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公開番号2020202658
公報種別公開特許公報(A)
公開日20201217
出願番号2019107966
出願日20190610
発明の名称電気自動車
出願人株式会社SOKEN,株式会社デンソー,トヨタ自動車株式会社
代理人特許業務法人快友国際特許事務所
主分類H02P 5/50 20160101AFI20201120BHJP(電力の発電,変換,配電)
要約【課題】2個のインバータのノイズの周波数が同時に共振周波数の近くならないようにする技術を提供する。
【解決手段】電気自動車は、直流電源と第1交流モータの間に接続されており、直流電源の電力を第1交流モータの駆動電力に変換する第1インバータと、直流電源と第2交流モータの間に接続されており、直流電源の電力を第2交流モータの駆動電力に変換する第2インバータと、第1インバータと第2インバータの少なくとも一方の直流端の正極と負極の間に接続されている平滑コンデンサと、を備えている。平滑コンデンサに接続されている電力線の寄生インダクタンスと平滑コンデンサで構成されるLC回路が所定の共振周波数を有している。第1インバータから平滑コンデンサに伝達するノイズの周波数が共振周波数に一致するときの車速と、第2インバータから平滑コンデンサに伝達するノイズの周波数が共振周波数に一致するときの車速が異なっている。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
直流電源と、
走行用の第1交流モータ及び第2交流モータと、
前記直流電源と前記第1交流モータの間に接続されており、前記直流電源の電力を前記第1交流モータの駆動電力に変換する第1インバータと、
前記直流電源と前記第2交流モータの間に接続されており、前記直流電源の電力を前記第2交流モータの駆動電力に変換する第2インバータと、
前記第1インバータと前記第2インバータの少なくとも一方の直流端の正極と負極の間に接続されている平滑コンデンサと、
を備えており、
前記平滑コンデンサに接続されている電力線の寄生インダクタンスと前記平滑コンデンサで構成されるLC回路が所定の共振周波数を有しており、
前記第1インバータから前記平滑コンデンサに伝達するノイズの周波数が前記共振周波数に一致するときの車速と、前記第2インバータから前記平滑コンデンサに伝達するノイズの周波数が前記共振周波数に一致するときの車速が異なっている、電気自動車。
続きを表示(約 160 文字)【請求項2】
前記第1交流モータの出力軸と駆動車輪との間のギア比と、前記第2交流モータの出力軸と駆動車輪との間のギア比が異なっている、請求項1に記載の電気自動車。
【請求項3】
前記第1交流モータのステータの極対数と、前記第2交流モータのステータの極対数が異なっている、請求項1又は2に記載の電気自動車。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本明細書が開示する技術は、走行用に2個の交流モータを備えている電気自動車に関する。
続きを表示(約 6,800 文字)【背景技術】
【0002】
走行用に2個の交流モータを備えている電気自動車が知られている。電気自動車は、2個の交流モータに対応して2個のインバータを備えている。それぞれのインバータの直流端は電源に接続されており、交流端が交流モータに接続されている。
【0003】
インバータはスイッチング素子を使って電力を変換する。スイッチング素子の動作に起因してスイッチングノイズが発生する。インバータの直流端の正極と負極の間には、スイッチングノイズを抑える平滑コンデンサが接続される。なお、スイッチングノイズはリプル電流とも呼ばれている。
【0004】
平滑コンデンサに接続される電力線には寄生インダクタンスが伴うため、寄生インダクタンスと平滑コンデンサはLC回路を構成し、所定の共振周波数を有することになる。2個のインバータが発するスイッチングノイズの周波数が同時に共振周波数に近くなると、2個のスイッチングノイズが重畳して大きなノイズとなってしまう。
【0005】
特許文献1−4の電気自動車は、2個のインバータのそれぞれのスイッチング素子に対する駆動指令(即ちPWM信号)を生成する際のキャリア信号の周波数(即ちスイッチング周波数)を異ならしめることで、2個のインバータのスイッチングノイズ(即ちリプル電流)の周波数が同時には共振周波数と同じにならないようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特表2015−531226号公報
特開2014−030287号公報
特開2012−157171号公報
特開2016−208728号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本明細書は、特許文献1−4の技術とは異なるアプローチで2個のインバータのノイズの周波数が同時に共振周波数の近くならないようにする技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本明細書が開示する電気自動車は、走行用の第1交流モータ及び第2交流モータと、直流電源と第1交流モータの間に接続されており、直流電源の電力を第1交流モータの駆動電力に変換する第1インバータと、直流電源と第2交流モータの間に接続されており、直流電源の電力を第2交流モータの駆動電力に変換する第2インバータと、第1インバータと第2インバータの少なくとも一方の直流端の正極と負極の間に接続されている平滑コンデンサと、を備えている。平滑コンデンサに接続されている電力線の寄生インダクタンスと平滑コンデンサで構成されるLC回路が所定の共振周波数を有している。第1インバータから平滑コンデンサに伝達するノイズの周波数が共振周波数に一致するときの車速と、第2インバータから平滑コンデンサに伝達するノイズの周波数が共振周波数に一致するときの車速が異なっている。
【0009】
このような構成によれば、電気自動車がある車速で走行している場合に、第1インバータから平滑コンデンサに伝達するノイズの周波数が共振周波数に一致するものの、第2インバータから前記平滑コンデンサに伝達するノイズの周波数が共振周波数に一致しない。即ち、2個のインバータのノイズの周波数が同時に共振周波数の近くならないようにすることができる。
【0010】
2個のインバータのノイズの周波数が同時に共振周波数の近くならないようにするための手段として、例えば、第1交流モータの出力軸と駆動車輪との間のギア比と、第2交流モータの出力軸と駆動車輪との間のギア比が異なっていてもよい。一般に、インバータから平滑コンデンサに伝達するノイズの周波数は、PWM信号のスイッチング周波数と交流モータ内の電流の周波数とに基づいて決まる。駆動車輪の回転数は、車速によって決まる。このため、第1交流モータのギア比と第2交流モータのギア比が異なると、電気自動車がある車速で走行している場合に、第1交流モータの回転数と第2交流モータの回転数が異なることとなる。ここで、交流モータ内の電流の周波数は、交流モータのステータの極対数と交流モータの回転数によって決まる。このため、第1交流モータの回転数と第2交流モータの回転数が異なると、第1交流モータ内の電流の周波数と第2交流モータ内の電流の周波数も異なることとなる。この結果、第1インバータのノイズの周波数と第2インバータのノイズの周波数が異なることとなる。これにより、例えば、第1インバータのノイズの周波数が共振周波数と一致する場合であっても、第2インバータのノイズの周波数が共振周波数と一致することはない。よって、2個のインバータのノイズの周波数が同時に共振周波数の近くならないようにすることができる。
【0011】
また、2個のインバータのノイズの周波数が同時に共振周波数の近くならないようにするための手段として、例えば、第1交流モータのステータの極対数と、第2交流モータのステータの極対数が異なっていてもよい。例えば、電気自動車がある車速で走行し、第1交流モータの回転数と第2交流モータの回転数が同じである場合に、第1交流モータの極対数と第2交流モータの極対数が異なると、第1交流モータ内の電流の周波数と第2交流モータ内の電流の周波数は異なることとなる。この結果、第1インバータのノイズの周波数と第2インバータのノイズの周波数が異なることとなり、2個のインバータのノイズの周波数が同時に共振周波数の近くならないようにすることができる。
【0012】
なお、本明細書が開示する技術は、2個のインバータを備える電気自動車だけでなく、3個以上のインバータを備える電気自動車にも採用可能である。本明細書が開示する技術の詳細とさらなる改良は以下の「発明を実施するための形態」にて説明する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
第1実施例の電気自動車の駆動系のブロック図である。
車速とリプル電流との関係を示す図である。
第2実施例の電気自動車の駆動系のブロック図である。
車速とリプル電流との関係を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
(第1実施例)
図面を参照して第1実施例の電気自動車100を説明する。図1に示す電気自動車100は、電力を用いて走行可能に構成されたハイブリッド車である。電気自動車100は、前輪10fを回転させるための走行用のフロントモータ12fと、後輪10rを回転させるための走行用のリアモータ12rと、不図示のエンジンを備えている。即ち、電気自動車100は、四輪駆動が可能である。フロントモータ12f及びリアモータ12rは、三相交流電力で駆動する交流モータである。また、電気自動車100は、さらに、電力変換装置20と、直流電源40(以下では、「電源40」と記載)と、を備える。なお、電気自動車100は、フロントモータ12fの動力のみで走行することも可能である。また、電気自動車100は、フロントモータ12f及びリアモータ12rだけでなく、不図示のエンジンの動力で走行することも可能である。
【0015】
電源40は、リチウムイオンバッテリである。電源40は、ニッケル水素バッテリであってもよいし、鉛蓄電池であってもよい。あるいは、電源40は燃料電池であってもよい。
【0016】
電力変換装置20は、電源40とフロントモータ12fとの間、及び、電源40とリアモータ12rとの間で電力を変換する。電力変換装置20は、電源40から出力される直流電力をフロントモータ12f(又はリアモータ12r)の駆動電力(即ち三相交流電力)に変換可能であるとともに、フロントモータ12f(又はリアモータ12r)で発電された交流電力を電源40に供給可能な直流電力に変換可能である。即ち、電気自動車100は、制動時に発生する回生電力を電源40に供給して、電源40を充電可能である。電力変換装置20は、フロントインバータ24fと、リアインバータ24rと、平滑コンデンサ26fと、平滑コンデンサ26rと、コントローラ28と、を備える。
【0017】
フロントインバータ24fは、電源40とフロントモータ12fとの間に接続されている。フロントインバータ24fは、電源40から出力される直流電力をフロントモータ12fの駆動電力に変換可能であるとともに、フロントモータ12fから出力される回生電力を直流電力に変換可能である。
【0018】
リアインバータ24rは、電源40とリアモータ12rとの間に接続されている。リアインバータ24rは、電源40から出力される直流電力をリアモータ12rの駆動電力に変換可能であるとともに、リアモータ12rから出力される回生電力を直流電力に変換可能である。
【0019】
フロントインバータ24f及びリアインバータ24rは、複数個のスイッチング素子で構成される。インバータの構成及び動作原理は、よく知られているので、説明を省略する。
【0020】
平滑コンデンサ26fは、フロントインバータ24fの直流端の正極と負極の間に接続されている。また、平滑コンデンサ26rは、リアインバータ24rの直流端の正極と負極の間に接続されている。平滑コンデンサ26f、26rによって、インバータ24f、24rのスイッチングノイズ(即ちリプル電流)が抑えられる。
【0021】
コントローラ28は、フロントインバータ24f及びリアインバータ24r内のスイッチング素子を制御する。具体的には、コントローラ28は、上位のコントローラ(図示省略)から取得される目標指令に基づいて、各スイッチング素子のゲート電極に入力されるPWM(Pulse Width Modulationの略)信号(即ちスイッチング周波数とデューティ比)を決定する。そして、コントローラ28は、決定済みのPWM信号を各スイッチング素子に供給する。
【0022】
図1に示すように、フロントインバータ24fは、電力線23fを介して、電源40に接続されており、リアインバータ24rは、電力線23rを介して、電源40に接続されている。電力線23f及び電力線23rは、それぞれ、寄生インダクタンスを有する。このため、電源40と各インバータ24f、24rの間には、電力線23f、23rの寄生インダクタンスと平滑コンデンサ26f、26rとで構成されるLC回路30が存在する。LC回路30は、所定の共振周波数を有する。所定の共振周波数は、寄生インダクタンスの値と平滑コンデンサの静電容量によって決まる。特に、このようなLC回路による共振周波数は、1個の平滑コンデンサ(例えば26f)のみを備えている構成よりも、2個の平滑コンデンサ26f、26rを備えている構成(即ち、第1インバータの直流端の正極と負極の間に接続されている第1平滑コンデンサと、第2インバータの直流端の正極と負極の間に接続されている第2平滑コンデンサと、を備えている構成)において顕著に表れる。
【0023】
平滑コンデンサ26fには、フロントインバータ24fで発生したリプル電流If(即ちスイッチングノイズ)が伝達する。リプル電流Ifの周波数が、LC回路30の所定の共振周波数に近づくと、リプル電流Ifの振幅が増幅する。また、平滑コンデンサ26fには、リプル電流Ifだけでなく、電力線23f、23rを介して、リアインバータ24rで発生したリプル電流Irも伝達する。リプル電流Irの周波数が、LC回路30の所定の共振周波数に近づくと、リプル電流Irの振幅も増幅する。例えば、リプル電流Ifの周波数とリプル電流Irの周波数が同時にLC回路30の所定の共振周波数に近づくと、平滑コンデンサ26fを流れるリプル電流Ic(=If+Ir)の振幅は、大幅に増幅することなる。リプル電流Icの振幅が大幅に増幅すると、平滑コンデンサ26fが大きく発熱し、平滑コンデンサ26fの許容耐熱を超えるおそれがある。この問題に対処するために、平滑コンデンサ26fの許容耐熱を向上させればよいが、平滑コンデンサ26fが大型化する。
【0024】
本実施例では、上記の問題に対処するために、フロントインバータ24fのリプル電流Ifとリアインバータ24rのリプル電流Irが同時に共振周波数の近くにならないようにする。以下では、そのための手段について説明する。
【0025】
一般に、インバータのリプル電流の周波数について、次の式が成り立つ。
【0026】
リプル電流の周波数=スイッチング周波数±n×(交流モータ内の電流の周波数)
【0027】
スイッチング周波数は、キャリア周波数に等しい。また、nは、例えば、1、3、5の整数である。本実施例では、フロントインバータ24fとリアインバータ24rにおいて、PWM信号のスイッチング周波数が同じである。このため、電気自動車100がある車速で走行している場合に、フロントモータ12f内の電流の周波数とリアモータ12r内の電流の周波数とが異なっていれば、フロントインバータ24fのリプル電流Ifの周波数とリアインバータ24rのリプル電流Irの周波数が異なることとなる。この結果、電気自動車100がある車速で走行している場合に、リプル電流Ifの周波数が共振周波数に一致する場合であっても、リプル電流Irの周波数が共振周波数に一致しない。即ち、リプル電流Ifの周波数とリプル電流Irの周波数は同時に共振周波数に一致しない。
【0028】
本実施例では、フロントモータ12f内の電流の周波数とリアモータ12r内の電流の周波数とが異なるように、フロントモータ12fの出力軸と前輪10fとの間の減速機14fのギア比と、リアモータ12rの出力軸と後輪10rとの間の減速機14rのギア比と、を異なる比率に設定する。電気自動車100がある車速で走行している場合に、前輪10fと後輪10rの回転数は同じである。このため、減速機14fのギア比と減速機14rのギア比が異なると、フロントモータ12fの回転数とリアモータ12rの回転数が異なる。ここで、交流モータ内の電流の周波数は、交流モータのステータの極対数と交流モータの回転数によって決まる。本実施例では、フロントモータ12fの極対数とリアモータ12rの極対数は同じである。このため、フロントモータ12fの回転数とリアモータ12rの回転数が異なると、フロントモータ12f内の電流の周波数とリアモータ12r内の電流の周波数が異なる。この結果、上記の式により、電気自動車100がある車速で走行している場合に、フロントインバータ24fのリプル電流Ifの周波数とリアインバータ24rのリプル電流Irの周波数が異なることとなる。これにより、リプル電流Ifの周波数とリプル電流Irの周波数は同時に共振周波数に一致しない。
【0029】
図2を参照して、電気自動車100の車速と平滑コンデンサ26fを流れるリプル電流Icとの関係を説明する。図2の右下段のグラフG1は、各インバータから平滑コンデンサ26fまでの電流のゲイン特性を示し、左下段のグラフG2は、車速と交流モータ内の電流の周波数との関係を示し、上段のグラフG3は、車速とリプル電流Icとの関係を示す。グラフG1、G2において、実線がフロントインバータ24f及びフロントモータ12fの特性を示し、破線がリアインバータ24r及びリアモータ12rの特性を示す。
【0030】
グラフG1において、横軸は電流ゲインを示し、縦軸は周波数を示す。グラフG1に示すように、フロントインバータ24fから平滑コンデンサ26fに伝達する電流及びリアインバータ24rから平滑コンデンサ26fに伝達する電流は、LC回路30の所定の共振周波数frで増幅する。即ち、グラフG1は、フロントインバータ24fのリプル電流Ifとリアインバータ24rのリプル電流Irが共振周波数frで増幅することを意味する。
(【0031】以降は省略されています)

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