TOP特許意匠商標
特許ウォッチ DM通知 Twitter
公開番号2021003716
公報種別公開特許公報(A)
公開日20210114
出願番号2019118251
出願日20190626
発明の名称溶接システム
出願人日立オートモティブシステムズ株式会社
代理人ポレール特許業務法人
主分類B23K 26/00 20140101AFI20201211BHJP(工作機械;他に分類されない金属加工)
要約【課題】
本発明の目的は、キーホールを形成するようなエネルギーが照射される溶接における溶接品質の監視および傾向管理を精度よく行うことができる溶接システムを提供することにある。
【解決手段】
エネルギー2を供給するするエネルギー出力部1と、エネルギー2と波長の異なる光である物体光7を溶接部に照射すると共に溶接部で反射した物体光7から溶接部の溶け込み深さ方向の参照光を測定する光干渉計5aと、エネルギー出力部1からのエネルギーと光干渉計5aからの物体光7とを同軸にして溶接部に照射する光学部材8と、を備え、エネルギー出力部1からのエネルギー2を溶接部に供給することでキーホールを形成して溶接を行う溶接システムにおいて、キーホール深さが変化する時間に対応する設定時間以上、設定深さ以下となっている場合のキーホール深さ、の情報を取得する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
エネルギーを供給するするエネルギー出力部と、
前記エネルギーと波長の異なる光である物体光を溶接部に照射すると共に前記溶接部で反射した前記物体光から前記溶接部の溶け込み深さ方向の参照光を測定する光干渉計と、
前記エネルギー出力部からの前記エネルギーと前記光干渉計からの前記物体光とを同軸にして前記溶接部に照射する光学部材と、を備え、
前記エネルギーを溶接部に供給することでキーホールを形成して溶接を行う溶接システムにおいて、
前記光干渉計は、前記物体光と前記参照光とを干渉させると共に、前記物体光と前記参照光との光路差に応じて生じる干渉に基づいて前記キーホールの深さの情報から、以下の(1)〜(4)のうち少なくとも一つの情報を取得する溶接システム。
(1)キーホール深さが変化する時間に対応する設定時間を超える時間、設定深さ以下となっている場合のキーホール深さ
(2)キーホール深さ方向奥側に空洞が存在する溶接品において、形成されるキーホールから反射される信号と前記空洞の底から反射される信号とを区別し、前記キーホールからの反射される信号に基づいて取得されるキーホール深さ
(3)前記物体光の強度
(4)キーホール深さ方向のキーホール信号幅
続きを表示(約 1,400 文字)【請求項2】
請求項1に記載の溶接システムにおいて、
(1)〜(4)の情報のうち少なくとも一つの情報に基づいて溶接部の品質判定もしくは溶接傾向管理を行うことを特徴とする溶接システム。
【請求項3】
請求項1に記載の溶接システムにおいて、
(1)〜(4)の情報のうち少なくとも一つの情報の変化を時系列で表示する報知部を備えていることを特徴とする溶接システム。
【請求項4】
請求項1に記載の溶接システムにおいて、
(1)〜(4)の情報のうち少なくとも一つの情報に基づいて機械学習を行って不良予兆を報知することを特徴とする溶接システム。
【請求項5】
請求項1に記載の溶接システムにおいて、
(1)〜(4)の情報のうち少なくとも一つの情報に基づいて傾向に変化が見られた場合に音声ないし、メールなどで管理者へ報知する機能を有することを特徴とする溶接システム。
【請求項6】
請求項1に記載の溶接システムにおいて、
(1)〜(4)の情報のうち少なくとも一つの情報に基づいて合否判定を行い、不良品を取り除くように要請することを特徴とする溶接システム。
【請求項7】
請求項1に記載の溶接システムにおいて、
前記キーホールの深さの情報は、溶接時間に対応するキーホール深さを示す信号として得られ、
前記設定時間を前記溶接時間の軸方向にずらしながら、前記設定時間の中で前記キーホール深さが最大となる前記信号の値を抽出し、前記キーホール深さの補正データを取得する溶接システム。
【請求項8】
エネルギーを供給するするエネルギー出力部と、
前記エネルギーと波長の異なる光である物体光を溶接部に照射すると共に前記溶接部で反射した前記物体光から前記溶接部の溶け込み深さ方向の参照光を測定する光干渉計と、
前記エネルギー出力部からの前記エネルギーと前記光干渉計からの前記物体光とを同軸にして前記溶接部に照射する光学部材と、
を備えた溶接システムを用い、
前記エネルギーを溶接部に供給することでキーホールを形成して溶接を行う溶接方法において、
前記光干渉計により、前記物体光と前記参照光とを干渉させると共に、前記物体光と前記参照光との光路差に応じて生じる干渉に基づいて取得される前記キーホールの深さの情報から、以下の(1)〜(4)のうち少なくとも一つの情報を取得して溶接を行う溶接方法。
(1)キーホール深さが変化する時間に対応する設定時間を超える時間、設定深さ以下となっている場合のキーホール深さ
(2)キーホール深さ方向奥側に空洞が存在する溶接品において、形成されるキーホールから反射される信号と前記空洞の底から反射される信号とを区別し、前記キーホールからの反射される信号に基づいて取得されるキーホール深さ
(3)前記物体光の強度
(4)キーホール深さ方向のキーホール信号幅
【請求項9】
ポンプ本体とポンプ本体をエンジンに固定するための取付けフランジとの第一溶接部、ポンプ本体と吸入弁機構のボディとの第二溶接部、ポンプ本体と吐出ジョイントとの第三溶接部、ポンプ本体とダンパカバーとの第四溶接部、及びダンパカバーと吸入ジョイントとの第五溶接部のうち少なくともいずれか一つの溶接部に、請求項8に記載された溶接方法を適用して溶接を行う高圧燃料供給ポンプの溶接方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は溶接システムに関する。
続きを表示(約 5,100 文字)【背景技術】
【0002】
レーザ溶接を始めとする溶接は、精密にかつ高速に溶接が可能であるため、近年、利用が拡大している。
【0003】
しかしながら、溶接においては、従来、製品全数の溶接条件の管理、あるいは抜き取り検査での溶接品質の評価にとどまり、製品全数において実際の溶接状態を監視することは困難であった。
【0004】
特に高いパワー密度を有するエネルギーがレーザ等で照射された場合、金属は瞬時に、溶融、蒸発し、蒸発による高い反力によって、溶融部は押し下げられ、キーホールと呼ばれる空間が形成される場合がある。
【0005】
特表2013−545613号公報(特許文献1)の段落0272−0293には、キーホールを計測することで、溶込み深さを計測する溶接システムが開示されている。キーホールはレーザ照射時に発生する溶融池形状や反射光などに比べて深さ情報の感度が高い。また、溶込み深さを測定することにより、製品全数において実際の溶接状態を監視することが可能になる。
【0006】
しかしながら、現状では、キーホール計測は深さ情報を推定するだけで、溶接現象の他の変化は推定できない。そのため、溶接深さの精度が不十分であったり、溶接不良が発生する場合にいつから溶接不良が発生するのかを知ることができなかったり、といった問題がある。溶接不良が発生してから始めて問題がわかるといった問題がある。
【0007】
そのため、レンズの定期的清掃、溶接条件の定期的確認により、溶接品質を向上する対策が行われていた。しかしレーザ溶接の信頼性を向上する根本対策としては、キーホール計測装置による溶接深さ推定の精度を高めて実際の溶接状態を監視することによって製品全数の品質を保証すること、または溶接の状態を傾向管理することで、溶接不良になりそうな場合に溶接システムをメンテナンスしたり、溶接条件を調整したりすることで、溶接不良の発生を抑制することが望まれていた。
【0008】
このような課題に対する対策として、特開2003−320467号公報(特許文献2)に記載されているように、レーザ溶接時の反射光を取得し、レーザ溶接部の品質をモニタする方法(レーザ溶接部の品質モニタリング方法)が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
特表2013−545613号公報
特開2003−320467号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
特許文献2のレーザ溶接部の品質モニタリング方法では、反射光の状態は溶接部の表面状態などで大きく変化してしまうため、溶接品質の予測精度には限界がある。
本発明の目的は、キーホールを形成するようなエネルギーが照射される溶接における溶接品質の監視および傾向管理を精度よく行うことができる溶接システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために、本発明の溶接システムは、
エネルギーを供給するするエネルギー出力部と、
前記エネルギーと波長の異なる光である物体光を前記溶接部に照射すると共に前記溶接部で反射した前記物体光から前記溶接部の溶け込み深さ方向の参照光を測定する光干渉計と、
前記エネルギー出力部からの前記エネルギーと前記光干渉計からの前記物体光とを同軸にして前記溶接部に照射する光学部材と、を備え、
前記エネルギーを溶接部に供給することでキーホールを形成して溶接を行う溶接システムにおいて、
前記光干渉計は、前記物体光と前記参照光とを干渉させると共に、前記物体光と前記参照光との光路差に応じて生じる干渉に基づいて前記キーホールの深さの情報から、以下の(1)〜(4)のうち少なくとも一つの情報を取得する溶接システム。
(1)キーホール深さが変化する時間に対応する設定時間以上、設定深さ以下となっている場合のキーホール深さ
(2)キーホール深さ方向奥側に空洞が存在する溶接品において、形成されるキーホールから反射される信号と前記空洞の底から反射される信号とを区別し、前記キーホールからの反射される信号に基づいて取得されるキーホール深さ
(3)前記物体光の強度
(4)キーホール深さ方向のキーホール信号幅
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、精度よく溶接の良否判定を行ったり、溶接品質の傾向管理ができるようになり、異常を事前に防いだり、溶接不良対策を簡略に行える溶接システムを提供できる。上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
本発明の一実施例(実施例1)に係る溶接システムの全体構成を示す概念図である。
実施例1に係る取得データ例を示す図である。
実施例1に係るデータの処理例を示す図である。
図3Aのデータ処理の説明図である。
実施例1に係る処理データの活用例を示す図である。
本発明の一実施例(実施例2)に係る溶接品およびキーホールの信号例を示す図である。
本発明の一実施例(実施例2)に係るキーホール底及び空洞底から反射される信号を示す図である。
本発明に係る燃料ポンプの一実施例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施例を、図面を用いて説明する。なお、本実施例はレーザ溶接を例に説明するが、エネルギー出力部により熱エネルギーが供給されることでキーホールが形成される溶接であれば、他の溶接方法にも適用できる。キーホールが形成される溶接としては、例えばレーザ溶接、プラズマ溶接および電子ビーム溶接などがある。
【0015】
以下の説明において、共通或いは同様な構成に対しては、同じ符号を付し、説明を省略する。
【0016】
[実施例1]
図1は、本発明の一実施例(実施例1)に係る溶接システムの全体構成を示す概念図である。
【0017】
1は溶接用レーザ光源、2は溶接用レーザ、3は溶接品、4は溶接により形成されたキーホール、5はキーホール計測装置、6は制御部(制御装置)である。7はキーホール計測装置より照射されている計測用レーザ、8は計測用レーザミラー、9は溶接用レーザの照射により形成された溶融池、10はキーホール計測装置の一部である、計測用レーザ照射位置調整機構を示す。
【0018】
溶接用レーザ光源1およびキーホール計測装置5は、一般的なレーザ装置およびレーザ干渉装置が適用できる。また、制御部6は、例えば、演算処理装置、当該演算処理装置が実行するプログラムやデータが記憶される記憶装置、および演算処理装置の演算結果を表示する表示装置等を有するコンピュータである。演算処理装置としては、例えば、CPUがある。記憶装置としては、例えば、ROMおよびRAM等の半導体メモリやHDD等の磁気記憶装置があり、記憶部と呼ぶ場合もある。表示装置としては、例えば、モニタおよびタッチパネル等がある。
【0019】
本実施例は、制御部6内の処理機構に特徴がある。
【0020】
溶接用レーザ光源1より照射された溶接用レーザ2は溶接品3に照射され溶接が行われる。この溶接により、キーホール4および溶融池9が形成される。キーホール計測装置5より照射されている計測用レーザ7は、計測用レーザミラー8および計測用レーザ照射位置調整機構10を用いて、溶接用レーザ2と同軸でキーホール底の近辺に照射されるように設定されている。
【0021】
キーホール計測装置5は、キーホール底から跳ね返ってきたレーザを内部で処理して、制御部6に情報を送る。内部での処理方法は、例えば内部にレーザ干渉計5aを持ち、跳ね返ってきたレーザ光と装置内部に存在する参照面の光とを干渉させて、キーホール深さを測定する方法が考えられる。この場合、情報としては計測用レーザの光路長がわかる。予め設定もしくは測定の直前に溶接品の表面位置を計測しておくことで、光路長の差分からキーホールの深さを求めることができる。また、その際には反射してきた計測レーザ光の強度も同時に取得可能である。
【0022】
図2は、実施例1に係る取得データ例を示す図である。
【0023】
図2のデータは、実際に溶接品を動かしながらレーザで溶接した場合の信号を処理して取得される。横軸は溶接時間、縦軸はキーホール深さである。溶接時間はレーザを走査する時間に対応し、溶接距離または溶接位置に対応する。縦軸は上に行くほどキーホールが深くなっている。キーホール深さは溶接品の表面信号の光路長と溶接中の信号の光路長を比較することで求められる。21は時間ごとの跳ね返ってきた計測レーザ光の生信号、22は生信号の中で最も深い底から跳ね返ってきた信号、23は最も浅い箇所から跳ね返ってきた信号、24は跳ね返ってきた信号の幅、25および26は局所的に浅くなった箇所を示す。本実施例では、26の方が25よりも長い時間浅くなっている。
【0024】
計測ビーム径は有限の大きさを持つため、計測ビーム径に含まれる範囲から複数のキーホール深さの信号が有られる。複数のキーホール深さの信号は、溶接時間に対応した複数の点、或いは連続した線状の信号になり、幅24を有する。
【0025】
既存の装置では22の情報を元に、キーホール深さを推測する機能が備えられている。しかしながら、我々が検討した結果、それだけでは不十分であり、他の情報を用いることで溶接品質の監視および傾向管理を精度よく行うことができることが分かった。
【0026】
一つ目は、ある所定の時間以上、キーホール信号の深さが変化した場合にのみ、キーホール深さが浅くなったと判定する機能である。今回溶接した溶接品を切断し、キーホール深さを比較すると、局所的に浅くなった箇所25,26のうち、変化した時間が短い25ではキーホール深さに変化はなく、変化した時間が長い26ではキーホール深さに変化がみられることがわかった。これは、金属が溶融して溶融金属の範囲が確定するのにはある程度の時間が必要であり、キーホール信号の深さが一時的に変化した箇所では、時間の経過に伴ってキーホール深さが前後の箇所と同じ状態になるためである。そのため、22のような信号を単純に用いると、制御部6は25のような箇所を溶接不良個所として虚報を出力する結果となる。その結果、実際のキーホール深さを精度よく測ることができなくなる可能性がある。
【0027】
図3Aは、実施例1に係るデータの処理例を示す図である。
【0028】
図3Aでは、キーホールの時間幅(レーザの走査方向における長さ)を考慮してキーホール深さを算出した場合の測定例を示す。27は取得の際に用いた時間幅Δtであり、28の破線は算出データ(取得データ)である。
【0029】
ここで、図3Bを参照して、算出データ28の算出方法を説明する。図3Bは、図3Aのデータ処理の説明図である。
【0030】
27で示す時間幅Δtの中からキーホール深さの値が最も大きくなる数値を抽出し、時間幅Δtが設定されている溶接時間におけるキーホール深さの代表値(抽出値)として用いる。図3Bにおいては、溶接時間t1におけるキーホール深さとしてH1の値が抽出され、(t1,H1)が取得される。なお本実施例では、時間幅27の始端における時間t1を、時間幅(設定時間)Δtが設定されている溶接時間として選択している。時間幅Δtを溶接時間軸に沿って移動させることにより、溶接時間(溶接位置)ごとのキーホール深さが取得され、点線で示す算出データ28が算出される。
(【0031】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する

関連特許

日立オートモティブシステムズ株式会社
モータ
日立オートモティブシステムズ株式会社
緩衝器
日立オートモティブシステムズ株式会社
制御弁
日立オートモティブシステムズ株式会社
弁装置
日立オートモティブシステムズ株式会社
演算装置
日立オートモティブシステムズ株式会社
制御装置
日立オートモティブシステムズ株式会社
電子装置
日立オートモティブシステムズ株式会社
二次電池
日立オートモティブシステムズ株式会社
制御装置
日立オートモティブシステムズ株式会社
印刷方法
日立オートモティブシステムズ株式会社
回路基板
日立オートモティブシステムズ株式会社
回転電機
日立オートモティブシステムズ株式会社
回転電機
日立オートモティブシステムズ株式会社
制御装置
日立オートモティブシステムズ株式会社
回転電機
日立オートモティブシステムズ株式会社
半導体装置
日立オートモティブシステムズ株式会社
電池パック
日立オートモティブシステムズ株式会社
熱式流量計
日立オートモティブシステムズ株式会社
センサ装置
日立オートモティブシステムズ株式会社
レーダ装置
日立オートモティブシステムズ株式会社
レーダ装置
日立オートモティブシステムズ株式会社
流量計測計
日立オートモティブシステムズ株式会社
燃料噴射弁
日立オートモティブシステムズ株式会社
燃料噴射弁
日立オートモティブシステムズ株式会社
電子制御装置
日立オートモティブシステムズ株式会社
更新管理装置
日立オートモティブシステムズ株式会社
電子制御装置
日立オートモティブシステムズ株式会社
電子制御装置
日立オートモティブシステムズ株式会社
電子制御装置
日立オートモティブシステムズ株式会社
湿度測定装置
日立オートモティブシステムズ株式会社
画像処理装置
日立オートモティブシステムズ株式会社
操舵制御装置
日立オートモティブシステムズ株式会社
電力変換装置
日立オートモティブシステムズ株式会社
電子制御装置
日立オートモティブシステムズ株式会社
電子制御装置
日立オートモティブシステムズ株式会社
外界認識装置
続きを見る