子中の非晶性樹脂100質量部に対して1以上30質量部以下である。
【0013】
【0014】
(前記式(1)及び(2)中、R

はH又はCH

を示し、R

はH又はCH

を示す。)
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、低温定着性と高温高湿度環境下における帯電維持性とが高いレベルで両立できるトナーを提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明において、数値範囲を表す「○○以上××以下」や「○○〜××」の記載は、特に断りのない限り、端点である下限及び上限を含む数値範囲を意味する。
また、モノマーユニットとは、ポリマー又は樹脂中のモノマー物質の反応した形態をいう。
本発明のトナーは、非晶性樹脂および結晶性オレフィン系水酸基含有共重合体を含有するトナー粒子を有するトナーであって、
前記結晶性オレフィン系水酸基含有共重合体は、下記式(1)で示されるモノマーユニットY1と下記式(2)で示されるモノマーユニットY2とを有し、
前記結晶性オレフィン系水酸基含有共重合体の水酸基価が、20mgKOH/g以上200mgKOH/g以下であり、
前記トナー粒子中の前記結晶性オレフィン系水酸基含有共重合体の含有量が、前記トナー粒子中の非晶性樹脂100質量部に対して1以上30質量部以下である。
【0017】
【0018】
(前記式(1)及び(2)中、R

はH又はCH

を示し、R

はH又はCH

を示す。)
【0019】
本発明において、結晶性オレフィン系水酸基含有共重合体とは、ポリオレフィン骨格に、共重合などの手段で水酸基を有するモノマーユニットが導入された高分子である。具体的には上記式(1)で示されるモノマーユニットY1と、上記式(2)で示されるモノマーユニットY2を有する。
以下、式(1)で示されるモノマーユニットY1、及び、式(2)で示されるモノマーユニットY2に関し具体的に説明する。
【0020】
式(1)で示されるモノマーユニットY1、及び、式(2)で示されるモノマーユニットY2において、R

がH、及び、R

がHである結晶性オレフィン系水酸基含有共重合体(以下、エチレン−ポバールともいう)が融点を低く設計できる。このため低温定着性の観点から好ましい。
該結晶性オレフィン系水酸基含有共重合体は、1種又は複数種含有されてもよい。
【0021】
また、結晶性オレフィン系水酸基含有共重合体の全質量をWとし、
式(1)で示されるモノマーユニットY1の質量をlとし、
式(2)で示されるモノマーユニットY2の質量をmとしたときに、
低温定着性や帯電維持性の観点から、樹脂成分に含まれる結晶性オレフィン系水酸基含有共重合体における(l+m)/Wの値は、0.80以上であることが好ましく、0.95以上であることがより好ましく、1.00であることがさらに好ましい。
【0022】
該結晶性オレフィン系水酸基含有共重合体は、該モノマーユニットY1及びモノマーユニットY2以外のモノマーユニットを含有してもよい。本発明の効果を損なわなければ特に限定はされないが、例えば、下記式(3)で示されるモノマーユニットや、下記式(4)で示されるモノマーユニットや、下記式(5)で示されるモノマーユニットなどが挙げられる。
これらは、結晶性オレフィン系水酸基含有共重合体を製造する共重合反応の際に、相当するモノマーを添加することや、結晶性オレフィン系水酸基含有共重合体を高分子反応により変性させることで導入することができる。
【0023】
【0024】
【0025】
(前記式(5)中、R

はH又はCH

を示し、R

はCH

又はC



を示す。)
【0026】
低温定着性の観点から、本発明における結晶性オレフィン系水酸基含有共重合体の含有量は、後述する非晶性樹脂100質量部に対して、1質量部以上、30質量部以下である。該結晶性オレフィン系水酸基含有共重合体を、非晶性樹脂100質量部に対し15質量部以上含有させることによって、低温定着性がより良好になる。また、該結晶性オレフィン系水酸基含有共重合体を30質量部以下含有することによって、帯電性が向上する。
【0027】
本発明における結晶性オレフィン系水酸基含有共重合体は、後述する非晶性樹脂を含有するマトリックス中で相分離しており、ドメインを形成している。前記のようなマトリックスドメイン構造は透過型電子顕微鏡(TEM)を用いたトナーの断面観察により、以下のように測定する。
【0028】
まず、観察すべきトナー粒子を常温硬化性のエポキシ樹脂中に十分に分散させた後、温度40℃の雰囲気中で1日間以上硬化反応させて、トナーを包埋した硬化物を得る。次に、ダイヤモンド歯を備えたミクロトームを用いて、硬化物から超薄膜切片を切り出し、得られた薄膜切片を四酸化ルテニウム及び/または四酸化オスミニウムにて染色を施した。その後、透過型電子顕微鏡(TEM)を用い、トナー粒子1個の断面が視野に入る倍率(約10000倍)にて写真撮影する。四酸化ルテニウムや四酸化オスミニウムで染色することで、トナーに含有する結晶化度の異なる成分がコントラストを持って染色される。このため、透過型電子顕微鏡観察により、トナー中に含有する結晶性オレフィン系水酸基含有共重合体のドメインを同定することができる。
【0029】
本発明のトナーにおいて、必要に応じて添加する離型剤を含む場合、結晶性オレフィン系水酸基含有共重合体のドメインと離型剤のドメインとは、たとえば、以下の方法で同定することができる。
まず、観察すべきトナー粒子を常温硬化性のエポキシ樹脂中に十分に分散させた後、温度40℃の雰囲気中で1日間以上硬化反応させて、トナーを包埋した硬化物を得る。次に、ダイヤモンド歯を備えたミクロトームを用いて、トナーを包埋した硬化物の断面を出し、断面が露出した状態の硬化物を離型剤のみが溶解するような有機溶剤(例えばヘキサン)中に3時間浸漬し、離型剤ドメインのみを抽出する。その後、温度40℃の雰囲気中で1日間以上硬化物を乾燥し、超薄膜切片を切り出し、得られた薄膜切片を四酸化ルテニウム及び/または四酸化オスミニウムにて染色を施した。その後、透過型電子顕微鏡(TEM)を用い、トナー粒子1個の断面が視野に入る倍率(約10000倍)にて写真撮影する。離型剤のドメインは上記工程でヘキサン中に溶解するため、得られるTEM画像では、離型剤のドメイン部分は空隙を形成し、結晶性オレフィン系水酸基含有共重合体のドメインのみが染色される。
【0030】
また、異なる方法としてはEDAX(エネルギー分散型X線分析)のようなX線による元素分析により、離型剤、結晶性オレフィン系水酸基含有共重合体が特有の元素を含有する場合は上記手法のように分離作業をすることなく、同定することができる。
本発明における結晶性オレフィン系水酸基含有共重合体を含有するドメインのサイズは、10nm以上、500nm以下であることが好ましい。ドメインのサイズが小さいほど可塑効果が向上することから、前記ドメインサイズは、10nm以上、300nm以下であることが好ましい。前記ドメインサイズは、後述する非晶性樹脂との相溶性に由来した化学的な親和性と、製造条件などによって制御することができる。
(【0031】以降は省略されています)

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