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公開番号2021003725
公報種別公開特許公報(A)
公開日20210114
出願番号2019118746
出願日20190626
発明の名称積層造形物の製造方法
出願人株式会社神戸製鋼所
代理人特許業務法人栄光特許事務所
主分類B23K 9/04 20060101AFI20201211BHJP(工作機械;他に分類されない金属加工)
要約【課題】必要に応じて溶着ビードの溶け込み量を容易に調整して高品質な積層造形物を製造することが可能な積層造形物の製造方法を提供する。
【解決手段】溶加材MをアークAcによって溶融及び凝固させた溶着ビードBが積層された積層造形物Wの製造方法であって、第一アーク長L1によって溶着ビードB1を形成する第一造形工程と、第一アーク長L1に対して異なるアーク長である第二アーク長L2aによって溶着ビードB2aを形成する第二造形工程と、を含む。
【選択図】図2B
特許請求の範囲【請求項1】
溶加材をアークによって溶融及び凝固させた溶着ビードが積層された積層造形物の製造方法であって、
第一アーク長によって溶着ビードを形成する第一造形工程と、
前記第一アーク長に対して異なるアーク長である第二アーク長によって溶着ビードを形成する第二造形工程と、
を含む
積層造形物の製造方法。
続きを表示(約 630 文字)【請求項2】
前記第二造形工程において、前記溶着ビードを形成するトーチを、溶接方向の前方または後方に傾けて後退角または前進角を付与しながら前記第二アーク長によって溶着ビードを形成する
請求項1に記載の積層造形物の製造方法。
【請求項3】
前記第二造形工程において、前記第二アーク長による溶着ビードの形成を、下層を傾けて溶接する上進溶接または下進溶接によって行う
請求項1に記載の積層造形物の製造方法。
【請求項4】
前記積層造形物の形状データを用いて、前記溶着ビードの積層手順及び形状の軌道計画を作成する軌道計画作成工程をさらに含み、
前記第二造形工程において、前記溶着ビードを形成するトーチの傾き角度または下層の傾き角度を調整し、前記軌道計画で定めた形状の溶着ビードを形成する
請求項2または請求項3に記載の積層造形物の製造方法。
【請求項5】
前記第一造形工程によって第一領域を造形し、
前記第二造形工程によって前記第一領域の外側の第二領域を造形する
請求項1〜4のいずれか一項に記載の積層造形物の製造方法。
【請求項6】
前記第二造形工程において、硬化肉盛り用の溶加材からなる溶着ビードを、前記第一アーク長よりも長い前記第二アーク長で形成して硬化層となる前記第二領域を造形する
請求項5に記載の積層造形物の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、積層造形物の製造方法に関する。
続きを表示(約 4,700 文字)【背景技術】
【0002】
近年、生産手段としての3Dプリンタのニーズが高まっており、特に金属材料への適用については航空機業界等で実用化に向けて研究開発が行われている。金属材料を用いた3Dプリンタは、レーザやアーク等の熱源を用いて、金属粉体や金属ワイヤを溶融させ、溶融金属を積層させて造形物を造形する。
【0003】
このような造形技術において、上側の層に向かうにつれて、溶接トーチを幅方向内側に傾斜させる角度を大きくし、溶接母材に形成された熱影響部に対して、残層の溶接ビードを形成する時の熱を掛かりやすくし、溶接母材の健全性を良好に保つことが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、アーク溶接を行う際に、アーク電圧の測定値と電極の消耗度合とを考慮して、長時間溶接で電極が消耗しても、基準アーク電圧等を自動的に補正してアーク長を一定に保ち、溶け込み不足や融合不良等の溶接不良を低減させる技術が知られている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特許第5909097号公報
特開2002−283053号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、溶着ビードを積層させて造形物を製造する場合、その製造する造形物の構造等によっては、積層させる溶着ビードの各層における溶け込み量の調整が必要となる場合が生じる。
【0007】
例えば、造形物に硬化肉盛り用の溶着ビードを積層させて硬化肉盛り層を形成する場合、下地層への溶け込み量が多いと希釈率が高くなり、要求強度が得られない場合がある。この場合、十分な強度を得るために硬化肉盛り用の溶着ビードを余分に盛らなければならず、非効率な作業が発生して製造コストが嵩んでしまう。また、下地層との融合や部品同士の接合においては、下地層に対する溶け込みを深くして接合度を高めることが要求される場合がある。
【0008】
上記特許文献1,2に記載の技術では、必要に応じて溶け込み量を調整することが困難である。このため、容易に溶け込み量を調整しつつ溶着ビードを積層して造形物を製造することが望まれている。
【0009】
本発明は、上記事項に鑑みてなされたものであり、その目的は、必要に応じて溶着ビードの溶け込み量を容易に調整して高品質な積層造形物を製造することが可能な積層造形物の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は下記構成からなる。
溶加材をアークによって溶融及び凝固させた溶着ビードが積層された積層造形物の製造方法であって、
第一アーク長によって溶着ビードを形成する第一造形工程と、
前記第一アーク長に対して異なるアーク長である第二アーク長によって溶着ビードを形成する第二造形工程と、
を含む
積層造形物の製造方法。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、必要に応じて溶着ビードの溶け込み量を容易に調整して高品質な積層造形物を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
積層造形物の製造に用いる製造システムの構成図である。
積層造形物の製造手順を示す製造途中の積層造形物の断面図である。
積層造形物の製造手順を示す製造途中の積層造形物の断面図である。
積層造形物の製造手順を示す製造途中の積層造形物の断面図である。
積層造形物の製造手順を示す製造途中の積層造形物の断面図である。
積層造形物の製造手順を示す製造途中の積層造形物の断面図である。
積層造形物の製造手順を示す製造途中の積層造形物の断面図である。
積層造形物の製造手順を示す製造途中の積層造形物の断面図である。
積層造形物の一例を示す積層造形物の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
まず、本発明の積層造形物の製造方法が適用される製造システムについて説明する。
図1は本発明の積層造形物の製造方法が適用される製造システムの模式的な概略構成図である。
【0014】
図1に示すように、本構成の製造システム100は、積層造形装置11と、積層造形装置11を統括制御するコントローラ15と、を備える。
【0015】
積層造形装置11は、先端軸にトーチ17を有する溶接ロボット19と、トーチ17に溶加材Mを供給する溶加材供給部21とを有する。トーチ17は、溶加材Mを先端から突出した状態に保持する。
【0016】
コントローラ15は、CAD/CAM部31と、軌道演算部33と、記憶部35と、これらが接続される制御部37と、を有する。
【0017】
溶接ロボット19は、多関節ロボットであり、先端軸に設けたトーチ17は、溶加材Mが連続供給可能に支持される。トーチ17の位置や姿勢は、ロボットアームの自由度の範囲で3次元的に任意に設定可能となっている。
【0018】
トーチ17は、不図示のシールドノズルを有し、シールドノズルからシールドガスが供給される。本構成で用いられるアーク溶接法としては、被覆アーク溶接や炭酸ガスアーク溶接等の消耗電極式、TIG溶接やプラズマアーク溶接等の非消耗電極式のいずれであってもよく、作製する積層造形物Wに応じて適宜選定される。
【0019】
例えば、消耗電極式の場合、シールドノズルの内部にはコンタクトチップが配置され、溶融電流が給電される溶加材Mがコンタクトチップに保持される。トーチ17は、溶加材Mを保持しつつ、シールドガス雰囲気で溶加材Mの先端からアークを発生する。溶加材Mは、ロボットアーム等に取り付けた不図示の繰り出し機構により、溶加材供給部21からトーチ17に送給される。そして、トーチ17を移動しつつ、連続送給される溶加材Mを溶融及び凝固させると、母材10上に溶加材Mの溶融凝固体である線状の溶着ビードBが形成される。
【0020】
CAD/CAM部31は、作製しようとする積層造形物Wの形状データを作成した後、複数の層に分割して各層の形状を表す層形状データを生成する。軌道演算部33は、生成された層形状データに基づいてトーチ17の移動軌跡を求める。記憶部35は、生成された層形状データやトーチ17の移動軌跡等のデータを記憶する。
【0021】
制御部37は、記憶部35に記憶された層形状データやトーチ17の移動軌跡に基づく駆動プログラムを実行して、溶接ロボット19を駆動する。つまり、溶接ロボット19は、コントローラ15からの指令により、軌道演算部33で生成したトーチ17の移動軌跡に基づき、溶加材Mをアークで溶融させながらトーチ17を移動する。
【0022】
ところで、溶着ビードBを積層させて積層造形物Wを製造する場合、その製造する積層造形物Wの構造によっては、積層させる溶着ビードBの各層における溶け込み量の調整が必要となる場合が生じる。
【0023】
本実施形態では、下層に対する溶け込み量を調整するために、アーク長を調整して溶着ビードBを積層させる。以下、アーク長を調整して溶着ビードBを積層させて積層造形物Wを製造する方法について説明する。
図2A〜図2Cは、積層造形物の製造手順を示す製造途中の積層造形物の断面図である。
【0024】
(溶け込み量を小さくする場合)
(1)第一造形工程
図2Aに示すように、トーチ17の先端から突出する溶加材MをアークAcによって溶融させることにより溶着ビードB1を形成して積層させ、溶着ビードB1からなる積層体W1を造形する。このとき、アークAcのアーク長を、第一アーク長L1として溶着ビードB1を形成する。
【0025】
(2)第二造形工程
図2Bに示すように、トーチ17の先端から突出する溶加材MをアークAcによって溶融させることにより、溶着ビードB1の積層体W1上に溶着ビードB2aを形成して積層させる。このとき、アークAcのアーク長を、アーク電圧を高くすることにより、第一アーク長L1よりも長い第二アーク長L2aとして溶着ビードB2aを形成する。
【0026】
このように、アーク電圧を高めて第一アーク長L1よりも長い第二アーク長L2aで溶着ビードB2aを形成して積層させることで、アークAcの照射箇所でアークAcが分散してアーク圧力が下がり、下層の溶着ビードB1への溶け込みが浅くなる。つまり、下層の溶着ビードB1に対する上層の溶着ビードB2aの溶け込み量を小さくすることができる。
【0027】
(溶け込み量を大きくする場合)
(1)第一造形工程
トーチ17の先端から突出する溶加材MをアークAcによって溶融させることにより溶着ビードB1を形成して積層させ、溶着ビードB1からなる積層体W1を造形する。このとき、アークAcのアーク長を、第一アーク長L1として溶着ビードB1を形成する(図2A参照)。
【0028】
(2)第二造形工程
図2Cに示すように、トーチ17の先端から突出する溶加材MをアークAcによって溶融させることにより、溶着ビードB1の積層体W1上に溶着ビードB2bを形成して積層させる。このとき、アークAcのアーク長を、アーク電圧を低くすることにより、第一アーク長L1よりも短い第二アーク長L2bとして溶着ビードB2bを形成する。
【0029】
このように、アーク電圧を低めて第一アーク長L1よりも短い第二アーク長L2bで溶着ビードB2bを形成して積層させることで、アークAcの照射箇所でアークAcが集中してアーク圧力が上がり、下層の溶着ビードB1への溶け込みが深くなる。つまり、下層の溶着ビードB1に対する上層の溶着ビードB2bの溶け込み量を大きくすることができる。
【0030】
上記のようなアーク長の調整を行うのが有効な場合の例としては、以下のものがある。
(アーク長を長くして溶け込みを浅くするのが有効な場合)
(1)硬化肉盛り層の希釈率の低減
希釈率を低減させて硬化肉盛り層の強度低下を抑制することができる。
(2)合金成分の蒸発の抑制
蒸発しやすい亜鉛(Zn)などの合金成分の蒸発を抑制することができ、ポロシティの発生を抑制することができる。
(アーク長を短くして溶け込みを深くするのが有効な場合)
(1)溶け込み不良等の溶接欠陥の解消
下層への溶け込み量を大きくし、溶け込み不良等の溶接欠陥を抑制することができる。
(2)結晶組織の微細化
積層箇所における結晶組織を微細化し、強度を高めることができる。
(【0031】以降は省略されています)

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