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公開番号2021002248
公報種別公開特許公報(A)
公開日20210107
出願番号2019116155
出願日20190624
発明の名称摩擦補償装置
出願人富士電機株式会社
代理人個人
主分類G05D 3/12 20060101AFI20201204BHJP(制御;調整)
要約【課題】簡易な摩擦モデルにより摩擦静特性・動特性を同時に考慮し、速度反転時でも高精度に摩擦を推定してその補償を可能にした摩擦補償装置を提供する。
【解決手段】被駆動体の速度と摩擦力の立ち上がり係数とクーロン摩擦力等を含む摩擦モデルを用いて、速度フィードバック制御系の出力に加算する摩擦補償量を推定する摩擦補償量推定手段を備え、この推定手段は、サーボ制御システムの入出力情報及び摩擦モデルを用いて、立ち上がり係数、クーロン摩擦力等をパラメータとして同定し、異なる加速度条件にてパラメータを更新するモデルパラメータ演算部60と、前記パラメータを用いて摩擦補償量を初期化し、速度反転時近傍の制御量の誤差が最小となるように、クーロン摩擦力を調整しつつ複数の加速度と立ち上がり係数との関係を取得し、この関係と速度情報及びクーロン摩擦力に基づいて摩擦補償量を推定するモデルベース摩擦補償部70と、を備える。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
被駆動体の位置や姿勢の制御量を目標値に追従させるサーボ制御システムにおいて前記被駆動体に作用する摩擦力を補償するための摩擦補償装置であって、
前記被駆動体の速度と、この速度に対する摩擦力の立ち上がり係数と、クーロン摩擦力と、粘性摩擦係数と、を含む摩擦モデルを用いて、速度フィードバック制御系の出力に加算する摩擦力を摩擦補償量として推定する摩擦補償量推定手段を備え、
前記摩擦補償量推定手段は、
前記サーボ制御システムの入出力情報と前記摩擦モデルとを用いて、前記立ち上がり係数、前記クーロン摩擦力及び前記粘性摩擦係数を前記摩擦モデルのパラメータとして同定し、同定したパラメータを初期値として異なる加速度条件のもとで前記パラメータを更新して出力するモデルパラメータ演算部と、
前記モデルパラメータ演算部から出力された前記パラメータを用いて前記摩擦補償量を初期化し、前記被駆動体の速度反転時近傍における前記制御量の誤差が最小となるように、前記クーロン摩擦力を更新すると共に、複数の速度テスト信号にそれぞれ対応する複数の加速度と前記立ち上がり係数との関係を取得し、この関係と前記被駆動体の速度及び加速度と前記クーロン摩擦力とに基づいて前記摩擦補償量を推定するモデルベース摩擦補償部と、
を備えたことを特徴とする摩擦補償装置。
続きを表示(約 360 文字)【請求項2】
請求項1に記載した摩擦補償装置において、
前記モデルパラメータ演算部は、前記被駆動体の速度または加速度と摩擦力との関係を示す実機摩擦特性に基づいて前記摩擦モデルのパラメータを同定することを特徴とする摩擦補償装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載した摩擦補償装置において、
前記摩擦モデルが、前記被駆動体の速度が正から負、または、負から正に変化する不連続性を連続関数により近似したモデルであることを特徴とする摩擦補償装置。
【請求項4】
請求項1〜3の何れか1項に記載した摩擦補償装置において、
前記摩擦モデルのパラメータとして、前記被駆動体の加速度と前記立ち上がり係数との関係におけるヒステリシス幅を含むことを特徴とする摩擦補償装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、被駆動体の位置や姿勢等の制御量を目標値に追従させるサーボ制御システムにおいて、特に、被駆動体の速度(運転方向)反転時に発生する機械系摩擦による影響を抑制するための摩擦補償技術に関するものである。
続きを表示(約 8,400 文字)【背景技術】
【0002】
サーボ制御システムにおいて、被駆動体の位置指令と位置検出値との誤差を補正するフィードバック制御系では、位置誤差を検出した後にその誤差に応じた駆動力が制御対象に与えられるため、被駆動体は位置誤差の発生時刻から遅れて応答することになる。また、サーボ制御システムの駆動系に内在している摩擦力は、特に被駆動体の速度(運転方向)反転時の特性が非線形となる。
これらの現象は、サーボ制御システムの運動制御精度を大きく低下させる原因となっている。
【0003】
高精度な位置制御が要求される被駆動体については、速度反転時の摩擦による外乱が制御精度に与える影響を少なくすることが重要であり、この問題を解決する技術としては、従来から、フィードバック摩擦補償技術やモデルベースフィードフォワード摩擦補償技術が存在する。
例えば、外乱オブザーバを用いて摩擦を含む外乱を推定し、フィードバック制御により外乱抑圧補償を行って摩擦の影響を抑制することが可能であり、この種の外乱オブザーバによる非線形摩擦補償は速度反転時にも有効であることが知られている。
また、複数の状態量に対応する外乱モデルを用いて外乱推定値をそれぞれ演算し、これらの外乱推定値の和から外乱補正量を生成する技術も一般的に使用されている。
【0004】
近年、モデルベース開発はサーボ業界に拡がりを見せており、特にフィードフォワード摩擦補償技術が多く採用されている。
例えば、図14は、速度のフィードバック制御系と位置のフィードフォワード補償器及び摩擦補償装置を備えたサーボ制御システムの機能ブロック図であり、特許文献1に開示されている。
同図において、210は位置制御器、220は電流指令i

を生成する速度制御器、230はフィードフォワード補償器、240は摩擦力(摩擦トルク)Fを推定する摩擦補償装置、241はクーロン摩擦力等の各種パラメータを同定するパラメータ同定部、242は各種パラメータに基づいて摩擦力Fを推定する摩擦推定部、250は摩擦力Fを電流補償指令i
dis
に換算する電流指令換算部、300は電力変換器等からなるドライバ(駆動装置)、400は電動機や被駆動体を含む制御対象としての工作機械を示す。
【0005】
図14におけるパラメータ同定部241では、電流指令i


と、工作機械400の被駆動体の位置とに基づいて実機摩擦特性を生成し、この実機摩擦特性から、クーロン摩擦力F

、最大静止摩擦力F

、各要素の最大摩擦力の比率α

、ばね定数k

をパラメータとして同定する。そして、同定したパラメータを摩擦モデルに採用し、この摩擦モデルと被駆動体の速度とを用いて被駆動体の位置と摩擦力との関係を示す検証用摩擦特性を演算する。
そして、検証用摩擦特性と実機摩擦特性との誤差が許容範囲になるまでクーロン摩擦力F

、最大静止摩擦力F

等のパラメータを調整し、上記誤差が許容範囲内になった時の全ての同定パラメータk

,α

,F

,F

を摩擦推定部242に出力する。
【0006】
摩擦推定部242では、入力された最新の同定パラメータを用いて摩擦力Fを推定し、電流指令換算部250は摩擦力Fを電流補償指令i
dis
に換算して出力する。
この電流補償指令i
dis
とフィードフォワード補償器230の出力とを用いて速度制御器220の出力i

を補正することにより、摩擦補償された電流指令i


がドライバ300に与えられることとなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特許第6214948号公報([0022]〜[0029]、[0042]〜[0046]、図1〜図3,図11等)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
前述した特許文献1に係る先行技術には、以下のような問題がある。
まず、位置や速度の動的な特性を考慮すると、特許文献1に数式(1)〜(4)として記載された摩擦モデルは構造が複雑であるため、高精度のモデル化及びパラメータ同定が困難になる恐れがある。
一方、一定条件のもとで同定したパラメータに基づいて計算した検証用摩擦特性と実機摩擦特性との間には、システムの同定方法、位置・速度検出器の精度、更にはノイズ等の影響によって必ず誤差が存在する。特許文献1には、上記の誤差が許容範囲内になるように各パラメータを調整する旨、記載されているが、その具体的な手順は何ら開示されていない。
【0009】
また、特許文献1では、速度や加速度に対するクーロン摩擦力の依存特性を表現できないため、運転状態の変化に伴って制御性能の再現性等のロバスト性を保証できない場合がある。しかも、速度が反転して被駆動体が反対方向に運動するような特殊条件のもとでは、クーロン摩擦力や最大静止摩擦力を調整しても、検証用摩擦特性と実機摩擦特性との誤差が許容範囲内にならない恐れがある。
更に、工作機械の駆動系等に応答遅れがあることを考え併せると、パラメータを調整して上記の誤差が許容範囲内になったとしても、摩擦の影響による制御精度の低下を常に解決できるとは限らない。
【0010】
そこで、本発明の解決課題は、極力簡易な摩擦モデルを用いて摩擦静特性及び動特性の両者を同時に考慮し、被駆動体の速度(運動方向)が反転する場合でも摩擦力を高精度に推定して適切な摩擦補償を実現可能とした摩擦補償装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するため、請求項1に係る発明は、被駆動体の位置や姿勢の制御量を目標値に追従させるサーボ制御システムにおいて前記被駆動体に作用する摩擦力を補償するための摩擦補償装置であって、
前記被駆動体の速度と、この速度に対する摩擦力の立ち上がり係数と、クーロン摩擦力と、粘性摩擦係数と、を含む摩擦モデルを用いて、速度フィードバック制御系の出力に加算する摩擦力を摩擦補償量として推定する摩擦補償量推定手段を備え、
前記摩擦補償量推定手段は、
前記サーボ制御システムの入出力情報と前記摩擦モデルとを用いて、前記立ち上がり係数、前記クーロン摩擦力及び前記粘性摩擦係数を前記摩擦モデルのパラメータとして同定し、同定したパラメータを初期値として異なる加速度条件のもとで前記パラメータを更新して出力するモデルパラメータ演算部と、
前記モデルパラメータ演算部から出力された前記パラメータを用いて前記摩擦補償量を初期化し、前記被駆動体の速度反転時近傍における前記制御量の誤差が最小となるように、前記クーロン摩擦力を更新すると共に、複数の速度テスト信号にそれぞれ対応する複数の加速度と前記立ち上がり係数との関係を取得し、この関係と前記被駆動体の速度及び加速度と前記クーロン摩擦力とに基づいて前記摩擦補償量を推定するモデルベース摩擦補償部と、
を備えたことを特徴とする。
【0012】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載した摩擦補償装置において、前記モデルパラメータ演算部は、前記被駆動体の速度または加速度と摩擦力との関係を示す実機摩擦特性に基づいて前記摩擦モデルのパラメータを同定することを特徴とする。
【0013】
請求項3に係る発明は、請求項1または2に記載した摩擦補償装置において、前記摩擦モデルが、前記被駆動体の速度が正から負、または、負から正に変化する不連続性を連続関数により近似したモデルであることを特徴とする。
【0014】
請求項4に係る発明は、請求項1〜3の何れか1項に記載した摩擦補償装置において、前記摩擦モデルのパラメータとして、前記被駆動体の加速度と前記立ち上がり係数との関係におけるヒステリシス幅を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、運転状況に応じて摩擦補償量を動的に決定し、モデルベースフィードフォワード摩擦補償を行うことにより、速度反転時の摩擦の影響による制御誤差を低減させて適切な摩擦補償を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
本発明の実施形態に係るサーボ制御システムの一構成例を示す機能ブロック図である。
本発明の実施形態における速度−摩擦力特性の一例を示す図である。
図1におけるモデルベース摩擦補償部の機能ブロック図である。
本発明の実施形態において、ヒステリシス特性を有する速度−摩擦力特性を示す図である。
図1におけるモデルパラメータ演算部の機能ブロック図である。
本発明の実施形態における加速度と立ち上がり係数との関係を示す図である。
本発明の実施形態における速度テスト信号の説明図である。
本発明の実施形態におけるパラメータチューニング動作を示すフローチャートである。
本発明の実施形態における加速度と立ち上がり係数との関係を示す図である。
本発明の実施形態における摩擦補償量の演算手順を示すフローチャートである。
実機を対象とした、速度反転時近傍における加速度に応じた摩擦力の測定結果を示す図である。
本発明の実施形態を適用した場合の、速度反転時近傍における加速度に応じた摩擦力(摩擦補償量)の推定結果を示す図である。
本発明の実施形態による摩擦補償有りの場合及び摩擦補償無しの場合の、速度追従性のシミュレーション結果を示す図である。
特許文献1に記載されたサーボ制御システムの機能ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図に沿って本発明の実施形態を説明する。なお、本発明の技術的範囲は以下に説明する実施形態によって何ら限定されるものではない。
まず、図1は、この実施形態の摩擦補償装置を含むサーボ制御システムの一構成例を示す機能ブロック図であり、例えば、被駆動体を有する工作機械及びその駆動装置を含む制御対象30(伝達関数Gとする)に電流指令等を与えて被駆動体の位置を制御するシステムを想定している。
【0018】
図1において、上位の制御装置から送られた位置指令と制御対象30の位置出力との偏差が減算手段81により演算され、位置フィードバック制御器50は上記偏差をゼロにするように動作して速度指令を出力する。制御対象30の位置出力は微分手段91(sはラプラス演算子)により微分されて速度検出値に変換され、減算手段82は速度指令と速度検出値との偏差を演算すると共に、速度フィードバック制御器20は上記偏差をゼロにするように動作して電流指令(またはトルク指令)を出力する。
【0019】
また、前記位置指令は、フィードフォワード補償用の逆システム50(制御対象30の伝達関数Gに対して、G
−1
とする)に入力され、その出力が加算手段83により速度フィードバック制御器40の出力に加算される。
加算手段83の出力は、加算手段84、減算手段85、加算手段86を経て制御対象30に与えられる。なお、加算手段84では、後述するモデルベース摩擦補償部70の出力が加算手段83の出力に加算され、減算手段85では、加算手段84の出力から外乱オブザーバ40による推定外乱が減算されると共に、加算手段86では減算手段85の出力と外乱信号dとが加算される。
【0020】
更に、前記位置指令は微分手段93及び二階微分手段92に入力されて速度指令及び加速度指令が演算され、これらが摩擦に起因する制御誤差を補償するためのモデルベース摩擦補償部70の摩擦モデルに入力される。また、二階微分手段92の出力である加速度指令はモデルパラメータ演算部60に入力され、この演算部60により同定された摩擦モデルのパラメータがモデルベース摩擦補償部70に入力されている。モデルベース摩擦補償部70では、同定されたパラメータと速度指令及び加速度指令に基づいて補償するべき摩擦力(摩擦補償量)を演算し、前記加算手段84に出力する。
ここで、モデルパラメータ演算部60及びモデルベース摩擦補償部70は、特許請求の範囲における摩擦補償量推定手段を構成している。
【0021】
モデルパラメータ演算部60は、例えば、以下の数式1に示すような簡易な摩擦モデルを用いて複数のパラメータを同定し、モデルベース摩擦補償部70はこれらのパラメータに基づいて摩擦力T

を推定する。
[数式1]


=Erf(αω)T
cf
+Dω
ここで、Erfは誤差関数、αは摩擦力の立ち上がりの傾きを表す立ち上がり係数、ωは被駆動体の速度、T
cf
はクーロン摩擦力、Dは粘性摩擦係数である。
【0022】
被駆動体の速度ゼロを境として、クーロン摩擦力は正から負、または負から正に不連続に変化するのに対して、数式1のように誤差関数Erfを用いて摩擦力T

を近似することにより、図2の速度−摩擦力特性に示すように、速度がゼロに近付くにつれて所定の傾きにより滑らかに変化する静的摩擦特性を得ることができる。
なお、モデルパラメータ演算部60の機能については、図5と共に後述する。
【0023】
図1のモデルベース摩擦補償部70は、図3の機能ブロック図に示すように、モデルベース摩擦補償量計算部71、位相調整部72、ゲイン調整及び出力制限部73、及び出力フィルタ74を備えている。
【0024】
モデルベース摩擦補償量計算部71は、モデルパラメータ演算部60により同定された摩擦モデルのパラメータと速度情報(速度指令及び加速度指令)とに基づいて、補償するべき摩擦力を計算する。
位相調整部72は、例えば、図2の速度−摩擦力特性を図4のごとく所定のヒステリシスを有する特性に調整する。すなわち、速度が負から正に反転する際、及び、正から負に反転する際に、摩擦力がクーロン摩擦力T
cf
に等しくなるように摩擦力の位相を調整し、速度−摩擦力特性を所定の傾きで平滑化する。これにより、サーボ制御システムの応答性を高めて実機の摩擦力のヒステリシス特性を補償すると共に、速度反転前後における摩擦補償量を安定化することができる。なお、ヒステリシス幅は、位相調整部72が摩擦力の位相を調整することで任意に設定可能であり、このヒステリシス幅を摩擦モデルのパラメータに含めても良い。
勿論、上記に代えて、ヒステリシス特性補償及び位相補償を考慮した摩擦モデリングを行っても良い。
【0025】
図3に戻って、位相調整部72に後続するゲイン調整及び出力制限部73は、補償するべき摩擦力の数値的な安定性を保つと共に過剰補償を防止するためのものである。具体的には、モデルパラメータ演算部60により同定した各パラメータを前述した数式1の摩擦モデルに代入することにより計算した摩擦力の初期値の複数倍、例えば3倍程度の大きさに変換する。
ゲイン調整及び出力制限部73に後続する出力フィルタ74は、例えばローパスフィルタ特性を有し、この出力フィルタ74を通して得られた摩擦補償量が前記加算手段84に入力され、速度フィードバック制御器20の出力(詳しくは加算手段83の出力)に加算されてその結果が前記加算手段85に入力される。
【0026】
次に、モデルパラメータ演算部60の機能について、図5を参照しつつ説明する。
モデルパラメータ演算部60では、図5に示すように、数式1の摩擦モデルと事前に取得したサーボ制御システムの入出力情報とを用いて、システム同定により摩擦モデルの各種パラメータを同定する(ステップS1)。具体的には、例えば、被駆動体の速度または加速度と摩擦力との関係を示す実機摩擦特性に基づいて各種パラメータを同定する。これらの同定したパラメータを初期値として、異なる加速度条件を与えてチューニングにより動的なパラメータを演算する(同S2)。次いで、加速度とパラメータとの関係を記録しておき(同S3)、実際の運転時の加速度情報を上述の記録済みの関係と照合して動的にパラメータを更新し(同S4)、更新されたパラメータをモデルベース摩擦補償部70に出力する。
【0027】
ここで、数式1は、速度に対する摩擦力の静特性のみを考慮した摩擦モデルを対象としている。例えば、図4のように速度−摩擦力特性を調整したとしても、摩擦補償量の立ち上がり係数は一定値であり、実際の運転時において図6のように加速度が種々変化する場合には、速度反転時近傍の微小速度領域における摩擦力を正確に再現することができない。
このため、本実施形態では、速度反転時近傍の微小速度領域における摩擦力の動的な挙動を反映させるように、上述したモデルパラメータ演算部60のチューニングによって動的にパラメータを取得することとした。
【0028】
このモデルパラメータ演算部60によるチューニング動作について、図7,図8を参照しつつ更に説明する。
例えば、図7に示す台形状の速度テスト信号を用い(±ω

は最大速度、Tは加速時間)、サーボ制御システムの運転可能な速度範囲(図7における−ω

〜+ω

の範囲)にわたって、加速度が異なる第一速度テスト信号及び第二速度テスト信号を事前に定義しておく。
【0029】
そして、まず、同定したパラメータを用いて数式1の推定摩擦力T

を初期化する(図8のステップS11)。初期化が完了したら、第一速度テスト信号によりサーボ制御システムを駆動する(同S12)。次に、摩擦モデルのパラメータのうちクーロン摩擦力T
cf
の設定値を調整しながら(同S13)、速度反転時近傍における制御量の誤差(例えば、被駆動体の位置目標値と位置検出値との誤差)が最小になるまで上記設定値の調整を繰り返し(同S14)、制御量の誤差が最小になったら(同S14Yes)、その時の設定値によりクーロン摩擦力を更新する(同S15)。
次に、摩擦補償量の立ち上がり係数αを調整する(同S16)。そして、速度反転時近傍における制御量の誤差が最小になるまで立ち上がり係数αの調整を繰り返し(同S17)、制御量の誤差が最小になったら(同S17Yes)、その時の立ち上がり係数αを第一係数α

として保存する(同S18)。
【0030】
続いて、第二速度テスト信号によりサーボ制御システムを駆動して立ち上がり係数αを調整し(同S19,S20)、速度反転時近傍における制御量の誤差が最小になるまで立ち上がり係数αの調整を繰り返し(同S21)、制御量の誤差が最小になったら(同S21Yes)、その時の立ち上がり係数αを第二係数α

として保存する(同S22)。
以上の処理によって保存した第一係数α

及び第二係数α

と立ち上がり係数の上下限値とを用いて、図9に示す如く、一次線形近似関数により、加速度aと立ち上がり係数αとの関係を求める(同S23)。
(【0031】以降は省略されています)

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